2016年10月29日土曜日

デミオディーゼルにアルミテープを貼って長距離を走ってみました

街乗りだけではアルミテープの効果がわかりませんので、長距離を走ってみました。あいにく自動車メーカーがテストコースで走らせるのと違って計測機器を搭載して同じ条件で何度もデータを取得しているわけではありませんので、あくまでも主観でしかありませんが、いろいろな人の感想を集計してみれば何か見えてくるかもしれません。

【結論】

  • 運転しやすくなりました。
  • 中速域で風切り音が減少しました。
  • i-DMの点数が上がりました。
  • 燃費向上は体感できず。

【ステアリング】
修正舵が激減しました。高速コーナーでは安定感が増して走りやすくなりました。しかし、「ステアリングがどっしりと重くなる」とか「地面に吸い付くような走り」といった感覚は特にありません。デミオのXD Touringはもともとステアリングが重いですし、直進安定性も良好ですので、差が出にくいのかもしれません。むしろ、なんだかよくわからないけどなぜか運転が楽になったという感覚です。

【風切り音】
中速域では風切り音が減少してエンジン音が従来よりもよく聞こえるようになりました。一方、高速域ではもしかしたら風切り音が減少しているかもしれないものの、風切り音そのものは速度相応にありますので、あまり静かになった実感はありません。しかし、今まではBピラーから入ってきた騒音が耳障りだったのに対し、Bピラーから耳障りな音が入ってこなくなりました。

【i-DM】
アルミテープを貼ったらi-DMの点数が上がるなんてまさにオカルトですが、それでもなぜか点数が上がりました。運転技量が向上したわけではありませんので、今まで外気による攪乱で損をしていたのでしょう(同様に路面の凹凸による攪乱でも点数が下がります)。素直に加速が伸びるようになったのと、修正舵が減ったのが効いているのかもしれません。

【燃費】
無駄な空気抵抗が低減されるとしたら燃費に反映されるのではないかと期待したのですが、比較的燃費に有利な条件で走行したにもかかわらず、なぜか燃費は伸びませんでした。空力性能自体が向上しているわけではありませんので、空気抵抗が大きくなって燃費に効いてくるような速度域では車の本来の空力性能が効いてくるのかもしれません。

【車体後方の埃の巻き上げ】
まだ雨の日に走行していませんので、車体後部の汚れ方の違いを実感できていません。

まだいい加減にアルミテープを貼っているだけですので、効果を感じられない領域であってもアルミテープの貼り方を工夫すれば効果が出る可能性はあるものの、たった500円程度の設備投資で運転しやすくなっただけでも十分に効果を感じられます。

修正舵が減るとか直進安定性が増すとかはG-ベクタリングコントロールでも効果があるようですが、G-ベクタリングの効果がわかりにくいのに対し、アルミテープは素人が運転しても運転のしやすさに違いを感じることができます。マツダがエンジン制御ソフトウェアを作り込んでG-ベクタリングコントロールを実装したのに対し、トヨタはローテクで安価なアルミテープで似たような効果を実現しているのが興味深いです。しかし、G-ベクタリングコントロールが荷重移動をコントロールするのに対し、アルミテープは空力の改善をもたらすものですので、両方を併用すると相乗効果があるかもしれません。

今後は非導体への帯電を考慮した空力シミュレーションを導入できれば、より実際の走行条件に近い空力設計ができるのではないでしょうか。

2016年10月27日木曜日

デミオディーゼルにアルミテープを貼って走ってみました(第一印象)

せっかくアルミテープを貼りましたので、近所の買い物で少し走ってみました。時速30~40kmくらいでも効果がわかるとのことですので、少しは効果が見られたかもしれません。

どっしりとした安定感のある走りを期待してみたのですが、いざ走らせてみると、今までよりも車が少し前に出る感覚でした。本来の空力性能に近づいたのかもしれません。後方の乱気流は走行抵抗になりますので、それが無くなればたしかに同じように運転しても前に進みやすくなるのでしょう。一方、減速時には今までと同じタイミングでブレーキをかけるとわずかに停止位置が前にずれますので、停止時に衝動を出さないようにするのに苦労しました。

出足が滑らかになったせいか、i-DMの点数が上がりました。今まで空力性能のせいで損をしていたのでしょうか。

風切り音は全然聞こえませんでしたが、そもそも風切り音が気になるような速度域では走らせていませんので、どの程度効果があるのかはわかりません。

そもそもアルミテープは車がある程度帯電するときでないと効果を発揮しませんので、高速道路を使ってもう少し長距離長時間走ってみないとまだわかりません。

2016年10月26日水曜日

デミオディーゼルにアルミテープを貼ってみました

2016年9月にトヨタから「車体にアルミテープを貼ると帯電されていた電荷が放電されて車体周辺の空気が整流されて走りが良くなる」と発表されました。プロボックス等の商用車では既に製造時に目立たない所にアルミテープが貼られた状態で出荷されているとのことですので、必ずしも走り屋向けのオカルトとも言い切れないようです。

別に走り屋ではありませんし走り屋みたいに見られるのも嫌ですのでエアロパーツの類は一切つけていないのですが、外から見えない所にアルミテープを貼るだけで走りが良くなるならやってみる価値があろうと思って試してみました。やってみて効果が無くてもせいぜい500円程度の出費でしかありません。

動機は3つありました

  1. もともと車体後方の整流が悪いせいで車体後部が汚れやすいのに困っていました。リアウインドーが汚れると視界が悪くなり運転に支障します。かといってエアロパーツをつけるのは嫌ですので、ずっと我慢していました。
  2. 次は高速走行時の風切り音です。高速走行時はディーゼルエンジン特有のカラカラ音がしませんし、ロードノイズも速度相応ですが、風切り音が大きく、Bピラーから音が侵入してきますので耳元がうるさいのが気になっていました。デミオは限られたスペースにディーゼルエンジンを載せるために空力性能が若干犠牲になっているだろうかと思っていました。高速走行時に横風が吹くとリアが流されますし。
  3. もう1つは、新車装着タイヤのトーヨーProxes R39を履き潰してヨコハマブルーアース-Aに履き替えて以降、出足が少し良くなったり軽快に曲がるようになった反面、高速域でどっしりとした感じが損なわれて、高めの速度で曲線を通過する際の安定感が不足していると感じました。かといってG-ベクタリングコントロールを後付けするわけにもいかず、どうにかならないものかと思っていました。


スーパーに買い物に行ったついでにアルミテープを探していたのですがなかなか見つからず、最近になってやっと手に入りました。ホームセンターに行けばもっと簡単に手に入ることでしょう。

まず最初に貼ったのはステアリングコラムカバーの下です。ここなら目立ちませんし、直進安定性に絶大な効果があるとのことですので、貼らない手はありません。あとは目立たない場所ということでフロントバンパーの下とリアバンパーの裏側にも貼ってみました。さらに、サイドミラー下も目立たないし風切り音の発生源であることを思い出して、サイドミラーの下にも貼りました。

効果があるかどうかは実際に走ってみないとわかりませんので、特にギザギザに加工することもなく、割といい加減に貼りつけてしまいましたが、もし効果が出るならもっと丁寧に貼ってみようと思います。なにせ10mのアルミテープのうち、まだ1m弱しか使っていませんので、アルミテープの残りは十分にあります。ただ、なにぶん見えない場所に貼りますので、丁寧に作業するとなるとフロアジャッキのある場所で目視しながら作業したいものです。

どれくらい効果が感じられるかについては、実際に走ってみてから追ってお知らせしたいと思います。

2016年10月25日火曜日

マイナーチェンジ後のアクセラの実車を見ました

2016年7月にアクセラがマイナーチェンジされて以来、マイナーチェンジ後のアクセラの実車を見かける機会がほとんどなくて、最近になって1台か2台すれ違いざまに見かけた程度です。このたびやっと近くで実車を見る機会に恵まれました。

見ただけですのでエクステリアに関する感想しかないのですが、フロントグリルの形状が変更されたおかげで落ち着いた感じになりました。ヘッドライトのLED化に合わせてライト周りが変更になったことや、G-ベクタリングコントロールの導入によって落ち着いた乗り味になったことを受けての変更かもしれませんが、マイナーチェンジ前のフロントグリルに日本の白いナンバープレートをつけると出っ歯みたいに見えましたので、それを修正する狙いもあるのかもしれません。実際、マイナーチェンジ後はフロントグリルが五角形から台形に近づいたこともあり、あまり出っ歯のようには見えず、日本のナンバープレートをつけても違和感が無くなりました。むしろスバルの六角形フロントグリルに近い印象です。フロントグリル周りの印象はかなり変化しています。

見るだけでなく運転してみたいものですが、レンタカーに入るのはもうしばらく先でしょうから、ディーラーで試乗するくらいしか手段がありません。

2016年10月14日金曜日

デミオの年次改良(2016年秋)

2016年10月14日にデミオの商品改良が発表されました。アクセラから導入されたものが大半ですが、変更箇所は多岐に亘っています。このクラスの国産車では破格の装備ですが、それでいて値段は据え置きです。他の車種と共通化することでコストを抑えているものもありますが、追従型クルーズコントロールのようにコスト増要因もありますので、一体どこでコストを抑えたのでしょうか。

10月13日にはインプレッサのフルモデルチェンジが発表されました。ただでさえアクセラはインプレッサに競り負けているのに、これでさらにインプレッサに引き離されそうです。一方、水平対向エンジンを採用するスバルにはBセグメント車を作れませんので、Bセグメント車ならではの取り回しの良さをアピールしてダウンサイジングを狙う作戦なのかもしれません。

【パワートレーン】

  • G-ベクタリングコントロール
  • サスペンションセッティングの変更
  • 電動パワーステアリングセッティングの変更
  • ナチュラル・サウンド・周波数コントロール

アクセラから採用されたものです。どれも実際に乗ってみないとわからないものばかりです。

【運転席周り】

  • アクティブドライビングディスプレイの高精細化、高輝度化、カラー化
  • メーターの視認性向上
  • ステアリングホイールの形状変更

アクティブドライビングディスプレイは今まで輝度が低かったために速度計の視認性があまり良くなくて、結局タコメーター右下の速度計を見ていましたので、あまり恩恵がありませんでした。今回の改良でどの程度視認性が向上したかは、実際に運転してみないとわかりません。

ステアリングホイールの形状変更はエアバッグ小型化の産物で、ボタンを設置するスペースに余裕ができたためにそれに合わせた配置にしたようです。

【安全装備】

  • アダプティブ・LED・ヘッドライト
  • スマート・ブレーキ・サポート
  • マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール
  • スマート・シティ・ブレーキ・システム・リア
  • AWD車向けにリアフォグランプとヘッドランプウォッシャー

遂に念願の追従型クルーズコントロールがつきました。これで高速道路での運転がだいぶ楽になります。追従型クルーズコントロールはディーゼルエンジン車とガソリンエンジン車の上位車種(13S Touring以上)にメーカーオプションで搭載できますので、高速道路の走行車線をクルコン任せでのんびり走るなら、ガソリンエンジン車でも動力性能に不足はなく、となると13S Touringや13S Touring L-Packageは意外とお買い得かもしれません。街乗りではガソリンエンジン車の方が使い勝手がよいですし、コーナリングもフロントの軽いガソリンエンジン車の方が有利です。

アダプティブLEDヘッドライトはハイビームの必要ない地域では恩恵が無いかもしれませんが、ハイビームをつけないと前が見えないような田舎では必要な機能です。今までのハイビームコントロールだとハイビームになるべきときになかなかハイビームにならなくて前がよく見えずに不安なことがよくありましたので、結局ハイビームコントロールを無効にして手動でハイビームとロービームの切り替えをすることになってしまいました。この手の自動化装備は意図した通りに動作しないと結局使われなくなってしまい、かけたコストが無駄になってしまいます。

安全装備を求める人にとってはこのクラスの国産車では破格の装備で、ポロに追いついてきました。しかし実用に堪えるかどうかはまた別の問題です。

【エクステリアデザイン】

  • フロントグリルガーニッシュの塗色変更(ディーゼル車の赤ライン廃止)
  • LED化したフォグランプ周りにメッキの加飾
  • アルミホイールの塗装の変更

フォグランプ周りにメッキの加飾をしたのは、フォグランプがLED化して小さくなったために、何らかのアクセントをつけないとバランスが悪くなってしまうためでしょう。また、グレー塗装を増やしたためにアルミホイールの塗装もそれに合わせたものになったようです。

【塗色】
  • マシーングレー追加、メテオグレーマイカ廃止
  • エターナルブルー追加、ブルーリフレックスマイカ廃止
  • ソニックシルバーメタリック追加、アルミニウムメタリック廃止
  • ディープクリムゾンマイカ追加、スモーキーローズマイカ廃止
マツダのカタログ写真での見え方は実車での見え方と異なりますので、実車を見ない限り何とも言えません。

マシーングレーとエターナルブルーはアクセラから導入された色ですが、今回のデミオの商品改良で初めて導入されたのはディープクリムゾンマイカです。実車ではぎらぎらするソウルレッドに対してもっと落ち着いた色合いの赤があってもよいと思っていましたが、メディアで公開された写真では赤というよりもむしろ阪急電車のように見えます。写真で見る限りはミドルセダンのような落ち着いた色使いで、日産のブルーバードとかでありそうな塗色です。後日ディープクリムゾンマイカの実車を見る機会がありましたが、実車で見ても阪急電車でした。

スモーキーローズマイカは色単体ではきれいなのですが、かなり個性の強い色ですので、車の塗色としては定着しなかったようです。

ブルーリフレックスマイカが廃止になったのは単純に不人気だったからでしょう。青系の塗色は明るい順にダイナミックブルー、エターナルブルー、ディープクリスタルブルーマイカの3色ですが、エターナルブルーはダイナミックブルーほど鮮やかではなく、ディープクリスタルブルーマイカほど暗くもなく、中庸を狙っているように見えます。普段使いの車として目立ちすぎないようにということでしょうか。

【インテリア】

  • 白レザーがオフホワイトからピュアホワイトに
  • 黒革内装の新設
  • ファブリックシートから赤の差し色の廃止(黒革内装に準じた色使いに)
  • ダッシュボードやシフトノブ等の赤ステッチの廃止
赤の差し色が徹底的に排除されている印象ですが、どのような意図によるものなのか、デザイナーのコメントに興味があります。素人目には元気そうな感じから落ち着いた感じにシフトしているように見えますが、G-ベクタリングコントロールの導入で乗り味が変わったからでしょうか。あるいは追従型クルーズコントロールの導入で高速道路の走行車線をのんびり走るニーズが増えると踏んでのことでしょうか。

写真で見る限りは、他のコスト増加を相殺するために内装周りのコストを下げたように見えますが、実際のところどうなのかは、実車を見てみないと何とも言えません。内装の質感の高さを求める向きには特別仕様車を提供することでコスト重視の顧客と内装重視の顧客との棲み分けを図っているのかもしれません。

【後席周り】
  • 後席にアシストグリップ
  • リアヒーターダクト
  • リアドア開閉音の改善
  • リアゲートの遮音性の強化
実質2人乗りと割り切った車でしたが、想定以上に後席の利用が多かったのか、あるいはG-ベクタリングコントロールの導入で後席の乗り心地が改善して後席の利用が多くなると踏んだのか、後席の居住性が改善されています。今まで後ろ半分があまりにチャチで、まるでアクセラの前半分にDEデミオの後ろ半分を継ぎ足した印象でしたが、今回の改良でバランスが良くなっている印象です。しかし後席に人を乗せる前提で考えると後席の狭さが気になるのではないでしょうか。もともと2人乗りと割り切って後ろ半分のコストを切り詰めてその分前半分にお金をかけることで、前半分に乗る限りは車格の割に良い内装と良い走りを実現できていましたが、後ろ半分にもお金をかけられる余裕ができたのでしょうか。

【総評】
G-ベクタリングコントロールの採用で落ち着いた走りになったせいか、全般的に元気そうな感じが鳴りを潜めて落ち着いた雰囲気にシフトしています。また後席の居住性も改善しています。しかしミドルセダンをそのまま小さくしたような車にしてしまうと、小ささや後席の狭さが浮き彫りにならないか少し心配です。

2016年10月3日月曜日

16インチのBluEarth-Aで山道を走ってみました

2車線の普通の山道と舗装された酷道とダートの険道を走ってみました。コーナーでの踏ん張り自体はさほど悪くありません。コーナリングで青点灯するくらいの横Gであっても特に問題ありません。しかしi-DMではステアリングで白点灯が多く出て減点されるという結果になりました。コーナーで青点灯する場面も増えましたので、もっと点が良いかと思ったのですが、白点灯による減点が上回ったようです。

心当たりがあるとすれば、一つはダート、とりわけ礫が露出した凹凸の大きい路面で意図しない横Gを受け続けたということが挙げられますが、もう一つあるとすれば、タイヤの転がり抵抗が小さくなった結果ステアリングを切るときの手ごたえが小さくなってステアリングを切りにくくなったことが挙げられます。たしかにステアリングが軽い方が街乗りでは楽ですし、軽ければ軽いなりにステアリングを切れば切るほど手ごたえを感じられればよいのですが、ステアリングを切りすぎてしまってもさほど抵抗が発生しないと扱いにくいです。Proxes R39向けのパワーステアリングセッティングのもとでタイヤを変えたせいでバランスが崩れているようです。車速と舵角に応じてもっと重くした方が運転しやすいのではないでしょうか。

Proxes R39だとステアリングを切るときの抵抗が大きいため、車体の向きを変える際にはあたかも曲がりにくいかのように感じますが、曲がるときにはレールにはまったように気持ちよく曲がります。そのため、コーナー手前で十分に減速できるかどうかが鍵です。一方、BluEarth-Aの場合、たとえコーナー手前で十分に減速しても、ステアリングを切るときにどの程度ステアリングを切ればよいのか手ごたえを感じにくいため、コーナー通過中に安定感が得られません。Proxes R39だと、高速道路のランプウェイのような円曲線を通過するときに、緩和曲線でステアリングを切り増しているうちに、「ここ」というポイントで舵角一定で円曲線を通過できるものですが、転がり抵抗の小さいBluEarth-Aではその感覚が希薄です。

XDは最初から15インチのBluEarth-Aを履く前提でセットされていますので、高速道路を含めてコーナリングでも特に不具合を感じません。XD TouringもBluEarth-Aが新車装着タイヤであればそれに合わせたセッティングになるはずなのですが、せめてそういうメーカーオプションは無いものでしょうか。15インチだと高速道路であまり乗り心地が良くないので、16インチの選択肢が欲しいです。

なお、直進時にはセンター付近の遊びによってステアリングに手ごたえを感じることができますので、直進時にはとても楽に運転できますし、ワインディングでない普通の道でも同様です。Proxes R39だとセンター付近でも重すぎてセンター付近の遊びをほとんど感じることができないため、直進時に疲れます。

2016年10月1日土曜日

デミオXD TouringにヨコハマBluEarth-A 16インチを装着した感想

夏タイヤをBluEarth-Aに交換して初めてまとまった距離を走りましたので印象をご報告いたします。

【総評】

  • 燃費が改善(+2km/Lほど)
  • 中速域でロードノイズ激減
  • 低速域を中心に運転操作に対する車の挙動が素直になって運転が楽になった
  • 高速域でステアリングを通じて受ける抵抗が減少し、ステアリングフィールが希薄になった
  • 高速域で体感速度が低下し、慣れないうちは運転操作を誤りやすい
【燃費】
低燃費タイヤに履き替えたのですから燃費が良くならなければ困るのですが、期待通りの効果が出ています。そういえば燃費スペシャルモデルのXDは最初から15インチのBluEarth-Aを履いています。転がり抵抗の小ささが効いているのでしょう。

流れの良い都市高速道路を流れに乗って巡行するという燃費にとって理想的な条件で平均燃費24.8km/Lが出ました。平均燃費には他の区間も含まれますので、理想的な条件での平均燃費は容易に25km/Lを越えています。今まででしたら同じ条件でせいぜい22km/Lくらいでした。Proxes R39で25km/Lを出そうとすると高速道路でクルコンをつけて時速80kmで巡航するとか信号のない幹線国道で時速60kmくらいで走り続けるときくらいしか実現できませんでした。Proxes R39だと今までの最高記録が28.7km/Lくらいでしたので、同じ条件で30km/Lを越えるかどうか楽しみです。ちなみにXD TouringのAT車のJC08燃費は26.4km/Lです。

連続登り勾配を高速走行する際には今までは17km/Lくらいだったのが19km/Lくらいに向上しています。

【ロードノイズ】
全般的にProxes R39よりも低下しています。しかしBluEarth-Aでも程度の差こそあれ高速域ではロードノイズが発生しますし、一方、Proxes R39でも低速域ではロードノイズが気になりませんのでロードノイズの低下を最も体感しやすいのは中速域です。都市高速道路や一般国道で長距離を走る際にとても楽になりました。中速域のロードノイズが激減した結果エンジン音が聞こえやすくなりましたが、エンジンが温まっていないうちはディーゼルノック音が気になります(ナチュラルサウンドスムーザーのついた後期型なら問題ないかもしれませんが)。

【挙動の素直さ】
15インチほどでないにせよ16インチでもやや出足が軽くなっただけでなく、アクセル操作時の挙動が素直になり、運転しやすくなりました。特に街乗りでの運転が楽になりました。その理由を推測するに、タイヤの転がり抵抗が低下しただけでなくタイヤの重量も少し小さくなったことから、アクセルを踏み込んだときにエンジンから供給されるエネルギーがフライホイール効果に充当される割合が減って車を前進させるエネルギーの割合が増えたのかもしれません。とはいえ、ホイールは純正の重いホイールのままですので重量低下の効果は限定的なはずですが。

ステアリング操作時やブレーキ操作時も同様で、後述の通り体感速度の差にまだ適応できていないものの、体感速度と実速度との差異が無いときにはとても素直に曲がったり止まったりするようになり、i-DMで青点灯させやすくなりました。

【直進時】
センター付近の遊びが少し増えたおかげでまっすぐ走るのが楽になりました。

【中速域のコーナリング】
海辺のワインディングをのんびり走りましたが、これくらいの速度域だと素直に軽やかに曲がってくれてとても気持ち良いです。コーナー手前の減速でも軽くブレーキを踏むだけで曲がってくれます。

ショルダーの角ばったProxes R39からショルダーの丸いBluEarth-Aに履き替えてタイヤの接地面積が減少した結果、面圧が増大し、特に荷重の小さい後輪の接地が良くなったためではないかと推測します。前輪タイヤのグリップ力は低下したかもしれませんが、フロントヘビーなデミオディーゼルであっても、他の車よりも前広に運転操作すればタイヤのグリップ力に頼らなくても曲がってくれます。Proxes R39では前輪タイヤのグリップ力でねっとり曲がる感じだったのですが、BluEarth-Aでは車体が向きを変え始めてから後輪がしっかり支えてくれて車体全体で安定して曲がる感じです。

【高速域】
新車装着タイヤが敢えてロードノイズが大きく燃費もあまり良くないProxes R39を履いているのは、欧州の高速道路で安定して走るためではないかと推測しますが、BluEarth-Aでも日本の高速道路の速度域程度でしたら特に安定性が足りないとは感じません。コーナーでの踏ん張りにも特に問題ありません。ただし、Proxes R39のようなどっしりした感じではなくなります。重いProxes R39ほどにはフライホイール効果が発生しないためでしょうか。

また、同じBluEarth-Aでも15インチのようなふわふわした感じは全くなく、やはり高速道路を走るなら16インチの方が安定します。

一方、高速域ではステアリングホイールから受ける抵抗が小さくなり、ステアリングフィールが希薄でクイックになる傾向があります。Proxes R39に合わせたパワーステアリング設定ですので仕方ないのですが、後述の体感速度の低さもあいまって、高速コーナーの連続する高速道路の山越え区間ではやや走りにくいと感じました。

【体感速度】
Proxes R39は速度が高くなるにつれてうるさくなりますので、それで速度を体感していましたが、BluEarth-Aは15インチ16インチともに速度が高くなるほど体感速度が低くなる傾向があり、加速しているといつの間にか意外と速度が伸びています。転がり抵抗が減って加速が良くなっているのと、ロードノイズが減って速度を体感しにくくなっているためではないかと推測します。

体感速度の低下は快適性に寄与する一方で、体感速度は低ければよいというものでもなく、慣れないうちは運転操作をミスリードしやすいです。体感速度に基づいてブレーキをかけると実速度が高いために制動距離が意外と伸びて、ブレーキを踏み増したときにi-DMが白点灯したり、同様に体感速度に基づいてステアリングを切ると思いのほか曲がらなくてステアリングを切り増した際にi-DMが白点灯したりしたことが何度かありました。しかしこれは別にタイヤの性能のせいではなく単に運転が下手なだけだと思います。慣れればむしろ運転しやすくなるはずです。

ともあれ、今まで速度の体感のそれなりの割合を音に頼っていたことを改めて認識しました。

【総合的な快適性】
ロードノイズの低下と運転のしやすさのおかげで長距離の移動がとても楽になりました。のんびり走っているといつの間にか目的地に着いてしまい、目的地までの体感時間が短く感じられます。高速ツアラーとしてのデミオディーゼルが本来目指すものに近づいた感があります。

XD Touringの足回りのセッティングは欧州向けと同じとのことですが、アウトバーンの真ん中車線を安定して走れる性能は日本の公道では宝の持ち腐れなのですから、日本仕様を作り分けた方がよいのではないかと感じます。日本仕様でしたら敢えてロードノイズの大きいProxes R39にするまでもなくBluEarth-Aで十分に思えます。