2023年11月12日日曜日

自動車メーカー各社の納期

ここのところトヨタ車の納期が絶望的に長く、「販売店にお問い合わせください」と表示される車種が大半です。トヨタは半導体不足が原因としていますが、トヨタが調達でそんなヘマをする会社とは思えませんし、半導体不足が本当なら国内他社はどうなっているだろうかと思って調べてみました。

まずはマツダから。主力車種のCX-60、CX-5、CX-30はなんと0.5〜1ヶ月程度で工場出荷です。Mazda 3はSkyactiv-Xも含め1ヶ月程度です。他は概ね2〜3ヶ月程度ですが、タイの工場から輸入しているCX-3と、数の出ないロードスターRFのみ4ヶ月程度とのこと。意外なのは一見数が出そうなMazda 2の納期が3ヶ月前後であること。Bセグメント車は利幅が薄いので、生産能力に制約があるときにはCX-60のような利幅の大きい車の生産を優先させているのかもしれません。マツダの場合、積極的に売りたい車ほど納期が短いようです。

次はスバル。どれも2ヶ月程度で、一部2〜3ヶ月程度の車種もあります。車種によるばらつきがほぼ無く、どの車種も通常想定される納期であることから、生産能力が制約になっていないのではないかと推測します。

ホンダは比較的納期が長いです。フリードだけは1ヶ月程度ですが、ガソリンエンジン車を中心に半年かかる車種もあります。売れない車の生産を後回しにしているのでしょうか。日本向け販売の主力である軽自動車のN-BOXとN-ONEは2ヶ月程度と標準的で、生産能力の制約は無さそうです。

日産はZのような一部の売り切れ車種を除き概ね1〜2ヶ月程度。売上が補助金に左右されるサクラは今のところ1〜2ヶ月程度。マイナーな車種で3〜4ヶ月程度。ホンダもそうですが、数の出ない車は一定のロット数に達してから生産するのでしょうか。

三菱は人気車種ほど納期が長い傾向。バックオーダーを抱えているのでしょうか。

ダイハツはどれも1ヶ月〜となっており、生産能力の制約はなさそうです。

スズキは本社からは納期の開示なし。販社の情報では、相変わらずジムニーの納期が長いです。

このように横並びに見てみると、トヨタ車の納期だけが異常です。半導体不足が本当であっても、他社は普通に生産できていますので、果たしてそれだけが原因なのか疑わしいです。燃費が良くて航続距離の心配のないハイブリッド車が世界的に売れまくっているというのもあるかもしれません。トヨタはマツダと異なり海外生産が多いのにどうしたのだろうと思って調べてみたら、国内生産の半分くらいが輸出されているようです。今は円が安く輸出向けの方が高く売れますので、円が安いうちに輸出で稼ぐべく、生産能力を輸出向けに優先的に振り向けているのでしょうか。

また、マツダの納期の短さが際立っていますが、他社で通常想定される納期よりも短いのは混流生産によって受注後すぐに生産ラインを押さえられるからでしょうか。

ホンダや日産はグローバルに生産していますが、ホンダの日本国内の工場の輸出依存度が低いのに対し、日産は海外生産比率が高いのに国内工場の輸出依存度が高く、裏返せば日本国内ではろくに売れていないことになります。国内での主力車種はノート、セレナ、エクストレイルですが、セレナとエクストレイルは数が出ませんので、事実上ノートくらいしかありません。

トヨタ車を買いたくても買えない状況のもと、他社の営業が「うちなら早く納車できますよ」と売り込んでもおかしくありませんが、トヨタのハイブリッド車に匹敵する燃費性能の車はなかなかありません。となるとトヨタ車の中古車市場の相場が上がっているのかなという気もしますが、ハイブリッド車はバッテリーが劣化しますので、必ずしも新車の代替にはなりません。

2023年10月29日日曜日

Mazda 3は良くも悪くも4人乗りロードスター(その3)

常日頃からMazda 2の2Lエンジン車の燃費の悪さをあげつらっていますが、ロードスターの燃費はどうなのだろうと思って調べてみたら、1000kgと軽いのに17km/Lしか出ないのですね。同じサイズのMazda 2なら20km/Lを超えますので、スポーツカーとして燃費よりもパワーや走る楽しみを重視するセッティングなのでしょう。Mazda 3の方が一回り重いので、ロードスターよりも一回り燃費が落ちるのは別におかしくないともいえます。だったら86/BRZはどうなのだろうと思って調べてみたら、こちらはMazda 3やインプレッサよりも一回り軽くて12km/L弱。ちなみにインプレッサのマイルドハイブリッド無しは14km/L弱。インプレッサ用のエンジンがベースですので、スポーツカーというのはそもそもそういうものなのかもしれません。Mazda 3の2Lエンジン車は燃費性能だけは一人前にスポーツカー並なのだと思うと、よくぞここまでロードスターに合わせたものだと思います。

よくわからないのがMazda 3の1.5Lエンジン車で、ロードスターよりも3割以上重いのにロードスターと遜色ない燃費ですし、しかも信号の少ない道での実燃費はBセグメント並の20km/Lを出せますので(同じ道を2Lエンジン車で走ると18km/L)、同じMazda 3でもこちらはかなり燃費が良いです。その代わりアンダーパワーでエンジンをしっかり回してもあまり加速しません。もしかして、加速性能を落とせば燃費を良くすることができるということでしょうか。だとすれば、2Lエンジンの排気量をパワーではなく燃費に振り向ければもっと燃費を良くすることができるということでしょうか。エンジンの制御で調整できるのでしたら、トヨタのハイブリッド車のようにエコモードとかパワーモードとかを選べるようにしてくれるとありがたいです。一応スポーツモードというのもありますが、デフォルトの燃費性能がスポーツカー並ですので、敢えてスポーツモードを使おうという気になれません。

2023年10月25日水曜日

ICONIC SP発表

2023年10月25日のジャパンモビリティーショーにてICONIC SPが発表され、併せてプレスリリースも出ました。 

見た目は2022年11月22日の経営計画の発表の際に登場したビジョンスタディと同じです。ただし、前回は白だったのに対して今回は赤であり、RX-7に近くなっています。フロントグリルの周りの縁取りが赤いと、犬が舌を出しているようにも見えます。他社がカクカクしたコンセプトカーばかり発表している中で、キャラクターラインを廃した曲面基調のエクステリアデザインは異彩を放っています。

パワートレインは2ローターのロータリーエンジンによるシリーズハイブリッドで、出力はMX-30 Rotary-EVの2倍の370psとのこと。モーターを後部につければFRであってもドライブシャフトが不要ですが、内装の写真を見る限りではドライブシャフト用のスペースがあるようにも見えます。後輪駆動用のモーターを後部につけたらドライブシャフトなしでFRを実現できますし、エンジンと発電機の横に前輪駆動用のモーターをつけたら比較的容易にAWDにできそうですが、パワートレインの詳細についてはまだわかりません。2シーターかつ幌無しですので座席後部のスペースはトランクルームの分を差し引いても余裕があります。

エンジンは縦置きとの説が有力です。電気モーター駆動車でしたら必ずしもエンジンを縦置きにする必然性がありませんので、横置きにして極力後ろに寄せるやり方もありえますが、縦置きの方がフロントサスペンションのためのスペースを確保しやすいですし、ガソリンエンジン車と設計を共通化しやすいです。

車体サイズはロードスターよりも一回り大きく、全長は265mm、全幅は115mm大きいです。Bセグメントサイズのロードスターに対してCセグメントサイズです。重量は1450kgもありますが、CセグメントとしてはMazda 3のディーゼルとSkyactiv-Xの中間の重量。ロードスターと違って屋根付きなのは車体剛性を確保しつつ最大限に軽量化するためと推測します。MX-30 Rotary-EVよりもかなり軽いですが、車体の軽量化もさることながら、シリーズハイブリッドなので蓄電池搭載量が少ないのではないでしょうか。もしMX-30でシリーズハイブリッド車を作るとしたら、Cセグメントで1500kgくらいでしょうか。同じモーター出力でPHEVよりも重量が2割軽いので、軽快に走りそうです。

ロードスターよりも重いのは蓄電池の重量がかさむことや、ガソリンエンジン車と異なりまだ極限までの軽量化をできていないのかもしれません。普通のシリーズハイブリッドなら蓄電池搭載量をもっと少なく軽くできそうですが、370psの出力を出すためにはエンジンで発電した電力だけでは足りず、ある程度蓄電池からの放電も必要になるでしょうから、その分蓄電池の重量がかさんでいるのかもしれません。

低い車体のどこに蓄電池を置いたのか気になるところです。もしかして、後輪側にモーターを搭載したうえでドライブシャフトのある場所に蓄電池を積んでいるのでしょうか。もしそうだとするとガソリンエンジン車と車体設計を共通化しやすいです。ロータリーエンジンで直接駆動する場合は、後軸付近のモーターのあるであろう場所に変速機を配置すると、エンジンと変速機の間はトルクが小さいためにドライブシャフトが細くて済み、センタートンネルを大きくする必要がありません。重量バランスもシリーズハイブリッドとほぼ同じになります。シリーズハイブリッドの370psは過大に見えますが、ロータリーエンジンで直接駆動する場合には2.5Lレシプロエンジン相当の性能ですので、スポーツカーとしては平均的な水準です。とはいえ、蓄電池を積まない分軽量化できますので、これはこれで軽快な走りが実現しそうです。発電機とモーターと蓄電池の重量を差し引いて変速機の重量を足すと1200kgくらいでしょうか。

どのみちこの重量ではロードスターのようなライトウェイトスポーツカーにはなりえませんので、RX-7後継と位置づけて高出力にしています。走りはテスラのような大容量蓄電池を積んだEVスポーツカーに近いのではないかと推測しますが、EVよりも軽くしていますので燃費を度外視すればロードスターとテスラの中間のような走りでしょうか。

燃費についてはMX-30 Rotary-EVよりも軽量化した分と高出力化した分とが相殺されていそうですが、WLTC燃費は未公表ですのでわかりません。燃費に自信がないのか、水素やカーボンニュートラル燃料を使えるということをアピールしています。カーボンニュートラルでしたらCO2排出量規制に引っかかりません。しかし、それを実現するためにカーボンニュートラル燃料の調達をどうするのかや、液体水素のタンクどどこにどうやって積むのかについては言及がありませんので、現時点の限られた情報のもとでは、燃費が悪いことの言い訳に使っているように見えます。

2023年10月22日日曜日

Mazda 3は良くも悪くも4人乗りロードスター(その2)

Mazda 3で渋滞する道を走れば当然楽しくありませんが、少し流れが良くなってくると「いい車だな」と感じます。その一方で「いい車なんだけど」という感覚は何だろうと思っていましたが、Mazda 3で気持ちよく走れる道というのはロードスターで気持ちよく走れる道と同じなのではないかと思うようになりました。信号が無くて流れが良くてある程度自分の意図した通りにコントロールできる道路では気持ちよく走れます。田舎に住んでいればMazda 3でも気持ちよく走れますが、混雑する都会では気持ちよく走れません。特に東京に住んで電車通勤している人は車で遠出する機会がほぼありませんので、そういう用途でしたらトヨタのハイブリッド車の方が楽に運転できそうな気がします。

Mazda 3はロードスターRFのように屋根がついていて、それでいてロードスターRFよりも安く、しかも後ろに人が乗ることができて荷物もたっぷり積めて、しかもFFですので冬タイヤを履けば雪道も走れます。ロードスターはセカンドカーとしては高価ですが、Mazda 3なら1台で済みます。しかし軽自動車ばかりの田舎でMazda 3が売れるかというと、実用車にしては高価ですし、見た目を除けば趣味の車というほど振り切っているわけでもなく、しいていえば、毎日車で数十km通勤する人ならMazda 3の1.5Lに乗れば気持ちよく通勤できるかなという程度です。


2023年10月12日木曜日

電動化時代のライトウェイトスポーツカーのあり方

ライトウェイトスポーツカーというと、さほどパワーのないガソリンエンジンをしっかり回して走るイメージがありますが、電気モーターとガソリンエンジンとでは特性が異なりますので、電動化した場合には同じような走らせ方ができません。

ガソリンエンジンは低回転でトルクが細く、高回転でトルクが太くなり、回転数とあいまってパワーが出ますが、電気モーターの特性はその逆で、低回転からトルクが出ますが、回転数が上がると、回転する電機子が自ら生み出す逆起電力によってトルクが細くなり伸び悩みます。ものすごく滑らかなディーゼルエンジンのイメージです。

電気モーターによる加速感なら、電気自動車に乗らなくても日産ノートe-Powerで体験できます。アクセルを踏み込むと60km/hくらいまで一瞬で加速しますが、高速域では効率が悪いです。EV走行領域の広い新型アクアもそれに近い加速感です。この加速感をベースに運転して気持ちよいライトウェイトスポーツカーを設計するとなると、そもそも気持ちよい運転とは何かというところから設計しなければなりません。

幸い、ライトウェイトスポーツカーは高速道路で飛ばすような車ではなく一般道で気持ちよく走れることが重視されるでしょうから、さしあたり高速域のことはあまり気にしないことにして、曲がりくねった道を運転するときに何を気持ちよく感じるかを突き詰めていけば良さそうに見えます。

ノートe-Powerに乗ると、最初は面白がってアクセルを踏み込んで一気に加速したくなりますが、じきに飽きてきてほどほどに加速するようになります。それに急加速すると燃費にも悪いです。

発進時のアクセルの踏み方をどうするかですが、電気モーターは停止状態でもトルクが発生しますので、CVT車のようにいきなりアクセルをぱかっと踏み込んで加速することもできます。ただ、そのやり方ではスイッチを入れると機械が勝手に加速するだけですし、乗り心地も悪いです。最初は楽しくてもじきに飽きてくるのではないでしょうか。

エンジンよりもモーターの方が細かいトルク制御が容易ですので、コーナリング時にトルクベクタリングでサポートできるだけでなく、ドライバーの細かいアクセルワークに機敏に反応できる車にすることもできます(どこまで機敏にするかは味付け次第ですが)。

電気モーターを導入する上で難しいのはむしろブレーキで、停止直前に回生ブレーキが失効しますので、油圧ブレーキで補う必要がありますが、その切替が難しくて、電車であれ自動車であれ衝動が出やすいです。運転で一番大切なのがブレーキで、特に停止直前は制動力を抜きながら滑らかに停止させることが求められますが、その最も繊細なタイミングで衝動が出る車は運転して楽しくありません。幸い、MX-30 EVは既にその辺りがきちんと作り込まれています。

モーターの出力をどの程度の設定するかも難しくて、ライトウェイトスポーツカーの定義に即して考えればなるべく低めの方がよいでしょうし、あまりパワーがありすぎると繊細なアクセルワークが難しいかもしれません。かといって高速道路の追い越し加速くらいはできないと困りますので、それが基準になるかもしれません。

2023年10月7日土曜日

もしかしてロータリーエンジンによるシリーズハイブリッドは電動化スポーツカーには使えるのだろうか

ロータリーエンジンはシリーズハイブリッドで使う分には燃費性能が不足しているように見えますが、燃費に敏感なBセグメントやCセグメントの量産車ユーザーならともかく、ロードスターに乗るような人はさほど燃費を気にせずに、むしろロータリーエンジンの回転音や電気モーターの太いトルクによる加速を楽しめるかもしれません。それにスポーツカーはあまり数が出ませんので、多少燃費が悪くても企業平均燃費規制への影響は僅少でしょう。

テスラならともかく、スポーツカーが蓄電池で重くなってしまってはライトウェイトスポーツカーのような機敏な走りができませんので、ロードスター後継の電動化スポーツカーをもし出すとしたら、おそらく蓄電池自動車ではないのではないかと予想しています。蓄電池よりも軽くてエネルギー密度が高いのはロータリーエンジン+ガソリンです。MX-30 R-EVのパワートレインはMX-30のエンジンルームに積む分にはまだスペースに余裕がありますので、だったらレシプロエンジンでもよいのではないか、日産やホンダはできているのにと思いましたが、ロードスタークラスのライトウェイトスポーツカーのエンジンルームに収めようとしたら小型軽量化が必要でしょう。

ロードスターはFRですので車体中央にドライブシャフトが通っていますが、後輪車軸付近にモーターを配置するならドライブシャフトが不要になり、設計の自由度が増します。前輪側のモーターも残せば4WDになります。できれば4輪にインホイールモーターがつけば面白そうですが、数の出ないスポーツカーでは開発費の回収が厳しそうです。

ロードスターはもともとMazda 2用の1.5Lエンジンをベースにしていたり、内装部品もMazda 2と共通だったりして、量産部品を活用することでコストを圧縮しています。ロータリーエンジンによるシリーズハイブリッドも量産車と共通化することでコストを圧縮できるかもしれません。MX-30 R-EVで採用されている技術は、MX-30単体で見る限りではあまり合理性を見いだせませんが、もしロードスター後継者まで念頭に入れているのであれば、もしかしたらありかもしれません。MX-30 R-EVのハイブリッドモードの燃費が悪いのは、もしかしたらエンジン回転数を変化させているためかもしれず、それはMX-30ではさほど意味があるように思えませんが、ロータリーエンジンを積んだスポーツカーには必要なことかもしれません。

ロードスター後継の電動スポーツカーのためにそこまでするかという気もしないでもありませんが、先日のロードスターのマイナーチェンジのために注いだ開発陣の熱量ならありえなくもありません。

2023年9月28日木曜日

ヤリスハイブリッドOEMのMazda 2がほしい

ヤリスハイブリッドは、卓越した燃費性能で有名ですが、それだけでなくパワートレインもシャシーもすぐれていますので、正直国産Bセグメント車はヤリスハイブリッド圧勝状態です。そのため燃費性能確保が急務である欧州ではヤリスハイブリッドをそのままMazda 2ハイブリッドとして販売しています。

どうせなら日本でも販売してくれたらいいのにと思いますが、バッジ以外全部ヤリスハイブリッドと同じなら、わざわざマツダディーラーで買うまでもなく、トヨタディーラーで買えば済むことです。とはいえ、トヨタディーラーでルーミーを購入するよりも同じクルマをダイハツディーラーやスバルディーラーで購入する方が安いようですので、マツダOEMの方が安いのでしたらそれも検討しますが。

上記の通りヤリスハイブリッドは素晴らしい車ですが、マツダ車を知っていると、エクステリアとインテリアはマツダにならないものかと思います。ヤリスハイブリッドに手を加えれば、手を加えた分の開発費がかかりますが、それでもヤリスのパワートレインとシャシーを踏襲するのでしたらその部分では開発費がかからないのですから、浮いた費用をエクステリアとインテリアに振り向けられないものかと思います。

まずはアクセルペダルから。最近のトヨタ車のアクセルペダルは吊り下げ式であっても使い勝手が良いですが、それでもトヨタはプリウスではオルガン式を採用しました。ヤリスのベース車がオルガンペダルを採用するならそれに越したことはありませんが、そうでなければMazda 2向けに手を入れてほしいものです。オルガン式アクセルペダルを踏むときの操作と吊り下げ式のブレーキを踏むときの操作とでは全然違いますので、アクセルペダルとブレーキペダルの文間違えも起きにくくなるのではないでしょうか。

次はシート。BMアクセラ、DJデミオ、BP Mazda 3と優れたシートを導入しているのですから、ヤリスハイブリッドベースであってもMazda 3ベースのシートを入れてほしいものです。ヤリスの下位グレードについているヘッドレスト一体型のシートは、ある程度背もたれを倒さないとヘッドレストが当たって運転しにくいです。

トヨタ車のディスプレイオーディオをマツダコネクトに入れ替えるのは現実的ではありませんが、それでもマツダコネクトのうちコマンダーノブは秀逸ですので、なるべく採用してほしいものです。そこまで手を加えるとしたら、むしろトヨタのヤリスにも反映されそうですが。

ドライビングポジションに手を入れるためには前輪の位置を前にずらす必要がありますが、シャシーを所与としたらそれは難しいでしょう。とはいえ、今のヤリスにそこまで不満があるわけでもありません。

エクステリアについてはバンパー部分をマツダ顔にするくらいしかやりようがないのが実態でしょうが、塗色でチャレンジすることはできないものかと思います。塗料は製造ラインにあるものですので、マツダの塗料をトヨタの工場に持ち込むのはさすがに現実的ではないだろうと思いますが、何か工夫の余地はないものでしょうか。

テールランプをいじるのは難しそうですが、マツダのテールランプになると見た目の印象がだいぶマツダ車に近づくと思います。

装備については載せ替えるのは現実的ではありませんが、トヨタ車に無くてマツダ車にあるのはアダプティブLEDヘッドライト。単なるハイビームコントロールよりもよくできてると思います。

マツダから提供できる技術を反映させて共同開発という形にすれば、単なるOEM調達よりも安価に調達できる可能性があります。

クルーズコントロールやレーンキープアシストについては今はトヨタ車の方が出来が良いので、これはトヨタ車のをそのまま踏襲したいです。というか、既存のマツダ車にもトヨタ製のを入れた方がましなのではないでしょうか。

2023年9月21日木曜日

ではマツダが小型EVを作ることに意味があるのか

PHEV1台にまとめるよりも、小型EV+公共交通機関と現地レンタカーの方が効率的なのではないかとは思うものの、ではマツダが小型EVを作ることに意味があるのかといえば残念ながら意味がなさそうですので、 小型EV+公共交通機関と現地レンタカーの社会になってしまうとマツダの存在意義は何ぞやということになってしまいます。

マツダ車の魅力は運転する楽しさ。それを実現するための過渡領域の作り込みこそがマツダ車の技術です。ひるがえって、街乗りの足車には、運転する楽しさはさほど求められていません。パッソやルーミーで長距離を走るのは苦痛でしかありませんが、町中をちょろちょろ走る程度でしたら、まあこんなのでもいいかなと感じます。少なくとも、徒歩や自転車よりは楽ですので。極論すれば別に中国製EVでもよいわけです。

街乗り専用の小型車といえば、自動車の中ではコモディティの位置づけで、それなら安ければ安いほどよいという価値観になってしまいます。ただでさえ利幅の小さい小型車の市場でコスト競争に巻き込まれたら自動車メーカーには利益が残りません。

良い車とは長距離乗っても疲れない車のことですので、良い車を作れるならたまにしか乗らない長距離用の車を作る方が向いていそうに見えます。ではマツダはたまの遠出用の大人4人が乗れるディーゼルエンジン車としてCX-60やCX-80だけを売っていればよいのかというと、それでは企業平均燃費規制をクリアできません(日本には企業平均燃費規制がないようですので、心置きなくディーゼルエンジン車を売ればよいのでしょうけど)。企業平均燃費対策としてはPHEVを出したりトヨタのハイブリッドシステムを積んだ車を出したりすればよさそうで、それは現にやっていることです。

そう考えるとMX-30 Rotary-EVはマツダが電動化でできるギリギリを狙った車であるように見えます。それを買うかどうかはともかくとして。

PHEVに関する素朴な疑問

池田直渡「週間モータージャーナル」内の「復活のロータリー「ROTARY-EV」で、マツダは何をつくったのか」という記事はMV-30 Rotary-EVの本質を記した秀逸な記事で、たしかにそれを読むとなるほどと思います。PHEVは自宅で充電できてEVを運用できる環境の人がたまに遠出するときのために車にエンジンと発電機を積んでいる、たまにしか使わないエンジンは小さくて軽い方がよいと言われればそうなのだろうと思います。

一方、素朴な疑問も沸き起こってきます。そもそも普段使いの街乗り用途と、たまにしか使わない遠出用途という相反する用途を果たして1台の車にまとめる必要があるのでしょうか。普段使いの街乗り用途では日産サクラのような小型EVを使い、たまに遠出するときには飛行機や新幹線等の公共交通機関+現地レンタカー、場合によっては出発地でレンタカーを借りたりする(こちらは高速代や燃料代が結構かかるので、コスト面では公共交通機関利用に対してさほど優位性はない)方がコストが安いのではないでしょうか。CセグメントのPHEVなら1台500万円。小型EVなら1台200万円くらい。それに公共交通機関+現地レンタカーの旅費を5年分加えても合計で300万円くらいではないでしょうか。

田舎では駐車スペースに余裕があり、車の複数台持ちが珍しくありませんから、普段の足車としては自宅で充電できる小型EV、たまに遠出するとき用に資本コストが比較的安いガソリンエンジンの少し大きめの車を置いておくのでもよいでしょう。普通のガソリンエンジン車は燃費が良くありませんが、それを言ったらロータリーエンジンだって決して燃費は良くありません(RX-7の時代の10倍の燃費性能を確保した技術力はすごいですが)。滅多に乗らない車を持つことに意味があるのかといえば、近所にレンタカー店舗がないような田舎なら意味があるでしょうし、必ずしも新車を買う必要はありませんので、中古車を買ったり、今まで何年も乗ってきて減価償却の進んだ古い車を遠出用として敢えて残しておくといったやり方もあるでしょう。

めったに使わない遠出用途のために、なぜエンジン+発電機+燃料タンクを車に積みっぱなしにしなければならないのでしょうか。重いものを積めばPHEVに必要なバッテリー容量も増えてしまいます。ロータリーエンジンは比較的小型軽量ではあるものの、そもそもエンジンも発電機も積まなければもっと軽くできます。

車は移動の手段なのですから、車単体の性能よりも、ライフスタイル全体の中での車の使い方を考える方がよいのではないでしょうか。

2023年9月14日木曜日

MX-30 Rotary-EVの諸元データ

2023年9月14日で日本向けのMX-30 Rotery-EVの予約受注が開始された旨のプレスリリースが出ました。併せて諸元表が出ましたので目を通してみました。

まずはWLTC燃費のハイブリッドモードから。平均15.4km/L、市街地モードで11.1km/L、郊外モードで18.5km/L、高速道路モードで16.4km/Lと、2Lガソリンエンジン車とほぼ同じ数字です。さすがにこの数字のままシリーズハイブリッド車として出すのは無理でしょうね。また、回生電力を吸収できるはずのシリーズハイブリッドなのにストップアンドゴーの多い市街地での燃費が悪く、ダラダラ走り続けることのできる郊外モードで燃費が良いのが謎です。一般にシリーズハイブリッド車は加速時にはトルクの太いモーターで加速できますので、エンジンにさほど負担がかからず、しかも回生電力を吸収できることから燃費はさほど落ちないものです。逆に郊外路で時速60km程度で走り続けるならエンジンの熱効率の良い領域を使えますのでエンジン単独で走ってもそこそこ燃費が良いはずです。MX-30の燃費の数字を見る限り、シリーズハイブリッド車の長所を見いだせない一方で、ガソリンエンジンのような特性です。もしかしてロータリーエンジンはハイブリッド車のような間欠運転には向かないのでしょうか。

重量が1780kgもあり、Mazda 2の1.7倍くらい、Mazda 3の1.3倍くらいの重量ですから、重量当たりの燃費でいえば、Mazda 3の2Lエンジン車の1.3倍ほど燃費が良いともいえます。今回はPHEVですので蓄電池搭載量が多いですが、蓄電池搭載量を減らしたシリーズハイブリッド車にしたときにどれくらいの重量になるか次第に見えます。自重が2割減れば燃費の数字もも2割ほど良くなる可能性はまだあります。15.4km/Lの数字が2割良くなったとしたら18.5km/Lですので、日産ノート等のBセグメント車に比べれば大幅に見劣りしますが、Cセグメントのカローラツーリングハイブリッドの実燃費からすればもう一息とも言えます。BセグメントのMazda 2をシリーズハイブリッド車にしたら、自重1200kgくらいで22.8km/Lくらいになりますので、ノートやフィットよりも劣るものの、実燃費ベースではそこまで大きな差ではありません。しかし、Bセグメント車で22.8km/Lというと1.5Lガソリンエンジン車と変わらないようにも見えます。ロータリーエンジンでその燃費を達成することは技術的にはすごいことなのでしょうが、安価なガソリンエンジン車と同じことができてもコスト競争力がありません。

2023年8月6日日曜日

DUNLOP VEURO VE304を履いたMazda 3で長距離を走ってみました

前回はさほど長距離を走らなかったのと、どうやらタイヤが一皮むける前だったようですので、今度は高速道路と信号の少ない国道を中心に1200kmほど走ってみました。

タイヤが一皮むけたことで高速域でふらつくことがなくなり、高速道路を快適に走れるようになりました。ロードノイズが減って車内が快適になりましたので、長距離をダラダラ走るのが楽になりました。Skyactiv-G 2.0にはコンフォートタイヤを組み合わせるとダラダラした車になるようですが、RegnoやAdvan db 552といった他社のタイヤでどうなるかはまだ試していません。

燃費は特に改善せず。転がり抵抗の小ささを活かすべく減速時や下り坂で積極的にアクセルを離したのですが、特に効果なし。もともと新車装着タイヤでも燃費を稼ぐためにそのような運転をしていたというのもありますが。結局燃費の悪さはSkyactiv-G 2.0のパワートレインの問題なのでしょうね。1.5Lエンジンは素晴らしく燃費が良いのに同じ技術の2Lエンジンでどうしてこんなに燃費が悪いのか謎です。

気になったのはブレーキが甘くなったように感じられたこと。タイヤの新車装着タイヤよりもグリップ力が低いのでしょうか。

2023年7月9日日曜日

DUNLOP VEURO VE304を履いたMazda 3を走らせてみました

せっかく夏タイヤが新しくなりましたので試運転しました。

【総評】

良くも悪くも軽い乗り味になった印象だが、ボディーやシャシー由来の部分はあまり変わらず。ヤリスからアクアになったような感じ。気持ちよく走れる速度域が下がった。

Skyactiv-G 2Lで回転数を落としてダラダラ走るのにマッチしている。従来はエンジンがボデイーやシャシーに負けていたが、タイヤも同じくらい負けたおかげで、日本の一般道の速度域ではバランスが良くなった。

【高速道路】

ゆっくり走る分にはカーペットの上を歩くような乗り心地。

最初CTSでステアリングがガクガクしたが、学習したようでじきに収まった。

120km/h区間で巡航したところ、挙動が軽すぎて新車装着タイヤに比べてやや落ち着きが無い感じ。100km/hまで落とすと落ち着いて走る。もしかしてCTSが悪さをしているのだろうかと思って、ステアリングアシストを切って普通のクルーズコントロールに切り替えてみたりしたものの、あまり変わらず。

【平坦な一般道】

一般道は高速道路よりも路面の凹凸が多いため、通過時に少し突き上げあり。タイヤのおかげで角が取れているし音もやや静かだが、車の挙動自体はサスペンションによるものなのであまり変わらない。それでも衝撃がマイルドになった分だけ楽に走れるようになった。

【ワインディング】

ステアリングフィールが若干軽くなったが、ボディーとサスペンションは変わらないし、GVCもあるので、ステアリングを切ればちゃんと曲がる。公道の速度域で走る分には不自由なし。

【燃費】

燃料を噴射しない下り坂での燃費が劇的に改善。山からの下りで45km/L出た。転がり抵抗が小さくなったように見える。

登り坂や高速域での燃費はさほど変わらず。高速域では空気抵抗が効いてくるだろうし、登り坂ではエンジンの熱効率が効いてくるのだろう。

速度を抑えて走ったのでもっと燃費が良くなるものと期待していたのだが、様々な道を走った後での平均燃費はさほど向上していなかった。

2023年7月2日日曜日

Mazda 3の夏タイヤがDUNLOP VEURO VE304に交換されました

冬には冬タイヤを履いてこともあり、夏タイヤの走行距離が3万kmにも満たないのですが、4年ほど経過したという理由で夏タイヤが交換されました。新車装着タイヤのトーヨーProxes R51AからDUNLOP VEURO VE304に交換されました。調べてみると、同じくダンロップのルマン5よりも上の車格の車向けとのことで、ブリジストンのレグノと同じくらいのクラスですが、ダンロップですのでブリジストンよりも安いようです。ヨコハマだとAdvan V552と同じクラスでしょうか。

もう一回り下のクラスでもよいのにと思い、もしかして215/45/R18だと安いタイヤではサイズが無いのかと思いましたが、別にそういうわけでもなく。ヨコハマのBluEarth-GT(Mazda 2やMazda 3の安いガソリンエンジン車が履いているタイヤ)には215/45/R18がありました。

交換したばかりでまだ一皮剥けていませんし、長距離を走ったわけではありませんので第一印象だけですが、転がり始めと低速域の加速が軽くなったような印象を受けました。また、ステアリングが少し軽くなったような印象も受けました。ホイールは純正のままですので、タイヤの転がり抵抗が下がったのではないでしょうか。もしそうだとすれば、燃費も少し良くなるかもしれません。

ロードノイズも下がり、エンジン音がよく聞こえるようになりました。せっかくの自然吸気ガソリンエンジンですので、エンジン音が聞こえるのは嫌ではありません。路面の小さい段差を越えたときの音も角が取れたようで、これなら長距離を走るときにも楽に運転できそうに感じました。高速道路を走ったときにどんな感じか、長距離走ったときの燃費がどの程度か気になりますので、どこかへ出かけたくなりました。

今までMazda 3の2Lガソリンエンジン車に乗ってきて最大の不満は燃費が悪いこと、次が加速時に引っかかるような感じがすることでした。もしかしたら両方ともタイヤを履き替えることで解決するかもしれません。もちろん、2Lの自然吸気ガソリンエンジンで重量1360kgの車の燃費として客観的に見ればそう悪いわけでもありませんし、二昔前の同じクラスの車の燃費は極悪でしたから、それに比べればこれでもかなり良くなっていますが、最近まともに走るようになったトヨタのハイブリッド車や、ここ数年でレベルが高くなった国産Bセグメント車と比較してしまうと、もう少し何とかならないものかと思ってしまいます。

というか、同じMazda 3であっても1.5Lエンジン車は燃費に有利な条件で20km/Lを超えますので、下手なBセグメント車よりも燃費が良かったりします。同じMazda 3の同じSkyactiv-Gでどうしてこんなに違うのでしょう。一つの可能性はタイヤやホイールで、1.5Lエンジンのレンタカーは16インチホイールにBluEarth-GTを履いています。

ダンロップはビューロというタイヤを「燃費よりも快適性や操縦安定性を重視するタイヤ」と位置づけているようで、本来ならそのようなタイヤに履き替えたくらいで燃費が良くなることはなさそうですが、マツダ車はどうやら欧州を基準に足回りを設計しているようで、しかもMazda 3のことを「スポーツカー」と位置づけているようですので、それに耐える足にしようとすると操縦安定性に振ったタイヤになってしまうのかもしれません(純正タイヤでも操縦安定性には不満はありません)。また、ヨーロッパの人はロードノイズを路面状態に関する情報と位置づけているようで、ロードノイズの大きさをあまり気にしない傾向があるようです。

しかしヨーロッパの道路と日本の道路とでは速度域が異なる以上、それぞれの道路に求められる足回りは異なるはずです。日本の公道ではもう少し緩い方が扱いやすく感じます。

2023年6月10日土曜日

レンタカーで斜め渦燃焼エンジンのMazda 2に乗りました

タイムズカーレンタルのC1クラスを予約したところ、幸運にもMazda 2に当たりました。しっとりとしたステアリングフィールがいい車感を出しています。BluEarth-GTとの相性もあるのでしょうか。普段乗っているMazda 3だと低速域でハンドルが重いように感じるのですが、ホイールの大きさやタイヤの太さとのバランスもあるのでしょう。ATの制御がこなれてきたのか、加速時にもたつく感じがなく、扱いやすく感じました。Mazda 2も捨てたものではないし、もうMazda 2でもよいのではないかとさえ思えました。

車検証を見たら2023年3月登録とあり、そういえば斜め渦燃焼の圧縮比14のエンジン車に乗るのは初めてだということを思い出しました。 エンジン音を聞いてみると、低回転域では低音の太い音が聞こえてきます。圧縮比が高くなったためでしょうか。しっかり回すともともとの1.5Lエンジンのように軽快に回ります。巡航時には1000回転くらいまで落ちますが、その割にはトルクはさほど落ち込まず、コントロールしやすいです。普段使いならやはり低回転でトルクが太い方が扱いやすいです。自然吸気エンジンでもここまでできるものなのかと感心しました。

圧縮比が高い割には燃費は期待したほどではなく、山道を走ったというのもありますが、20km/Lに達するのが精一杯でした。従来のエンジンを積んだ車と同じ条件で走ればもっと燃費が良くなるのかもしれませんが、走りやすくなったことで、しっかりと加速して燃料噴射量が増えたのかもしれません。

今回は安いレンタカー仕様でしたが、マイナーチェンジ後の廉価版のBDも上位グレードと同じエンジン同じ走りですので、見た目に反して随分お買い得な車ではないでしょうか。

2023年5月24日水曜日

新型インプレッサの燃費

まだ試乗していませんので諸元データだけですが、WLTC燃費を見て驚きました。スバルといえば燃費に不利な水平対向エンジンで、かつe-Boxerという少し容量の大きいマイルドハイブリッドを積んでいるだけですので、燃費には全く期待していなかったのですが、よく見るとFF、AWDともにMazda 3のマイルドハイブリッド付の2Lエンジン車のFFやAWDよりも燃費が良いです。インプレッサの方が100kgほど重いにもかかわらずです。さすがにSkyactiv-Xはインプレッサよりも僅かに燃費が良いものの、こちらはハイオクですし本体価格も高いです。スバルよりも燃費の悪いマツダとは…Skyactivとは…と思いました。

インプレッサもe-Boxer無しの下位グレードはMazda 3のマイルドハイブリッド無しよりも燃費が悪いので、e-Boxerと組み合わせたときのセッティングが良いのでしょう。特に市街地モードで効果が顕著です。

ステアリングアシストはアイサイトの方がよくできていますので高速道路での運転が楽そうですし、インプレッサの方が車内が広く視界が良いですし、あとはCVTの運転感覚に慣れるかどうか次第のように思えます。Mazda 3購入前にレンタカーでインプレッサの1.6Lに乗りましたが、そのときはよくできた車だとは思いましたが、CVTの運転感覚が好きになれませんでした。

2023年4月7日金曜日

Mazda 3の商品改良

2023年4月6日にMazda 3の商品改良が発表されました。中身はほぼ事前の噂通りですし、商品改良については様々な人がコメントしていますので、気になった点に絞ります。

エアコンの操作スイッチの配置が変更になりました。従来型は内気循環スイッチが目立たないように無刻印だったりするなど(内気循環にすると二酸化炭素濃度が急上昇して危険ですので、ユーザーが必要以上に内気循環にすることを避けるためでしょう)、作り手の「こうあるべき」といった思いの強い配置でしたが、改良型は他社の車と同様に素直な配置になりました。コストダウンのためにマツダ専用カスタマイズ品をやめて汎用品を購入するようにしたのかもしれませんが、それだけでなく、作り手の思いを押し付ける売り方が顧客から支持されなかった反省もあるのでしょう。iPhoneがプロダクトアウト型であることを許されるのは、それが売れているからであって、顧客から支持されないプロダクトアウト型商品には存在意義がありません。Mazda 2のデザインの考え方もデザイナーが完全にコントロールするやり方からユーザーの自由な選択に委ねる考え方に変わっていますし、マーケティングの考え方に変化があったものと思われます。

車種ラインナップにしても、セダンは2LとディーゼルのFFだけになったり、XはファストバックのAWDだけになったりするなど、売れないグレードの見直しがなされています。初期には第7世代の先陣を切るという役割がありましたが、今ではラージプラットフォームを売ることが先決ですので、Mazda 3もマツダにとって普通の車になり、Mazda 3でやせ我慢する必要がなくなったのでしょう。

光学ドライブの廃止やUSB Type Cの採用やワイヤレス充電、ワイヤレスCarPlayは時代の趨勢によるものでしょうが、USB Type Cモデルでは無線化の流れに逆行して未だにHDMIがついていたり、光学ドライブ以上にドライバーにとって役に立たないTVチューナーが上位グレードで標準装備されていたりするなど、謎な部分もあります。売れないMazda 3のために専用部品を保持するのは無駄ですので、なるべくCX-60と共通の部品を使うようにしているのかもしれませんが、その割に下位グレードでは従来からの電装品が引き続き採用されていたりします。Mazda 2でも下位グレードだけ改良型エンジンが採用されなかったりしましたが、しばらくして改良型エンジンに統一されました。旧型部品の在庫処分でしょうか。

1.5Lはあまり売れていないようですが、レンタカー向けの需要があるようでしぶとく残りました。1.5Lエンジンは本来Mazda 2用で、Mazda 2のエンジンは改良型に移行済ですが、Mazda 3のエンジンは引き続き改良前のエンジンが採用されています。日本仕様とトルコ仕様のMazda 3だけのために改良前エンジンの生産を継続するのは無駄なような気がしますが、改良型エンジンで型式証明を取る方がもっと手間がかかるのかもしれません。

Mazda 3の商品改良の考え方は同じくスモールプラットフォームのCX-30やMX-30にも踏襲されるでしょうが、だとするとCX-30にXは残るのかとか(Xを買う人はMazda 3を買うでしょうし)、MX-30のEVは日本向けに残るのかとか(もともと日本では売る気がなかったようですし、買いそうな人には行き渡ったでしょうし)、気になります。次はCX-30の商品改良で、MX-30の商品改良はR-EV発売のタイミングでしょうか。売れないグレードを一掃するならそもそもMX-30は存続できるのかという気もしますが、その名の通り主力車種に展開しにくい新しいことに挑戦するための商品ですので細々と残るのではないかと予想します。

2023年3月8日水曜日

ポリメタルグレーは保護色?

駐車場の中にポリメタルグレーの車がいると、アスファルトの色に溶け込んでしまって目立ちません。特に雨の日には曇り空に反射するポリメタルグレーの色と濡れたアスファルトの色が近いので、車がどこにいるのだかわかりにくいです。

ポリメタルグレーが青みがかっているのは空の青い色が反射しているためで、天気の良い日には空の色に溶け込んでしまいます。

良く言えば風景に溶け込んで邪魔になりにくい、悪くいえば他の車からの視認性が最悪といったところでしょうか。他社でも類似の色が採用されていますが、デザインはともかくとして安全上はどうなのでしょうか。

汚れが目立ちにくいために安い車で重宝されているシルバーも無彩色ですので風景の邪魔にならない一方で視認性はあまり良くないのではないかと思います。それでもシルバーは光が反射すれば目立ちますが、ポリメタルグレーはキラキラした色を抑えていますので、そういう目立ち方もしません。

2023年2月27日月曜日

カローラスポーツの2Lガソリンエンジン車

2022年10月にカローラスポーツを含むカローラシリーズがマイナーチェンジして、カローラスポーツのガソリンエンジンが1.2Lターボエンジンから2L自然吸気エンジンになり、Mazda 3の2Lエンジン車に近くなりました。セダンとツーリングはヤリス用の1.5Lガソリンエンジンを積んでいて、こちらはMazda 3の1.5Lエンジンに近いです。

2Lエンジン車はカローラスポーツもMazda 3も自重1380kg。Mazda 3はマイルドハイブリッド付ですが、カローラスポーツにはマイルドハイブリッドがついていません。さらにカローラのエンジンの方が一回りパワーが大きいです。それにも関わらずWLTC平均燃費はMazda 3が16.4km/Lに対してカローラスポーツは17.4km/L。市街地、郊外、高速道路ともにカローラスポーツの数字の方がMazda 3の数字よりも少し良いです。しかもMazda 3の2Lエンジン車の実燃費はカタログ燃費よりも更に劣ります。たしかにSkyactiv-Gよりもダイナミックフォースエンジンの方が後発ですし、6ATよりもCVTの方が高速道路での燃費は有利です。Mazda 3はマイルドハイブリッドがついて変速時のトルクの抜けが補われているものの、エンジンの世代の差は否めません。

ついでに1.5Lクラスの数字を比較してみると、Mazda 3の1340kgに対してカローラは1280kgと少し軽いです。こちらもMazda 3の111psに対してカローラは120psと、1.5Lの割にはなかなか健闘しています。WLTC平均燃費はMazda 3の16.6km/Lに対してカローラは上位グレードでも18.1km/L、売れ筋の真ん中のグレードで19.4km/L。どういうわけか市街地モードの燃費はMazda 3の数字の方が良いですが、郊外と高速道路の数字は結構差がついています。とはいえMazda 3の1.5Lエンジン車は条件次第ではWLTC燃費よりも実燃費の方が良かったりしますので、数字だけを見てMazda 3の方が燃費が劣るとも言い切れません。

2023年2月26日日曜日

レンタカーでMazda 3の1.5Lエンジン車に乗りました

タイムズカーレンタルでC2クラス指定で予約したら初めてMazda 3に当たりました。レンタカーですので1.5Lですが、ディーラーで試乗したきり乗ったことのない1.5Lにまとまった時間乗れたのは幸運でした。

個体は4万km近く走行したもので、サスペンションの当たりが取れています。タイヤはグッドイヤーのICE NAVIというスタッドレスタイヤ。レンタカーなのに360°ビューモニターがついていました。アダプティブクルーズコントロールやマツダコネクトは標準装備です。内装はレンタカー向けに若干簡略化されているものの、それでも1.5Lクラスのレンタカーとしては破格の装備と内装です。タイムズカーレンタルのC2クラスは比較的安いので、長距離乗るのでしたら車種指定してでも乗る価値があります。

【パワートレイン】

1340kgの車に116psの1.5L自然吸気エンジンですので、どう見てもアンダーパワーのはずなのですが、1人乗車で日本の公道を走ると意外と走れてしまうのが不思議です。エンジン回転数が高いため、最大トルクに近いトルクが出るためか、実際の加速が鈍くてもさほどストレスを感じません。低速域の加速重視でローギアードですが、その代わり時速60kmくらいで6速1250回転くらいですので、巡航中は意外と静かです。高速道路ではクルーズコントロールをつけて走行車線を走る分には不自由なし。時速100kmで2200回転くらいですので、ローギアードだからといって取り立て回転数が多いわけではありません。追い越し加速はだめかと思いきや、前広に加速すれば意外とどうにかなります。

とはいっても、もともとパワーのない車ですのでじんわりとアクセルを踏めばさほど加速しません。アクセルを踏み込めば加速しますが、一気に踏み込むとi-DMが白点灯しますので、パワーなりの加速を心がける必要があります。

【シャシー】

16インチホイールですし走行距離もありますので乗り心地が良いことを期待しましたが、思いの外ばたつく感じ。普段2Lエンジン車(18インチホイール)に乗っているときの、ぬるーんとした乗り心地ではありません。冬タイヤを履いていますのでタイヤとの相性でしょうか。16インチだからといって乗り心地が良いわけではないということは、裏返せば18インチなのに乗り心地が悪くならないとも言えます。

シートとドライビングポジションが良いだけでなく、シャシー性能が良いため、長距離を走っても疲れません。1日に500km走っても平気です(これは2Lエンジン車も同様)。パワーがなくて遅いだけの車なら他にいくらでもありますが、それに加えて長距離運転しても疲れないという要件を入れると、該当する車種が限られます。

【燃費】

普通に走って18km/L。信号のほとんどない国道を走り続けて22km/L超え。山越えや市街地が高速道路を含めても20km/Lを超えるのは驚異的です。WLTCモード燃費よりも良い数字です。1340kgの車を自然吸気ガソリンエンジンで動かしているのに、下手なBセグメントのガソリンエンジン車よりも燃費が良いです。長距離巡航ならCセグメントのハイブリッド車やディーゼルエンジン車に匹敵します(ハイブリッド車は特に高速道路が苦手ですので)。不思議なのはBMアクセラよりも60kg重くなっているのにむしろ燃費が良くなっているように見えること。リアサスペンションがトーションビームになってバネ下重量が軽くなっているのが効いているのでしょうか。

1.5Lエンジンでここまでできるのに、どうして2Lエンジンの燃費が悪いのか謎です。重量差は20kgしかありませんし、1.5L同様リアサスペンションがトーションビームでBMアクセラよりもバネ下重量が軽いにも関わらず、どうしてこんなに実燃費に差があるのでしょう(WLTCモード燃費の差はさほどありません)。

【BMアクセラとの比較】

ボディーの剛性、静粛性、質感ともに向上していて、それでいて1.5Lエンジンとの相性も良くて、申し分ないです。BMアクセラの方がやや軽快な印象なのに対し、Mazda 3は1.5Lでも落ち着いた感じ。

2023年2月19日日曜日

珍しく荷物をたっぷり積みました

珍しく荷物を50kgほど積みました。デミオディーゼルでは後輪に荷重がかかっているときの方が明らかに乗り心地が良かったですが、Mazda 3でも後輪に荷重がかかると乗り心地が良くなります。もちろん運転していると動きが重くなり、後ろが重くなり、加速時に後ろに引っ張られる力を感じますし、おそらく加速も鈍くなっているのでしょうが、2Lエンジンのゆったりとした乗り方とマッチしているように感じます。どのみち日本の公道の速度域では動力性能はさほど必要ありませんので、少し性能を落としても全体のバランスを追求する方が気持ちよく運転できるのではないかと感じました。

Mazda 3のファストバックはもともと多人数乗車を想定していないのですから、後ろが軽い状態で全体のバランスが取れるようにしてほしいところなのですが、それは難しいのでしょうか。

2023年2月8日水曜日

マツダ車はブレーキが甘い?

マツダ車はブレーキが甘いと思っている人がそこそこいるようです。たしかにMazda 3に初めて試乗したときには、それまでのデミオディーゼルの感覚でブレーキペダルを踏んだら思いの外効きませんでした。デミオディーゼルはブレーキの効きがかなり良かったので強く踏むと急ブレーキになってしまうためです。しかし、踏力でコントロールするブレーキであることを理解してそのように操作すればちゃんとブレーキが効きます。

ブレーキに関する誤解にはいくつか理由が思い当たります。

1.日本車の大半はブレーキペダルのストロークでコントロールするタイプであるため、ストロークが飽和した状態で最大のブレーキ力だと誤解しがち。踏力でコントロールするブレーキが効くのはそこからです。

2.昔のトヨタ車のように安物の車はブレーキペダルの踏み始めでブレーキが強くかかり、それ以上踏んでもブレーキが効きませんでした。その感覚でおっかなびっくり踏んだら拍子抜けすることでしょう。踏力でコントロールするブレーキが効くのはそこからなのですが、それ以上踏んでも効かないと学習してしまった人はさらにブレーキを踏むという発想がないのかもしれません。これは車の問題です。

3.そのそもストロークとか踏力とかいった高尚な話以前に、日本のドライバーにはアクセルペダルやブレーキペダルをスイッチのOn/Offのような感覚で操作する人が少なからずいそうに見えます。CVT車はむしろそのようにアクセルペダルを踏んだ方が意図した通りに加速しますし、ブレーキランプがついたり消えたりしてブレーキを踏む時間によって速度をコントロールしていて一段停止できない車もよく見かけます。これはドライバーの問題です。

4.踏力でコントロールするブレーキにおいては踏力がかからないとブレーキが効きませんが、踏力をかけるには筋力や体重も必要ですし、正しいドライビングポジションでなければ踏力をかけられません。西洋人の体格や筋力に合わせてブレーキを設計すると小柄な日本人女性には踏力が不足するかもしれません。小柄な人が運転しても自分でかけられる踏力に応じて制動力をコントロールできなければ、本当の意味で踏力でコントロールするブレーキになりえません。これはマツダの車作りの問題ですが、これは各国の市場向けにブレーキ力を調整してほしいですし、事後でも乗る人に合わせて調整できるようにしてほしいものです。ブレーキ力の大半は実はブレーキ倍力装置(ガソリンエンジン車ではエンジンの負圧、ディーゼルエンジン車では真空ポンプ)によって提供されていますので、ブレーキ倍力装置の力の出方の調整が必要に見えます。

ということを踏まえたうえで、ディーラーの営業担当は試乗しにきてくれた貴重な顧客候補に対してブレーキの扱いについてきちんと説明したのでしょうか。マツダ車からマツダ車への乗り換えであっても初めて踏力コントロール型の車に乗るときには慣れが必要ですし、他社からの乗り換えを検討している貴重な顧客を逃すのはもったいないです。

2023年1月28日土曜日

Mazda 2商品改良

2023年1月27日にMazda 2の商品改良が発表されました。まず見た目の変化にびっくりしました。パワートレインやシャシー等は全く変わっていませんので、もはやガワをいじるくらいしかやることがないのかと思いました。樹脂パーツが多用されていることについては、次期モデルが電動化で高くなるので現行モデルを廉価版として残すためのコストダウンだろうかと思いました。廉価グレードでは電子装備が退化していますし。

しかし調べてみると、バイオエンジニアリングプラスチックを塗装不要なレベルで成形することによって部品自体のCO2発生量を削減するとともに、塗装を省略することでCO2やエネルギー消費を削減していることがわかりました。あいにく走行時のCO2発生量は同じですし、カタログには生産工程でのCO2発生量の数値が記載されていませんので商品改良前の数値と比較することができませんが(数値を公表しないのは製造する場所や時期によって数値が変動するためでしょうか)、環境負荷低減のために生産技術を含めて努力していることが見て取れました。

とはいえ、環境負荷を重視する欧州で果たしてガソリンエンジンやディーゼルエンジンのMazda 2の販売を継続できるのか疑問です。だからこそ中身をいじらずにガワだけいじっているのでしょうけど。バイオエンジニアリングプラスチック自体はMazda 3から採用されており、従来のデザインコンセプトと両立するものですが、日本向けに販売するなら、まずは見た目から入ってもらうということでカラーバリエーションを増やしたのでしょう。一見在庫管理が難しそうに見えますが、結局はありものの組み合わせでしかありませんので、それなら選択の幅が広い方がいろいろ遊べます。

マツダ車の良さは運転すればわかるのですが運転しなければわかりませんので、運転に興味のない人にも興味を持ってもらうことでマツダ車の間口を広げようとしているように見えます。Mazda 2は特に免許を取り立ての人が初めて乗る車としてはとてもよくできています。コストダウンは軽自動車とのマッチングでしょうか。N-BOXと同じ値段で見た目と走りが良ければもしかしたら興味を持ってくれる人がいるかもしれません。従来のブランドデザインとは異質ですが、そちらはマツダ車のメインストリームで踏襲されるでしょうし、メインストリームから外れたMazda 2ではいろいろ遊べるのでしょう。どうせ今までの上品路線では売れませんでしたので、失うものはありません。顔だけきれいにしても骨格はデミオ時代のままですので、それならDJデミオが本来持つ元気さを表現する方がよいかもしれません。

デザインコンセプトの変化で気になったのは、従来はプロのデザイナーが市販車のデザインをコントロールしていたのに対して、今回はユーザーに選択権を与えたことです。Mazda 2はデミオ時代から期間限定の特別仕様車をいろいろ出していて、万人受けしなくても一部の人に興味を持ってもらえそうなデザインをプロのデザイナーが提供していました。ユーザーが選択権を持つということは、プロからみて「これはありえない」と思うような組み合わせでも可能になってしまうことを意味します。一応、プロのおすすめがパッケージとして販売されていますので、迷うが嫌ならそういうものを買ってしまうという手もありますが、それだけでなく、マツダのデザイナーから「私が選ぶ組み合わせ」みたいなのを発信してみるのもよいかもしれません。

見た目で遊ぶのでしたらCX-3でやればもっと面白いのではないかと思いますが、そういえばCX-3はどうなってしまうのでしょう。

2023年1月22日日曜日

Skyactiv-Gはスモールプラットフォーム向けのシリーズハイブリット車のエンジンルームに入らない?

インタビュー記事で、MX-30 R-EVでロータリーエンジンが採用された理由に言及されていました。その中で、Skyactiv-Gの方がコストが安いが、エンジンルームに入らなかったとありました。そこだけ聞くとそういうものかという気になりますが、その一方で、ホンダと日産はレシプロエンジンでシリーズハイブリッド車を製造していますし、トヨタはレシプロエンジンでストロングハイブリッド車を製造しています。フィットもノートもヤリスもBセグメント車です。

強いて言えば、ノート用のエンジンは1.2L3気筒エンジンなのに対し、マツダが持っている中で最も小さいエンジンは1.3L4気筒エンジンです。しかし、ヤリスのエンジンは1.5L3気筒エンジンですし、フィットハイブリッドのエンジンは1.5L4気筒エンジンです。フィットハイブリッドはシリーズハイブリッドですが高速域ではエンジン直結ですので、普通のシリーズハイブリッドよりも仕組みが複雑で場所を取ります。それでも1.5L4気筒エンジンを積んでいます。

もっとも、フィットもノートもエンジンルームが厚ぼったくて、おそらくシリーズハイブリッドシステムを入れるためにそうせざるを得なかったのではないかと推測します。さらにホンダはセンタータンクレイアウトの特許を持っていますので、パッケージングでは有利です。マツダがそのような厚ぼったいパッケージングを良しとせず、マツダが納得するデザインではレシプロエンジンが入らないということでしょうか。しかしヤリスハイブリッドやアクアはそのような厚ぼったいエンジンルームではありません。

現行Mazda 2は魂動デザインでありながら補機類の多い1.5L4気筒ディーゼルエンジンを積めています。そのエンジンルームに1.3Lガソリンエンジンを積むとエンジンルームがスカスカです。本当にそこに発電機とモーターが入らないのでしょうか。そもそもシリーズハイブリッドにはATやCVTといった大きくて重い機器が不要ですし、モーターやインバータは年々小型化が進んでいます。単なるシリーズハイブリッドでしたら蓄電池搭載量は少なくて済み、後席下に収まることでしょう。その代わり燃料タンクをトランク下に設置する必要がありますが、燃費が良くなれば燃料タンク容量を小さくできます。

ロータリーエンジンは機器類の多いPHEV車に置いて省スペースのエンジンである利点がある反面、やはりエンジン単体の燃費はレシプロエンジンに及びません。Bセグメント向けに安価なシリーズハイブリッド車を作ろうとしたら、ロータリーエンジンはコストと燃費の両方で不利ですので、競争力のある製品にするのが難しいのではないでしょうか。

2023年1月21日土曜日

新型プリウスとRX-Vision

RX-Visionの写真を見た際に、何かに似ていると思いました。タイヤが大きくて窓が低くてAピラーが寝ていてノーズ先端の高さも低くて、なんだか新型プリウスがそんな感じだったようなと思ったものの、そもそもデザインの考え方が全然異なりますし、そもそもノーズの長さが全然違います。RX-VisionはFRですのでノーズが長いだけでなくフロントドアと前輪との間の間隔も長いです。しかしフロントドアと前輪との間の分を切り詰めると、なんとなくそれらしき形に見えてきます。

新型プリウスの全高は1430mm。今どきの市販車にしては低い方ですし、Mazda 3よりも低いですが、Mazda 3の全高は1440mmですので、低いといっても10mmしか違いません。それでも低く見えるのは窓の天地寸法を短くしているからです。窓の天地寸法を短くするとその分窓の下のボディが厚ぼったく見えるもので、実際4代目までのプリウスでは厚ぼったく見えました。そこでタイヤを大きく見せかけることでボディを薄く、全高を低く、窓の天地寸法も実際よりも短く見せているように思えます。ノーズの先端を低くしてAピラーと一体としているのも、Aピラー付け根の高さを高く感じさせないための技法でしょうか。

4代目プリウスがなぜかっこ悪く見えるのかといえば、居住性重視で客室部分がぷっくりと膨らんでいるためで、従来と同様のパッケージでこの膨らみ感を無くそうとしたら窓の高さを低く見せかけるしかありません。全体のバランスを取ろうとしたら結果的にスポーツカーのようなエクステリアデザインになってしまったのだろうかと思います。

2023年1月14日土曜日

Apple CarPlayを使っているとマツダコネクトの音声入力が使えない

iPhoneをUSBで接続してApple CarPlayを使用中に音声入力ボタンを押すと、CarPlayのSiriが立ち上がります。Appleの地図での目的地入力を音声で行う方法をまだ知りませんので、Siriに目的地を告げてもうまく認識してくれません。CarPlayは邪魔ですのでマツダコネクトナビの音声入力を使いたいところです。当座の対応策として、マツダコネクトナビで音声入力するときのみ、iPhoneを接続しているUSBケーブルを抜いています。これだとCarPlayが無効になりますので、通常通りマツダコネクトの音声入力ができます。

2023年1月13日金曜日

MX-30 R-EV発表

2023年1月13日のプレスリリースでMX-30 R-EVが発表されました。発表された内容から仕様を拾ってみると、まず蓄電池容量は17.8kWhとEVモデルの蓄電池容量の半分。この蓄電池容量で85km走行可能としています。エンジンはロータリーエンジンで発電専用。燃料タンク容量は50L。発表された数字はここまでです。

発表されていない数字は、50Lのガソリンとロータリーエンジンから発電される電力が何kWh分なのか、それによって走行可能な距離はどれだけかです。17.8kWhで85kmという数字が出ていますので、ひとまず蓄電池容量に換算すればそこから航続距離や燃費を算出できるはずなのですが、発電される電力量が公表されていませんので、ロータリーエンジンの燃費性能がよくわかりません。シリーズハイブリッドですので実燃費ベースで25km/L出れば御の字ですがデミオEVのロータリーレンジエクステンダーの燃費が20km/L、MX-30はデミオEVよりも二回りくらい重いので下は15km/L、上は20km/Lくらいでしょうか。15km/LというとMazda 3の2Lエンジン車の実燃費相当、20km/LというとMazda 2の1.5Lエンジン車の実燃費相当です。

もうひとつわからないのが車両の重量です。蓄電池容量が半分に減りましたし、ロータリーエンジンは小型軽量ですので、MX-30の2Lマイルドハイブリッド車とEVの中間くらいの重量でしょうか。エンジン重量がレシプロエンジンよりもある程度軽くなるのでしたらロータリーエンジンの存在意義が出るでしょうが、実際のところどの程度の重量なのでしょう。

ユーザーにとってはさほど重要ではありませんが、ロータリーエンジンの排気量がどの程度なのかには興味があります。ノートやセレナのe-Powerのレシプロエンジンが1.2L。ロータリーエンジンは同じ排気量で燃焼サイクルが2倍ですので、330mLx2ローターの660mLくらいでしょうか。それとも、比較的蓄電池容量の大きいPHEV車は常時発電機を回しつつ不足する電力を蓄電池からまかなう前提で1ローターの330mLにするのでしょうか。排気量が小さければ触媒の容量が少なくて済み、また、始動時に触媒を加温するための電力も少なくて済みそうです。

環境規制の厳しい欧州向けにはCX-60と同様にPHEV中心に販売せざるを得ないでしょうが、日本向けには蓄電池容量を切り詰めたより安価なシリーズハイブリッド車がほしいところです。しかしシリーズハイブリッド車は既にノートe-PowerやFIT等があり、燃費に不利なロータリーエンジンでどう競争するのか気がかりです。そもそも発電用エンジンとしてSkyactiv-G 1.3を用いるのに対してどのような優位性があるのでしょうか。ロータリーエンジンならMazda 2のエンジンルームにも収まるということでしたら意義がありそうですが。

車全体として合理的なパッケージであれば十分で、ロータリーエンジンはそのための手段の一つでしかありませんので、どう仕立て上げたのか楽しみです。

2023年1月7日土曜日

暖房をつけても寒い

車の暖房の熱源はエンジンの排熱ですので、エンジン始動直後にはエンジン排熱が得られず暖房が効きません。それを補うべくシートヒーターやステアリングヒーターがあって、とりあえず人間が直接触れる所が暖かければ暖かく感じます。しかしこれらの熱源は電力ですので、エンジンが温まってきたらエンジン排熱による暖房に切り替えます。

しかし、エンジンが暖まってきても車内がなんとなく冷えます。メーターパーネルの温度計は0℃前後を表示していて、たしかに寒いですが、暖房が効かないほど極端に寒いわけでもありません。水温計はいつも通り真ん中より少し下を指していますので、エンジンが暖まっていないわけではありせん。

一つ思い当たるのは外気循環にしていて常時冷たい外気が入っていることですが、外気を取り入れるにしても暖房をつけているときにはエンジン排熱で加熱された状態で入ってきていないだろうかとか、そもそも暖房をつけているときには寒くて当然なのだから外気を補ってあまりある暖房を効かせて然るべきではないかとか素朴な疑問があります。

エンジン排熱なんてタダなのですからもったいぶる理由がわかりません。たしかにいまどきのエンジンは昔のエンジンよりも熱効率が良いので同じように走られていても昔のエンジンほどには排熱が出ないのかもしれません。しかしSkyactiv-G 2.0の燃費を見る限り、そこまで排熱の出ないエンジンには見えません。しいていえば、ストップアンドゴーが多くて燃費の悪い街乗りの際にはあまり寒く感じず、信号のない国道を一定速度で走り続けているときのように比較的燃費の良い状態で寒く感じることがあります。

設定温度を思いっきり上げてみたところ、やっと温風が出ました。暖房の故障ではなく、どうやら車の温度センサーの場所が温かい所にあるようで、エアコンの設定温度によらず「寒いと感じたらダイヤルを回す、暑いと感じたらダイヤルを回す」という原始的なやり方が有効なようです。

2023年1月4日水曜日

マツダコネクトの動作が時おり非常に重くなることがある

第2世代マツダコネクトは初代に比べて大幅に改善されており、普段使う分には特に不自由ないのですが、今まで何度か動作が極端に重くなったことがあります。ボタンを押してから反応するまで数秒以上かかり、耐えられない重さになります。地図の拡大縮小や移動に極端に時間がかかりますので、使い物になりません。運転中にカーナビが反応しないのは非常に困ります。

今まで動作が重くなったのは共通して夕方4時前後でした。もしかしてこの時間帯に車が自動で何かダウンロードしてインストールしているのでしょうか。

一旦エンジンを停止してエンジンを再度始動すると直ります。であればどこか安全な場所に停車してエンジンを再始動させるのがよいのかもしれません。

一般道でCTSを使ってみました

一般道で遅い車の後について走る際には、自分にとって微妙に走りにくい速度を維持しつつ前の車との車間を調整しなければなりませんので、運転していて疲れます。それならばもっと楽をしようと思ってCTSを使ってみました。CTSは本来渋滞時や高速道路で使うべきもので、普通の一般道で使うことは推奨されていません。しかし、信号の少ない田舎の国道でかつカーブ手前で減速する必要のない状況では単に前車に追従するだけですので、それならばCTSも機能するのではないかと思った次第です。

いざ使ってみると、前車に追従するだけでしたらそこそこ便利です。赤信号での停止については、前車が緩慢に減速している限りは前車に追従して停止してくれます。しかし停止直前できれいに止まってくれませんので、人力でブレーキをかけたくなります。しかし一旦ブレーキをかけるとCTSがキャンセルされてしまい。出発時にレジュームする必要があります。

CTSはカーブ手前で減速して前輪に荷重を乗せるといったことをしませんので、そういう状況では人力で運転した方がましです。一応、カーブ手前でキャンセルしてカーブ出口でレジュームするといった形でカーブ手前で減速して出口で再加速することもできるのですが、曲がるたびにそんな面倒なことをするくらいなら自分で運転した方がましです。

CTSで最も耐え難いのは、一般道でのステアリングアシストが不自然で、曲がるときにハンドルを切るタイミングが遅すぎて大きすぎます。少し早めにステアリングを小さく切って徐々にコーナリングフォースを立ち上げる方が滑らかに曲がれるのですが、CTSにはそこまでできません。

そこでCTSではなく、ステアリングアシスト機能の無いクルーズコントロールに切り替えてみると、前車追従を機械任せにしつつ、ステアリング操作は自分でできますので、比較的楽です。前車追従が不要になったらキャンセルして、再び前車に追いついて追従が必要になったらレジュームすれば、人力と機械を使い分けることができます。