2018年6月18日月曜日

レーンキープアシストを使ってみました

代車としてあてがわれたアクセラ15S Proactiveは半年前に登録されたばかりの新しい車でしたので、レーンキープアシストが標準装備されていました。デミオやCX-3ではまだレーンキープアシストが装備されておらず、アクセラ以上にのみ装備されています。

レーンキープアシストは時速60km以上かつ車線の白線や黄色い線がはっきり見えて比較的線形の良い道路で作動して、車線から逸脱しそうになると電動パワーステアリングが介入して車線中央に戻そうとします。動作しているときにはアクティブ・ドライビング・ディスプレイ上でレーンの表示が出ます(車線逸脱警報システム動作時と同様)。実際に使ってみたところ、動作速度は厳密に時速60km以上というわけでなく、時速55kmくらいから動作するときもありました。しかし、これくらいの速度域だと確実に動作するわけではありません。

レーンキープアシストがどのように動作するのか試してみたかったので敢えてズボラな運転をしてみたところ、コーナーでは電動パワーステアリングの手ごたえを感じます。ステアリングを切り始めるタイミングは心なしか早めに感じますが、きっとそれが本来のタイミングなのでしょう。G-ベクタリングコントロールとあいまって、そこそこ高めの速度でも車が勝手に曲がるような感覚ですが、あくまでも安全な領域から逸脱しそうになるときのみ介入してきますので、普通に運転する分には介入を感じることがありません。介入のタイミングや感度は設定画面で調整することができますので、介入の仕方が不快に感じられる場合には、介入タイミングを遅くしたり感度を低くしたりできますし、機能をオフにすることもできます。

マツダのレーンキープアシストが日産のプロパイロットやスバルのアイサイトと異なるのは、安全な状況では介入せずドライバーの主体性に委ねる点です。プロパイロットやアイサイトのような半自動運転が実現したからといってドライバーの注意義務がなくなるわけではありませんが、機械任せの運転では退屈ですので集中するのが難しいです。また、常時介入するシステムはドライバーの体感と一致すれば便利な反面、ドライバーの体感と一致しないと不快に感じられます。ヒューマンエラーに対するバックアップが必要なときだけ機械が介入して、それ以外の場面ではドライバーが主導権を握るというのは、人と機械の役割分担としてはよく練られていると感じます。「自動で何でもできる」というようなわかりやすいキャッチコピーではありませんが、そういうことよりも安全な運転がどのような運転なのかを真面目に考える方が好ましいと考えます。

レーンキープアシストは主に高速道路向けの機能であることから、クルーズコントロールと組み合わせて使う機会が多いかと思います。緩いコーナーではステアリングに軽く手を添えていると自動で電動パワーステアリングのアシストが入りますので、運転が楽です。

あいにく代車には追従型クルコンがついていなかったため、追従型クルコンとの組み合わせでどのように動作するかを試すことはできませんでしたが、こうなると高速道路での走行で機械任せにできないのは追越時の進路変更くらいです。ちなみに進路変更時にウインカーを出していればレーンキープアシストが介入することはありませんが、某地域のように進路変更時にウインカーを出さないような所では進路変更時にレーンキープアシストが介入してきますので不快な思いをすることでしょう。

せっかくここまでできるのでしたら、もっと欲張ってほしいものです。カメラで前方のレーンを識別しているのですから、コーナーの形状が見えているはずです。それならばコーナー手前でアクセルを少し抜いてステアリングを切ったり、コーナー出口で少し加速したりといった加減ができるともっと気持ちよく走れるのではないでしょうか。