2014年12月31日水曜日

デミオディーゼル街乗りのコツ

【青信号発進時】
デミオにはアイドリングストップがついていて、ディーゼルでも素早くエンジンがかかりますので、信号待ちの際には重宝します。青信号になるとブレーキペダルから足を離してアクセルを踏むわけですが、ここでi-DMが白表示(運転が荒い)になっていました。

発進時にはアクセルをほとんど踏まず、一呼吸置いてトルコン段を抜けてからアクセルを徐々に踏むとi-DMが緑表示になります。もっと踏んでも青表示になる程度です。公道上での普通の加速で緑表示です。青表示の場合にはかなり加速しますが、その分法定速度に到達するのも早くなります。アクセルを踏み込む前に一呼吸置くと、隣の車線の車から引き離されたりするのですが、その後の加速が伸びますので、さほど影響ありません。

i-DMは加速度の変化を計測し、加速度が急激に変化すると白点灯させるようです。加速度は力ですからいきなり加速度がかかるよりも徐々に加速度をかける方が乗り心地が良いのはもっともなことです。古いトルコンATではエンジン回転がトルクに変換されるため、アクセルを踏んでもすぐに加速しないのですが、どうやらSkyactiv-Driveではトルコン段を抜けるのが早く、急加速になってしまうようです。

デミオディーゼルがハイギアードであるのに対して軽自動車はローギアードですので、実は軽自動車の方が出足は速かったりします。ディーゼルエンジン車は低回転域でのトルクが太い反面、俊敏さはありません。特性の違いですので、そういうものと割り切るしかありません。発進してから次の停止までの距離が長ければ、徐々に加速していくので問題ないのですが、次の信号までの距離が短く、かつ赤信号の際には、せっかくの高速域での加速の余裕を生かすことができず、出足の鈍さだけが残ります。やはり街乗りではローギアードで出足が鋭い方が乗りやすいです。

発進時に一呼吸分早くブレーキを緩めてアイドリングストップを解除するとその分早く発進でき、余裕を持って加速度を徐々に増やすことができるのですが、先行車の発進タイミングが適切でないと無駄なブレーキ操作が発生します。

【惰行】
デミオのディーゼルエンジンはアクセルを離すと意外とエンジンブレーキが効いてまるでMT車みたいですので、CVT車のような、一気に加速してから惰行する運転ではなく、昔ながらの、速度が均衡する程度にアクセルを弱く踏み続けてブレーキをかける前にアクセルを離してエンジンブレーキで減速し、それから制動距離に余裕を持ってフットブレーキを踏むのが効果的です。デミオディーゼルの主要なマーケットは欧州、欧州の大衆車はMTが主流ということでAT車の運転感覚もMT車に合わせているのでしょうか。

【ブレーキ】
まずはエンジンブレーキ、それから車重に見合った制動距離でブレーキという基本は共通です。最初のうちはエンジンブレーキが効き始めるのが早すぎたりフットブレーキの制動距離が足りなかったりしましたが、慣れるにつれてタイミングをつかめるようになりました。

あとは通常の運転操作の常識に即して運転していれば、街乗りでも特に問題ないはずです。公道上では異次元加速を発揮する機会がありませんので、2500回転くらいまで異次元加速が発動しないのは妥当な設定だと思います。

2014年12月30日火曜日

デミオXD Touringで山道を走ってみました

今度は山道を走ってみました。

【上り坂】
低速で坂を登るときは1300回転くらいでした。青信号発進のときよりもさらに回転数が低いです。上り坂でキックダウンして加速する場合でも2000回転くらいです。低排気量ガソリンエンジン車だと上り坂で3000回転くらいなのですが、デミオディーゼルの場合は低排気量ガソリンエンジンの半分の回転数で、しかも余裕があります。普通の車では登るのを躊躇するようなものすごい急勾配であっても1速にすれば3000回転で軽々と駆け上がることができます。

上り坂ではストレスフリーです。強いて言えば前を走る遅い車が邪魔に感じられるのがストレスでしょうか。なまじ動力性能に恵まれた車を運転すると公道で苦労するというのは、ナンバープレートを斜めにしたりしているDQN仕様のGT-Rにも通じるものがあります。動力性能はそこそこであってもただ運転するだけで気持ちの良い車の方が公道向けではないでしょうか。

【下り坂】
アクセルを抜くだけでもそこそこエンジンブレーキがかかりますので、強いエンジンブレーキを必要としないときにはアクセルを抜くだけでも十分です。車体が重いですし、ガソリンエンジン車ほど強いエンジンブレーキをかけられるわけではありませんので、下り坂には弱いかと予想していましたが、意外と普通に下れます。Skyactiv-Driveは自動で減速シフトダウンしますので、ブレーキを踏んで減速してシフトダウンさせるとエンジンブレーキも強くなります。

連続下り勾配を走行する場合、エンジンブレーキ主体の走り方になりますが、そのようなときにはシフトレバーを倒してマニュアルモードにした上で、パドルシフトでエンジンブレーキ力をコントロールすると、パドルシフトの操作だけで坂を下りることができます。シフトレバーで操作してもよいのですが、手動でシフトアップやシフトダウンする場合にはパドルシフトの方が楽です。

デミオディーゼルが苦手としているのは、緩くない下り坂を高速で下りるような場合です。緩い下り坂を高速で下りるならDレンジのままアクセルを離すだけで十分ですし、急な下り坂をゆっくり下りるなら低速で1速や2速で下りればよいので特に問題ないのですが、高い速度で下りようとする場合、ディーゼルエンジンの最高回転数に制約されて、十分にシフトダウンできません。エンジンブレーキ力が不足して1速までシフトダウンしたい場合であっても、2速までしかシフトダウンできなかったりします。

【ワインディング】
カーブ手前でブレーキをかけて、カーブでブレーキを抜いて曲がるという教科書通りの操作で特に問題なくノーズを曲げることができました。アクセラ1.5Lやデミオ1.3Lだともっとズボラに曲線を通過できるのですが、デミオディーゼル車だとそういうズボラな運転ではなく普通に運転する必要があります。

ワインディングでの走りはデミオ1.3Lとアクセラ1.5Lの中間でしょうか。デミオほど楽に走れるわけではなく、アクセラほど楽しく走れるわけではありませんが、そこそこ普通に走れます。また、フロントは重いものの、車体が小さいおかげで臆せずノーズを曲げることができますので、狭い道でも比較的楽に走れます。

今のデミオはガソリン車とディーゼル車とで想定される用途は異なるものの、どちらも基本的にはそれぞれの得意とする道で楽に運転できることを旨とする車であり、決してスポーツカーではありませんので、峠を攻めるみたいな用途にはあまり向いていません。コンパクトカーで峠で遊びたかったら、スイフトスポーツとかDE前期型デミオとかの方が向いているかもしれません。

2014年12月29日月曜日

デミオXD Touringで長距離を走ってみました

デミオで長距離を乗ってみましたので、街乗りではわからないこともわかってきました。

【高速道路】
街乗りではごつごつした感じですが、速度が乗ってくるにつれて乗り心地が良くなるのは、国産車というよりもむしろ欧州車に近いです。

直進安定性は抜群で、パワステも重いので高速巡航はとても楽です。日本の高速道路の法定速度が時速100kmなのが勿体無いくらいです。時速100kmでのエンジン回転数は1800回転程度で、理論値通りです。タイヤがすり減ったり空気圧が下がってタイヤがたわむともう少し回転数が上がるでしょう。

試しにクルーズコントロールを使ってみましたが、追従形ではないため、交通量の多い道では実用的ではありません。田舎の空いている高速道路では前の車に追いついたら簡単に追い越せますので、定速走行でき、無駄な加減速の無い燃費の良い運転ができます。

高速道路ではロードノイズが大きく、カーステレオの音はほとんど聞こえません。アクセラやプレマシーでは時速100kmでもカーステレオの音が聞こえるのですが。タイヤの静粛性とグリップ力との間にはトレードオフがありますので、仕方ない面もありますが、これさえなければ高速道路では申し分ないだけに残念です。

【流れの良い幹線道路】
これくらいの速度域ですとロードノイズもさほどありませんので、実に快適に走れます。緩やかなカーブではレールにはまったように気持よく走ります。

【流れの良い国道】
これも快適に走れます。青信号発進でもトルクの不足を感じません。低排気量ガソリンエンジン車の場合、トルクが不足するとアクセルを踏み込んでエンジン回転数を上げますので、エンジン回転音がトルクの不足を感じさせるのですが、ディーゼルエンジンの場合、踏んでもさほど回転数が上がりませんので、エンジン回転音があまり変化せず、そのためトルクの不足を感じることなく走れます。

【急坂】
せっかくトルクの太い車ですので、ディーゼルエンジンの実力を試すべく、普通の車では登るのを躊躇するような急坂を登ってみましたが、1速ながら楽々と駆け上りました。車体が小さいので狭い道も無理なく通れます。普通の山道でしたら平地と同じように走れそうです。

【下り坂】
パドルシフトとマニュアルモードの両方を試してみました。連続下り勾配の場合はマニュアルモードの方が楽ですが、局所的にエンジンブレーキが必要な下り坂がある場合にはパドルシフトで即エンジンブレーキをかけるのが便利です。マニュアルモードやパドルシフトでは、エンジン回転数が上限を越えないようギアの範囲が制限されていますが、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも最高回転数が低いため、1速まで落としたい場面でも2速までしか下がらないことがありました。街乗りと同様に、ディーゼルエンジンの割にはエンジンブレーキが強いものの、下り坂ではガソリンエンジン車の方が有利かもしれません。

【ハイビームコントロール】
デミオでハイビームコントロールを有効にするためには、ライトをAUTOにして、レバーを奥に倒してハイビームの位置にします。あとは自動でハイビームとロービームを切り替えてくれますので、ハイビーム必須の田舎では重宝します。

オートライトはエンジンを切ると自動的に消灯されますので、AUTOの位置のままにしておいても大丈夫です。

【地図表示】
一般道で長距離を走る場合、ピンポイントで目的地を設定するのではなく、だいたいの方向を決め手付近の国道を目安にして走ることがあります。そこそこ大きな縮尺では問題ないのですが、カーナビで画面を縮小表示するとき、ある程度以上縮小すると国道番号が表示されなくなりますので、道がわかりにくいです。そのような際には、カーナビに頼らず紙の道路地図を参照する必要があります。

【座席】
まる1日座っても疲れません。スカイアクティブ以前のマツダ車だと長時間座っているとお尻が痛くなったのですが、最近の座席は随分良くなりました。ガソリン車に乗った際には背もたれ両側の出っ張りが窮屈な印象を受けましたが、ディーゼル車の座席は表面の材質が違うせいか、背もたれ両側の出っ張りに圧迫感がありません。

まだワインディングは走っていませんが、機会があったらご報告したいと思います。

2014年12月28日日曜日

デミオXD Touringが納車されました

突然ですが、デミオXD Touringが納車されました。11月上旬に発注してから納車まで約7週間でした。まだ街乗りしかできておらず、ディーゼルエンジン車の本領を発揮できる状況ではありません。以下、第一印象を記します。

【外観】
前から見ると結構存在感があります。後ろ半分はちんちくりんですが前半分が立派ですので、駐車場で前にずらして駐めると1つ上の車格の車に錯覚しますが、そんなことをしても意味がありませんので、普通に駐車しています。ちなみに、デミオを駐車するようになってから、駐車場の隣の区画にいるミニの駐車位置が30cmほど前に出るようになりました。ミニは小さいのが魅力なのですから、そんなことをする必要は無さそうに思えますが、単にバックする際に左右の車の先頭に合わせて位置を決めているだけなのかもしれません。

付近でアクセラを見かけましたが、アクセラの方がボンネットが平べったいです。デミオは他のコンパクトカー同様に高さ方向で容積を稼いでいるのが見て取れます。たしかにこれだけ形が違うと単純にアクセラの座席をデミオに移植してもアクセラと同じ座り心地にはならないでしょう。

【走り】
《ステアリング》
低速域では予想外にハンドルが軽いです。ある程度スピードが乗ってくると、フロントが重いせいか、デミオ13Sやアクセラ15Sといったガソリン車ほどの軽快さは感じられません。低排気量ガソリン車と同じ感覚でコーナーに突っ込むと少々焦ります。

《アクセル》
低速域での加速は意外と穏やかです。しかし微速走行時に急加速するのは危険ですので、このセッティングは意図的なものではないかと推測します。

アイドリング時で800回転程度、普通に加速して1500回転程度です。青信号から出発すると2000回転まで上がってシフトアップして1500回転に落ちて、またエンジン回転数が上がります。街乗りで常用する回転数はこの辺りです。青信号からの出発でも、トルクよりも前を走る車の車速が制約となるため、トルクの不足を感じることは全くありません。

アクセルを踏み込んで3000回転くらいに上げると、ぐわっとトルクが増して別次元の加速をしますが、公道上でこの回転数にまで上げる機会はなかなかありません。高速道路の加速車線でもアクセルを半分くらい踏み込めば十分に加速しますし、前に遅い車がいると存分に加速する機会がありません。それに、調子に乗ってアクセルを踏みまくるとi-DMから「ドアホ」と言われます。ある程度踏み込まないと異次元加速にならないのは、常時異次元加速だと流れに乗って公道を走るときに却って扱いにくいからではないかと推測します。そのため、ドライバーが強いトルクを意図してアクセルを踏み込んだときのみトルクが太くなるような設定にしているのではないでしょうか。

ターボラグについては、まだ実感できていません。もう少し注意深く観察してみる必要がありそうです。

《ブレーキ》
踏めば踏むだけ効くリニアなブレーキで扱い易いのですが、ガソリン車よりも100kg重いため、デミオだと思ってブレーキを踏むと制動力が少々不足します。重いといってもミニやポロと同じくらいの重量ですので、普段そういう車を運転されている方には問題なさそうです。

エンジンブレーキについては、ディーゼルエンジンの割には強めに感じられます。ディーゼルエンジンでどのようにして強いエンジンブレーキを実現しているのかよくわかりません。

《ホイール・タイヤ・サスペンション》
16インチホイールの割に乗り心地が悪いと感じることはありませんでした。まだ街乗りでしか乗っていませんので、荒れた路面やワインディングでどのような挙動かはわかりません。

【視認性】
《アクティブドライビングディスプレイ》
慣れてくるとなかなか快適です。車速だけでなくレーンからの逸脱状況も表示されますし、カーナビ使用時には選択すべきレーンや曲がる方向も表示されますので、カーナビ画面を見るよりも視線移動が少なくて便利です。

《タコメーター》
中央に大きなタコメーターがあり、かつアナログメーターですのでとてもよく見えます。おかげで視線を向けなくてもだいたいの回転数がわかります。タコメーターの右下に速度が表示されますが、速度表示はもっぱらアクティブドライビングディスプレイの方を見ています。

【静粛性】
《エンジン音》
低速域ではガソリンエンジンよりも音が大きいです。特にアイドリング時から発進時にかけてはディーゼルエンジンならではのエンジン音が気になります。しかしスピードが乗ってくると、エンジン音が気にならなくなります。ディーゼルエンジンは高速域でも回転数が上がりませんので、速度が上がるとガソリンエンジンよりも静かになります。

《ターボ音》
デミオのターボはターボチャージャーが回るときに「キーン」という音がするはずなのですが、今のところあまりそのような音は聞こえません。試乗の際にはかすかに聞こえたのですが。

《ロードノイズ》
タイヤはトーヨーのPROXESというロードノイズの大きい銘柄ですが、まだ街乗りしかできていないこともあって、ロードノイズが気になるような場面はありませんでした。高速道路を走行するときのロードノイズがどの程度なのか気になります。

《アイドリングストップ》
アイドリングストップ時には当然のことながらとても静かになります。エンジンが回っていなければ条件はガソリンエンジンと同じですから。ガソリンエンジンだとアイドリングストップしなくてもアイドリングには音が静かなのですが、ディーゼルエンジンの場合はアイドリング時のエンジン音が大きいため、積極的にアイドリングストップを活用するのがよいと思います。

【匂い】
燃料は軽油ですので排気ガスの匂いがガソリンとは異なります。ガソリンよりも煤けた匂いです。

【マツダコネクト】
いろいろ試してみましたが、今のところ不具合は見受けられません。

《コマンダー》
使えば使うほど便利さが身にしみます。これに慣れたらもう他には戻れそうにありません。とかく不評のマツダコネクトですが、ハードウェアの操作感に関しては秀逸だと思います。

《ナビ》
今のところまだ不具合は見られません。車線の多い道路では選択すべきレーンがアクティブドライビングディスプレイに表示されますので便利です。

《音楽再生》
iPodを接続したり、Ahaでネットラジオを聴いたり、CDを再生したりしましたが、問題なく使えています。ネットラジオをBluetooth経由で再生してもそこそこの音質ですし、逆にCDだからといって他の音源よりも劇的に音が良いわけでもありません。

スマホでネットラジオを聴く場合、最初にストリームをバッファするまで音が出ませんので、短時間の使用には向いていません。一方、日本のスマホは従量課金ですので長時間ネットラジオを再生するとデータ転送量が大変なことになってしまいます。

【スペース】
もともとスペースを期待して選ぶ車ではありませんので言わずもがなですが、荷室は決して大きくありません。しかし荷室の床がリアハッチよりもかなり低い位置にあるため、見た目以上に荷物が入ります。長距離の旅行では2人分くらいの荷物までは入りますので、実質2人乗りの車としては最低限のスペースは確保されているのでしょう。

【街乗りでの所感】
街乗りではガソリンエンジン車の方が快適だと思います。低速域ではガソリンエンジン車の方が音が静かですし、フロントが軽くて曲がりやすいですし、車体が軽い分だけブレーキの効きも良いです。同じデミオで比較するならデミオのガソリンエンジン車の方が滑らかかつ静かかつ軽快です。同じ予算で比較するならアクセラ1.5Lの方が乗り心地が良いですし、15S Touringならデミオにない追従クルーズコントロールもついています。試乗の際にも感じましたが、もし滅多に高速道路を使わないのでしたら最初からデミオディーゼルではなくアクセラ1.5Lを選んだことでしょう(ちなみにアクセラの方が納期が短いです)。また、当然のことながら渋滞しがちな道路でしたらハイブリッド車の方が有利です。

2014年12月27日土曜日

神戸エリアのタイムズカーレンタルでMAZDA新型デミオ限定体感キャンペーン

今度は神戸エリアのタイムズカーレンタルでMAZDA新型デミオ限定体感キャンペーンが実施されています。大都市エリアで利用できるのみならず、デミオのディーゼル車がC2クラス(1.5L)クラスとして利用可能です。

2014年12月10日水曜日

福島県内のタイムズカーレンタルでNewデミオ&アクセラDEBUT体感キャンペーン第2弾

郡山エリアで実施されてきたNewデミオ&アクセラDEBUT体感キャンペーンが、対象店舗を拡大の上延長されました。従来からの郡山店、郡山駅西口店、福島空港店に加え、今回は福島店といわき店に対象が拡大されています。キャンペーン期間中の福島県内は積雪期ですが、いわき周辺でしたら雪の影響を受けません。

レンタカー向けに新車で導入された車両とのことなので、新型デミオや新型アクセラに希少価値があるうちは、続くかもしれません。発売されたばかりの新型デミオはともかくとして、発売から1年以上経過した新型アクセラが未だに珍しい存在というのはいかがなものかという気はしますが、それでも乗ってみる機会があるのはありがたい話ですし、同じ条件でデミオとアクセラとを乗り比べれば、それぞれの特徴を掴みやすいことでしょう。

2014年12月9日火曜日

島根県のタイムズカーレンタルでNEWデミオ&アクセラ体感キャンペーン

2014年12月11日から2015年3月31日まで、タイムズカーレンタル松江駅北店、益田店、石見空港店にて、「NEWデミオ&アクセラ体感キャンペーン」を実施しています。C1クラスのデミオ1.3Lガソリン車、C2クラスのアクセラ1.5Lに加え、C3クラスのアクセラハイブリッドも対象です。

2014年12月3日水曜日

いまどき車にCD/DVDプレーヤーは必要なのか

デミオのメーカーオプションに、CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)というのがあり、セーフティーパッケージをつけると強制的につけられてしまいます。同様に、i-ELOOPをつけてもCD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)が抱き合わせになっています。ちなみにTVチューナーやDVDは走行中には画像が映らない仕様です。

1) そもそもこんなものが必要なのでしょうか
2) 必要だと思う人がいるとしても、なぜ他のメーカーオプションと抱合せなのでしょうか。
3) ユーザーエクスペリエンスをこれほど重視している最近のマツダが、なぜこんなユーザーエクスペリエンス軽視のオプションを抱き合わせにしているのでしょうか。

1) そもそもこんなものが必要なのでしょうか

カーオーディオはラジオ、カセットプレイヤー、CDプレイヤーと進化してきて、今では携帯音楽プレイヤーやスマホをUSBで接続することで手軽に膨大な量の音源にアクセスできます。
同じ量のCDを持ち込もうとしたら段ボール箱数箱分になりますし、そもそも夏に温度の上がる車内にそんなものを置くことはできませんし、狭い車内にそんなものを置く場所もありません。

たしかに非圧縮音源であるCDの方が音質では有利ではあるものの、所詮はノイズに満ちた車の中でしかありません。圧縮音源だと特に高周波数の音が不足するものの、車内にはロードノイズを始めとした低周波騒音で満ちていますので、それが決定的に影響するとは思えませんし、そもそもCDだって一定以上の周波数の音はカットされています。高級車ではBOSEの「アクティブ・ノイズ・コントロール」というノイズキャンセル機能がオプションとして提供されていますが、コストに制約のあるデミオにはオプションとしてすら存在しません。ちなみにアクセラでオプションとして提供されているBOSEサウンドシステムには走行ノイズ補償システムが搭載されています。

日本ではAKB48のCD販売手法によって、見かけ上のCD販売枚数が多いものの、世界的にはダウンロード販売に移行していて、わざわざCDで買ったりしません。

DVDについてはさらに謎で、一昔前なら走行中に同乗者が見ることもできましたが、走行中に画像の映らないDVDを一体どこで再生するのでしょうか。人前では恥ずかしくて見られないような映像コンテンツを人里離れた所まで運転していって見るという想定なのでしょうか。たった7インチの画面でそんなものを映すくらいでしたら他にもやり方がありそうな気がしますが。

TVチューナーについては、通勤時にニュースの音声だけ聴くという使い方は思い浮かびますが、そういう使い方をするならラジオの方が音声だけで情報伝達が完結している分わかりやすいです。

2) 必要だと思う人がいるとしても、なぜ他のメーカーオプションと抱合せなのでしょうか。

大半の人が装着するオプションでしたら標準装備してしまえば部品コスト以上の生産効率向上で元が取れそうですが、今の時代になぜCD/DVDプレーヤーなのでしょうか。しかも標準装備ならまだしもセーフティーパッケージやi-ELOOPとの抱合せにする理由は何なのでしょうか。

CD/DVDプレーヤーのうち、トレイやレンズの原価は極めて安いので、中核を占めるのはチューナーやD/Aコンバータといった半導体部品でしょう。最近は小型化とともに汎用化が進んでおり、安いチップを買うといろいろな機能が使えてしまいます。セーフティーパッケージでは電波を用いる機器が搭載されますので、もしかしたら共通のチップを使っているのかもしれません。i-ELOOPにどのようなソフトウェアが載っているのか知りませんが、充放電の制御ソフトウェアがエンジンや変速機やパワーステアリング等の動力系を制御するチップに載らないのかもしれません。動力系、マツダコネクト系、その他というチップ構成になっているとしたら、動力系にもマツダコネクト系にも載らない機能はすべてその他の部分に押し込まれるのかもしれません。

3) ユーザーエクスペリエンスをこれほど重視している最近のマツダが、なぜこんなユーザーエクスペリエンス軽視のオプションを抱き合わせにしているのでしょうか。

「とりあえず売れそうなものはつけておけ」という発想はトヨタなら理解できますが、これだけユーザーエクスペリエンスを重視して操安やデザインにお金をかけているマツダが、なぜドライバーの価値への寄与が不明なパーツを抱き合わせにするのか理解に苦しみます。ドライバーに提供できる価値を自信を持って説明できるなら上位グレードでは標準装備にしてもおかしくないですし、人によって好みが分かれるというのでしたら抱き合わせ無しに純然たるオプションにするでしょうが、標準装備でもなく、それでいて他のオプション抱き合わせという微妙な位置づけにしたのは、ユーザーエクスペリエンスの観点からは説明がつきにくいです。

ソフトウェアの完成度の低さにもかかわらずアクセラにマツダコネクトが搭載された際には、ハードウェアはしっかりと造りこまれており、「これからの車のインターフェースはこうあるべきた」という信念を感じましたし、スマホへの接続やAhaによるインターネットラジオへの対応など、時代の変化によるニーズの変化を取り込んでいる印象を受けたのですが、なんとなく抱き合わせで売られているCD/DVDプレーヤーにはそのようなものが感じられません。振動に弱い光学ドライブよりも振動や衝撃に強い半導体メモリの方が車載に適しているはずなのですが、なぜ敢えて光学ドライブなのでしょうか。そこに一体どのような信念があるのでしょうか。

2014年11月24日月曜日

レンタカーで新型デミオガソリン車に乗りました(その2)

その1からの続きです。

【ステアリング】

  • ハンドルが重いイメージですが、微速域ではハンドルが軽いので、くるくる回せます。
  • 速度が上がるとハンドルが重くなってきます。
  • ワインディングで巡航しているときは速度が高めですので、ハンドルも重めです。
  • 素直に考えれば単純に速度に応じたパワステのセッティングなのでしょうが、現代の車はエンジンと変速機とパワステの協調制御ですので、本来ならもっと気の利いたセッティングにできそうな感じです。
  • もしかしたら、高い速度で急ハンドルを切りにくいようにすることで、スムースに曲線を通過できる感覚をもたせようといるのかもしれません。
  • 曲線の多い山道でもアンダーステアは感じませんでした。アクセルを緩く踏みっぱなしにしてだらだら登ってもすいすい曲がれますので、楽に走れます。
  • 「楽しい」ではなく「楽」です。

【サスペンション】

  •  アクセラのような「ぬるぬる動く」しなやかさは感じられません。
  • むしろ平らな面の上を流れるような感覚です。もちろん実際には前輪外側の沈み込みがあったりしますので、平らなはずはないのですが。
  • 後輪への荷重が小さいため、そうならざるをえないのかもしれません。
  • タイヤ空気圧は前輪260、後輪230と高めですが、タイヤ空気圧が高いせいで乗り心地が悪いと感じることはありませんでした。

【ブレーキ】
  • 踏んだら踏んだ分だけ効く信頼性の高いブレーキで、カックンブレーキになりませんのでコントロールしやすいです。
  • もちろん微速域でもコントロールしやすいです。
  • 停止するときの挙動も滑らかです。
  • アイドリングストップを有効にするためにはブレーキペダルをかなり踏み込む必要がありますが、ブレーキペダルが重いので、足が疲れてくるとアイドリングストップがかからなくなります。
【パワー】
  • 平坦地での巡航で1300回転、つづら折りの山道をスポーツモードで登るときでも2500回転くらいです。
  • 青信号からの出発の場合、最初は2500回転くらい、ほどなくして2000回転くらいになり、シフトアップしたら1500回転に下がり、2000回転くらいまで上がるごとにシフトアップします。シフトアップのタイミングは他のSkyactiv-Drive搭載車と同じです。エンジン回転数から判断する限りは停止状態から加速する青信号発信が一番負荷がかかっていそうです。
  • アクセラよりも車重が小さいのとエンジンが燃費偏重からパワー寄りになりましたので山道ではアクセラ1.5Lよりも楽です。
  • 山道も含めて概ねトルクの不足を感じることはありませんでしたが、唯一信号待ちの多いバイパスでは、ストップ・アンド・ゴーが多くかつ走行速度が高いため、トルクの不足を感じました。しかし、何度も信号待ちに引っかかること自体が不快ですので、それが気を急かさせていたのかもしれません。スポーツモードにして先へ進んでも次の信号で引っかかってしまいますので、単なる自己満足でしかありません。こういう場面ではアクアが一番向いていると思います(プリウスよりも出足が鋭い)。
  • 1.5Lエンジンならトルクが不足する場面がかなり減るでしょうし、ディーゼルほど値段が高くなるわけではありませんのでバランスも良いのですが、トルクを求める人にはディーゼルエンジン車を売る販売戦略でしょうから、当分の間日本向けには出そうにありません。
【スポーツモード】
  • トルクの不足する場面でスポーツモードに切り替えると、エンジン回転数が上がると同時にガツンと加速度を感じます。
  • 普通の上り坂程度ならスポーツモード不要です。
  • 連続上り勾配ではキックダウンしなくてよいので便利です。
  • 下り勾配ではエンジンブレーキ力をきめ細かくコントロールできるマニュアルモードの方が扱いやすいでしょう。
  • ストップ・アンド・ゴーの多いとき等、トルクの不足する場面でスポーツモードに切り替えたいところなのですが、スポーツモードの切り替えスイッチがシフトレバーの手前側にありますので、運転中に手探りで操作するのが難しいです。普通の車のようにシフトレバー上でボタンを押す方式にしなかったのはなぜでしょうか。スポーツモードを頻繁に使われると燃費が落ちるためになるべく使わせないようにしているのでしょうか。
【静粛性】
《エンジン音》
  • エンジン回転数2000回転くらいまでは静かです。スポーツモードにすると2500回転くらいまで上がり、エンジン音が大きくなるが、それでも安いガソリン車と同じくらいです。
  • 時速100kmでの巡航でも2000回転弱なので、エンジン音は気になりません。
  • 3000回転を越えた辺りから音が高くなってくるのはアクセラ1.5Lと同様ですが、普通に乗る限りその回転数に到達することはめったにありません。
  • アイドリングストップがかかるとやはり静かです。
  • デミオのガソリン車のボンネット裏には遮音材がついていませんが、これくらいエンジン音が静かなら、遮音材は必要ないでしょう。
《ロードノイズ》
  • 一般道では気になりません。
  • 路面の状態にもよりますが、時速80kmくらいから気になるのは先代と同様です。
《風切音》
一般道でも高速道路でも気になりませんでした。


高速走行時に最もうるさいのはロードノイズです。ただし今回はスタッドレスタイヤ装着時のものであり、夏タイヤであるヨコハマブルーアースAのときにどうなるかはまだわかりません。


【道路別の操作感】
《山道》
  • 上りではスポーツモードでゆるくアクセルを踏みながらハンドルを切るだけでつづら折りの山道でもすいすい登れます。
  • スポーツモードでも2500回転くらいまでにしかなりませんので、意外と楽です。
  • 下りは他のSkyactiv-Drive搭載車と同様にマニュアルモードでエンジンブレーキ力をコントロールしながらシフトレバー操作だけで下れます。
《ワインディング》
  • 車体が小さいのは曲線通過時に楽です。
  • ハンドルを切れば切った分だけ曲がりますので安心してハンドルを切れます。
  • 曲線通過時に座席のウレタンパッドが体にかかる遠心力を受けとめてくれますので、安心して曲がれます。
《市街地》
  • 青信号での出発時は、流れの早い道だと出足が鈍く感じられます。
  • 少し我慢しているうちに加速が伸びますので、それなりの速度には達します。
  • 2000回転でシフトアップして1500回転に下るのは他のSkyactiv-Drive搭載車と同様です。
《高速道路》
  • 時速100kmでの巡航時に2000回転弱ですので、エンジン音は気になりません。
  • ステアリングは重く直進安定性は極めて良好ですので、先代デミオに比べるとだいぶ運転が楽になりました。
  • 時速80kmを越えたあたりからロードノイズが大きく感じられました。
  • 高速道路の運転ではアクセラ1.5Lの方が快適に感じられました。
《林道》
  • 微速域での滑らかさは秀逸です。
  • 車体が小さいので狭い林道でも走りやすいです。
  • 狭い道には強いものの、荒れた道には強くありません。荒れた路面だとおなかを擦りやすいので、車高の高いCX-3の方が走りやすいかもしれません。
【アクセラ1.5Lとの比較】
《パワー感》
デミオの方が車体が軽い分、パワー感が大きいです。
《見通し》
アクセラよりも着座位置が高く、かつ車幅が狭いので、デミオの方が開放的に感じられます。
《小回りがきくか》
  • 見通しの良さとあいまって動きやすいです。
  • 狭い林道でもすいすい走れます。
《サスペンション》
  • 足回りに関しては、やはりアクセラの方が優っていると感じます。
  • アクセラの「ぬるぬる」に対してデミオは「すいすい」でしょうか。
  • Bセグメント車の場合、後輪への荷重が小さいのは物理的にどうにもなりませんので、それが制約になっているように見受けられます。
《後ろ半分》
  • 当然のことながらデミオの方が狭いです。
  • 狭いだけでなくしょぼいです。
  • アクセラの後ろ半分はしょぼくありませんし、後席も短時間乗車でしたら大人が座れる広さです。
  • 後ろ半分などどうでもよいと割り切れる人にはデミオでもよいでしょうが、狭いだけでなく乗り心地にも影響しているように感じます。
概ねデミオの方が運転が楽に感じましたが、高速道路ではアクセラ1.5Lの方が快適だと思います。高速走行時はやはり車重がある方が乗り心地や遮音の面で有利です。

【総評】
  • 公道を常識的な速度で走る限り、運転しやすくて楽な車という印象です。
  • 運転技量の低い人でも安心して運転できる車だと思います。
  • 限界を試すような走行はあまり想定していないのではないでしょうか。
  • 意図した通りに走り、意図した通りに曲がり、意図した通りに止まります。
  • 車の挙動を信頼できますので無理なく効率的に運転できます。
  • 普段使いの車として当たり前のことが当たり前にできるのですが、高級車ならともかく、このクラスの国産車で当たり前のことが当たり前にできること自体が当たり前ではありません。
  • トルクに不満が無ければ敢えて高価なディーゼル車にするまでもなくガソリン車でも十分かもしれません。




レンタカーで新型デミオガソリン車に乗りました(その1)

郡山エリアのタイムズカーレンタルでNewデミオ・アクセラDEBUT!!体感キャンペーンをやっていますので、早速新型デミオガソリン車乗ってみました。1日乗ってみると試乗だけではわからないいろいろなことがわかりますので、こういう機会は実にありがたいです。

この時期は雪が降り始めますので路面の凍結状況が気になりましたが、予約の際にたずねてみたところ、郡山市内は積雪なし、山間部で雪が降り始めたとのことでした。そんな時期ですので既にスタッドレスタイヤが装備されていました。

当日店頭に行くと、ブルーリフレックスマイカの新型デミオがいました。ボンネットが大きかったりフロントグリルが大きかったりしますので、正面だけを見るとアクセラと見分けがつきにくいですが、5ナンバーで区別がつきます。まるでゴルフとポロとの区別のように、よく見ればいろいろ違うのですが、ぱっと見わかりにくいです。

【仕様】

  • 2014年11月4日登録、走行距離900kmのおろしたて(レンタカー店向けに導入した新車とのこと)。
  • マツダコネクトあり
  • CD・DVDプレイヤーやTVチューナーもあり(走行中にはTVが映らない仕様なのになぜわざわざつけているのか疑問)
  • ヘッドアップディスプレイなし
  • バックモニター等安全装備のオプションなし
  • オートライトなし、オートワイパーなし
  • ハロゲンヘッドランプ
  • タイヤはダンロップのスタッドレスタイヤDSX-2(185/65R15 88S) 納車まもないのでもちろん新品
  • 座席は布張り
  • 仕様から推測すると13S?
【今回走行した道路】
評価も兼ねていろいろな道を走ってみました。
  • 流れの良い幹線国道
  • 山道
  • 林道
  • 市街地の混雑するバイパス、
  • 流れの良い一般国道
  • 高速道路
  • 山の方では雪が降り始めたとのことでしたが、山の方で溶け残っている雪があったものの、路上への積雪はまだありませんでしたので、積雪路面や凍結路面は走行していません。
概ね燃費に有利な条件のはずですが、林道を微速で走行した時間が長いため、実際の燃費はあまり良くありませんでした(後述)。

【運転席周り】
  • やはり足元は広いです。
  • オルガンペダル式アクセルはアクセラと同様ですが、心なしかアクセラよりも踏みやすいような気がしました。
  • 座席は長時間乗車してもお尻が痛くなることはありませんでした。また、オルガンペダル式アクセルのおかげで右足のかかとが疲れることもありませんでした。
  • 座面の奥行きが短いようですが、特に気になりませんでした。
  • シフトレバーはアクセラのものよりも短めです。アクセラはアームレストに肘をかける前提でコマンダーやシフトレバーのレイアウトが決まっていますが、デミオにはアームレストがありませんので、手の位置が低い前提で設計されているようです。オプションでアームレストをつけるともしかしたら使いにくいかもしれません。
  • エアコンの上に黒い板状のものがありますが、シートベルト着用サイン等の各種表示が出ます。同乗者にも見える必要のあるものはここに表示されるのでしょう。
  • エアコン、CD・DVDプレイヤーの下にスマホ置き場があり、ここにUSB等の端子があります。一見スマホを置くには十分な広さに見えましたが、USBケーブルを挿すとコネクタとスマホとが干渉して、ケーブルがシフトレバーまではみ出します。端子を下側に配置してケーブルが上に伸びるようにすれば干渉しなくなるのではないでしょうか。
【後席・荷室】
  • 足元はさほど狭くありません。
  • 天井が低くて頭がつかえました。天井に当たらないようにしようとすると首をかしげて頭を前に出す必要がありますので、長時間乗車には向かないと感じました。車格や前席重視の設計からすれば当然ですが.。
  • 狭いおかげで後席に荷物を置くと前席から手が届きやすいです。
  • 荷室には荷物を置かなかったため使い勝手はわかりませんが、開口部が大きくなり、荷室の底が深いので、2人分くらいの荷物なら問題なく積めそうです。
【マツダコネクト】
  • iPodをUSBで接続したらすぐに音楽再生できました。細かい部分でアクセラのものよりも改良されているのかもしれません。
  • 今回はカーナビはほとんど使わず地図だけを見ながら走行しましたが、カーナビも含めて特に問題ありませんでした。
  • 前回新型アクセラに乗ったときには地図の拡大縮小の方法がわからなかったのですが、コマンダーノブを時計回りに回すと拡大、反時計回りに回すと縮小できました。画面の拡大縮小は自動ですが、信号待ちのときに先のルートを見ておきたい場合には便利です。

【視認性】
《窓》
  • 良好。Aピラーが手前にあるため山道の右カーブでも見通しが良く、安心して曲がれます。
  • リアウインドウも車体の大きさとの比較では特に小さくありません。
《ミラー》
  • 特に問題ありません。
  • バックモニターが無くても車庫入れは容易です。
《メーター》
タコメーターはアクセラの安いグレードと同様にデジタルですので見づらいです。

【外装】
《塗色》
  • ブルーリフレックスマイカ
  • 写真で見るよりも深みがあって濃い色で、青とグレーの中間のような感じです。
  • 曇り空だと陰影を伴って明るく輝いて見えます。
  • 晴れている場所では濃い青に見えます。
《サイズ感》
  • 正面だけ見るとアクセラと区別がつきませんが、5ナンバーなのでデミオとわかります。
  • いまどきのコンパクトカーはボンネットの小さい車が多い中、デミオはボンネットが大きいため、前だけを見ると1つ上の車格の車に錯覚しやすいです。
  • 前が立派な分のしわ寄せは後ろ半分に来ていて、後ろから見るとちんちくりんです。
  • 駐車場で他の車に囲まれていると明らかに小さいことがわかります。
  • たとえ小さくても貧相には見えないのはゴルフに対するポロに通じるものがあります。
【燃費】
  • 満タン法で267kmで16.37L。16.3km/Lでした。
  • 最初の100kmくらいまでは燃料計がずっとF表示のままでしたが、最終的には燃料計の残が4分の3くらいになりました。当然Eになってからの残もありますので、燃料計の目盛はあまり当てになりません。
  • カタログ燃費に比べて劣るのはむろんのこと、実燃費としても期待していたよりも低かったです。
  • スタッドレスタイヤを装着していることや、林道で微速で走行している時間が長かったことを考慮すれば通常の走行条件なら20km/Lくらいでしょうか。
  • 林道を合計1時間くらい微速で走行しましたので走行距離で60kmほどロスが出ており、330kmで16.37Lだと20.15km/Lになります。

長くなりますので、走りについてはその2に続きます。

2014年11月6日木曜日

意図した通りに動作するということ

主観的な静粛性にせよパワー感にせよ、物理的な性能を所与とすれば、あとはいかに「意図した通りに動作するか」という部分が効いてくるように思えます。車の運転の際には
  1. 状況を認知して判断する
  2. 操作への意思を持つ
  3. 操作する
  4. 車が動作する
  5. 五感へのフィードバック
という流れがありますが、五感へのフィードバックに際しては、
  • 車がもたらす加速度を体で感じ取る(触覚)
  • 車の移動を認識する(視覚)
  • 車が発する音を聴く(聴覚)
となり、加速度を感じて移動を視認する部分がパワー感、音を聴く部分が静粛性につながります。どちらも想定通りであれば心地よく感じられ、想定と異なる挙動であれば不快に感じられます。パワーと静粛性という一見すると異なる性質が、実は意図した通りの挙動がフィードバックされるかという共通の枠組で捉えることができるわけです。

例えば、カーブを曲がる際には、
  1. カーブを視認して、どの程度曲がるべきか判断する
  2. どの程度ハンドルを切るとどの程度曲がるかを予測する
  3. 曲がりたい分だけハンドルを切る
  4. ハンドルに重みを感じつつハンドルの切れる量を認識する
  5. ハンドルを切った分だけ前輪が動く
  6. 遠心力が発生して外側のサスペンションに荷重がかかる
  7. 外側の車輪からのロードノイズが強くなる
  8. ドライバーが遠心力を感じる
  9. 車体が向きを変える
  10. 曲がる際の景色の流れを視覚する
という一連の流れがほぼ一瞬のうちに行われますが、それぞれの挙動が想定通りのタイミングで想定通りの程度で知覚されたときに滑らかな動きとして心地よく感じれますが、この一瞬の動きの中でほんの僅かでもタイミングがずれると想定外の挙動になり、心地よく感じられません。

しかし、車というのは様々な部品から構成されるものですので、様々な場面でそれぞれの部品がどのように影響しあうのかを検証しながら意図した通りの動作を実現し、想定した通りの五感へのフィードバックをもたらす必要があります。想定以下であってはいけませんが、想定以上であってもいけません。

どの程度ハンドルを切ればどの程度曲がるのかがわかりやすく、曲がりたいときに曲がりたいだけ曲がることができれば、安心してハンドルを切れます。すると、安定志向のセッティングだったりフロントが重かったりして物理的な旋回性能があまり良くない車であっても、想定通りに安心してハンドルを切れることができ、さほど運転技量が無くても速く走ることができますので、「曲がりやすさ」を感じてもらうことができます。それが安定性と曲がりやすさの両立につながります。

判断のもとになる情報入力も重要で、見通しの良い曲線を高速で通過するのはさほど難しくありませんが、ブラインドコーナーでどの程度のカーブなのか見通せない場合や、さらに1.5車線道路や1車線道路で対向車が来るかどうかを気にしなければならない状況では安心してハンドルを切ることができませんので、速度を落として前方に注意しながらどの程度の速度でどの程度曲がるべきを刻々と判断しなければならなくなり、それがカーブでの通行のしくにさとして感じられます。

そのような場面では、物理的な旋回性能や想定通りに曲がるハンドリングだけでなく、車幅が狭くて道幅に対して余裕があることや、踏んだら踏んだ分だけ効く信頼性の高いブレーキによって対向車に接近できる距離を縮めることも、曲がりやすさに影響します。

アクセラ1.5Lのパワー感

新型アクセラ1.5Lに乗ったときに、先代の1.5Lに比べてパワーが向上したように感じました。しかし調べてみるとエンジンの出力やトルクの数字は先代とほぼ同じでした。変速機も先代はCVTでしたので少なくとも低速域では動力伝達の損失は無視できるレベル、車体重量もほぼ同じであり、数字の上では特にパワーが増える要素は見いだせませんでした。エンジン性能曲線まではきちんと見ていませんので、もしかしたら低回転域でのトルクが向上しているのかもしれませんが、CVTからATになったにも関わらずCVTに有利なJC08燃費が大幅に向上していることから、パワーよりも燃費に振った可能性があります。

そこで、パワーそのものではなく、パワー感が向上したのではないかという仮説を立てました。そもそもパワーがあるとかないとかいうのはどのような状態を指すのでしょう。

車を加速させようという意図を持ってアクセルを踏み込む、ほどなくしてエンジン回転数が上がってトルクが伝達されドライバーがGを感じながら車が前に進みます。このときパワーが不足しているとドライバーが感じるのは、まずアクセルの踏み込みに対して想定通りのタイミングで動き出さない、想定通りのGが感じられないときではないでしょうか。例えば昔のCVT車はアクセルを踏み込むとはじめにエンジン回転数が上がって、それからしばらくしてから加速したものでした。実際には動力伝達効率が良いにも関わらず、アクセルを踏んですぐに加速しないという点で物足りなく感じられました。裏返せば、この想定外の挙動を排除することによって、実際のパワーを上げることなしに、パワーが不足しているという感覚を排除することができます。

そこでまずアクセルを踏んでから加速するまでのタイミングを、人間が心地よい状態に調整することが一つ目の解決策です。もう一つは車からドライバーにGを伝達する媒体である座席のクッションを改良することです。人間が加速度を感じる筋肉に効率的に荷重をかけることで、車が発生させている加速度をすべて感じ取ってもらうことができるわけです。他にも、アクセルを踏み込んでも燃費が低下しないような燃費の良いエンジンにすることで、燃費のために加速を我慢せずに済み、それもパワー感の向上につながります(燃費のために踏んでも加速しない設定のプリウスは、実際のパワーが大きいにも関わらずパワー感は乏しいです)。

コストとサイズに制約のある小型車でこそ、こういう工夫の積み重ねがドライバーの体感満足度を向上させるわけです。

尚、アクセラハイブリッドの記事「アクセラハイブリッドは“フツーの走り”に感動する!?」に、加速感についての記述があります。例えばドライビングポジションやシート形状、ペダル形状、さらにサウンドまでもが加速感に影響するとあります。

車の静粛性について

アクセラ1.5Lについては、「うるさい」と言う人と「静か」という人がいるようです。普段乗っている車との比較でどう感じるかというのは当然あるとしても、それだけでなくデシベルで測定できるような「音量の大きさ」で捉えるか「音の不快さ」で捉えるかによっても違ってくるのではないでしょうか。

絶対的に静かな車を作りたかったら大排気量自然吸気エンジンを搭載して車体の剛性を高くして遮音材を大量に入れれば静かになりますが、なりふり構わずそういうことをすると大きくて重くて高い高級車になってしまいます。コストとサイズに制約のある小型車を設計するにあたっては、絶対的な音量を少なくする努力にも限度がありますので、あとはその音をどう感じさせるかといった工夫が必要なのではないでしょうか。

例えば、MT車で自分でギアを選んで自分でアクセルを踏み込んでエンジン回転数を上げる場合、低排気量エンジンで回転数を上げれば当然音量は大きくなりますが、自分で意図してエンジン回転数を上げた結果として想定通りにエンジン音が大きくなりますので、さほど不快には感じないはずです。一方、ハイブリッド車でバッテリー残量が低下して充電のために突然エンジンが回り出す場合には、意図せずして想定外に発生する音ですので、音量がさほど大きくなくても不快に感じられます。自分の話し声は決してうるさく感じない一方で、近くにいる赤の他人の会話はうっとうしく感じられるのと同様です。

他にも、高速走行中でしたらロードノイズや風切音が騒音の中心になりエンジン音の影響はさほどありませんが、停止時のアイドリング音は回転数が少なくて音量が小さくてもよく聞こえます。そのような場合、ロードノイズが気にならないよう、敢えてエンジン音を大きめに設定してエンジン音の方が気になるようにすれば、ロードノイズが気にならなくなることで、音が小さく感じられたりします。乗り物の中でヘッドホンをつけて小さい音量で音楽をかけると、音楽に集中するために外の騒音があまり気にならなくなるのと同様です。

工業製品の満足度というのは、最終的にはユーザーがどう感じるかという主観によって形成されますので、聞こえ方をコントロールすることで客観的な音量を下げることなく主観的なうるささを低減することができます。

2014年11月5日水曜日

デミオの塗色について

デミオには「これが決め手」という色がなかなか無くて、色選びに悩みます。カタログ等の写真で見る限りではソウルレッドがダントツできれいなのですが、写真と実車とでは見え方が異なります。実車での見え方を基準にするとなかなか絞りきれません。当ブログではこのエントリーが最もアクセス数が多く、他の方も色選びで迷っていらっしゃるのではないかと推測します。

たしかにカタログの色はきれいなのですが、実車での見え方に合わせてくれないと色選びを間違える恐れがあります。ディーラーで見せてもらえる色見本だと実車と同じ見え方なのですが、A4サイズの四角い紙ですので実車でのイメージが湧きません。色選びに際しては実車を見て決めることを強くお勧めします。

塗色については、ウェブや紙のカタログに記載された色は実車で見える色よりも明るく見えてあまり参考になりませんので、実車を見たときの感想をご報告します。メーカーへの発注時までに決めなければなりませんので、色選びは結構大変です。尚、売れ筋はソウルレッドとスノーフレイクホワイトパールマイカとジェットブラックマイカなのだそうです。自分でデミオの実車を見た中で一番多いのはソウルレッドで、次はダイナミックブルーマイカ、その次がディープクリスタルブルーマイカです。

【現行塗色(2016年秋現在)】
1.ソウルレッドプレミアムメタリック

マツダイチオシの色で、売れ筋でもあるようです。魂動デザインはソウルレッドと一体でデザインされていますので、最もバランスが良いです。今までアテンザやアクセラの実車で見る機会がありましたし、デミオの実車でもよく見かけます。一般に濃色系の塗装の方が光沢感があり、明るめの色だと光沢感が乏しいためにむしろ暗く見えるものですが、ソウルレッドの場合鮮やかさと光沢感とが両立していますので、とても目立ちます。たしかにきれいな色で、造形も生きる色なのですが、かなりの光沢感ですので、特に晴天のときや上から照明が当たっているときには、光の当たり具合によってはギラギラします。乗っている人よりも車の方が目立ちそうな色です。マツダのウェブページやカタログに出ている写真ではぎらつく感じが見えませんので、是非実車で確かめてみてください。

2.マシーングレープレミアムメタリック

最近はマツダはこの色を推しているようで、デミオディーゼルのフロントグリルの差し色もソウルレッドからマシーングレーに変更になりました。光に当たると金属のような光沢が得られるのが特徴ですが、光が当たらないと単なる濃いグレーです。

マシーングレー導入に伴ってメテオグレーマイカが廃盤になりましたが、たしかに両方とも濃いグレーですので、ある意味順当でしょう。

3.スノーフレイクホワイトパールマイカ

白には色が褪せる営業車の白と色が褪せない高級車の白とがあって、これは後者です。アウディの透き通った白とメルセデスのクリームがかった白との中間です。車体のプロポーションがよくわかる色ですので、たしかによく似合います。また、テールランプや窓といった種々のパーツが引き立つ色でもあります。先代のデミオも意外と白の似合う車でしたが、今度のも単体で見れば似合っています。ただし、今度のはフロントグリルが大きいため、メルセデスのちんちくりんみたいに見えてしまいます。最近のアウディやメルセデスに多い色ですので。

4.ソニックシルバーメタリック

2016年秋にアルミニウムメタリックの代わりに導入されました。シルバー系のくせに渋い色だったアルミニウムメタリックとは打って変わって、トヨタ車のような明るくて無難なシルバーになりました。白とグレーの中間くらいの色です。明るい色に変えたのはマシーングレーと被らないようにするためでしょうか。トヨタ車のシルバーと見比べてみると、ソニックシルバーの方が若干艶やかな印象で、光の当たり具合によってはセラミックメタリックに似た色合いに見えます。少し青が入っているのでしょうか。

5.ディープクリスタルブルーマイカ

カタログでは明るめの紺に見えますが、実車では黒に近い暗い濃紺です。アクセラとCX-5の実車で見ました。かなり暗い色ですが、光が当たらない状態では黒のようでいて微妙に黒ではなく、日中に光が当たると控えめに反射します。暗めの色ほど光を反射させますので、夜間に照明が当たると一転してきらびやかな色になります。暗い色を好むなら黒よりもこちらの方がきれいです。側面のプレスラインや窓が目立ちにくくなりますので、塊感が増します。アテンザのような大きな車には暗すぎて合わないのですが、デミオのような小さくて後ろが丸っこい車だと調度良いです。紺は経年劣化が目立ちにくい無難な色で一昔前までのVWに多かった色です(昔のBMWでよく見かけた紺はもう少し明るめだったような)。当たり障りない造形の車が紺色だともうどうしようもないくらいに地味で、フロントの地味なCX-5だと地味すぎる印象なのですが、アクセラやデミオのようにフロントグリルが大きくて前方に突き出している車の場合、塗装が少し地味なくらいの方がバランスが取れます。窓が目立たない一方で、フロントグリルの周りのメッキの縁取りやホイールといった明るい金属部品が引き立つ色です。

濃色系の色は傷や汚れが目立ちやすいので、洗車の際には機械を使わずになるべく手洗いする必要があって、意外と手間がかかります。デミオはハッチバック車の宿命で車体後部が汚れやすいのですが、泥埃が付着すると煤けて見えます。雨の日や雪の日に走らせると結構汚れます。

6.ジェットブラックマイカ

ディーラーの試乗車で見かけました。黒です。色の性質上、外板の細かい造形は見えません。黒は高級車や速い車といったマッチョな車向けの色ですのでリムジンとかレクサスの上位グレードといった高級志向の車や走り屋系の車では黒をよく見かけるのですが、デミオは高級な車でもなければ速い車でもありません。

7.エターナルブルーマイカ

ディーラー店頭で展示されていた色見本で見ました。色見本とはいえ他の色を見る限りでは実車に近い色です。エターナルブルーマイカの第一印象は意外とブルーリフレックスマイカに近いというものでした。しかしブルーリフレックスマイカと見比べると青味が強くなったと同時に光沢感があり、地味だったブルーリフレックスマイカよりも少し鮮やかかつ深みのある色になりました。

その後実車も見る機会があって、見た目の印象はまさにVWゴルフでした。明るすぎず暗すぎず、落ち着いた色でした。

8.ダイナミックブルーマイカ

鮮やかな青です。ソウルレッドも鮮やかさを青にしたような感じです。ブルーリフレックスマイカは水色とグレーの中間、ディープクリスタルブルーマイカは黒に近い濃紺なのに対し、ダイナミックブルーマイカは青らしい青です。マッチョな造形の車だとキモオタブルーになってしまいますが、デミオの造形はマッチョではありませんし、マイカ塗装ということもあり、むしろプジョーの車みたいな感じです。

DJデミオから導入された新色ですので、最初は実車を見かけることがありませんでしたが、実車が走り出すにつれて実車を参考にできるようになったのか、数が増えてきました。

9.ディープクリムゾンマイカ

メディアに掲載された写真では阪急電車のような色に見えましたが、実車で見ても同じく阪急電車色でした。落ち着いた色合いですが、日本人の目には赤というよりもむしろ茶色にこげ茶と赤の中間くらいの色に見えます。

10.チタニウムフラッシュマイカ

ついに実車で見ました。茶色とグレーとの中間の色ですが、どちらかというとグレー寄りで、ぱっと見グレーのようにも見えますが、目が慣れてくるとだんだん茶色に見えてきます。不人気な色ですが、他に代わりになる色が無いためか、2016年秋の商品改良後もしぶとく生き残っています。

大きく分けると、だいたい以下のような感じです。
  1. 原色系:ソウルレッド、ダイナミックブルーマイカ、エターナルブルーマイカ
  2. 濃色系:ディープクリムゾンマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジェットブラックマイカ、チタニウムフラッシュマイカ
  3. モノトーン:スノーフレークホワイトパールマイカ、ソニックシルバーメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、ジェット・ブラックマイカ
中間色系のブルーリフレックスマイカとスモーキーローズマイカが廃盤になったことで、鮮やかな色と濃い色とモノトーンだけになりました。

以下、色について思ったことを記します。

1.外装は陳腐化する

新車のときは特に新車補正がかかっている分どの色だって大抵きれいに見えますが、塗料は劣化しますし、外板も少しづつくたびれてきますし、エクステリアデザインも陳腐化します。そのときにどう見えるかを知るためにはある程度使い込まれた実車を見てみる必要があります。一般に、薄い色ほど陳腐化が目立ちます。

2.外観の構成要素は外板だけではない

外板は外観の主要な構成要素ですが、それだけではありません。テールランプ、ウインカー、窓、ホイール、タイヤ、フロントグリルといった種々のパーツと外板との組み合わせによって外観の印象が決まってきます。

白のような薄い色は窓やフロントグリルといった暗い色のパーツを目立たせる一方、ホイールやフロントグリル周りのメッキの縁取りといった明るい色のパーツを目立たなくさせます。黒や紺のような濃い色は、窓のような暗いパーツを目立たせなくする一方で、メッキやホイールといった明るい色のパーツを目立たせます。

テールランプやウインカーの色は法律で決まっており、その色と合う色と合わない色とがあります。先代のアクセラスポーツでよく見かけた水色は単体ではそこそこきれいなのですが、後ろ姿に違和感を感じました。あのテールランプの形もさることながら、テールランプの赤との相性が良くないのでしょう。

3.周囲との調和

車は単体で存在するものでなく屋外で走るものですから、必ず周囲の景色があります。街なかでどう見えるのか、自然の中でどう見えるのか、晴れの日には、雨の日には、昼間には、夜にはそれぞれどう見えるのかといった様々な条件の中から自分の好みの色を見つけ出すのはなかなか大変です。Google画像検索でいろいろな写真を見てみると、どのような状況でどのように見えるのかわかりますので参考になります。

【廃盤の塗色】
1.ブルーリフレックスマイカ(2016年10月の商品改良時に廃止)

たまにアテンザで見かけますが、こちらの方が落ち着いた印象です。VWゴルフの水色に近い色です。この色のレンタカーを借りたことがありますが、カタログで見るよりも繊細な中間色で、青とグレーの中間のような色です。明るい色のようでいて実は濃い色で、DEデミオの水色よりも暗い色です。明るい場所では単なるくすんだ水色なのですが、曇りや雨の日の暗い場所でほんのり輝いて、存在感が増します。全長の長いアテンザと違って、デミオの場合は小さい分塊感があってより一層存在感があります。晴天率の低い地域や古い町並みに似合いそうな色です。落ち着いた色を好むけれどもグレーのようなモノトーンでは嫌という方に向いているかもしれません。

経年劣化したときにどのように見えるか気になります。DEデミオの明るい水色だと、車体が古くなったときに色が褪せて見えます。ブルーリフレックスマイカはもっと濃い色ですのでそこまで色が褪せて見えることは無いのではないかと想像するものの、なにぶん繊細な色ですので、少し色が褪せただけでも印象が違ってくるのではないかという気もします。

この色には人気が無いようで、たしかにスモーキーローズマイカやチタニウムフラッシュマイカと同じくらいの頻度でしか見かけません。

2.アルミニウムメタリック(2016年10月の商品改良時に廃止)

一番無難な色で、レンタカーだったらこの色でしょう。レンタカーで新型アクセラを借りたときにこの色でした。実車はカタログよりももっと暗い色で、ヴィッツやマーチのレンタカーのシルバーよりも深みのある色です。アクセラのレンタカーがこの色で来るとレンタカー色のくせに迫力があります。ということは、レンタカー色であっても臆することはないということでもあります。

3.メテオグレーマイカ(2016年10月の商品改良時に廃止)

アルミニウムメタリックと同様の無難な色なのですが、造形の目立たない色のためか、プレマシーやノート等の他車の実車を見てもいまいち魅力を感じません。一方、2代目アクセラや3代目プレマシーのような妖怪顔で造形に癖のある車の場合、これくらい地味な色で丁度良いです。特に2代目アクセラはこの色が好みです。アルミニウムメタリックでも十分に濃い色ですので、グレー系の色でしたらアルミニウムメタリックくらいで丁度良いでしょう。

4.スモーキーローズマイカ(2016年10月の商品改良時に廃止)

実車で見かけたときには、ブルーリフレックスマイカのピンク版のような印象を受けました。写真では紫がかって見えることもありますが、実車はピンクとグレーの中間です。色見本で見るとなかなか上品な色なのですが、路上では見慣れない色ですので、とても目立ちます。

レンタカーで新型アクセラ1.5Lに乗りました(その4)

【総評】
  • 予想通り、山道で走らせて楽しい車でした。
  • 走る・曲がる・止まるの基本性能がしっかりしており、かつ操作性も良好です。
  • 1.5Lエンジンの割には意外とパワーも感じられます。
  • 内装や装備も良好で車内は快適です。
  • 高速道路で長距離を移動するとき以外にはとてもよい車なのではないでしょうか。
  • レンタカーでカローラやノートと同じ値段で借りられる1.5Lクラスの車としては破格だと思います。
  • Cセグメントの輸入車との比較ではまた別かもしれませんが、これらの車はレンタカーで安く借りられるような車ではありません。
  • このような低排気量のガソリンエンジン車は、ギアと回転数を自分で選んでエンジンのパワーを引き出すMT車でこそ楽しめるのかもしれません。また、高回転域でトルクの出るガソリンエンジンは、低いギアで回す楽しさがあります。もちろん、AT車で乗っても楽しい車ですが、MT車だったらもっと楽しいのではないでしょうか。ロードスターと違って街乗りでも快適ですし。
  • 一方、AT車の場合、エンジン回転数が上がる状況というのは主にDレンジで走っているときにパワーが足りなくてキックダウンするときですので、あまり気分が良くありません。登り勾配でマニュアルモードにしてギアを下げるような走り方もできますが、いずれにせよDレンジではパワーが足りないときの代替手段でしかありません。AT車ではむしろ大トルクのエンジンで低回転を維持しながら楽に走れる車が好まれます。実際、AT車の普及している北米では大排気量エンジンが好まれますし。

2014年11月4日火曜日

レンタカーで新型アクセラ1.5Lに乗りました(その3)

【オーディオ】
  • 普段車ではiPodで音楽再生していますので、iPodをUSB接続してみたのですが、たったそれだけのことでも意外と手こずりました。最初のうちは、再生状態になっても音が鳴らなくて、もしかしてヘッドホン端子からAUX端子にケーブルを接続しないと音が出ないのかと思ってしまいました(AUX接続もできますので、それで音を出すことも可能です)。マツダコネクト側でiPod内の曲目データを読み取るのに時間がかかっているようで、しかも5000曲くらい入っているiPodを接続したのでなおさら時間がかかったようです。しばらくしてエンジンを切ってからまたエンジンを始動したら、何事も無かったかのように音楽が再生され、しかもちゃんと音も出ました。以降は全く問題ありませんでした。同じiPodをつなぎっぱなしにする分には問題なさそうです。
  • センターアームレストの蓋を開けるとUSB端子2つ、AUX端子1個、SDカードスロット、シガーソケットがありますので、iPod等はそこに接続して収納する使い方になります。蓋を閉めると中が見えませんのですっきりします。
  • USB接続以外にも有線のAUX接続や無線のBluetooth接続も可能で、操作で面倒な思いをしたくなければそれらを用いた方が確実です。
  • スピーカーは6個ついているようで、街乗りでは十分に静かですので音がよく聞こえますが、可もなく不可もなくで、特別に音が良いという印象はありませんでした。
【コマンダーの操作】
  • 大きなノブを回してスクロールし、ノブを上から押すと決定になります。
  • スクロールはタッチパネルの矢印キーを何度も押すよりもノブを回す方が操作が楽です。
  • ノブの周辺にいくつかのボタンがあり、慣れれば手探りで所定のボタンを押せるようになるでしょう。
  • 慣れれば手元を見なくても操作できるようになりますので、タッチパネルではなくコマンダーを主に使うようになります。手元を見ないで操作できるのは、やはり便利です。
  • しかし、慣れれば便利とはいえ、レンタカーでいきなりこんなのに出くわしたら面を食らう人が多いのではないでしょうか。案の定グローブボックスにマツダコネクトの操作説明書が入っていました。
  • アームレストに腕を置いて、そこから手首を下に向けて操作します。コマンダーはパーキングブレーキの左側にありますので、アームレストの左側が切り欠きになっていて、コマンダーを操作しやすくなっています。
  • しかし、アームレストとコマンダーとの間にカップホルダーが2個ついていて、そこに背の高い500mlのペットボトルを入れると邪魔になります。ペットボトルはドアポケットに入れる必要があります。アームレストの前にあるカップホルダーは、コンビニのコーヒーとか缶飲料といった背の低いものを入れるのには問題なく、たしかにこの場所に飲み物を置けると便利です。タバコを吸う人はここに灰皿を置くのでしょうか。
【アクセラとデミオとのコマンダーの位置の違い】
  • アクセラのコマンダーはパーキングブレーキの左側にあり、一方デミオのコマンダーはパーキングブレーキの右側にあります。
  • 通常、この手のユーザーインターフェースは操作方法を統一するはずなのに、どうしてこんな配置になっているのかを推測するに、アクセラとデミオとでは運転席と助手席との間隔が違うからではないかと思い当たりました。
  • アクセラの車幅は1795mm、デミオの車幅は1695mmと100mm違います。座席の大きさは同じですので、車幅の違いが運転席と助手席との間隔にそのまま反映されます。アクセラだとアームレストの幅が20cmくらいあるのですが、デミオだとこの部分の幅が10cmくらいしか取れません。
  • そのため、アクセラではアームレストに手を置いて操作する前提で、アームレストの前方にコマンダーがあり、パーキングブレーキはその右側ということになります。手首の位置が高いため、コマンダーを操作する際に、パーキングブレーキが邪魔になることはありません。
  • 一方デミオでは大きなアームレストを置くスペースがありませんので、パームレストに掌を置いてコマンダーを操作します。この場合、もともと掌の位置が低いため、パーキングブレーキが右側にあると操作の邪魔になります。そこでパーキングブレーキを左に寄せることになります。左に寄せるといっても数cm左に寄る程度です。

レンタカーで新型アクセラ1.5Lに乗りました(その2)

さて、悪名高いマツダコネクトはどうでしょうか。

【カーナビ】

  • 最高の車がナビのせいで台無しと言われるくらいとても評判の悪いマツダコネクトのカーナビですので、一体どんな変な案内をするのだろうかと半ば期待しておりましたが、田舎で使う分には意外にもまともに機能していました。
  • レンタカーについているような安物のカーナビに比べて別段遜色なく、むしろ安物カーナビを使用した場合よりも道を間違える回数は少なかったです。音声案内のタイミングや、現在位置表示がわかりやすいのかもしれません。正しい情報を表示していても、正しいタイミングできちんとドライバーに伝達しなければ意味がありません。
  • 首都高速や立体交差のような入り組んだ道でどうなるかはわかりません。ただし首都高速の場合、どこでどちら側のレーンを通るか予め把握していないと、カーナビの案内だけに従って走るのは難しいのではないでしょうか。
  • 目的地入力も特に問題ありませんでした。停車中はタッチパネルが使えますので、通常のカーナビとほぼ同じ使い勝手です。スクロールする際には後述のコマンダーノブが使えますので、タッチパネルで矢印キーを押し続けるよりもむしろ便利でした。
  • 唯一気になったのは、角を曲がるときに、角を曲がったことが認識されるのが遅れ、曲がるはずの角を曲がらなかったものとしてリルートの計算をしだしたことです。しかし角を曲がってからしばらくすると元に戻りました。
  • 縮尺は自動で拡大縮小しますので、込み入ったところでは縮尺が大きくなって道がわかりやすくなり、一本道を移動するときには縮尺が小さくなり位置を把握しやすくなります。
  • ただし、手動で縮尺を調整する方法がよくわかりませんでした。
  • 画面表示は全般的にシンプルです。あまり情報量をつめ込まれてもドライバー側で処理しきれませんので、ドライバーが本当に必要としている情報だけを簡潔に表示してくれる方式の方が使い勝手が良いと感じます。

なんだか信者みたいな書きぶりになってしまいましたが、実際に自分で使ってみてそう感じたのですから仕方ありません。その3に続く

レンタカーで新型アクセラ1.5Lに乗りました(その1)

1.5Lクラスのレンタカーを予約したら、なんと新型アクセラが来ました。1日中山道(旧中山道ではない)を走ることが出来ましたので、試乗だけではわからない部分もレポートします。走行したのは山道がメインで少し市街地も走った程度です。高速道路は走行しませんでした。

【第一印象】
迫力のある車が来ましたので一瞬アテンザかと思いました。1.5Lクラスの車ではありえないような雰囲気です。レンタカーの1.5Lクラスでは下手をしたらノートのスーパーチャージャー無しに当たることもあり、そういう車と同じ料金であることが信じられません。

【仕様】
今回借りた車の仕様は以下の通りです。
  • 1.5L
  • セダン
  • AT
  • FF(車検証記載の型番から確認)
  • 2014年8月納車
  • 走行距離5700km程度
  • タイヤはブリジストンEcopia EP150というエコタイヤ
  • ホイールは205/60R16 92V レンタカーなのでもちろん鉄チン
  • リアサスペンションはマルチリンク
  • マツダコネクト付 当然カーナビもマツダコネクト純正
  • ヘッドアップディスプレイなし
  • 中央にアナログスピードメーター、左側に目盛り式のデジタルタコメーター
  • バックモニターつき
  • マニュアルエアコン
【エクステリア】
  • 塗色はレンタカー定番のアルミニウムメタリックですが、ヴィッツ等の普通のレンタカーよりも深みのある色で、あまりレンタカーらしく見えない色です。
  • セダンでありながらノーズが長く、トランクの部分が短いので、昔のセダンとはずいぶん印象が違います。クーペだったら似合いそうな感じです。
  • フロントグリルに迫力があるのは前述の通りです。
  • リアはハッチバックほどごてごてしておらず、すっきりとした印象です。テールランプ周りのデザインは同じなのですが、リアウインドウの位置や形状が異なるためかもしれません。
【パワー】
  • 先代アクセラの1.5Lに比べてパワーに余裕があるような気がします。数字の上ではほぼ同じですし、先代はCVTでしたので、動力伝達効率に大きな差は無いはずなのですし、重量もほぼ同じなので、一体どこで差が出るのか不思議ですが、もしかしたら意図した通りに加速するよう作り込まれていて加速感、パワー感が向上しているのかもしれません。
  • 街乗りで1500回転程度、緩い上り坂なら2000回転程度、急な上り坂で3000回転程度です。
【ハンドリング】
  • 2Lクラス向けの足回りに軽量な1.5Lエンジン搭載ですので、フロントが軽くてよく曲がり、しかも足回りがしなやかです。先代1.5Lと同様にぬるぬる動きます。
  • 旋回時にアクセルやブレーキの操作にさほど気を使わなくてもアンダーステアになりにくいです。
  • せっかく2輪車を先に通してあげても、意図せずして追いついてしまいます。2輪車と遜色ないスピードで旋回でき、かつ直線路では4輪車の方が速いからです。

【静粛性】
  • 音は低排気量ガソリンエンジンなりのものです。
  • 街乗りではいたって静かです。
  • 2000回転あたりから少し音が大きくなって、3000回転だと、意図的にそういう音にしているかのような軽快な音が響きます。
  • 2L車に比べるとエンジン回転数が高い分、高速ではあまり楽でなさそうです。
【アクセル・ブレーキ】

  • オルガンペダル式のアクセルのおかげでアクセル開度をコントロールしやすいですし、かかとの位置が安定しますので、疲れにくいです。
  • ブレーキは踏んだ分だけしっかり効きます。カックンブレーキになりにくいので安心して踏めます。

【取り回し】
  • 車幅が1795mmもありますが、普通の道路でなら特に不自由しません。
  • バックモニターのおかげで車庫入れでも全く不自由しません。
【視認性】
  • 前方の見通しは特に問題ありません。
  • ミラーも特に問題ありません。
  • ハッチバックと違ってセダンは後ろの窓が少し大きめですので、見やすいです。
  • スピードメーターは慣れ親しんだ場所にありますし、アナログですので見やすいです。
  • 目盛り式のデジタルタコメーターは非常に視認しにくいです。上位モデルでアナログタコメーターを中央に持っていくのは理にかなっています。AT車だからと割り切っているものと思いきや、なんとMT車でもデジタルタコメーターのようです。
  • i-DMは通常は青や緑や白の小さいランプがメーター部に表示されるだけになりました。詳細情報はマツダコネクトの画面から参照できます。運転中に余計な情報が表示されなくなって運転しやすくなりました。
【スペース】

  • 前席は当然ゆとりがあります。アクセルペダル周りも広々しています。
  • レンタカーの送迎時に後席に座りましたが、短時間乗車でしたら全く問題ない広さです。
  • トランクルームも容量がたっぷりあり、2人分の旅行の荷物くらいでしたら楽々入ります。
  • 2人乗車でしたら十分すぎる広さです。
  • 大人2人+子供2人くらいまでなら行けそうですが、そういう用途だと今ではミニバンに流れてしまうのかもしれません。

【燃費】

  • 250km走行して16Lの給油でした。だいたい15km/L台です。
  • JC08燃費が19.6km/Lですので、高速に乗らずに山道ばかり走ってしかも我慢せずに普通に走ってこの実燃費でしたら良好ではないでしょうか。
  • 先代に比べて燃費は大いに向上しています。

さて、マツダコネクトの出来はどうだか気になるところですが、マツダコネクトのことについて書くと長くなりますので、一旦切ります。その2に続く

新型デミオに試乗しました(その4)

デミオXD Touringに試乗したものの、リアサスペンションでは我慢しなければならない部分があるため、同予算のアクセラ15S Touringにもまだ未練があり、最後に試乗しました。

【アクセラ15S Touring】
  • 内装や安全装備はデミオXD Touringと同様です。
  • エンジン音は大きめです。同クラスのガソリン車の中では静かな方かもしれませんし、街乗りでは全く問題ない水準なのですが、ディーゼルとの比較では明確に違います。
  • 走りは軽快にしてしなやか。前後の荷重のバランスが良いため、よく曲がりますし、リアサスペンションもきちんと仕事をします。ただし、XDと比較するとサスペンションはやや劣るような印象を受けました。てっきり荷重の違いによるものかとおもいきや、後で調べてみるとXDのサスペンションは専用設計らしく、普通のアクセラに同じものを期待することはできないようです。XDのサスペンションは素晴らしいです。
  • デミオのディーゼルとアクセラ1.5Lとでは方向性が異なり、高速道路で楽なのはデミオディーゼル、山道で遊んで楽しいのはアクセラ1.5Lだと思います。現地でレンタカーを借りるのでしたらアクセラ1.5Lの方が楽しめますが、都心を通過して高速道路で移動することを考えた場合、デミオディーゼルの方が楽でしょう。用途が明確であればさほど迷わないと思います。
試乗コースだとアクセラ1.5Lの楽しさがわかりにくいと思っていたところ、レンタカーでアクセラ1.5Lに1日中乗る機会がありましたので、次はそのレポートです。

新型デミオに試乗しました(その3)

さて、本命のデミオXD Touringの試乗です。

【デミオXD Touring】
  • 今度はマツダコネクトを使って無事ヘッドアップディスプレイの高さ調整ができました。高さ調整そのものはダイヤルを回して直感的にできるのですが、設定画面まで到達するまでが大変でした。
  • ステアリングの感触は、ガソリン車よりもさらに重厚な感じです。
  • 直進安定性は抜群。先代もBセグメントの中では直進安定性の良い車でしたが、今度のデミオXD Touringの直進安定性は2Lクラスに匹敵します。
  • 交差点を曲がる程度の速度では、特にアンダーステアを感じることはありませんでした。公道で常識的な速度で走る限りは特に問題ありません。
  • 音はアクセラXDと同じくらい静かです。
  • 街乗りだと本来持ち合わせているトルクを実感する場面が無いものの、アクセルを踏み込むとさすがに後方からのGを感じます。
  • ヘッドアップディスプレイに慣れないうちは、その場所に速度が表示されていることを実感できないため、ついメーターの方を見てしまいますが、慣れてくるにしたがって、前方を注視しながら少ない視線移動で見ることができるようになりますので、運転しやすくなります。問題はどの程度の頻度で速度計を見るかですが、エンジン回転数の上昇といったわかりやすい加速感無しにいつの間にか加速が伸びるタイプの車ですので、スピードが出すぎないよう気をつける必要がありそうです。
  • ガソリン車以上に、小さな段差で後輪に突き上げを感じました。16インチホイールのせいかと思ったものの、試乗から戻って空気圧を調べてみたら260kPaありました。220kPaまで下げれば乗り心地が良くなるかもしれません。
  • ガソリン車と同様またはそれ以上に後輪への荷重が不足しているためかもしれず、だとすると後輪への荷重の大きい4WD車だともっと乗り心地が良くなる可能性があります。クラスの壁を越えるといっても、さすがに重量という物理的な性質はBセグメント相応です。リアサスペンションについてはCセグメントのアクセラとの圧倒的な差を感じます。
  • 前半分はものすごく良くなっているのですが、後ろ半分が相変わらずのデミオで、まるでアクセラ2Lの前半分と先代のデミオの後ろ半分とを合体させたような車に感じられます。
本来ならここまでで十分だったのですが、リアサスペンションの挙動を同予算のアクセラ15S Touringと比較したかったので、次はアクセラ15S Touringの試乗です。

新型デミオに試乗しました(その2)

次に試乗したのはアクセラXDでした。こんな機会でもなければたぶん一生乗れそうにありません。

【アクセラXD】

  • 「ぼくがかんがえたさいきょうのあくせら」ですので、至れり尽くせりです。車にそういうものを求める人にとっては結構お買い得かもしれません。スカイラインからのダウンサイジングにもどうかと思ってしまうくらいです。標準で装備がてんこ盛りですので、乗り出し価格はデミオディーゼルよりも100万円高い程度です。しかし車だけが人生ではありませんので、その100万円で他に何ができるかと考えてしまうとなかなか手が出せませんが。
  • シート調整のレバーを探してまごついていたところ、「電動です」と教えてもらいました。手で動かす手間は大したことないのですが、電動だと細かい調整ができるのがいいですね。
  • ヘッドアップディスプレイに何も映らなかったので、てっきり走り出すまで映らないものとばかり思っていたのですが、きちんと高さ調整をしないと見えないだけでした。高さ調整はマツダコネクトを通じてしかできませんので、ある程度マツダコネクトの操作に慣れないとスピードメーターすら読めません。ただしタコメーターの右下にデジタルのスピードメーターがありますので最低限のことはできますが。ミラーやシートの調整と違って慣れない人には調整しにくい部分です。ドライバーが交代するときにはとても煩雑です。
  • 後ろの窓はかなり小さいです。プリウスの後ろの窓の上半分の桟の上くらいの大きさしかありません。このクラスになるとバックモニターがついていますので、車庫入れはバックモニター任せにして、後ろの窓からは後ろの車の存在がわかればよいと割り切っているのかもしれません。
  • デミオよりもむしろ狭く感じます。幅が100mm広いので、絶対的な広さは当然アクセラの方が上なのですが、幅が広くて天井が低くて室内がデミオよりも暗い上、デミオよりもAピラーが寝ているため、囲まれ感があります。ちなみにデミオとアクセラとで前席の大きさは同じですので、幅が100mm広い分は運転席と助手席との間の距離の差になります。アクセラだと収納つきの大きなアームレストがありますが、デミオにはありません。
  • 音は驚異的に静かです。ディーゼルというイメージに反して、むしろ普通のガソリン車よりも静かです。もちろん静音対策にも力を入れているはずですが、むしろ加速してもエンジン回転数が低いままであることの効果が大きいように見受けられます。
  • 発進時のみ少しエンジン音が聞こえてきて、耳を澄ませばガソリンエンジンの音とは違うことがわかりますが、従来のディーゼルエンジンの音よりもかなり軽やかで、ディーゼルエンジンではないみたいです。もちろん機構的には紛れも無くディーゼルサイクルのエンジンなのですが、とにかく従来からのディーゼルエンジンに基づく先入観では判断できません。こればかりは実車に乗ってみないとわからないことでしょうから、ぜひ一度試乗してみてください。CX-5やアテンザでディーゼルばかりが売れる理由がわかるような気がします。
  • アイドリング時にはエンジン音が気になりますが、アイドリングストップがありますので、信号待ちのときには気になりません。
  • 公道で普通に走る限り、走りは意外と普通です。普通に走るだけなら同じ値段で買えるアテンザのディーゼルの方が燃費も良いですしし後席も広くて扱いやすいかもしれません。
  • 足回りはデミオと全然違います。デミオで通ったときに段差の突き上げが気になったのと同じ箇所を走ったら、段差の存在にすら気が付きませんでした。アクセラのディーゼルは重くて後輪への荷重が大きいので、それが効いているのかもしれません。
  • 短い試乗時間ながらも至福のひとときを味わいました。デミオのディーゼルの試乗車がまだ入っていない場合には、マツダのクリーンディーゼルエンジンがどのようなものか知るためにも、アクセラXDの試乗をおすすめします。音は似たような感じです。
次はついに本命のデミオXD Touringの試乗です。

2014年11月3日月曜日

新型デミオに試乗しました(その1)

新型デミオのディーゼル車に興味がありましたので試乗しました。比較のためにデミオ13S、アクセラXD、アクセラ15S Touringにも試乗しました。すべてATです。アクセラに試乗したのは、15S Touringにも興味があったのと、アクセラXDなんてレンタカーでは乗れませんので、試乗でもない限り乗る機会が無いからです。また、車のことには詳しくありませんので、同じ条件で他と比較してみないと特徴をうまく掴めないからでもあります。

試乗コースは付近を四角く一周するだけという教習所の路上教習初日みたいなつまらないコースです。そういう地区ですので仕方ありません。長い直線区間がありますので、アクセルを踏み込んで遊んだりできますが、ワインディングでの挙動を知ることはできません。これは実に勿体ないことで、まっすぐ走るだけなら他の車はいくらでもあります。

以下、順次感想を記します。

【デミオ13S】

  • ドアを開けたときの室内の空間の第一印象は先代のデミオと同様。後席の狭さも先代と同様。荷物室は容積は変わっていないはずなのですが、形状が工夫されたのか、先代よりも荷物を入れやすそうな印象を受けました。
  • 運転席周りの質感は大いに向上していて、ステアリングを握った瞬間から質感の向上を実感できます。
  • シフトレバーはSkyactiv-Driveの標準のみならず、いまどきのAT車によくある、Dレンジから右に倒すとマニュアルモードになるタイプです。多段ATのシフトレバーはこのタイプが一番使いやすいと思います。
  • 微速域での滑らかさは秀逸。たしかにそういう風に作りこんでるとのことですが、高級車ならともかく、同クラスの安物でいろいろ我慢させられる部分だけに、このクラスでこの滑らかさはそれだけでも感動します。
  • ステアリングフィールは良好。直進したいときにはぐらつかず、曲がろうとする意思を持つとスルスルと曲がります。不快な振動は伝わらない一方で、路面からの情報は伝わってきます。運転中には常時触れている場所だけに、この部分が気持ち良いと運転操作全体の気持ちよさが格段に増します。高級車なら当たり前かもしれませんが、これはBセグメントのデミオです。
  • 運転席からの見通しがよく、座面が高いこともあり、開放的な印象です。
  • 音は静か。ただし先代でもエンジン音は小さめで、時速80kmまでは静かでそれを越えるとロードノイズが急にうるさくなりますので、比較するなら時速80km以上での静粛性を検証する必要があるのですが、あいにく試乗コースでは時速80km以上出せる場所がありませんでした。
  • 信号待ちで停車したときにi-Stopの表示が点滅していましたので、てっきりアイドリングストップ動作中かと思いましたが、実は点滅時には動作していなくて、ブレーキをもっと踏み込んで初めてアイドリングストップになり(i-Stopの表示が点滅から点灯に変わります)、それまでエンジンが回っていたことにやっと気が付きました。アイドリング時のエンジン音はそれくらい静かということで、これは先代のデミオも同様です。
  • スポーツモードを試してみたところ、ギアが低くなって回転数が上がって必然的にエンジン音も大きくなるというよくあるタイプのもので、山道では使うかもしれませんが、街乗りでは不要です。スイフトのCVT車みたいにスポーツモードにしないとまともに加速しないわけではありません。
  • 先代Skyactivに比べてパワーもトルクも向上しているとのことですが、それは先代のSkyactivが非力だっただけで、パワーとトルクだけでしたら先代の非Skyactivの4AT車と同じくらいではないでしょうか。それでも十分によく走りますが。
  • 段差のある路面を中速で通過したときにリアサスペンションで突き上げを感じました。リアサスペンションがトーションビームだからというよりもむしろ、Bセグメント車は後輪への荷重が小さいため、そもそもサスペンションが仕事をする余地が乏しいためではないかと感じました。後席に人が乗っているとまた印象が違うかもしれません。
  • 前半分はかなり良くなっている一方で、後ろ半分は相変わらずデミオでした。後席や荷室の広さが先代並のみならず、ドアを閉めたときの音やリアサスペンションも先代並です。
  • 同クラスの国産コンパクトとはもはや同列に比較できない存在になっています。他の条件が一定ならデミオにしない理由を見出だせません。しかし街乗りでしたら乗車時間は短く、質感の違いの及ぼす影響も小さいわけで、ただ街なかを走るだけでしたら安いパッソだって意外とちゃんと走ります。
  • もちろん後席や荷室の広さに関してはフィットやノートには劣りますが、もし安くて後ろが広い5ナンバー車を求めるのでしたら、むしろCセグメントのカローラフィールダーの方がフィットやノートよりもはるかに使い勝手が良いのではないかと感じます。
  • ですので、車として優れているということが直ちに購入に結びつくかという点は慎重に考える必要がありそうです。
デミオ13Sだけで長くなってしまいましたので、一旦切ります。その2に続く