2015年12月31日木曜日

エアコンフィルターを交換しました


納車から1年経過しましたので、エアコンフィルターを交換しました。PMC(パシフィック工業) クリーンフィルター PC-411C という製品が純正互換で安く市販されていると知ってAmazonで購入しました。たまたま表示価格の20%引きのキャンペーンをやっていましたので、安く買うことができました。

交換方法は簡単で、助手席のグローブボックスを開き、横を内側に押して取り外し、正面左奥のエアコンフィルターを取り外し、同じ場所に装着して、グローブボックスを元に戻すだけです。素人でもできます。

取り外したフィルターは真っ黒でしたが、最初にどのような状態だったのか知りませんので、どの程度汚れたのかはわかりません。最初から黒かったという可能性もあります。ただ、「1年または15000kmの短い方」が目安であるにもかかわらず30000km近く走ってしまいましたので、本来あるべき状態ではないのではないかと推測します(夏以外はあまりエアコンはつけないのですが)。前を走る車の排気ガスの臭いが入ってきたりしましたので、消臭効果は無くなっていたのかもしれません。

今回装着したフィルターは初期状態を見ていますので、汚れ方の経過を追うことができます。15000km走行したときにどのような状態になっているのか見てみたいと思います。

2015年12月24日木曜日

デミオの年次改良

2015年12月24日にデミオの年次改良が発表されました。主要諸元も公表されています。これから発売される車の仕様変更であり、既存の車には全く関係ない話なのですが、せっかくですので年次改良前の車に1年乗った経験に基いてコメントしてみたいと思います。
  • ナチュラルサウンドスムーザー:とても興味のある機能なのですが、よく考えて見れば中速域以上ではカラカラ音が聞こえません。
  • 遮音ガラス:13S Touringは高速道路での使用を想定したグレードでしょうから、高速走行時の風切音を遮断するための装備は順当だと思います。
  • DE精密過給制御:現状の課題は出足が鈍すぎることと、速めに加速した際に時速30km辺りで一瞬「ぶおん」とターボが効き過ぎる速度域があることです。改善されるのはありがたいですし、できれば既存の車にもソフトウェアの書き換えを適用してほしいものです。
  • 電動パワーステアリング制御の改良:現状ではセンター付近がギチギチに固められていて、左右方向のグリップ力の立ち上がりを感じるためのステアリングの遊びがありませんので、直進する上で不便でした。これを改良するのは当然だと思います。既存の車にもソフトウェアの書き換えを適用してほしいものです。
  • シャークフィンアンテナ:アンテナがツノだろうとトサカだろうとどうでもよいのですが、タワー式立体駐車場に入る前にアンテナを畳む手間が省けるのは楽かもしれません。
  • シートヒーター:寒冷地で重宝する装備なのですが、同じく寒冷地で必要なヒーテッドドアミラーはついておらず、マツダの寒冷地仕様はどことなく中途半端な印象を受けます。革シートは冬には冷えるのですが、ファブリックのシートはさほど冷えませんので、革シートのLパッケージ以外では寒冷地向けオプションで十分なのではないかと感じます。
  • フラットワイパー:ワイパーに求めるのはきちんと窓ガラスを拭き取れることであり、形はどうでもよいのですが、高価なフラットワイパーを大量に調達することでコストダウンを狙っているのでしょうか。もしワイパー作動時の視界が改善するのであれば有用だと思います。
  • 13S Touringの追加:高速道路向けの本命はXD Touringなのですが、XD Touringが快適に走れる速度は日本の高速道路の速度域に比べて高めですので、高速道路の走行車線をのんびり走る分にはガソリンエンジン車の方が扱いやすく、かつ安価です。日本の道路事情に即したグレードだと思います。輸出仕様と同様に1.5Lエンジンだともっと余裕のある走りができそうですが、1.3Lであってもハイギアードなおかげで高速域でもよく走りますし、むしろ高速走行時の騒音低減の方が重要だと思います。ホイールサイズが気になりましたが、幸い15インチでした。15インチの方がタイヤサイズやホイールサイズが素直ですし、同じく15インチホイールを履くXDと異なり重量バランスも素直ですので、扱いやすそうです。唯一気がかりなのは高速走行時の安定性ですが、XD Touringならともかく、レンタカーで13Sに乗った限りでは、13S Touringの想定される速度域では問題ないと思います。
全般的な印象としては、
  • Touring以上のグレードと無印のグレードとの差の拡大
  • 人気のあるオプションを標準装備化することによるコストダウン
  • CX-3と共通部品を採用することによるコストダウン
  • 同じコストで装備が充実することによるお値打ち感
  • ソフトウェアの順当な改善
が挙げられます。

今回の改良には含まれていませんが、いずれ改善してほしいのは以下の項目です。
  • ダンパー:CX-3の年次改良ではダンパーの改良が含まれていますが、あいにくデミオのダンパーは今回の改良の対象外のようです。まだ量産品の品質が安定しなくて数が揃わないのでしょうか。
  • タイヤ:電動パワーステアリング制御の改良に伴い、新車装着タイヤの選定が見直されることを期待しています。16インチのトーヨーProxes R39は走りに関しては特に不満は無いものの、ロードノイズが大きいため、高速道路を走ると耳が疲れます。
  • 追従形クルーズコントロール:日本の高速道路は混雑するため、追従形でないと本来の意味でのクルーズコントロールとは言いがたいです。追従形クルーズコントロールは既にアクセラ以上には採用済ですが、コストの制約のため、まだデミオには採用されていません。「コスト」の指すものがハードウェアであれば上位車種と共通の部品を採用することでコストを抑制できそうですが、車種ごとのソフトウェアの作りこみであるならば、開発のために固定費がかかりますので、開発手法自体が効率化しない限りなかなかコストが下がりそうにありません。
  • 電動パーキングブレーキ:現状ではコストが高いためか高級車からの導入となっていますが、運転席と助手席との間のスペースに制約のあるコンパクトカーにこそ便利な装備だと思います。いずれコストがこなれてきてアクセラに採用されるくらいになれば、アクセラのお下がりが回ってくるかもしれません。
旧モデルの在庫は限られているでしょうが、在庫処分で安くなるでしょうから、新モデルのハードウェアに興味がなくてかつ安く入手したい人にはチャンスかもしれません。

2015年12月23日水曜日

法定12か月点検を受けました

納車から1年経過したため、法定12か月点検を受けました。有償でオイルを交換してから10000km、冬タイヤに交換してから5000kmの時点で点検を受けられるよう、走行距離を調整しました。点検に併せて、リコール対応2件とMGコートのメンテナンスも実施しました。

今回はいろいろありましたので、2時間近くかかりました。今までブレーキ周りの調子が悪くて、停止時にカックンと揺り戻しがあったのですが、いくぶん良くなりました。オイル交換も実施しましたので、調子がよくなったような気がします。リコール対応の燃料フィルタ点検については、燃料漏れは無かったとのことで、後日対策品が出てから再度入庫することになりそうです。

点検だけですと特筆すべきことがありませんので納車から1年の感想を記しますと、思いの外距離が伸びました。せっかくディーゼルエンジンなのだから2万kmくらいは乗りたいと思っていましたが、この1年で27000km走りました。長距離を走って疲れないとか高速道路で楽というのはそれ自体は主観でしかありませんが、走行距離の数字には表れます。高速道路走行も含めて1日500kmくらいでしたら楽に走れます。

高速道路走行が大半を占める長距離走行での実燃費の低さは抜群で、ディーゼルエンジン車であるだけでなく、車体が小さくて軽いのも効いていると思います。

登場当初は悪評だらけだったマツダコネクトも徐々にソフトウェアが改善され、普通に使う分には特に問題ない水準になってきました。コマンダーノブの使い勝手の良さは最初から変わらず、今では不可欠なものになっています。

発売から時間が経過したこともあり、次第に新型デミオを見かける頻度が高くなってきました。CX-3も少しづつ増えていて、道路上でのプレゼンスは徐々に拡大しているような印象を受けます。デミオで見かけるのはディーゼルエンジン車とガソリンエンジン車とで半々くらいでしょうか。日本でのコンパクトカーの使い方からすればガソリンエンジン車の比率が高くて然るべきなのですが、その割にはディーゼルエンジン車をよく見かけます。ディーゼルエンジン車は街乗りでは必ずしも使い勝手が良いわけではないのですが、それを補うだけの価値が認められているのでしょうか。

2015年12月21日月曜日

マツダコネクトの地図データを更新してみました(2014年度版→2015年度版)

2015年12月21日についに念願のSDカードPlusの地図データ更新が来ましたので、早速更新してみました。入庫を間近に控えておりましたので、そのついでにやってもらうことも考えたのですが、自分でできることなら自分でやりたいですし、自分でやる方がいろいろわかります。

【今回の更新範囲】
今回更新対象の地図データは2015年度版であり、2015年夏までの地図データが反映され、2015年秋にリリースされたものです。2017年度版まで配信される予定とのことで、今回を含めてあと3回地図データを更新できます。2015年春に高速道路の開業が相次ぎましたが、今まで地図データに反映されておらず、新規開業区間を走行するたびに空中浮遊していました。高速道路ならルート上で迷う心配は無いものの、ルート検索時に検索対象とならないため、例えば首都高速中央環状品川線を通るべき状況でレインボーブリッジ経由のルートへと誘導されたりしました。さらに、中央環状品川線を走行すると、空中浮遊どころか、トンネル内で自車の位置を見失ってとんでもない現在位置を表示したりしていました。

【更新までの手順】
地図データ更新ツールのダウンロード・展開方法操作手順は公式サイトにも記載されています。まず、地図データのサイトにアクセスし、地図データ更新ツールをダウンロードします。更新ツールはWindows  Vista/7/8のみで動作し、Windows 10には対応していませんので、Windows PCをWindows 10にアップデートしてしまうと更新ツールを実行できなくなります。また、Macやスマホにも対応していません。Macやスマホしか持っていなければ、誰かのWindows 7マシンを借りるか、あるいはディーラーでやってもらうしかありません。後述の通り、インストールされるのではなく、単に展開後のファイルを実行するだけですので、他のWindows PCを使ってもHDDやレジストリを汚す心配はありません。

更新ツールのファイルは自己解凍式の.exeファイルですのでそれを実行すると、ダウンロードした先のフォルダで展開されます。SDカードを挿入した状態でMapUpdateというフォルダを開き、MapUpdate.exeを実行します。SDカードを挿した状態でないと地図データのダウンロードができません。SDカード内のデータと地図データサーバー上のデータとを照合し、更新ファイルがある場合には更新を促すプロンプトが出ますので、「更新実行」ボタンを押して更新を開始します。

あとは自動でSDカード内の地図データのバックアップ、データダウンロード、地図データ更新、地図データ検証が行われます。ダウンロードするデータが5.2GBありますので、回線の太い場所で実行する必要があります。従量課金接続の回線でダウンロードするとパケ死します。今回の更新に際しては、比較的回線の太い場所で、1時間くらいかかりました。

一時ファイルが格納されているフォルダを覗いてみると、サイズが102400KBに統一された7-zipで圧縮されたファイルがあります。データのダウンロードのステータス画面を見ると、これが53個ダウンロードされる、すなわち圧縮後のサイズで約5.2GB相当のファイルがダウンロードされるようです。すべてのダウンロードが完了したら、これら53個のファイルが結合されて、各種の.KWIファイルが生成されるのでしょう。圧縮ファイルを分割することで、ダウンロードが中断された際に少ない手戻りで再開できるようにしているのではないかと推測します。ちなみに、バックアップされた古い地図データのバージョンにはMMM4M0JP0200302、新しい地図データのバージョンはMMM5M0JP0601600というフォルダ名が付されていました。これらの一時ファイルは更新完了時に削除されます。

更新完了後にSDカードの中を覗いてみると、更新日付が2015年9月30日のデータに置き換えられていました。

【更新後の地図データの確認】
早速SDカードを車に挿してカーナビでルートを検索してみました。関東エリアでは直近で以下の区間が開通していますので、ルート検索で反映されるかどうか試してみました。

  • 常磐道富岡浪江間(2015年3月1日開通)→○
  • 首都高速中央環状品川線(2015年3月7日開通)→○
  • 圏央道久喜白岡境古河間(2015年3月29日)→○
  • 圏央道神崎大栄JCT間(2015年6月7日開通)→○
  • 日本海東北自動車道金浦象潟間(2015年10月18日開通)→×
  • 圏央道白岡菖蒲桶川北本間(2015年10月31日開通)→×
このタイミングですと、2015年10月31日の八王子バイパス無料化は反映されていないでしょう。他にも全国各地で国道のバイパスが順次開通していますが、さすがにそこまでは確認しきれていません。きっと夏頃までに開通した分は反映されているのでしょう。

当然のことながら、今後開通する予定の区間は反映されておりませんので、例えば新東名の浜松いなさJCT豊田東JCT間は2016年2月13日に開通した後も次回2016年12月の地図データ更新までは反映されません。高速道路ですので迷う余地はありませんし、せいぜい東名経由を案内されるくらいですのでさほど支障はしませんが。

一部積み残しがあるとはいえ、2015年春に開通した分が反映されましたので、これでだいぶ便利になりました。

2015年12月17日木曜日

アクセラXDにセダンの特別仕様車

アクセラに特別仕様車「セダンXD」が追加されました(プレスリリース)。2.2Lディーゼルエンジン搭載の全部盛りなのはXDと同様で、車体だけセダンになっています。他にハッチバック車との違いといえばシートの表地の革が違うとか、CD/DVDプレイヤー+TVチューナーが標準装備されるとかくらいで、本体価格が3万円高いのも含めて細かい変更や改良の範囲内です。メディアの記事の見出しだと「アクセラセダンにディーゼル」というのが多いですが、「アクセラXDにセダン」の方が実態に近いのではないでしょうか。

数字を拾ってみると、JC08モード燃費は、セダン、ハッチバックともにMTで21.4km/L、ATで19.6km/L。重量もセダン、ハッチバックともにMTで1430kg、ATで1450kg。セダンの方が全長が120mm大きい一方で、リアウインドウが前進していますので、全体の重量は同じということでしょう(多少重心は低くなるのかもしれませんが)。一方、1.5Lガソリンエンジン車の場合、セダン、ハッチバックともに重量は同じですが、セダンの方が少しだけカタログ燃費が良いです。空力的にはセダンの方が有利なのかもしれませんが、アクセラXDくらいのパワーがあれば影響ないということでしょうか。

一般に、ハッチバックよりもセダンの方が後ろが重くて、特にフロントベビーになりがちなFF車にあっては前後の重量バランスの改善に繋がるのですが、ことアクセラに関してはセダンだからといって後輪への荷重が増えるわけではありません。

しかしそれでも、車体剛性、静粛性、後方視界(リアウインドウの大きさとリアウインドウへの泥はね)の面ではセダンの方が有利で、高速道路を使って長距離を移動するならセダンの方が快適なのではないでしょうか。デミオのサイズだとコストとサイズの制約があって、いろいろ我慢が必要な部分があるのですが、100万円追加してアクセラのディーゼルにすれば、我慢しなければならない部分がだいぶ減少します。もっとも、その100万円で他に何ができるかと考えると悩ましいのですが。

ディーラーの営業曰く、セダンは実用車、ハッチバックはスポーティーな車というくくりとのことですが、アクセラXDはたしかにパワーに余裕があり、足回りもしっかりしているとはいえ、ではスポーツカーなのかと言われると正直疑問です。ディーゼルエンジン車の魅力は太いトルクでゆったり走れることで、特に高速道路で真価を発揮するのですが(一般道ならガソリンエンジンでも十分に走りますし)、だとすればハッチバックよりもセダンの方が向いているのではないでしょうか。

セダンは実用車というくくりでしたらセダンには1.5Lディーゼルエンジンを搭載するという選択肢もあったのかもしれませんが、UK仕様ならともかく、低速域でのストップアンドゴーの多い日本の道路では1.5Lディーゼルエンジンでは鈍重ということなのでしょうか。もし1.8Lくらいのディーゼルエンジンが追加されれば、そちらの方が向いているでしょうから、それまでの繋ぎという意味で「特別仕様車」とされているのではないかと想像します。

アクセラXDが出た時点では、高価な2.2Lディーゼルエンジンを搭載する都合上、「究極のアクセラ」として売り出さざるを得なかったものの、今や300万円のCX-3がそこそこ売れていますので、ならばアクセラだってということなのかもしれません。個人的にはCX-3に300万円出すくらいなら同じ予算でアクセラXDにしたいと思うのですが、それでもCX-3が売れているということは、きっとCX-3にも相応の魅力があるということなのでしょう。また、CX-3にはセダンがありませんので、棲み分けもしやすそうです。

2015年12月16日水曜日

DPF再生と燃費

DPF再生の都度、燃料を多く噴射するために燃費が悪化するのはよく知られていることですが、DPF再生後にはDPF再生前よりも燃費が向上するように見受けられます。

DPFが詰まってくると徐々に平均燃費が落ちてきて、DPF再生が始まると平均燃費が一気に1~2km/Lくらい低下します。この間はi-Stopのランプが消えますのですぐにわかります。DPF再生が終わるとそれまで低下していた平均燃費が元に戻るのですが、平均燃費が元に戻るということは落ち込み分を上回るくらいの燃費向上が必要です。DPFの詰まりが取れて排気が良好になっているのでしょう。

DPFには圧力センサーがついていて、圧力が一定値を上回るとDPF再生が始まり、一定値まで低下するとDPF再生を終了させるのではないかと推測します。DPF再生直後にはDPFへの圧力が低く(排気が詰まりにくい)、DPF再生直前には圧力が高い(排気が詰まりやすい)のでしょう。

2015年12月13日日曜日

デミオディーゼルの冬場の燃費

長距離移動時の1km当たりの燃料コストが低いのがデミオディーゼルの長所ですが、冬場になると燃費が悪化します。車内の燃費計で平均燃費を表示させていると、数時間走らせてやっと夏場並の燃費に戻ります。燃費は運転のしかたや道路状況に左右されますので、正確な数字を出すのは難しいですが、平均するとだいたい2km/Lくらい、10%くらいの差が出ます。

要因はいくつかあって、
  • スタッドレスタイヤ
  • 冬用軽油(夏用よりも凍結しにくい反面、灯油成分の含有量が多く、燃費が落ちる)
  • 冷温始動時のEGR
  • 放熱しやすいアルミブロックのエンジン
  • 同様に放熱しやすい小型エンジン
あたりが思い当たります。タイヤと軽油に関してはあまり選択の余地がありませんが、エンジンが冷えすぎないような工夫が必要かもしれません。暖機運転が正攻法なのですが、暖気のために燃料を使いますし、低負荷だとエンジンが温まるのに時間がかかります。

2015年11月30日月曜日

UKで1.5LディーゼルエンジンのMazda 3発売へ

UKで1.5LディーゼルエンジンのMazda 3が発売されるという記事を見かけました。裏を取ろうとMazda UKのサイトでプレスリリースを探したのですが、あいにく見つかりませんでした。もし本当ならいずれ正式に発表されるだろうということで記事を読んでみると、

  • 出力は103hp (105ps)
  • 最大トルクは270Nm
とCX-3と同様とのことです。Mazda 3の車重からすれば、過給圧を上げて変速機容量の上限までトルクを太くするのは当然でしょう。他には
  • 時速100kmまでの加速に要する時間は11秒(Mazda 3の1.5Lガソリンモデルよりも遅い)
  • 最高速度は時速187km
  • CO2排出量は99g/km
  • 燃費は74.3mile per gallon UK(26.3km/L)
といった記載がありました。欧州複合モード燃費は測定する速度域が高いため、ストップアンドゴーに弱く高速巡航に強いディーゼルエンジン車に有利な数字になります。JC08モード燃費だとCX-3よりも重い分、数字が悪くなるのではないかと想像します。最高速度はデミオと同じです。エンジンと変速機は同じものを使っており、車輪外径や最終減速比の違いを考慮しても、同じくらいハイギアードであることが見て取れます。

肝心の重量に関する記載はありませんでしたが、デミオのガソリンエンジンとディーゼルエンジンとの重量差から推測すると、AT車で1360kgくらい、MT車で1340kgくらいでしょうか。デミオよりも230kg、CX-3よりも100kgくらい重くなりそうです。CX-3のAWDのAT車が1340kgですので、それとほぼ同じ重量です。デミオディーゼルのAWDのAT車が1220kgですので、それよりは100kg以上重くなりそうです。CX-3のFF車よりも100kg重いということは、ほぼリアサスペンションの重量差で説明できそうです。

Mazda 3の1.5Lガソリンエンジン車と比べて前輪の荷重のみ100kgほど大きくなりますので、前輪860kg、後輪500kgで、前輪への荷重が63.2%くらいとなり、デミオディーゼルのようにに極端にフロントヘビーにはなっておらず、むしろFF車としては標準的な数値ではないでしょうか。これは、リアサスペンションがトーションビームでなくマルチリンクで、後輪への荷重が大きいからでしょう。ディーゼルエンジン搭載車の割には前後の重量バランスは良い方だと思います。デミオディーゼルにおける「峠では頭が重すぎ、高速道路ではお尻が軽すぎる」という問題は後輪の荷重が大きくなることで解決しそうです。しかしそれでも2Lエンジン車よりも50kgほどフロントヘビーです。

パワーに関しては排気量なりでしかなく、日本仕様の1.5Lガソリン車の115psよりもさらに低いです(UK仕様の1.5Lガソリン車は100psなので、それよりは高い)。デミオディーゼルやCX-3に搭載されている中容量の変速機はハイギアードですので、デミオですら俊敏さを欠きます。トルクが太くで俊敏でないというのがどういう感じかというと、加速を意図してアクセルを踏み込んでから実際に意図した通りに加速するまで一呼吸くらいのラグがあります(ターボラグではない)。マツダでは「0.3秒の溜め」が意図した通りの加速感に必要としていますが、0.3秒どころではありません。デミオよりもはるかに重いMazda 3ならなおさらでしょう。一方、一旦意図した加速度に到達すれば、そのまま力強く加速します。

もともとアクセラに1.5Lディーゼルエンジンを搭載することには懐疑的だったのですが、エンジンの制御を変更して出足の鈍さを改善すればどうにかなるということなのでしょうか。あるいは、加速が必要な場面ではシフトダウンすればある程度は解決しますので、MT社会のヨーロッパならさほど問題ないということでしょうか。その代わり、太いトルクでゆったりと走ることはできるでしょう。どのみち自動車が公道で常識的に走る限りフルパワーで走ることはありませんので、実用上は問題ないのかもしれません。

正式発表前で詳細な仕様が開示されていないため、ホイールサイズやタイヤサイズに関する情報を拾うことができませんでした。1.5Lガソリンエンジン車と同じ205/60R16なのか、2Lガソリエンジン車や2.2Lディーゼルエンジン車と同じ215/45R18気になります。ホイールサイズが小さくて軽い方が出足が良いので、出力が不足するなら16インチの方が扱いやすそうです。ディーゼルエンジンは高価だからという理由で18インチホイールにすると、高速域でのどっしりとした乗り心地は得られるものの、出足は鈍くなりそうです。CO2排出量の少ないエコカーとして売り出すなら転がり抵抗の小さい16インチの細いタイヤでもよいのではないかという気がします。

15インチホイールのデミオXDのAWD車に乗ってみた際には、同じ出力のエンジンで車体重量が増えたにも関わらず、ホイールが軽いことでむしろ出足が軽くなりました。高速域での加速も意外と伸びました。その代わり高速道路ではふわふわしました。Mazda 3の場合、16インチよりも18インチの方が高速安定性は良いものの、UKの高速道路の制限速度は時速70マイル(時速112km)ですので、16インチでも高速安定性が不足することはないでしょう。いずれにせよ、Mazda 3の車輪外径はCX-3の車輪外径よりも少し小さめです。あとは最終減速比の情報が開示されればどの程度よく走るのは読めるのですが。

CX-3との比較では魅力的かもしれません。Mazda 3の1.5Lディーゼルエンジン車の値段はCX-3の1.5Lディーゼルエンジン車はCX-3の2Lガソリンエンジン車の値段とほぼ同じです。同じ値段ならMazda 3の方が足回りがしっかりしていますし、重心が低い分、曲がる上でも有利です。Mazda 3の方が装備が充実していますし、後席や荷室もCX-3よりもMazda 3の方が広いので、使い勝手が良さそうです。

しかし、Mazda 3の2Lエンジン車と比べると、2Lガソリンエンジン車よりも高い値付けです(もちろん2.2Lディーゼルエンジン車よりは安い)。2Lガソリンエンジン車よりも高く、フロントヘビーで、俊敏さに必要なパワーもありません。しかもUKではガソリンよりも軽油の方が高いです。ディーゼルエンジンなら長距離をゆったり乗れるといっても、ロンドンから高速道路を2時間も走ればもうウェールズです。スコットランドまで乗っても7時間です(実際にはLCCを使う方が早くて安い)。

ヨーロッパでは税金や保険料が出力によって決まる面もあり、トルクが太くてパワーの小さい車は実用性を損なわずに節税できる商品としては魅力があります。小型車でダウンサイジングターボが好まれるのも税制上の動機があります。2.2Lディーゼルエンジン車も日本仕様の175psに対してUK仕様や欧州仕様では150psに減格されており、低回転域のトルクはそのままで、高回転域でのトルクを絞っているようです。同様に1.5Lガソリンエンジン車は100psに、2Lガソリンエンジン車は120psに減格されていますし、Mazda 2の1.5Lガソリンエンジン車も75psや90psに減格されています。

高速巡航に強いディーゼルエンジンだけあって、計測速度の高い欧州複合モードでのカタログ燃費も良好です。しかし、ガソリンターボや高回転域でのトルクの抑制ならまだしも、高価なディーゼルエンジンを搭載すれば価格差が生じますし、UKでは軽油の方が高いため、トータルコストの面でメリットがあるように思えません。

しいて言えば、ダウンサイジングターボを持たないマツダにおいて、ダウンサイジングターボ的な走りのできるエンジンとしての意義ならあるのでしょう。そもそもダウンサイジングターボエンジン自体が、技術的に困難な小型クリーンディーゼルエンジンの代替品としての側面がありますので、小型クリーンディーゼルエンジンがあれば、それを導入すれば済むことです。

ストップアンドゴーの少ない欧州でなら俊敏さはさほど求められないでしょうし、代わりに低出力高トルクの車が好まれるでしょうし、実際、低負荷領域でトルクの太いダウンサイジングターボが好まれますので、欧州の道路や税制にはマッチしているのかもしれません。一方、速度域が低くストップアンドゴーが多く速度制限箇所の多い日本の道路では、低出力ディーゼルエンジン車は重くて出足が鈍く燃費も悪いという欠点ばかりが目立ちますので、日本市場向けに1.5Lディーゼルエンジンを載せられるのはCX-3のサイズまでで、アクセラに載せるとしたらやはり2Lガソリンエンジンと遜色ない1.8Lクラスが必要なのではないかと考えます。

2015年11月14日土曜日

デミオXD Touringに16インチスタッドレスタイヤを装着して高速道路を走ってみました

スタッドレスタイヤが本来の性能を発揮するのは200kmほど走行してからということですので、まだ慣らし運転中ですが、高速道路も走行しました。雨ですのでウェット路面です。

慣らし運転が終わるまではタイヤが本来の性能を発揮できませんので、おとなしく走行車線を走っていました。そうしているうちにぐんぐんと平均燃費が伸びていき、27.0km/Lまで達しました。今までも高速道路の走行車線でほぼ定速で走れば25km/Lくらいは出ましたが、それよりも少し燃費が良いような気がします。

舗装路でのロードノイズについては、うるさいことで定評のあるトーヨータイヤに匹敵する大きさです。スタッドレスタイヤですので仕方ありません。カーステレオの音量を一定に保ってどの程度音楽が聞こえるかでノイズを体感しているのですが、高速道路ではカーステレオの音量を夏タイヤをつけていたときよりも大きくする必要がありました。

200km以上走行した時点で追い越し車線走行を解禁しましたが、アクセルを踏むといつの間にか速度が伸びるのは夏タイヤと同様です。また、15インチホイール+夏タイヤの組み合わせほどふわふわしませんので、同乗者にとっては乗り心地が良いはずです。しかし、当然のことながら高速域での安定性は夏タイヤよりも劣りますので、その分巡航速度も低めになります。もちろん、日本の公道の速度域なら全く不自由なく走れます。

ちなみに、Proxes R39の185/60R16は86H、iG50 plusの185/60R16は86Q、BluEarth-Aの185/65R15は88Hです。BluEarth-Aは15インチの割には速度記号は高めです。たしかに、ふわふわする割には速度が伸びます。実際に走行してみると高速安定性の体感は概ね速度記号と相関しています。

その後一般道を走りましたが、停止はとても楽になりました。もっとも、これは下ろしてたの新品で溝が全然減っていないからかもしれません。

コーナリング性能を見るために少し高めの速度でコーナーに突っ込んでみました。夏タイヤなら十分に曲がれるスピードであってもタイヤの横方向のグリップ力が足りなくて慌てました。実際には冬道で高い速度でコーナーに突っ込むことはありませんので実用上は問題ないはずですが。

タイヤが一皮むけて運転にも徐々に慣れてくると、純正ホイール+夏タイヤよりも扱いやすく感じます。街乗りでは出足が軽くなり、停止も楽になり、高速道路でもさほどふわふわしませんので、出足の鈍い16インチホイール+夏タイヤや高速道路でふわふわする15インチホイール+夏タイヤよりもバランスが良く感じられます。

普段16インチホイールのXD Touringに乗っていて、冬でも高速道路メインで使うのでしたらスタッドレスタイヤも16インチにしておいた方がよいかと存じます。185/60R16でリム幅5.5Jという特殊なサイズのため、汎用性の高い185/65R15よりも1.5倍ほど高くつきますが、1シーズン当たり数千円の投資で走りが全然違います。15インチホイール+スタッドレスタイヤ+高速道路という組み合わせはデミオディーゼルの実力を評価する上で適切ではありません。

XD Touringは欧州仕様と同じ足回りとのことですが、アウトバーンを巡航するにはどっしりとした足が必要かもしれないものの、ホイールをもう少し軽くした日本仕様を設定する方が日本の公道の速度域では扱いやすいのではないでしょうか。

低速域での出足を良くするには、ATの進段を遅くするとか、CX-3のように変速機のトルク容量の上限までエンジンへの過給圧を高めるといった方法もありえますが、前者はエンジン回転数を上げることになり、後者は燃料の噴射を増やすことになりますので、いずれにせよ燃費が悪くなりそうです。それに対してバネ下重量を軽くすれば燃費が向上する方向に作用しますが、その代わりせっかくの高速域でのどっしり感は損なわれますので、それらのバランスを取りながら燃費が悪化しないようなチューニングにするのでしょうか。

2015年11月13日金曜日

デミオXD Touringに16インチスタッドレスタイヤを装着して少し走ってみました

デミオXD Touringに16インチホイールとヨコハマiceGUARD iG50 plusを装着した後で、慣らしを兼ねてドライ路面の街なかを15kmほど走ってみました。タイヤが一皮むける前ですので暫定的ですが、純正16インチホイール+トーヨーProxes R39との違いをご報告いたします。

【発進時】
今まで通りのアクセルの踏み込みでいきなりi-DMが白点灯しました。ホイールが軽くなった分だけ出足が軽くなったようです。その代わり出足で少し我慢してからアクセルを踏み込むと青点灯します。

【中立付近のステアリング】
今までは中立付近の遊びが全然なくてグリップ力の立ち上がりがわかりにくかったのですが、タイヤとホイールを変えたら中立付近の手応えを感じやすくなり、まっすぐ走るのが楽になったような気がします。

【コーナリング】
交差点で曲がっただけですが、ハンドルが軽く感じました。また、グリップ力を感じやすくなったせいか扱いやすくなったため、青点灯しやすくなりました。

【高速走行時】
まだ高速道路を走行しておらず、流れの良い幹線道路を走っただけですが、やはり夏タイヤのときほどのどっしりとした感覚はなく、今までよりも体感速度が高めで実速度が低めになります。

【減速時】
まだタイヤに慣れていないためか、制動距離の感覚をつかみにくく、時折制動距離が不足してブレーキを強く踏んで白点灯させてしまうことがあります。

【停止時】
今まで停止時にカックンと揺り戻しが発生しやすく停止に神経をすり減らしてきましたが、タイヤとホイールを変えたら停止時の挙動が滑らかになり、楽に止まれるようになりました。

【総評】
ホイールとタイヤを変えるだけで随分違ってくるものです。まだ新しいホイールとタイヤに慣れていないため、白点灯させてしまう場面が増えてしまい、i-DMの点数が下がりました。慣れるまでの辛抱でしょう。まだ高速道路を走行していませんので、全体のバランスがどう変化したかはわかりませんが、少なくとも街乗りに関しては純正ホイール+トーヨーProxes R39のときよりも扱いやすくなったのではないかと感じます。

2015年11月12日木曜日

デミオXD Touringに16インチのスタッドレスタイヤを装着しました

【動機】
このたび2シーズン目の冬を迎えるにあたってスタッドレスタイヤを装着しました。納車時は真冬でしたがスタッドレスタイヤ発売のタイミングよりも後で在庫が見込めなかったことや、DJデミオ発売当初は185/60R16という特殊なサイズのスタッドレスタイヤがあまり市場で流通していなかったことや、納車直後の慣らし運転期間中はあまり遠出するつもりが無かったため、夏タイヤで乗り切りました。念のためタイヤチェーンは積んでいましたが、幸い出番はありませんでした。

しかし積雪地帯を避けていても標高が高いと路面凍結のリスクがあったり、時にはうっすらと積雪していたりすることもあり、安全のためにもスタッドレスタイヤが必要だと感じました。今年はDJデミオ発売から2年目ということもあり、16インチのスタッドレスタイヤの選択肢も少し増えてきました。

もう一つの要因は、夏タイヤでの走行距離が思いのほか伸びたことです。頻繁にタイヤを交換するなら冬にスタッドレスタイヤを履いても使い切れます。今のタイヤの溝の減り具合から推測すると、冬にスタッドレスタイヤに付け替え、春に夏タイヤに戻してから次にスタッドレスタイヤに付け替えるまで残り1シーズンくらいで寿命を迎えそうです。スタッドレスタイヤとの交換のタイミングで自宅でタイヤローテーションもできますので好都合です。それに、スタッドレスタイヤを保管していれば1本をスペアタイヤ代わりにできますので、夏タイヤのシーズン中であってもきちんと5000kmごとにタイヤローテーションできます。

【15インチか16インチか】
16インチホイールのXD Touringにスタッドレスタイヤを装着する上で、15インチホイールにするか16インチホイールにするかの意思決定が伴いました。15インチの方が安くて選択肢が多いですし、街乗りでも運転しやすいです。積雪地帯での街乗り用でしたら最初から15インチホイールのXDにしておいた方がよいと思います。一方、15インチにインチダウンした上にスタッドレスタイヤにすると高速道路でふらつくおそれもあります。スタッドレスタイヤが必要な場面では高速道路に乗りますし、地元でしか乗らないのでしたらそもそもスタッドレスタイヤはさほど必要ありません。

15インチタイヤでの挙動を知りたくてレンタカーで15インチホイールのXDを借りてみましたが、たしかに高速道路では運転に支障するほどではないにせよ、夏タイヤでもふわふわする傾向があります。ディーラーやタイヤショップでも、「16インチホイールをつけている人はスタッドレスタイヤを16インチにする傾向がある」とのことでした。そのため、敢えて16インチタイヤを選ぶことにしました。

【タイヤの選択】
185/60R16という特殊なサイズのため、選択肢はさほどありません。ブリジストン、ダンロップ、ヨコハマといった国内メーカーで安いのと高いのとで各2種類程度です。高い方だとヨコハマiG50 PlusダンロップWinterMaxxブリジストンVRXですが、その中で比較的安くて長持ちしてコストパフォーマンスが良さそうなヨコハマiG50 Plusにしました。デミオの15インチ車はヨコハマブルーアースAを装着していますので、デミオと相性が良さそうかなというのもあります。また、タイヤ単独で購入すると季節の変わり目でタイヤの組み込みやバランス調整に手間と費用がかかりますので、ホイールセットにしました。

【ホイールのリム幅】
DJデミオ純正のホイールのリム幅は15インチでも16インチでも5.5Jです。ヨコハマiG50 Plusの185/60R16の標準リム幅も5.5Jです。ダンロップのWinterMaxxの185/60R16の標準リム幅も5.5Jです。16インチホイールのリム幅は6.0Jから6.5Jあたりが標準で、16インチで5.5Jのホイールはデミオディーゼルを除けば軽自動車のインチアップ用が主ですので、なかなか見当たりません。デミオの16インチはタイヤサイズのみならずホイールサイズも特殊ですのでとかく高くつきます。ディーラーオプションで純正ホイールを販売していますが高いです。かといって標準リム幅よりも太いホイールを履くとタイヤ外径が小さくなりますし、タイヤ本来の性能を発揮できなくなりますし、乗り心地も悪くなりますので、僅かなお金をけちって太いホイールを履くと後悔しそうです。いっそのこと195/55R16のタイヤを履けば6.0Jのホイールで調度良いですし、タイヤの選択肢も広がるのですが、それでも185/60R16のタイヤと5.5Jのホイールとの組み合わせよりも値段が高いです。

デミオディーゼルは5ナンバー幅のコンパクトカーに重いディーゼルエンジンを搭載しているために前後の重量バランスが悪く、設計で苦労した結果として185/60R16という特殊なサイズになっているわけで、汎用性のあるサイズで十分ならばその方が調達でも有利ですので、最初からそれで出しているはずです。下手にいじるとバランスが崩れそうです(15インチホイールのガソリンエンジン車は標準的なサイズにおさまっているのですが)。

【購入方法】
店頭購入、通販購入店頭渡し、通販購入自宅渡しの3種類の中から通販購入店頭渡しを選びました。通販の場合は店頭渡しでも自宅渡しでも値段にほぼ差が無いのと、店頭購入だと代金決済後の装着となり、スタッドレスタイヤのシーズンになると待ち時間が長くなることから、余裕を持って通販で決済しておこうと思いました。

【発注】
事前に値段を調べてはいたものの、発注した頃には安いホイールが出払っていて、当初想定していたよりも高いホイールを購入することになってしまいました。16インチホイールで安いのは6.0Jばかりで5.5Jだと選択肢が少ないため、さらに高くつきます。おかげで、15インチの場合に比べてかなり高くなってしまいました。

しかも通販も混み合っていて、処理に時間がかかっているようでした。もう少し早く動けば安いホイールを購入できて、かつ時間にも余裕があったのですが。店頭渡しだと店頭で大幅に待たされることが想定されましたので、自宅渡しに変更しました。発注が確定して決済してから3日ほどで届きました。どうやら最寄りの実店舗から発送されたようです。

【工具の準備】
自宅でタイヤを交換するとなると各種工具が必要です。ジャッキは車載のものを使えばどうにかなるとしても、最低限トルクレンチは必要ですし、ジャッキアップするなら車止めやジャッキスタンドが必要です。外したタイヤを保管するための袋も必要です。これらはタイヤの納期に合わせてAmazonで発注しました。

【トルクレンチの締め付けトルクの設定】
ホイールナット締め付けトルク一覧表を参照し、ひとまず、108~147Nmの中間値である127Nmにトルクを設定しました。タイヤ・ホイールのロックナットの仕様を参照したところ、対角は21mmであることがわかりましたので、21mmのソケットを選びました。

【スタッドレスタイヤの装着】
車載のジャッキでジャッキアップしてナットを外して夏タイヤを外し、スタッドレスタイヤを装着してトルクレンチでナットを締結するという作業を4輪にわたって繰り返します。車載ジャッキを使うのは、ジャッキ上部の形状がジャッキポイントの形状とマッチするからです。1輪づつジャッキアップしましたので、1時間半ほどかかりました。慣れてくればもっと早くなることでしょう。フロアジャッキを使えばさらに早くなるはずです。

装着後に車載のパンク修理キットに含まれる電動エアコンプレッサーでタイヤ空気圧を調整しました。ただし、4輪とも出荷時に前輪の指定空気圧である260kPaで空気が充填されていましたので、結局後輪の空気を抜いて230kPaにするだけで済みました。少し動かしてからトルクレンチで再びナットを締結しました。100kmくらい走ってから再度ナットを締結する予定です。

【第一印象】
取り外しと装着の際にタイヤとホイールを持って感じたのは、純正ホイールの重さです。出足は重いものの高速域でどっしりとした乗り心地なのはこのホイールの重さによるところなのかもしれません。こんなに体感重量に差があるなら、スタッドレスタイヤとホイールの重量も測定しておけば定量的に比較できたのですが、あいにくこんなに重量差を感じるとは思っていなかったため、重量を測定せずに装着してしまいました。

スタッドレスタイヤを装着してから少し動かしただけですので走行時の印象はまだわかりませんが、少し動かしてみた限りでは、出足が少し軽くなり、ハンドルも少し軽くなったような印象を受けました。同時に、少しふわふわするような感じもします。ホイール重量の違いだけでなく、タイヤの特性の違いもあるかもしれません。しかし15インチホイールのXDに乗ったときほどではなく、15インチホイール+夏タイヤと16インチホイール+夏タイヤの中間くらいの乗り心地です。16インチホイールですらそのように感じたのですから、15インチホイール+スタッドレスタイヤの組み合わせだともっとふわふわとした乗り心地になりそうです。

高速走行には若干不利に作用するかもしれませんが、どのみち冬道では夏タイヤ装着時よりも走行速度が低くなりますので、おそらくさほど問題ないのではないでしょうか。実際に走ってみればわかることでしょう。

2015年11月2日月曜日

追い越し加速とパドルシフト

AT車で追い越し加速をするときにはアクセルを深く踏み込んでキックダウンするのが常ですが、i-DMがアクセルの踏み込み速度だけを見て急アクセルと判断して白点灯させます。しかもi-DMはアクセルを深く踏み込んだ際に大幅に減点する傾向があります。

そのようなときには、アクセルの踏み込み量を維持しながらパドルシフトで1段シフトダウンすると急アクセルと判定されずに加速することができる上、キックダウンよりも早く加速させることができます。シフトレバーでも同様の操作ができますが、パドルシフトよりも少し時間がかかります。

MT車なら当たり前のことでしょうが、どうやらマツダ車はAT車であってもMT車のような運転操作へ誘導する傾向が見受けられます。

2015年10月22日木曜日

レンタカーでデミオXD(15インチ、AWD)に乗ってみました

【動機】
遠方で車を使う用事がありましたのでレンタカーを利用したのですが、2015年4月からタイムズカーレンタルで1.5Lディーゼルのクラス(C2Dクラス)が設定されましたので、せっかくですので利用してみました。C2Dクラスは1.5LガソリンエンジンのC2Gクラスよりも割高ですし、普段デミオディーゼルに乗っているのですからレンタカーくらいは別の車に乗ってみてもよいのですが、レンタカー仕様ならどうせ15インチホイールのXDだろうということで、15インチホイールを履いたときの乗り心地のデータを収集する良い機会だと思いました。

スタッドレスタイヤをつけるに際して、割安で種類も豊富な15インチにするか、高くても安定性のよい16インチにするかの意思決定が必要ですので(ディーラーで聞いてみたら16インチホイールをつけている人はスタッドレスタイヤも16インチにする傾向があるとのこと)、夏タイヤとはいえ15インチホイール装着時の状態を知っておいた方がよいだろうと思った次第です。

【仕様】
当日に来たのは予想通りデミオXDの15インチホイールを履いた車でした。想定外だったのはAWD車だったことですが、寒冷地ならありうることです。レンタカー用の一番安いグレードですのでマツダコネクトは無く、普通のカーナビがついていたため、操作に手間取りました。いつもの癖で左手でコマンダーノブを触ろうとしてしまいます。車載のUSB端子でスマホの充電をしたかったのですが、マツダコネクトがついていないとUSB端子もついていません。前にレンタカーでデミオのガソリンエンジン車を借りたときにはマツダコネクトつきだったのですが。しかし、乗り慣れない人にとってはマツダコネクト無しの方が扱いやすいでしょう。パドルシフトがついていませんので、下り坂でエンジンブレーキをかけようとしてステアリングホイールを押そうとして、そこには何も無いことに気づいてから結局シフトレバーを倒してマニュアルモードにしたりしました。

2015年7月納車から3ヶ月で9000km走行しており、レンタカーでも人気があることが見て取れます。年間36000kmペースです。タイヤは夏タイヤのヨコハマブルーアースAを履いていました。一見したところ、トーヨーProxes R39と比べてショルダーが丸くてトレッドの幅が狭く、溝が少なく、低燃費のコンフォートタイヤであることが見て取れました。

【低速時の挙動】
15インチタイヤでの走りについては、結論から申し上げると、とても良かったです。まず出だしは軽快でガソリンエンジン車と変わらない印象です。ホイールが小さくてバネ下重量が小さいためでしょうか。16インチ車だと最初にアクセルを軽く踏んで徐々に踏み込んでからおもむろに発進する感じですが、15インチ車だとアクセルを踏み込むと自然に加速して、16インチ車のような神経質な操作が必要ありません。停止時も素直に停止しますので、前のめりになってカックンとなることもありません。速度0km/h付近の挙動は15インチ車の方が滑らかです。ただし今回借りたレンタカーではi-DMが1st Stageになっており、いい加減に運転しても青点灯して5.0点になりますので、4th Stageの車ほど厳しく白点灯しません。その分は割り引いて考える必要があります。

【ステアリング】
16インチ車に比べてステアリングは軽めです。16インチ車の革巻きの太いステアリングホイールではなく塩化ビニル巻きの細いホイールですが、くるくる回すには好都合です。ただし手汗がつきやすいので、手袋があった方が回しやすいかもしれません。15インチホイールのXDであってもディーゼルエンジンを搭載している以上フロントヘビーなはずですが、交差点で曲がるときにはガソリンエンジン車と同様に軽快に曲がれました。しかしこれはAWD車ならではの前後の重量バランスの良さによるところもあるでしょうから、FF車で同じように軽快に曲がれるかどうかは実際に運転してみないとわかりません。

【狭い道】
林道のような曲がりくねった狭い道を走ったところ、16インチ車よりもすいすいと走れます。さほどトルクが求められる場面ではありませんので、ガソリンエンジン車と同じような感じです。16インチ車も速度が低ければ曲がるのは苦にならないのですが、15インチ車の方がホイールが軽い分軽快に動きます。

【流れの良い幹線国道】
流れの良い幹線国道を走ってみると、前の車についていっているつもりでも、時折引き離されそうになりました。16インチ車だと低い速度で我慢が必要ですので前の車が遅いと運転しにくいのですが、15インチ車だと遅い車に合わせて走るのがさほど苦になりませんので、15インチ車の方が精神衛生上よいかもしれません。

一般道を走る限りはガソリンエンジン車と同じような感じです。ガソリンエンジン車よりも前が100kg重いはずなのにどうしてガソリンエンジン車のように軽快に走るのか不思議です。エンジン音はディーゼルエンジン車の方が大きいですが、それはDJデミオのガソリンエンジン車の静粛性が際立っているために音の大きさが違って感じられるだけのことであり、ディーゼルエンジンの方が音や振動が大きいといっても一昔前のガソリンエンジン車や3気筒の日産ノート並ですので、実用上は問題ないのではないでしょうか。軽自動車よりは静かでしょうし。

【乗り心地】
よく言われる乗り心地についてはさほど違いを感じませんでした。路面の細かい凹凸はさほど感じないのですが、大きな段差を越えればやはり突き上げがあります。15インチホイールよりもむしろAWD車は後輪への荷重が大きいことが乗り心地に寄与しているのではないでしょうか。フロントヘビーなディーゼルエンジン車を購入するなら多少値段が高くなってもAWD車の方が扱いやすいのではないかと感じます。

装備にお金をかけるくらいでしたらその予算をAWDに振り向ける方が運転して気持ちよさそうです。実際、XDのAWD車とXD TouringのFFとでほぼ同じ値段です。さらにアクセラ15SのFFもほぼ同じ値段です。アクセラ15Sは高速道路ではエンジン回転数が上がってしまってうるさいですが、低速域では滑らかですし、フロントが軽いためによく曲がりますし、車としての出来もアクセラの方が上です。

【燃費】
街乗りでの燃費は20km/Lほどでした。重量が大きく駆動装置でのロスもあるAWD車はFF車よりも若干燃費が劣るはずなのですが、それにしてはなかなか良好な燃費です。ホイールが軽くなって動きに無駄が無くなった影響でしょうか。

【高速道路】
しかし、一般道での軽快さや乗り心地についてはガソリンエンジン車でも実現していることですので、それだけでは敢えて重くて高価なディーゼルエンジン車を買う理由になりません。高速道路での動力性能の余裕がディーゼルエンジンの持ち味ですが、高速道路で乗り心地が悪くなってはせっかくのディーゼルエンジンの持ち味を活かせません。

今回は流れの良い高速道路を100kmほど走る機会があったため、存分に走ってみました。サスペンションが柔らかめでよくロールしますが、一応意図した通りの方向で走りますので、直進安定性の悪さは感じませんでした。もっとも、運転者はある程度挙動が読めるために「柔らかいね」で済みますが、同乗者にとってはふわふわして怖いかもしれません。足回りをもっと固くしようとしてサスペンションの減衰率を高くすると、逃げ場を失った力が一番柔らかいタイヤに集中し、タイヤの変形が大きくなりますので、却って逆効果ではないかと思えました。高速安定性を重視するなら素直に16インチにした方が簡単だと思います。

また、16インチ車が得意とする高速コーナーを通過する際、15インチ車だと、意図した通りには曲がるものの路面からステアリングに伝わる情報が不足気味に感じられました。程度の差はあるもののアクアのようなステアリングフィールです。もしかしたら、ホイールサイズの違いというよりもむしろタイヤの違いによるものなのかもしれません。

15インチ車なら速度を出す気にならなくてのんびり走れるかなと思いきや、16インチ車と変わらない速度で巡航できてしまったのが意外でした。滑らかで加速感が無いのにいつの間にか速度が伸びている感じです。この高速域での加速の伸びはガソリンエンジン車には無い、ディーゼルエンジン車ならではもののです。ただし、日本の公道の速度域でしたらガソリンエンジン車でも実用上は十分です。

高速道路では、ひらひらと軽快な15インチ車にするかどっしりとした重厚な16インチ車にするかは好みの問題だと思います(ただし同乗者は車の挙動を予測しにくいことから、安定感のある16インチを好む傾向があります)。15インチ車が国産車的な乗り心地なのに対し、16インチ車は欧州仕様と同じ足回りで、ドイツ車のように速度が乗ってくるにつれて乗り心地が良くなります。しかし乗り心地が良くなる速度域が高めですので、アウトバーンの真ん中車線では快適なのかもしれませんが、日本の公道の速度域ではその真価を発揮しにくいです。

たまにネット上で、15インチホイールのXDの高速道路での挙動から「デミオは高速域で安定しない」と結論づけている記事を見かけますが、たしかにレンタカーで借りると15インチホイールのXDになってしまうとはいえ、評価の対象が違うのではないかという印象を受けます。高速道路での挙動を知りたければ16インチホイールのXD Touringにも試乗してほしいものです。

今回借りたレンタカーは夏タイヤを履いていましたので、スタッドレスタイヤ+15インチでどのような挙動になるかはわかりませんでした。15インチ車での高速走行が夏タイヤでも不安定ならましてはスタッドレスタイヤだともっと不安定でしょうから15インチホイールとスタッドレスタイヤの組み合わせを排除できるのですが、幸か不幸か15インチホイール+夏タイヤの組み合わせでさほど不具合を感じなかったため、スタッドレスタイヤを履いた際の高速走行が許容範囲内かどうか予測しかねます。冬タイヤを履いている季節にもう1回デミオXDを借りればわかるのかもしれません。

【総評】
少なくとも夏タイヤを履いた状態では、15インチの方が一般道から高速道路までバランスが良いと感じました。16インチだと高速走行に特化した仕様で、低速走行時に我慢が必要です。田舎住まいで長距離通勤用にデミオディーゼルを購入するなら16インチのXD Touringよりも15インチのXDの方が向いていそうな気がするものの、一般道メインでしたらFFのガソリンエンジン車でもそこそこよく走りますし、デミオはガソリンエンジン車でもハイギアードで日本の高速道路の速度域なら意外と走れてしまいますので、敢えて高価なディーゼルエンジン車にすべきか迷いそうです。特にAWD車だとさらに高価になりますし。

今回は15インチ+ヨコハマブルーアースA+AWDの組み合わせと16インチ+トーヨーProxes R39+FFの組み合わせとの比較までしかできず、それぞれの要素を切り分けることができませんでしたので、どこまでがホイールサイズの違いによるところなのか、どこまでがタイヤの違いによるものなのか、どこまでがAWDの機能によるものなのか、どこまでが後輪への荷重の違いによるものなのかは判然としません。また、15インチ+FFとの組み合わせや16インチ+AWDの組み合わせを試せていませんし、スタッドレスタイヤを履いた場合の比較もできていません。

ただ一つ言えるのは、今回レンタカーで乗ってみた15インチ+ヨコハマブルーアースA+AWDの組み合わせは、ガソリン車なみに軽快で、フロントヘビーな感じがせず、一般道ではとても走りやすかったということです。一般道メインで上り坂や高速道路も走るという使い方をする場合にはバランスの良い選択肢ではないでしょうか。

2015年10月18日日曜日

燃料タンクの水抜きをしました

走行距離が20000kmを越えましたので、燃料タンクの水抜きをしてもらいました。20000kmに到達した時点ではレンチマークが点滅しませんでしたのでどうしたのだろうと思っていましたが、次にエンジンを始動したときにレンチマークが点滅しました。点検時には追加料金なしで水抜きしてもらえますし、次の点検まで2ヶ月という微妙な時期ですので、できれば次の点検まで持ち越したいところでした。

念のためディーラーに電話してみたら、「水がたくさん出る場合もあるし、そうでない場合もあるが、使い方にもよるので、開けてみないとわからない」とのことでしたので、初回はデータ収集も兼ねて水抜きを依頼しました。

作業は比較的短時間で終わり、結局ほとんど水は出なかったとのことでした。だとすれば40000kmの時点では急いで水抜きする必要はありませんので、次の点検まで持ち越せそうです。今回は定期点検のタイミングではなかったために工賃が3000円強かかってしまいました。技術者の作業に対価が生じるのは当然ですし、今後のためのデータ収集でもありますので仕方ないのですが、コストの制約で燃料フィルターにセンサーをつけなかったために、結局こういう余計な出費が生じます。センサーのコストが3000円程度でしたら水抜き1回分の工賃で元が取れます。

デミオディーゼルで山道やワインディングを走るコツ

デミオディーゼルはフロントヘビーな上に俊敏さの乏しいディーゼルターボを搭載し、しかもFFですので、曲がるのはさほど得意ではありません。フロントヘビーなのはいかんともしがたく、コーナーでは曲がれる速度まで減速するより他にないのですが、せめて減速してからもう少し俊敏に速度を回復できないものかと思ってマニュアルモードを試してみました。

つづら折りの山道の上りで2速固定にしてみると、エンジン回転数が2500~3200回転くらいになり、トルクのピークは越えているものの、パワーのピークである4000回転までには余裕がありますので、踏んだらすぐに加速するようになりました。加速に効くのはトルクではなくパワーであることが実感できます。アクセルを離せば強いエンジンブレーキがかかりますので、コーナー手前での減速もやりやすくなりました。アクセルペダルだけで速度を調節しやすくなりましたし、キックダウンの際にi-DMで白点灯することもなくなりました。

同じくつづら折りの山道の下りでも2速固定にして、直線区間はアクセルで加速するようにすると、これもAT任せにするよりも楽に走れるようになりました。

運転はしやすくなったものの、上りでは平均燃費が13km/Lくらいまで落ち込みました。燃費重視で走るなら遅くなってもAT任せにした方がよさそうです。

国道の山越え区間のようにもっと緩やかな道では3速固定で楽に走れました。マニュアルモードであっても減速時のシフトダウンは自動ですので、速度が落ちると自動的に4速から3足、あるいは3速から2速に下がって走りやすくなります。その代わり一旦下がったギアはそのままですので、山を下って線形が緩やかになってきた場合にはシフトアップが必要です。下りで4速固定であればDレンジに戻しても問題ありません。

普段山道を得意とする人にとっては「何をいまさら」という程度のものでしかないでしょうが、ガソリンエンジン車ではパワーを引き出すために全般的にギアを落として回転数を上げるのが定石なのに対し、ディーゼルエンジン車の場合はパワーのピークとなる回転数が比較的低いのと、トルクが不足してキックダウンする機会が少ないため、ギアを固定してズボラに運転できます。これならMT車でも楽に運転できそうですが、MT車はAT車よりもハイギアードですのでその分低めのギアを選ぶ必要がありそうです。

本来ならば勾配やステアリング動作からATの制御ソフトウェアが山道を走っていると推測してギアを落とすような制御ができればよいのですが、現状ではまだそこまでできていないようです。「減速しながらステアリングを切ると曲線を通過していると認識してギアを上げない」とか「下り坂で定速走行しているときに自動的にシフトダウンしてエンジンブレーキがかかる」といった制御まではできているようですが。もしやるとしたらi-Activ AWDで培った技術を応用してドライバーの意図や路面状態を感知して、ATの制御に反映させるようなアプローチでしょうか。

ATの制御でさらに欲を言えば、日本の公道では前の車に追随して走ることが多いため、追従型クルーズコントロールの技術を応用して前車の挙動から最適なギアを選べればそれに越したことはありません(左車線で前車が減速しながら左ウインカーを出したら左折に備えてシフトダウンしてエンジンブレーキをかける、左側にも車線がある状況で前車が減速せずに左ウインカーを出したら進路変更と判断してシフトダウンしない等)。今後自動ブレーキが必須になる情勢において、道路前方や前車の状況に応じた制御が必要になってくることでしょう。

デミオの車内でテレビを見てみました

セーフティーパッケージをつけたら抱き合わせでTVチューナーとDVD・CDプレイヤーをつけさせられたのですが、今まで車内でテレビを見る機会なんてありませんでした。テレビを見たければ自宅で見れば済むことで、わざわざ遠くへ出かけるまでもありません。どうしても見たい番組があれば自宅で録画して帰宅後に見れば済むことです。リアルタイムで見たいものといえば、スポーツの試合くらいでしょうか。

また、標準状態では運転中には画面が映らずに音声のみとなりますので、テレビを見たことになりませんし、事実上1人かせいぜい2人で乗車するデミオにおいて、同乗者のために運転中でも画面が映るように細工する動機がありません。音声のみで情報を得ようとするなら、音声のみで完結しているラジオの方が情報の欠落がありません。

車載のテレビといっても所詮地上波だけであり、田舎の地上波の局数や番組数は貧相です。仮に見たい番組があっても、田舎では放送されていない場合もままあります。衛星放送も受信できればもっと便利かもしれませんが、追尾式の専用アンテナが必要ですので、車載には向きません。

長距離移動だと県境をまたぐごとにチャンネルの切り替えが必要ですので、運転中に使うのは不便です(ラジオも同様)。BSでしたら全国同一チャンネルですのでそういう不便はないのですが。高速走行中はロードノイズや風切り音が大きく、音声を聞き取れません。街乗りでしたらそもそも乗車時間が短いため、中途半端にテレビをつけても番組を見られません。運転中に画面が映るようにしたい動機がよく理解できません。

個人の好みとしてそもそもテレビを見ませんので、見もしないTVチューナーやDVD・CDプレイヤーにコストをかけるくらいだったら、クルーズコントロールを追従型にしたり、燃料フィルターに水がたまったことを警告するためのセンサーをつけるといった、車の運転に必要な部分に振り向けてほしいと思っています。

そういうわけで今まで車載のTVチューナーを使う機会がなかったのですが、たまたま見たい番組があり、かつ自宅で録画予約もしていなかったため、外出先で見ようと思いました。車を止めて休憩しながら見るならスマホのワンセグでも可能なのですが、スマホのワンセグはイヤホンがアンテナケーブルを兼ねているためにイヤホン必須ですし、今までの経験上、携帯電話のワンセグは受信感度が悪くてあまり実用的ではありません。車載のTVチューナーなら一応フルセグ対応ですし、画面も大きいですし、イヤホンも必要ありませんので、スマホよりはましかと思った次第です。

前置きが長くなりましたが、実際に使ってみた感想は以下の通りです。

  • フルセグ対応といっても電波状態が悪ければワンセグでしか受信できません。
  • 当然のことながらその地域で放送しているテレビ局の電波しか受信できませんので、田舎では見たいテレビ番組があってもその地域では見ることができなかったりします。
  • テレビのためにエンジンを回すのはもったいないですし、多くの都道府県でアイドリング禁止条例が施行されていますので、スタートボタンを1回押してACCでテレビをつけましたが、25分ほどすると自動で電源が落ちてしまいますので、その都度再起動が必要です。10秒くらいのロスがあります。一定時間後に電源が落ちるのは、間違ってつけっぱなしにして車を降りてしまった際にバッテリーが上がらないようにするためでしょうから、これは仕方ありません。
  • 休憩中にテレビを見る際には背もたれを倒したくなりますが、画面は正面にありますので、背もたれを深く倒すと画面が見えません。
  • スマホより大きいとはいえ、所詮7インチです。どうしても車内でテレビを見たかったら運転中でも画面が映るように細工するよりもむしろワンセグ対応のタブレット端末を持ち込んだ方が便利かもしれません。
結局、車載のテレビが有用な理由を未だに理解できていません。

2015年10月16日金曜日

納車後20000km走行したデミオディーゼル

秋になってから走行距離が伸びて、20000kmに到達しました。10000km到達から3ヶ月半でした。せっかくディーゼルエンジン車に乗ることだし、年間10000km未満では勿体無いなとは思ったものの、こんなに早いペースで走行距離が伸びるのは予想外でした。週末にちょっと遠出すると1000kmくらいになりますので15週のうち10週出かければ10000kmになりますし、9月の5連休や10月の3連休もありましたし、暑くもなく雪も路面凍結もない時期ですので、走行距離が伸びやすい時期ではあったものの、それでもデミオディーゼルに乗ることが苦痛であったらこんなに距離が伸びることは無かったことでしょう。DJデミオは車格の割に高速道路で移動するのが楽ですので、距離が伸びやすい傾向があります。

車の調子は相変わらずなのですが、そろそろいろいろな消耗品の交換が必要になってきます。オイルとオイルフィルターは17000km到達時に有償で交換しました。20000kmを越えると燃料タンクの水抜きが必要になってきます。エアコンフィルターは12ヶ月または20000kmのうち早い方とのことですが、フィルターを取り出してみたところまださほど汚れていなかったので、次の点検まで持ちそうです。どのみちエアコンフィルターの交換は簡単ですので、安いOEM元の市販品を購入すれば済むことです。エアフィルターの交換は25000kmごととのことですので、次の点検までは持ちそうです。タイヤの状態を目視する限りはまだ溝はたっぷり残っているのですが、時折滑る感じがします。

半年で10000km、年間で20000kmのペースを維持できれば点検の都度オイルその他の消耗品を交換できますので入庫の手間が省けるのですが、路面凍結したり道路が冬季閉鎖される冬季や、暑さの厳しい夏季は走行距離が伸びませんので、走行距離を均等にするのが難しいです。

長距離走行が楽というのは車自体には当てはまることなのですが、走行距離ごとに発生する保守がもっと楽で費用も安くなれば、さらに長距離を乗りやすくなるのですが。

デミオディーゼルの長所と短所(その2)

前にもデミオディーゼルの長所と短所をまとめたことがありましたが、あれから走行距離が伸びて印象が新たになりましたので、再びまとめてみました。

【長所】
1)車体が小さく安定性が良いので、林道から新東名まであらゆる道路で安定して走れる
2)特に高速道路や整備状況の良い国道ではすこぶる快適
3)絶対的な加速性能は大したことはないが、中速域以上の加速が伸びるため、小型ガソリンエンジン車の加速が伸び悩む高速道路での加速性能は相対的に良い
4)太いトルクのおかげでキックダウンがあまり必要でなく、アクセルペダルのみで速度を調整しやすい
5)ドライビングポジションが良く、エンジン回転数も低いため、長距離を走っても疲れない
6)軽い車体とディーゼルエンジンによる圧倒的な実燃費の良さ
     燃費を意識せずに走っても20~22km/Lくらい(街乗りだと17~19km/Lくらい)
     高速道路の走行車線のように一定速度で巡航すると25km/Lくらい
  500km走っても燃料代が2000円
  速度が上がっても加減速が少なければさほど燃費が落ちない
     MT車はAT車よりもさらにハイギアードなため、高速道路ではさらに燃費が良いらしい
7)長距離を楽に走れる車の中では一番安い

【短所】
1)ディーゼルエンジン搭載でフロントヘビーな上に、極端に安定志向で俊敏さや回頭性を欠くため、峠には向かない(スポーツカーとは真逆の特性)
2)特にトルクが有利に作用しない峠の下りでは情けないほど遅い
3)後輪の荷重が小さいため、高速走行時に横風が吹いたり段差を越えたりすると後ろが流される
4)リアサスペンションがトーションビームなせいか、左右非対称な凹凸を越えると車体の後ろ側が跳ねて不快な揺れ方をする
5)直進安定性は良好だが高速安定性は上の車格の車よりも劣る
6)高い速度でも安定して走る反面、日本の公道の速度域だと物足りない
7)最大トルクの出る2500回転でかなり上の速度までカバーできてしまうので、速度が出すぎないように注意する必要がある
8)ハイギアードなため出足が鈍い(その代わり中速域以上での加速は伸びるが、信号待ちが多いと加速が伸びる速度域を活かせないので、街乗りには全く向かない)
9)コストの制約でクルーズコントロールが追従型ではないので、混雑する道路では使いにくい

前が重いというよりもむしろ後ろが軽い印象があります。後ろがもっと重くて変速機の段数が増えれば短所がある程度改善するのではないでしょうか。

2015年10月4日日曜日

高速道路でエコランに挑戦しました

流れの良い一般道を走っているうちに燃費が伸びましたので、せっかくなので高速道路でも走行車線を走って燃費を伸ばしてみようと挑戦しました。 

走行車線で前の車についていくと、80km/hから90km/hくらいです。せっかく車速が安定していましたので、こういうときにしか使わないクルーズコントロールを使ってみました。ON/OFFボタンを押して固定したい速度で+/-ボタンを押すだけです。あいにく前の車の車速が変動しましたので、+/-ボタンを押しながら設定速度を調整しました。クルーズコントロールをつけて走るなら車速の安定している路線バスの後が走りやすいです。アクセルを踏まなくてよいのは楽ですが、前の車についていこうとすると+/-ボタンを押し続けなければなりませんので、右手の親指はせわしないです。アクセラ以上のグレードだと追従型クルーズコントロールがありますので楽なのですが。

ゆっくり走ってディーゼルエンジンの回転数を低く抑えていると、まるでバスのような乗り心地です。スバルのEyeSightみたいなのがついていたらさぞかし楽だろうと思うのですが、その状態で緊張感を保つのはなかなか大変そうです。ゆっくり走るとその分時間がかかりますが、走ってみるとあまり時間の経過を感じずにあっさりと目的地に到着しました。

道路が混みあってくると進路変更で割り込んでくる車のために減速を強いられますが、ブレーキを踏んで一旦クルーズコントロールが解除されてもCANCEL RESボタンを押すと、ブレーキをかける前の速度に戻すべく自動で加速してくれます。そうしているうちに、車内の燃費計の平均燃費があっさりと25km/Lを超えました。MT車だともっと燃費が良くなるのですが、AT車にしてはなかなか良い方だと思います。

燃費が伸びた原因は、加減速が少なかったからではないかと推測します。左車線は比較的速度が安定していますし、加速をクルーズコントロール任せにするとゆっくりと加速しますので、エンジンに負荷がかかりません。速度が高いと燃費が悪化しますが、速度そのものよりも加減速が多いことの方が効いていそうです。速度が高い方が遅い車に減速を強いられる場面が多いですから。空いている高速道路でしたら走行車線での速度も高めですし、トラックを追い越す際にもクルーズコントロールをつけたまま追い越せますので、速度が高くてもさほど燃費は悪化しません。

2015年9月27日日曜日

デミオXDのレンタカーを見かけました

最近はDJデミオを見かける機会が増えていて、またしてもデミオディーゼルかと思ってよく見たらリアウインドウに黄色いシールのあるタイムズカーレンタルのレンタカーでした。2015年4月から導入が開始されているようですので、半年経てば徐々に増えているのかもしれません。

ホイールを見るとガソリンエンジン車と同じ15インチで、フロントグリルの赤色を見落とすとガソリンエンジン車に見えます。XD乗りの個人の方には申し訳ないのですが、レンタカー以外では15インチホイールのXDをまだ見かけていません。レンタカーにXDが導入されている最大の理由はディーゼルエンジン車の中で一番安いからでしょうが、レンタカーとして借りる際には高速道路で長距離を移動することはないでしょうから(長距離を移動しないのにディーゼルエンジン車を選ぶ理由もよくわからないのですが)、乗り心地が良いとされる15インチホイールの方が有利かもしれません。また、ヘッドアップディスプレイには癖がありますので、レンタカー向けには普通のメーターの方がわかりやすいでしょう。

16インチホイール+トーヨーProxesと15インチホイール+ヨコハマブルーアースとの違いを体感したかったらレンタカーを借りてみるのも面白いかもしれません。個人でレンタカーを借りる際にはお値打ち感のあるアクセラ1.5Lを借りることが多いのですが、話の種に一度くらいはデミオXDを借りてみたいものです。アクセラ1.5Lよりも高いのでそう頻繁には手を出せませんが、どこかでデミオディーゼルのキャンペーンがあれば利用してみたいものです。

反対に、デミオディーゼルの購入を検討する際にレンタカーで乗ってみても、15インチと16インチとでは乗り心地やハンドリングが異なりますので、ディーラーで16インチも試乗してみた方がよいかもしれません。安いXDにいろいろオプションをつけると結局XD Touringと同じ値段になってしまいますので、あとは15インチを好むか16インチを好むかになってしまいます。

2015年9月26日土曜日

有償でオイルを交換しました

高速道路を運転中にメーター下に突然レンチマークが点灯しました。一体何の故障だと思って停車時にマニュアルを紐解いてみると、オイルの劣化や交換時期を知らせる警告とのことでした。そういえば、前回の点検時のオイル交換から10000kmに達した時点で点灯しました。デミオディーゼルは長距離を楽に乗れますので、つい距離がかさんでしまう傾向があります。

クリーンディーゼルエンジンには頻繁なオイル交換が必須ということでパックdeメンテに入っていて、6ヶ月おきに追加支出なしにオイルを交換してもらえるのですが、次の点検まで3ヶ月弱という微妙な時期ですので、有償でオイル交換すべきかどうか迷いました。オイルゲージを挿してみると上限より上で、X印まで1cmくらいでした(ディーゼルエンジンはDPF再生時に燃料が混入してオイル量が増えます)。X印に達するまでもう少し余裕があります。

しかし、次の点検までの間は積雪前で夏タイヤで走るには良い時期ですので走行距離が延びることが予想されますし、それにエンジンの状態を気にしながら走っても気分が良くありません。意を決してディーラーに電話してみたところ、「5000kmごとに交換してください」とのことでした。あと3ヶ月で10000km乗る可能性は低いとしても、5000kmくらいは乗るだろうと思ってオイルを交換することにしました。幸い、オイルに関してはパックdeメンテ加入者向けの料金が適用されました。

費用は、オイルがパックdeメンテ加入者向け料金で3600円、オイルフィルターが1296円、オイルフィルター交換の工賃が1512円で合計6408円でした。日帰りでどこかに出かけるときの往復の高速代くらいの費用でした。オイルフィルター交換の工賃を除けば純正品を通販で購入するのとさほど変わらない値段です。オイルやオイルフィルターを交換するためには車体下側にあるネジを外して作業する必要がありますので、ジャッキアップできる環境が無いと苦労します。当然のことながら自分でオイル交換すれば廃油の処理も必要です。オイルフィルター交換の工賃が1512円かかってもディーラーで施工してもらった方が割に合います(もちろん自分でやる方が勉強になりますし、車の仕組に対する理解も進みますが)。

1km当たりの限界費用を見てみると、オイルとオイルフィルター交換の費用は1km当たり1.3円弱です。オイルフィルター交換を10000kmごとにすると、1km当たり1円弱です。5000km乗る場合の軽油代がだいたい25000円(5円/km)くらい、高速代がだいたい10万円~15万円くらいです。高速道路での普通車の距離単価は24.6円/kmで、インターチェンジ利用時にターミナルチャージ150円加算。高速道路に乗らなければ高速代はかかりませんが、長距離乗る場合には距離に占める高速道路走行の割合が高くなります。したがって、オイル代が距離当たりの限界費用に占める割合は数%です。オイル代をケチるくらいなら、むしろ高速代をケチる方が効果的です(燃料代の増加で若干相殺されますが)。

ディーゼルエンジン車はオイル交換にお金がかかると言われていますが、オイル交換のコストと軽油代の合計が6~6.3円/km程度であり、ガソリンエンジン車のガソリン代(約8円/km)よりは低いです。車両価格に30万円ほどの差がありますので、トータルコストでは依然としてガソリンエンジン車の方が有利ですが、限界費用に関してはオイル交換が著しく不利に作用するということはありません。

せっかく有償でオイルを交換したことですし、次の点検までたっぷり乗ろうと思います。

2015年9月25日金曜日

i-DMで4th Stageに昇格しました

最近になって時折5.0点が出るようになり、いつのまにか平均点が上がり、1週間くらい前にやっと平均点が4.8点になって☆が1個点灯しました。そのときは1個きりだったのですが、数日前になってまた平均点が4.8点に戻り、☆が1個点灯し、たまたま比較的高い点が出たこともあって順調に☆が増えていき、ついに☆が5個揃って4th Stageに昇格しました。1stから2ndに昇格したときも2ndから3rdに昇格したときもいつの間にか昇格していましたので、☆が1個づつ増えて5個揃ったのは初めてです。

2nd Stageから3rd Stageに昇格するまで半年くらいかかり、長いこと4点台後半をうろうろして、やはりこれが自分の実力なのではないかと思っていたのですが、3rdから4thへは1ヶ月半でした。特別なことは何もしておらず、ひたすら急アクセル急ブレーキ急ハンドルを避けることを心がけ、白点灯したら軌道修正し、青点灯したらその状態を体で覚えるということの繰り返しでしかありません。多少評価基準が厳しくなるにせよ、どのステージでも本質的な部分は同じだと思います。

ブレーキで白点灯するのは危険回避のときと停止時です。停止時に徐々にブレーキを戻しても前方に荷重が乗っている状態だと停止時にカックンとなり白点灯します。早めにブレーキを戻して荷重を後ろに移動させると停止時にあまりブレーキを戻さなくても青点灯します。危険回避の際には一気にブレーキを踏むしかなくて、そういう場面を避けるために車間距離を確保して前方の車の動きを予測すべきなのですが、混雑する道路で車間距離を取ると割りこまれますし、合図も出さずに進路変更する車がいたり、明らかに車間距離が足りないのに急に割り込んでくる車がいたり(白点灯させられるので余計に腹が立ちます)、自助努力だけでは対処しがたい場面が多いです。前の車や横の車が法律通りに進路変更の3秒前にきちんと合図を出していればその3秒で対処できるのですが。

ハンドルで白点灯するのはハンドルを戻すときが多いです。ハンドルを切るときには徐々にハンドルを切るよう心がけているのですが、戻すときにスッと戻してよく減点されます。危険回避で急ハンドルを切るときにも当然白点灯しますが、ほとんどそういう場面はありません。ハンドルの切り始めで白点灯するのは曲がり角で大きくハンドルを切るにも関わらず十分に減速していなかったときです。

アクセルで白点灯するのは急加速というよりもむしろ上り坂でトルクが足りなくてキックダウンするときが多いです。AT車の仕様上、それで減点されると困るのですが、これはパドルシフトを活用すれば回避できそうです。アクセルを戻すときにも急に戻して白点灯しやすいです。

i-DMの目的は運転技量の向上とそこから派生する安全で燃費がよく同乗者にやさしい運転であって、点数はあくまでも結果でしかありませんので、点数を上げるための運転はおすすめできないのですが、しいて言えば、ある程度青点灯させることができるようになったら、あまり欲張らずに白点灯させない程度でいいやと思って運転しながら結果的に時折青点灯を出すと、緑点灯の4.5点からスタートして青点灯のプラス点が積み上がって上限の5.0点になります。

i-DMの点数を上げるためだけの特別なテクニックというのはそれこそ検査のときだけ検査用の制御に切り替えるVWのディーゼルエンジンみたいなもので、点数が高くても本来の実力を反映したものになりませんし、実力も向上しませんし、無理な運転をしても楽しくないのではないでしょうか。

2015年9月23日水曜日

ゆりかごとしてのデミオディーゼル

デミオディーゼルは長距離の移動には便利ですが、車体が軽いために路面の凹凸を拾うと車体が上下動しやすいです。細かい凹凸はうまくいなしてくれるのですが、大きめの入力に対しては車体を浮き上がらせる方向に作用します。比較的線形の良い道を長時間走るとゆりかごのようにゆさゆさとゆすられて、単調な景色とあいまって眠気を催すようです。人間は1Hzくらいの振動を心地よく感じるらしく、そのようにチューニングしてあるようですが、助手席に座っていると気持ちよさのあまり眠くなるようです。デミオのシートはドライバーの体格の差を吸収できるよう背もたれにもウレタン材を使っているのですが、助手席も同様に背もたれにウレタン材が入っていますので、体をすっぽりと包んでくれます。「人をダメにする椅子」ならぬ「ナビをダメにする椅子」でしょうか。運転していると前方を注視していますのであまり眠くならないのですが、ゆりかごのような椅子で運転して眠くなって激突すると、「ゆりかごから墓場まで」になります。

2015年9月22日火曜日

デミオディーゼルで平均燃費28.7km/Lが出ました

普段はあまり燃費が伸びなくて実燃費20km/L前後(カタログ燃費の約8割)ですので、「燃費運転で30km/L達成」といった記事を見るといくら燃費のために我慢するようなことは一切しないということを標榜していても、やはり自分は運転が下手なのではないかと気になるのですが、このたびAT車で平均燃費が28.7km/Lまで到達しました。平坦な直線道路で一定速度で巡航するという理想的な条件のもとでの瞬間的な数字ですが、普段ろくに燃費が伸びなくても環境次第では燃費が伸びることがあるようです。

一定速度を維持して、過給されない1300回転くらいを維持すると燃費が良くなります。燃費に影響するのは加減速を極力なくすことで、一定速度で巡航できれば速度が高くてもさほど燃費が悪化しません。そもそもディーゼルエンジン車はガソリンエンジン車よりもハイギアードな分、燃費の良い速度域も高めです。高速道路では速度の安定している大型トラックの後ろを走ると燃費が良くなります。しかし、同じように定速巡航していても40km/hだとあまり燃費が伸びません。燃費は走行距離を燃料消費量で割ったものですので、同じようなエンジン負荷なら高いギアで高い速度で走る方が燃費が良くなります。それに40km/hしか出ない道路というのは往々にして曲線や勾配があり、一定速度を維持していてもアクセルを踏んだり離したりしながら走ることになります。

同じデミオディーゼルでもAT車よりもMT車の方が6速でハイギアードですので、高速巡航で燃費運転を目指すのでしたらMT車の方が有利です。また、MT車は変速機のトルク容量に合わせて過給圧を下げて最大トルクを下げていますので、その分エンジン負荷が下がるというのもあります(CX-3は逆に過給圧を上げていますので、車体重量の増加とあいまって燃費が落ちています)。そもそも好んでMT車を選ぶような人は運転に自信のある人でしょうから、燃費運転しようと思えばAT車乗りよりも良い数字を出しやすいでしょう。

尚、平均燃費20km/Lと25km/Lの違いは、500㎞走行する場合の燃料代がだいたい2500円か2000円かの違いです。1km当たりの燃料コストが5円か4円かの違いで、1㎞当たり1円、1万㎞走行で1万円、10万㎞走行で10万円の違いです。あるいは、高速道路を平均100km/hで走るか平均80km/hで流すかくらいの違いですが、平均80km/hですと500㎞走行する際の所要時間が1時間以上違ってきますし、運転する上で我慢が必要ですので、それと500円とを天秤にかけたときにどちらを選ぶかは各人の好み次第です。

そもそもガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車との価格差を燃料コストの差で取り戻すのは事実上不可能ですので、コストを下げたかったら最初からガソリンエンジン車を選べば済むことです。ディーゼルエンジン車よりもトルクが細いですし、高速域でのエンジン回転数が上がりますので音もうるさくなりますが、燃費のために我慢しなくてもトータルコストは安くなりますし、街乗りで我慢する必要もなくなります。車を所有するのをやめて公共交通機関+タクシー+カーシェアリングに切り替えるとさらにコストが安くなります。高速道路で時速80kmで巡航するのが好きなら、高速バスに乗ってバスドライバーの超絶ドラテクを堪能する方がはるかに安くてエコで安全です。

2015年9月14日月曜日

マツダコネクトVer.56でもレジュームされない問題は解決されず

マツダコネクトのバージョンを56に上げたものの、USBメモリで音楽再生する際にレジュームされない(エンジン始動時に一番最初の曲に戻ってしまう)症状が引き続き発生しています。あいにくどのような条件で再現するかまではわかりません。

一つの仮説として、曲の再生位置が揮発メモリに保持されていて長時間エンジンを停止しているとコンデンサから放電されてしまうというのを考えついたのですが、エンジン停止時間が短時間でも発生しますし、反対に数日ぶりにエンジンを起動してもレジュームされることもあります。OS内に一時ファイルを作ってそこに曲の再生位置の情報を記録すれば解決しそうに思えますが、それならレジュームできないこともないはずで、今回のバージョンアップで何をどう変えたのかよくわかりません。

USBメモリで音楽再生する際に再生位置を記録するのが難しいという考え方もあるようですが、ランダム再生を選択してもいつも同じ順番で「ランダムに」再生されます。これは再生順序がどこかでファイルに書き込まれていなければありえません。曲のランダム再生での再生順序はきちんと保持されているのに、再生位置の情報が保持されないというのは、一体何が原因なのでしょう。本当にランダムに再生されるのでしたらレジュームなんてされなくても常に無作為抽出されますので、レジュームされない不具合があってもランダム再生する分には困らないのですが、どういうわけか再生順序はきちんと保持されますので、レジュームされなくて最初の曲に戻るとまた同じ順番で「ランダムに」再生された曲を聴くことになります。

たしかに、自動車というのはエンジン始動でいきなり電源が入ってエンジン停止でいきなり電源が落ちるという、PCではありえない仕様ですので、通常のシャットダウン動作をできないという点は考慮すべきかもしれません。しかし実際にはエンジンを停止してからシステムが完全に停止するまでにある程度の時間がありますし、同じ状況でもオドメーターがリセットされたりすることはありませんので、単にOSの作りこみの問題ではないかと考えます。

2015年9月9日水曜日

マツダコネクトをバージョンアップしてきました(55→56)

このたびマツダコネクトのバージョンを55から56に上げました(プレスリリースはこちら)。FAQページの記載によると今回のバージョンアップではUSBデバイスで音楽再生をする際にレジュームが効かない(エンジン再始動時に最初の曲に戻ってしまう)という不具合を「低減させた」(「解消した」ではない)とのことで、いつも不満に思っていた箇所が多少は良くなるならばということで、マツダコネクトだけのために入庫しました。

CMUのバージョンアップ程度でしたら作業自体はさして難しくありませんので、自分でデータをダウンロードできれば自分でやってしまいたいところなのですが、マツダコネクトはディーラーによる保証対象ですので、素人が変に触ると保証しきれないでしょうし、中には自力でやろうとして失敗する人も出てくるでしょうから、素人には触らせたくないのでしょう。

今までのバージョン55では、USBメモリを挿して音楽再生する際に、エンジン停止からある程度時間が経過してからエンジンを再始動すると、最初の曲に戻ってしまうことがよくありました。普段は曲をシャッフル再生していますので、最初に戻るたびに同じ曲を何度も聴くことになるのが不便でした。近所への買い物で乗る程度でしたらむしろラジオをつけている方がはるかに精神衛生上良いのですが、長距離を移動するとなるとラジオ局の周波数がめまぐるしく変わりますので、USBメモリによる音楽再生に不具合があると困ります。

入庫時に「1時間ほどかかる」と言われましたが作業は40分ほどで完了しました(20分はいざというときのための余裕分でしょう)。また、「今までのユーザーデータが消えてしまう」と言われましたが、起動してみるとカーナビのお気に入りや自宅のデータは残っていました。OSの上書きでしたらユーザーデータが消えることはありませんが、万一クリーンインストールが必要になる場合に備えてのことでしょう。「ユーザーデータのバックアップを取れますか?」と尋ねたところ、そういう要望を受けているがまだ実現していないとのことでした。そういう部分こそバージョンアップしてほしいものです。

バージョンアップの効果はまだ体感できるほどではありませんので、しばらく様子を見てみようと思います。何か分かり次第追ってご報告する予定です。

2015年8月31日月曜日

デミオディーゼルの車速とディーゼルノック音

デミオディーゼルはアイドリング時と低速時にディーゼルノック音がしますが、中速域以上では「ぶーん」という低音しか聞こえません。今まで特に疑問に思わなかったのですが、実は時速120kmくらいまではどの速度域であってもエンジン回転数は1500回転から2000回転くらいの範囲に収まっています。同じエンジン回転数で同じトルクなのに、どうして低速域ではディーゼルノック音がして中高速域ではディーゼルノック音がしないのでしょうか。

マツダによるとディーゼルノック音の正体はコンロッドの伸縮に伴う振動とのことで、同じようにエンジンが回転していれば同じようにコンロッドが伸縮し、同じようにディーゼルノック音がしそうに思えるのですが、低速域と中高速域で一体何が違うのでしょうか。その原因を突き止めることができれば、ナチュラルサウンドスムーザーとは別のアプローチでディーゼルノック音を低減できたりしないものでしょうか。

速度域によって違うものがあるとすれば、まず変速段が思い当たります。時速80kmを越えればすべて6速で直結しますので、エンジンの駆動力がそのまま伝達されます。それに対してAT車はアイドリング時にはトルクコンバーターが介在していますし、低速域ではギアの切替が頻繁に発生していますので、滑りが発生しています。しかしMT車でもディーゼルノック音は発生しますし、MT車ばかりのトラックやバスでもディーゼルノック音は発生しますので、果たして変速機が原因なのか疑問です。単純にギアの違いということであれば、低速域向けの大きな歯車は歯の数が多い一方で、高速域向けの小さな歯車は歯の数が少ないため、歯車の形状の違いを疑ってみる方がよいのかもしれません。

次に思い当たるのはタイヤの回転速度の違いです。当たり前ですが、速度が違えばタイヤの回転速度も違います。ステアリングを握っていると、路面からタイヤを経て受ける力とエンジンから変速機を経て伝わる力の両方が感じられます。とすればタイヤから発生する力がエンジンにも伝わっているであろうことは容易に想像がつきます。もし何らかの理由でコンロッドの伸縮が相殺されるような要因があれば、ディーゼルノック音はしなくなります。あるいは、コンロッドの伸縮を押さえつけるような力がかかっても同様にディーゼルノック音がしなくなることでしょう。しかしそれが具体的に何なのかはわかりません。

二輪車は速度が低いと安定せずに倒れてしまいますが、速度が上がると倒れようとする力が回転運動によって反対側と交互にかかって相殺されるために安定してきます。もしかして、高速回転する車軸が何らかの寄与をしているのでしょうか。

2015年8月29日土曜日

デミオディーゼルの高速域でのエンジン回転数

デミオディーゼルは時速80kmで6速に切り替わり、そこから上の速度はすべて6速です。この速度域ではエンジン回転数が車速に比例します。エンジンのトルクが最大化される回転数は1500回転から2500回転であり、1500回転のときは約80km/h、2500回転のときは約135km/hです。高速道路で走る際にトルクの不足を感じることがありません。燃費重視で走るなら走行車線をのんびり走ればよく、100km/hで走ってもさほど燃費は落ちません。

アウトバーンでも推奨速度は130km/hであり、3車線の真ん中で流れに乗って走っているとこれくらいの速度です。道路規格の差を考慮すると結構のんびりしています。トラックの制限速度は日本と同じく80km/hですので、一番右の車線は80km/hレーンです。道路規格の割に制限速度が低く見えますが、アウトバーンを走る長距離トラックは40フィートコンテナを牽引するトレーラーや日本の10トントラックと同じかそれより大きいものが多いですので、その分制限速度も低めです。ところどころに100km/hや120km/hの速度制限がありますので、速度制限区間を通過するたびに頻繁に加減速します。80km/hと135km/hの間で最大トルクが出るとたしかに運転しやすいです。

デミオディーゼルの設計上の最高速度は180km/hであり、このときの回転数は3250回転ほどです。トルクは落ちるものの加速性能の指標であるパワーのピークには達していませんので、燃費や音はともかくとして、理論上出せない速度ではありません。180km/hでリミッターがかかるらしいですが、あいにくこの速度を出したことがありませんので、どんな感じなのかはわかりません。たとえ動力性能上可能であるとしても、高級車と比べて重量と空力性能とホイールベースの差はいかんともしがたく、そんな速度を出す気になれません。デミオディーゼルはフロントヘビーなため直進安定性は良好ですが、その分後輪の荷重が小さく、横風が吹くと後ろが流されやすいです。

日本車は超高張力鋼を多用して車重が軽いのが特徴なのに対し、ドイツ車は重い鋼板や高い速度域に耐えられる足回りを使っている分車重も大きめで、例えばBセグメントのミニとCセグメントのアクセラでほぼ同じ重量です。軽ければ小さいエンジンでよく走り燃費も良いですが、高い速度域では重量があった方が走りやすいです。しかしそれでも、アウトバーンですら車格相応の速度で流れに乗って走っていればデミオディーゼルでも問題ありませんし、他の道路ではもっと速度域が低いので、コンパクトカーにそれ以上の高速安定性を持たせるのは過剰性能かもしれません。

デミオディーゼルと6AT

デミオディーゼルのATは、進段についてはさほど不満はありませんが、ハイギアードなため低速域でのトルク感が不足するのと、それでも時速80km以上はすべて6速ですので時速100km以上の速度域での燃費の悪化が気になるところです。CX-3と同じように過給圧を上げれば低速域での出足は改善するでしょうが、その分燃費が悪化しますし、高速域では効果がありません。

単なる妄想に過ぎませんが、もう1段か2段くらい増やして、最終減速比を上げて低速域での出足を良くした上で、高速域で変速比を下げて燃費を向上できたりしないものだろうかと思います。

しかし、日本の公道の速度域では問題ありませんし、アウトバーンでも意外と遅い車が多くて、時速200kmを越えて走れるのはごく一部の高級車に限られますので、今のところは段数を増やしてもあまり実質的な効果は無いということなのかもしれません。費用対効果を無視してコンパクトカーに8ATを導入しても変速機が大きく重くなることによる影響もあるのかもしれません。

また、デミオのように軽くて車高の高い車の場合、上の車格の車と比べて、速度が上がると空力面で不利になりますので、高速域での燃費の損失は空気抵抗の増加で説明できてしまうのかもしれません。そもそもコンパクトカーは横風に弱いので、燃費が悪化するような速度域で走るのは気が引けます(特に新東名は速度域が高い上に横風が強いので、横風の影響によって運転速度が制約されます)。

しかしそれでも、仮に今の6ATと同じ大きさ同じ重さ同じコストで8ATを作れるようになったら(なんとも無茶な要求ですが)、街乗りで我慢が必要という今のデミオディーゼルの大きな課題が解決し、今のようなニッチな用途ではなくもっと幅広い用途で使える車になるのではないでしょうか。もう一つの大きな課題である後輪への荷重の小ささとそれに伴う前後の重量バランスの悪さについては別の対応が必要ですが。

2015年8月28日金曜日

アクセラのマイナーチェンジ

2015年8月27日にアクセラの一部改良が発表されました。目玉は他車で導入された安全装備の導入と、売れ筋の15S Touringへの4WD車の導入ですが、1.5LのFFのAT車の燃費も向上しています。

JC08モード燃費がセダンで19.6km/Lから20.6km/Lに、ハッチバックで19.4km/Lから20.4km/Lへと向上しています。2L車のJC08モード燃費は19.0km/Lで、従来は排気量の違いにも関わらずカタログ燃費ではさほど違いがありませんでした。2L車の方が重量が50kg大きいのですが(エンジンが大きいだけでなく変速機のトルク容量も大きい)、1260kgと1310kgとの違いですので4%の差でしかありません。それに対して従来のカタログ燃費の差は2%でしたので、1.5L車の方が重量当たりの燃料消費が多かったことになります。おかげで低速域では排気量や重量の割によく走る車でした。改良後のカタログ燃費の差は7~8%であり、今度は1.5L車が燃費性能に振ったことが見て取れます。

1.5L車の燃費向上はATの制御の改良によるものとあり、変速比や最終減速比に変更がありませんし、2L車のカタログ燃費に変更が無いことから、エンジンやATの細かい制御を改善したというよりも、単にギアの進段のタイミングを早めてエンジン回転数を下げるようにしたのではないかと想像します。今まで1.5L車にしては低速域でも十分なトルク感が感じられる走りでしたが、低速域でのトルク感をデミオガソリンエンジン車並に落としたのでしょうか。一方、高速域では6速のままですので、高速域でのトルクの細さは変わりません。

1.5L車のカタログ燃費向上のきっかけになったのは、エコカー減税の燃費基準が平成27年度基準から平成32年度基準に変更になり、従来のカタログ燃費では減税率が小さくなったことでしょう。前述の通り、1.5L車と2L車の違いは主に価格と税額の違いです。製造コストはさほど違いませんし、装備の違いについても15S Touringでしたら2L車並です。アクセラの1.5L車は圧倒的なコストパフォーマンスの良さが売りですので、走りがおとなしくなっても税金対策が急務だったのでしょう。

カタログ燃費はともかくとして実燃費がどうなのかについては、実際に乗ってみないとわかりません。トルクが足りないと感じてキックダウンしまくるようになったら実燃費はむしろ悪化しますので、あまり変な制御にはしないのではないかという気もしますがどうなのでしょう。スイフトのCVT車みたいに燃費重視のセッティングで踏んでも加速しない車になってしまうと、たとえ安くても車としての魅力が損なわれてしまいます。

遅ればせながらガラコしました

ワイパーの届かない所の雨水で視界が悪いのが気になりましたので、ある日、意を決してガラコしました。塗って乾かして拭き取る作業自体は簡単でしたが、洗車して窓ガラスをきれいに拭いて乾かす下準備が大変でした。その後夏休み期間中の猛暑や道路の混雑に辟易して遠出する機会がなく、雨の日に運転する機会も無かったのですが、やっと雨の日に高速道路を運転する機会がありました。

前面窓ガラスへの効果はてきめんで、ワイパーをかけるときれいに水を撥ね、横に移動した水がすぐに後ろへと流れていきます。特に高速道路ではワイパーをかけなくても風で吹き飛ばされて後方に流れていきます。ただ、運転していると水が下から上に上がっていくように見えて妙な感じです。レインセンサー式のオートワイパーを使っていると、センサーが反応してワイパーが動き出すのが遅くなったような気がします。

一方、後方窓ガラスにはもともと風が当たりにくいので、せっかく水を撥ねても流れていくことはありません。ワイパーをかけた所だけ視界が確保される程度です。もともとハッチバック車の宿命として後方窓ガラスが汚れやすく、特に夜間の後方視界確保が課題でした。撥水加工のおかげで水滴が大きくなった分は視界が改善しましたが、もともと窓ガラスが汚れやすいので、前面窓ガラスほどの効果は感じられません。セダンのように前方から風を流せる形状の方が後方視界に関しては有利に思えます。

2015年8月9日日曜日

クロソイド曲線とi-DM

i-DMで求められる走りと伝統的なコーナリングのテクニックとが異なる場合があります。

1952年以降に工事された国道には円曲線の前後に緩和曲線としてクロソイド曲線が挿入されていますので、レーンの中心線に沿って速度一定で走る場合、緩和曲線上で一定速度でハンドルを切るだけです。円曲線に入ったらハンドルを動かさずにそのまま通過し、再び緩和曲線に入ったらレーンに沿ってハンドルを戻します。ただレーンの中心線に合わせて走るだけでゆっくりとハンドルを切ることになりますので、どれくらいハンドルを切ればよいのか気にする必要すらありません。スローイン・ファーストアウトもアウトインアウトも必要ありません(その代わり緑点灯しかしませんが)。

当然、走行速度にも依存しますが、道路構造令上の設計速度以内で走る場合には速度一定で安全に走れます。道路交通法上の制限速度は道路構造令上の設計速度よりも概ね時速20kmほど低いため、常識的な速度で走る限りはレーン中心線に沿って一定速度で走って何の問題もありません。急加速と急減速のできない大型トラックであっても車線幅が広くてかつ勾配が無ければ、曲線通過時であってもそこそこ速く走れます。同様に、フロントヘビーなデミオディーゼルであっても高規格な道路では楽に走れます。

もしこのような道路で運転しにくいと感じる人は、おそらく速度を一定に保つのが苦手なのかもしれません。平坦路ではさほど難しくありませんが、道路には往々にして起伏があり、勾配のある道路、特に下り勾配でエンジンブレーキだけで速度を一定に保つのはたしかに難しいです。しかしこれはコーナリングのテクニックとは別の話ですので、問題を切り分けて考える必要があります。

もう一つ考えられるのはそもそもレーン中心線をキープできない場合で、せっかくレーン中心線に沿って走れば楽に走れるのに、レーン中心線から外れるせいで余計なハンドル操作が必要になってしまいます。これもコーナリング以前の問題です。前を走っている車を見ていると、要領よく走るつもりで曲線の内側にはみ出す車が多いですが、そのせいで滑らかな運転から逸脱しますし、そもそもセンターラインからはみ出すのは危険です。

しかし国道であっても線形の制約によって十分に緩和曲線を確保できない場所や規格外の急曲線があることが多々あります。そのような場合には事前に警告がありますので、線形に注意しながら十分に速度を落とす必要がありますが、そのような急曲線の多い区間は制限速度も低めに設定されていますので、これも常識的な速度で走る限りはさほど問題ありません。

規格外の急曲線を通過する場合には、緩和曲線手前までに十分に減速し、緩和曲線上で徐々にハンドルを切りながらブレーキをゆっくりと緩めていくとタイヤのグリップ力を活用しながら滑らかに運転できます。同様に円曲線通過後は緩和曲線上でハンドルを戻しながら加速します。

緩和曲線の無い曲線を通過する要領は交差点を左折するときと同じで、事前に十分に減速してから車速に見合った速度でハンドルを切るしかありません。大きくハンドルを切るためにはその分車速を下げる必要がありますので、必然的にスローイン・ファーストアウトになります。

2015年8月8日土曜日

i-DMで3rd Stageに昇格しました

最近はi-DMの目的は滑らかな運転であって点数は結果でしかないと考えて、あまり点数を意識せずに運転していたのですが、久しぶりに点数を見たらなんと3.5点でした。いつの間にかこんなに下手になっていたのかと驚きながらよく見ると3rd Stageになっていました。もとから運転のうまい人はコツを掴めば2週間くらいで3rd Stageに到達するようですが、もともと運転がうまかったわけではありませんので、半年以上かかりました。

ここまで来られたのもひとえにマツダのi-DMのおかげで、他社の車に乗っていたら運転が改善することもなかったことでしょう。i-DMは数百万円の大枚をはたいて車を買ってくれた顧客に対して「ヘタクソ!」と言い切ってしまう、とても野心的なシステムなのですが、運転がうまくなる方が気持ちよく運転できますし、長時間運転しても疲れにくくなりますし、燃費も良くなりますので、長い目で見ればユーザーエクスペリエンスの改善に貢献しているのではないでしょうか。

もっとも、i-DMは単に「ヘタクソ!」と言うだけのシステムではなく、「急加速、急減速、急ハンドルを避ける」という明確な指針に基づいていますので、「なぜ白点灯したか」「どうすれば白点灯させずに済むか」がわかりやすく、運転操作の改善に結びつきやすいからこそ「ヘタクソ!」と言うことに意味があるのではないかと考えます。

2nd Stageだった頃は4点台後半をうろうろしていて、平均点が4.7点くらいでしたので、3rd Stageに昇格したことを考慮しても2nd Stageの4.8点が3rd Stageの3.5相当なのでしょう。この点数でしたら、当分の間はステージを気にせず運転操作の改善に専念することになりそうです。たしかに白点灯の基準が厳しくなっていて、普通の角を曲がる際にも気を付けないと白点灯するようになりました。当面はここが課題になりそうです。尚、3.5点だったのは昇格直後にたまたま点が低かったようで、しばらく走ったら平均点が4.4まで上がっていました。

ちなみにi-DMは運転操作の滑らかさを評価するシステムですので、たとえ車庫入れが下手で何度も切り返しても、運転が滑らかである限り減点されません。通常は車庫入れの際には微速で走行しますので、よほどのことがない限り白点灯しません。急ブレーキでは減点されますので、車間距離を十分に取って周辺の状況をよく見ながら先読みして運転することは求められますが、i-DMは必ずしも運転技量全般を評価することはできません。

2015年7月26日日曜日

なぜ割り込まれるのか

デミオで走っているせいかどうか知りませんが、よく割り込まれます。進路変更が必要な車を入れてあげること自体は構いませんし、1台入れてあげても時間のロスなんてたかだか2秒程度ですので実害はないのですが、もう1台やり過ごせば後ろががら空きで安全に進路変更できるときになぜその1台をやり過ごせずにわざわざ割り込むのか理解に苦しみます。

極端に車間距離を空けているわけでもなく、極端にトロいわけでもないのにどうして割り込まれるのだろうかと思っているうちに、一つの仮説を思いつきました。見かけの割に車体が小さいために遠方にあるかのように錯覚されやすいのではないでしょうか。通常、進路変更の際にはミラーを見て後ろの車の位置を把握した上で合図を出して進路変更をしますが、ミラーに映った像で距離感を把握する場合、小さければ遠くにあるように見えます。最初から小さいとわかっていれば補正できますが、いかにも大きそうな形をしていながら実際には小さければ、遠くにあるように見えても仕方ありません。特に夜間はヘッドライトの位置だけが頼りですので、いかにも大きな車がつけていそうなLEDヘッドライトが小さく映っていれば遠くに見えてしまうことでしょう。

かつて大型車のテールランプが高い位置にあった頃、夜間の高速道路で距離の目視を誤って追突する事故が多発していました。その対策として低い位置にテールランプをつけたり低い位置に反射テープを貼ったりして距離感を錯覚しないようにしました。

しかしこの仮説の通りだとするとゴルフとよく似てひと回り小さいポロは割り込まれやすいということになりますが、そういう話は聞きません。また、Audi A1が割り込まれやすいという話も聞いたことがありませんので、もともとさほど信憑性のある仮説でもありません。

もう一つ思い当たるのは、ハイギアードなDJデミオは出足が鈍い代わりに中速域以上での加速が伸びますし、i-DMが発進時の急加速を抑制する方向に作用しますので、割り込む人が出足の鈍さを見て「だいたいこのくらいの速度になるだろう」と予想してDJデミオの加速の伸びを過小評価している可能性があります。ヴィッツやフィットと同じ車格の車である以上、そういう風に思われて仕方ありませんし、DJデミオの仕様が車格の割に特殊ではあるのですが、DJデミオも徐々に数を増やしていますので、もう少しDJデミオの仕様が認知されてほしいものです。

2015年7月4日土曜日

納車後10000km走行したデミオディーゼル

デミオディーゼルは長距離を走っても苦になりませんし、そもそもあまり乗らないなら敢えて高価でフロントヘビーで俊敏さの無いディーゼルエンジン車に乗る意味もありませんので、ディーゼル車に乗ると必然的に走行距離が伸びます。そういうわけで、納車後半年強で走行距離が10000kmを越えました。冬場は路面凍結を避けてあまり外出しませんでしたが、夏場は走行距離が伸びやすいので、年間20000kmくらいのペースです。

納車時と比べて最も違いを感じるのは足回りです。納車直後は路面の僅かな凹凸でも不快な振動がありましたが、今は普通の舗装道路なら上下動が無く凹凸が気になりません。車輪の追随性が良くなったため、高い速度域でも安定して走れるようになり、高速道路で楽になりました。納車直後には評論家の記事は褒めすぎではないかと感じましたが、サスペンションが馴染んでくるにつれて登場当初に評論家が言及していたような乗り心地に近づいてきたように感じられます。もしかしたら新車で買うよりも5000km~10000km走行した中古の方が乗り心地が良いかもしれません(もちろん状態にもよりますが)。高速道路や地方国道を巡航すると、太いエンジントルクと相まってゆったりと乗れます。ただし、車体が小さくて慣性力も小さいため、大きな突き上げがあれば跳ねます。

エンジン音も気にならなくなりました。納車直後は低速域でジャリジャリしたノック音がしましたが、今では中速域以上ではロードノイズや風切音にかき消されてエンジン音が聞こえず、アクセルを踏み込んで回転数を上げたときでもぶーんという低い音が聞こえる程度です。高速道路では同じ車格のガソリンエンジン車よりもかなり静かです。低速域ではジャリジャリとはしないものの、コロコロとしたノック音は依然として聞こえます。

燃費も次第に良くなっています。エアコンをつけて山道を走っても20~21km/Lです。街乗りでの燃費は16~17km/Lと、これまた良好です。エンジンが馴染んできているのと、i-DMに調教されて滑らかな運転を心がけるようになったのに加えて、変速機の学習が効いているのかもしれませんが、変速機が何をどう学習したのかまではわかりません。

ちなみにi-DMの方は未だにStage 2で4点台後半をうろうろしています。最初のうちは緑点灯ばかりで時折白点灯だったのですが、発進時、停止時、コーナリング時を中心に青点灯が次第に増えてきました。しかしたまに白点灯で減点されて結局4点台後半をうろうろしています。山道でいい加減に運転して白点灯させまくったときで4.3点で、さすがに今では2点台とかはありません。尚、滑らかな運転をすると体に急激な力がかからなくなりますので、長時間運転しても疲れにくくなります。滑らかな運転は同乗者に優しいだけでなく、ドライバー本人にも優しいです。

2015年6月23日火曜日

デミオの風切音

高速道路ではエンジン音は気にならないのですが、ロードノイズと風切音が大きいです。さほど風が無いときでもゴーゴーと風切音がして、もしかして風が強いのだろうかと思ってしまいます。新東名の横風の強い区間ではさらに風切音が大きくて、速度を抑えた方がよいのだろうかという気がしてきます。

ロードノイズにせよ風切音にせよ静かであるに越したことは無いのでしょうが、路面の状態や風向や風速についての情報を伝達する手段ですので、多少は聞こえた方がよいのかもしれません。

2015年6月7日日曜日

NaviConを使ってみました

ミックウェアのカーナビになってから、NaviConに対応するようになったとのことで、早速使ってみました。そもそもNaviConが何であるかすら知りませんでしたので、NaviCon公式サイトで予習してみると、NaviCon対応のスマホアプリがたくさん出ていて、目的地を検索して目的地を決定すると、そのデータをUSB接続またはBluetooth接続でカーナビに送信できるようです。

複数の地点を設定することでルートプランを作成し、一括してカーナビに送信することも可能なようですが、あいにくマツダコネクトのカーナビはNaviConの目的地1箇所の転送にしか対応していません。都度送信し直す必要がありそうです。

出かける前や休憩中にスマホを操作して目的地を検索できますので、車に乗ってからカーナビを操作する時間と労力を節約できますし、僅かながらアイドリング時間を短縮して燃費を向上することもできます。

目的地の履歴が残りますし、似たような趣味の持ち主なら目的地も似ているだろうということでSNS的な使い方もできるようです。そうなると必然的に様々な用途ごとのNaviConアプリが乱立することになりますが、趣味は一つだけとは限りませんので、むしろプラットフォームを汎用化して、その上で様々なジャンルがある方が使いやすいのではないかと感じます(Twitterアプリが様々なジャンルごとに乱立している状況を想像してみてください)。

どのアプリを入れたらよいのかわかりませんので、とりあえずデンソー純正のNaviConおでかけサポートを入れてみました。

自宅で目的地を検索し、ナビに接続時に転送されるようにして車でBluetooth接続してみたものの、何も転送されませんでした。Bluetoothではだめなのかと思ってUSB接続も試したものの、何も転送されず。結局マップコードを手入力しましたので、却って余計な手間がかかりました。

帰宅後に調べてみると、まず、Bluetoothは用途別にペアリングが必要とのことで、一旦NaviCon用のペアリングが必要とのことでした。しかしUSB接続しても反応が無いのはどういうことかと思い、もう少し調べてみると、初期設定では「目的地の自動転送」がオフになっているとのことで、設定画面でオンにする必要がありました。「目的地の自動転送」をオンにすると、Bluetooth接続が確立した時点で「送信しますか」という画面になり、「OK」を押すとカーナビに送信されるようになりました。試しにBluetoothを切ってUSB接続にしてみましたが、こちらは認識されませんでした。普段、スマホはUSB接続せずにBluetoothでのみ接続していますので実用上は問題ないのですが。

Bluetooth接続が確立しているときにNaviConを操作して目的地を設定すると即座にカーナビに送信できますが、目の前にカーナビがあるときに敢えてNaviConを操作する理由があるとすればせいぜいブックマークから選んで送信するときくらいです。

目的地を立て続けに送信すると、一番最初に送信したのが目的地となり、次に送信したのが経由地となり、その次に送信したものは先に入力した経由地の1個手前の経由地になりました。目的地の前に経由地を挿入したい場合には、遠い所から順に送信すればよいようです。複雑なルートを入力したい場合には、予め目的地と経由地をブックマークに登録しておいて、ブックマークからそれらの目的地と経由地を送信すると車に乗ってからカーナビを操作する手間が省けます。

2015年6月6日土曜日

林道で実感できる低速域での滑らかさ

このたび、舗装された林道をまとまった距離で走る機会がありました。1車線のブラインドコーナーの連続する林道ですので、対向車を気にしながらゆっくり進むのですが、低速域でハンドルを切ったりブレーキを踏んだりしたときの挙動が実に滑らかでした。

デミオディーゼルというととかく高速道路で楽に巡航できる車というイメージで、たしかにその通りなのですが、それだけではなく、ゆっくりと走らせてみると走る曲がる止まるの感触が気持よく伝わってきます。速度は低いものの、体感するGは緩いコーナーを高速で駆け抜けるときと同じような感じです。これを相似拡大して距離を伸ばして速度を高くするとワインディングでの挙動になります。さらに相似拡大すると高速道路での挙動になります。林道から高速道路まであらゆる速度域で同じ乗り味になっていて、しかも安定しているのは大したものです。

DJデミオのガソリン車で林道を走らせたこともありますが、たしかにガソリンエンジン車も低速域で滑らかなものの、ガソリンエンジン車が淡白なのに対し、ディーゼルエンジン車は車体重量やホイールサイズやタイヤの違いのせいか、ねっとりとした感じです。尚、ダートでは路面からの突き上げが大きくて当然のことながら舗装路とは乗り味が全然違いますが、それでも路面からの突き上げを十分にいなせる程度まで速度を落としてみると車からの感触が伝わってきます。

最近のマツダ車は人が歩く速度でのチューニングを重視しているとのことで、たしかに低い速度で丁寧に操作すると車の挙動を体で感じ取ることができます。速く走らせるばかりが能ではないことを実感します。林道の速度域では車のコーナリング性能が制約になることはありませんし、交通量が少なく対向車もたまにしか来ませんので、運転操作に対する車の挙動を感じやすい環境です。低い速度域で滑らかに運転できるよう練習して体で覚えてからの方が高い速度域にも適応しやすいのではないかと感じます。

2015年6月5日金曜日

コマンダーノブの利点

マツダコネクトはソフトウェアの完成度はともかくとして、ハードウェアの使い勝手は秀逸です。とりわけコマンダーノブは一旦慣れるともうタッチパネル式のカーナビには戻れません。

カーナビで目的地を検索する際に五十音入力するときだけは直接画面に触れる方が便利ですが、それ以外はタッチパネルを使わずに済みます。手袋をつけているときには静電容量式タッチパネルが動作しにくいのですが、タッチパネルを使わないときには手袋をつけたまま操作できますので、運転中でも手袋をつけたまま操作できます。さすがに運転中にはカーナビで五十音入力することはありません。また、目的地履歴やお気に入りが蓄積すれば、五十音入力する頻度も減っていきます。

2015年6月3日水曜日

久しぶりにレンタカーでDE後期型デミオに乗りました

レンタカーを利用する際にはなるべくアクセラ1.5Lを選ぶようにしているのですが、1.3Lクラスが相対的に割安な料金プランがありましたので、今回は1.3Lクラスをクラス指定予約しました。何が来るかは当日のお楽しみでしたが、結局来たのは毎度おなじみのDEデミオでした。アクセラだとレンタカーでも徐々に新型が入りつつありますが、デミオだとまだレンタカーにはあまり新型が入っていません。

【スペック】
DE後期型4AT e-4WD
2014年6月納車で1年経過
走行距離30000km強
さすがレンタカーだけあって納車から1年の割には走行距離が長く、しかも外装が少しくたびれていました。

【走り】
軽快です。よく曲がります。デミオディーゼルと違って曲がるときにあまり気を遣う必要がありません。ステアリングは細めで、くるくる回せます。

サスペンションは少しの段差でもぴょんぴょん跳ねます。これでもDE前期型よりはましになったはずなのですが、DJ型の方がうまく段差をいなす感じです。

車重の割にはブレーキは甘いです。思いのほか深く踏み込む必要があります。

所詮1.3Lのガソリンエンジンですので、デミオディーゼルだったら上り坂とすら認識しないようなちょっとした上り坂でさえキックダウンが必要ですし、高速道路の巡航域での加速もあまり良くありません。デミオディーゼルと違って、高速道路では法定速度でも十分に速く感じられます。しかし一般道でこういう小さくて軽くてパワーの無い車を転がすのはそれはそれで楽しいものです。普通の速度で走るだけでも楽しめます。現地でレンタカーで借りる遊び用の車としては申し分ありません。ただし長時間運転して疲れてくるとパワーの無さがストレスになりますので、これで長距離を走る気にはなれません。

尚、DJデミオのガソリン車だともっと上品な走りで、あまり遊び用という感じではありません。アクセラ1.5Lだと気持よく曲がれますが、DEデミオほどやんちゃではなく、これが一番バランスがよく感じられます。ですので、1.3Lクラスと1.5Lクラスとの差額が小さい場合にはアクセラ1.5Lを、差額が大きい場合にはデミオ1.3Lを選んでいます。

【i-DM】
i-DMがついていないため、いい加減に運転しても車に「ヘタクソ」と怒られることがなく、心置きなく転がせます。あまりパワーの無い車ですので、ガツンとアクセルを踏める方が気持ち良いですし、よく曲がる車ですので、深く考えずに曲げる方が気持ち良いです。

【カーナビ等】
マツダコネクトではありませんが、レンタカーについているカロッツェリアの一番安いカーナビよりもマツダコネクトのミックウェアのカーナビの方がまだおりこうだと感じました。カロッツェリアの安物ナビは、ミックウェアのカーナビ以上に頑なにリルートしません。また、普通のカーナビを操作してみると、コマンダーノブはやはり秀逸です。

【座席】
DJデミオのお金のかかったシートと比べるのは酷ですが、普通のシートです。背もたれをあまり倒さないでいたら、ヘッドレストが肩に当たりました。背もたれを倒し気味にして、ヘッドレストを上げたらちょうどよくなりました。

【燃費】
市街地から国道や高速道路まで万遍なく乗って14km/L強でした。燃費のために我慢しないとはいえ、デミオディーゼルの街乗り並の燃費です。同じ区間をデミオディーゼルで走れば20km/Lを越えたはずです。DEデミオの4ATは古いMZRエンジンと古いアイシンAW製4ATとの組み合わせですので、いまどきのコンパクトカーの主流であるミラーサイクルエンジン+CVTに比べて燃費が劣ります。

2015年5月31日日曜日

低速でのコーナリングの練習

今までワインディングをいい加減に運転してi-DMで白点灯させまくっていましたので、もう少しまともに走らねばと思っていたのですが、折しも、2車線道路で先頭を遅いダンプが走っていて行く手を阻まれていましたので、その速度で丁寧に曲がろうと思い立ちました。トラックは車速が遅い代わりに車速の変動が少ないので、一定の速度で走るには好都合です。

やるべきことは明確で、要は急ハンドルを切らなければよいのですが、コーナーに入ってからハンドルを切るのでは遅いので、コーナーの手前で徐々にハンドルを切ります。整備済みの国道の場合は、道路構造令に即して円曲線の前後に緩和曲線がありますので、レーンをトレースすれば自ずとGの変化が滑らかになります。もっと規格の低い道路では十分な緩和曲線が確保されていませんので、センターラインからはみ出さない範囲でアウト・イン・アウトで緩和曲線を作っていきます。円曲線で結構Gがかかっても、Gの変化が滑らかなら青点灯します。

低い速度で車の挙動を意識しながらハンドルを切ると、ハンドルの切り始めで車体がロールして前輪外側に荷重がかかるのを感じます。デミオディーゼルは前輪の荷重が大きいこともあり、前輪のダンパーはほとんど動かないのですが、それでも人間の体はその僅かな動きを感じ取ります。それから徐々にハンドルを切っていくとフロントヘビーなディーゼルエンジン車でもきれいに曲がっていきます。緩和曲線を抜けて円曲線に入ったらハンドルを動かさずに一定の舵角を維持します。曲線から出る前に徐々にハンドルを戻します。速度が十分に低い場合には、コーナー手前で減速する必要がありませんので、ハンドルの動きに集中することができます。

車速が上がってきたら、コーナーでは曲がれる速度まで減速する必要がありますので、スローイン・ファーストアウトを意識しながらコーナー手前でブレーキを踏み、ハンドルを切り始めたら徐々にブレーキを抜いて、コーナーから出る前にハンドルを戻すのと同時に徐々にアクセルを踏み込んでいきます。

山道ではさらに上り勾配と下り勾配がありますので、上り勾配ではアクセルで速度をコントロールし、下り勾配ではエンジンブレーキで速度をコントロールしながらコーナー手前でブレーキを踏みます。Skyactiv-Driveは減速すれば自動でシフトダウンしますし、下り勾配を検知すれば自動でエンジンブレーキがかかりますが、それでもアクセルほどきめ細かく速度をコントロールできるわけではありませんので、前の車との車間距離を十分に確保して車速の変化を吸収した上で、ブレーキで速度を調整する必要があります。

ある程度練習するうちに、やっとi-DMの点数がまっすぐな道と同じくらいになりました。もちろん、当たり前のことをちゃんとやるよう心がけただけのことに過ぎず、それまで当たり前のことすらできていなかったに過ぎません。i-DMは運転操作を改善することが目的ですので、点数を上げることを目的とするよりも、運転操作の改善に努める方が結果的に点数が上がるのではないかと思います。点数もステージもあくまでも結果でしかありません。

また、丁寧な運転を心がけると、動きに無駄が無くなるため、結果的に速くなりました。もちろん公道で常識的な速度で走る範囲内ですので、峠を攻める人たちとは全然レベルが違いますが(そもそも公道で人並み以上に速く走れてもすぐに前の車に追いつきますので、全然楽しくありません)。下手なドライバーが煽られてじたばたすると、動きに無駄が出て却って遅くなりますので、急ぐのでしたら煽るのは逆効果だと思います。速い車が追い付いてきたときに道を譲る発想があればそもそもそんなに下手ではないでしょう。

フロントの軽いデミオガソリン車やアクセラ1.5Lだといい加減に運転しても簡単に曲がるのですが、丁寧なコーナリングを練習したい場合にはフロントヘビーなデミオディーゼルの方が意識的に練習せざるを得ない分、効果的かもしれません。

2015年5月30日土曜日

ミックウェアのカーナビを少し使ってみました

カーナビがミックウェア製になってしまいましたので、適応しようとしているところです。

【起動時の音声ガイダンス】
エンジンをかけて起動すると「今日は○○の日です」とか「エコドライブに努めましょう」みたいな謎の挨拶が出るようになりました。せっかくですので今のところはおとなしく聞いていますが、じきに飽きたら切りたいです。i-DMやカーナビと連動してドラテクをレクチャーしてくれればよいのですが。「これからワインディングですのでスローイン・ファーストアウトを心がけましょう」とか「コーナーに入る前から徐々にハンドルを切りましょう」とか「緩和曲線のある国道ですのでレーン通りにハンドルを切ってください」とか、何か気の利いたことを言ってほしいものです。

【目的地検索】
NNG製よりも格段に良くなりました。50音検索の文字入力時の処理速度も速くなりました。

【推奨ルート】
良くも悪くも国産カーナビ的で、「たしかに普通はそうなんだろうけど、そのルートだと走りにくいな」と感じるようなルートを推奨するようになりました。自宅周辺で通い慣れた場所へ行くにも、NNG製のカーナビとは全然違うルートを推奨してきます。

【経由地の挿入】
「ルート変更」「経由地の追加・編集」で経由地を検索して「ここへ行く」で決定します。ただし、そのままでは直近で入力した経由地が一番最初の経由地になって変なルートになってしまいますので、経由地の並べ替えが必要です。経由地を通過順にクリックしていくと順番通りになります。最終目的地から近い順に経由地を挿入していくと並べ替える手間が省けます。

経由地の検索で、地図で位置を決めるというのをやりたいのですが、今のところまだできていません。できれば「ここからここまで国道○○号を通る」みたいな指定をできればよいのですが。

【地図】
自動で縮尺が拡大縮小するものの、全般的に縮尺が小さすぎて見づらいです。田舎の道なら調度良いのかもしれませんが、市街地では道や建物が込み入っていますので、もっと拡大しないと見づらいです。少なくとも地図表示に関してはNNG製の方が見やすかったです。

地図があまり使い物になりませんので、結果的にアクティブドライビングディスプレイのレーン表示や交差点までの距離の表示の方をよく見るようになりました。脇見を防止するため、地図に頼らないように誘導しているのでしょうか。

【地図のピンチイン・ピンチアウト】
ミックウェア製になってから、画面に触れてピンチイン・ピンチアウトで地図を拡大縮小できるようになりました。しかしマツダコネクトの画面はコマンダーノブで操作する前提ですので画面の位置が遠いです。それにコマンダーノブを回すことで簡単に拡大縮小できますので、敢えてピンチイン・ピンチアウトをする動機がありません。

【交差点の表示】
曲がる交差点の数個手前の交差点から、付近の交差点名および通行すべきレーンが画面右側に表示されます。直進する交差点は緑の四角で、曲がる交差点は赤の四角で表示されますので、わかりやすいです。画面左側の地図表示と整合が取れているのですが、地図の縮尺が小さすぎて、地図を見ても場所がよくわかりません。レーン表示はNNG製よりもきちんとしています。交差点部分の拡大表示は二画面表示ですので、拡大表示部分を見る限りにおいてはわかりやすいです。

【音声ガイダンス】
設定されたルート通りに走る限り、音声ガイダンスで親切に誘導してくれます。地図が見づらいので、画面を見るよりも音声ガイダンスに従って運転する方が運転しやすいでしょう。交差点を曲がるときには、交差点名や目印になる建物を音声で案内してくれますのでわかりやすいです。

交差点到着の1km手前、700m手前、300m手前で音声案内が入り、300m手前からはアクティブドライビングディスプレイに交差点までの距離が表示されます。

【開通間もない高速道路】
湾岸線から東名に向かう際、なぜかレインボーブリッジ経由で誘導されました。中央環状品川線は込んでいるのかなと思い、ミックウェアのカーナビは誘導通りに走る方が楽だろうということでそのままレインボーブリッジを経由しましたが、そういえば2014年秋以降の道路開通情報が反映されていないことを後から思い出しました。新規開通道路を経由する可能性がある場合には疑ってかかる必要がありそうです。当然のことながら、カーナビの地図情報の無い区間を走行するときにはナビによる案内はありません。

尚、地図データは年1回更新のようで、2014年秋版の次は2015年秋版まで待つ必要がありそうです。地図データの更新のしかたについてはまだアナウンスがありません。

【お気に入り】
NNG製ナビと同様に目的地の「お気に入り」を登録できるのですが、「お気に入り」の一覧を表示させると施設名称ではなく地名で表示されますので、どの地名がどの施設名称なのかわかりません。たしかに地名で表示する方が正確でしょうが、そうしたいなら施設名称の後ろに地名をつける方がわかりやすいです。次のバージョンアップまでに修正してほしいです。

【総評】
目的地まで効率的に移動することを目的とする限りは、そこそこ使えます。最新の国産ナビに比べればしょぼいのでしょうが、これ以上の機能を求めるのは過保護な気がします。一方、今まで走ったことのない道を走ってみたいとか、寄り道したいとかいう場合に、経由地を指定するのは不便です。カーナビの設定ルートに逆らって走ればじきにリルートされるものの、NNG製ナビほど素早くリルートされるわけではありません。気ままに走りたいときには地図表示を見ながら走る方が走りやすいものの、肝心の地図が見づらいです。


2015年5月23日土曜日

デミオのマツダコネクトが交換されました

新車6ヶ月点検を受けたのがマツダコネクト交換作業開始の直後だったこともあり、点検のついでにマツダコネクトを交換してもらえました。点検の合間の作業であっても、点検込みで1時間で作業が完了しましたので、マツダコネクト交換だけならさほど時間がかからないようです。

尚、これから購入するアクセラやデミオには新しいマツダコネクトが装着された状態で納車されるとのことです。ディーラー店頭の試乗車のマツダコネクト交換はまだでしたが、これもじきに交換されることでしょう。交換後のマツダコネクトはマイナーチェンジ後のアテンザやCX-5、およびCX-3や新型ロードスターについているものと同じですので、これらを試乗すればイメージをつかみやすいでしょう。

交換作業には立ち会いませんでしたので、どのような手順で何をしたのかはさっぱりわかりませんが、「システムが初期化されますのでカーナビの目的地やお気に入り等のデータはすべて消えます」と言われました。バージョンを表示させてみたところ、55.00.650JPMとなっていました。ミュージックデータベースのバージョンは00.05.000であり、これが最新のようです。尚、ミュージックデータベースのファイルもNNG製とMicware製とで仕様が異なるようです。

【USBメモリによる音楽再生】
まずiTunesライブラリをまるごとコピーしたUSBメモリを挿してみると、しばらくデータを読み込んだ後、iPodを接続しているのと同じように音楽を再生できるようになりました。シャッフル再生もまともにできていて、エンジンを始動するとエンジン停止時の曲と再生位置から再開されます。普段はiPodを挿しっぱなしにしてシャッフル再生していますので、USBメモリでも同様に普通にシャッフル再生できればとりあえず十分です。これでiPodを持ち込まずにUSBメモリを挿しっぱなしにして音楽再生できますので、マツダコネクト交換の主要な目的は達成されました。

たまに同じような曲が連続することがあり、よく見ると、リピート再生は有効なままですが、シャッフル再生が無効になっています。再度シャッフル再生を有効にすると元に戻りますが、どのような状況でこれが再現するのかよくわかりません。

同じ音量目盛りだと音が大きくなり、音量目盛りを10から5くらい下げて使うようになりました。

【ahaやStitcher】
音源選択画面ではahaやStitcherもありましたが、試していませんので、使い勝手がどのように変わったかまではわかりません。これらのネットラジオの場合、ある程度ストリームをバッファしないと使い物になりませんし、回線が細いとデータ転送が追いつきませんし、電波を掴めなければデータ通信もできませんので、あまり実用的ではないと感じます。ahaのコンテンツ自体には満足していますが、車で再生するのにはあまり向いていいないのではないでしょうか。

【カーナビ】
NNG製のカーナビが不評とのことで、Micware製に交換されました。今までのNNG製のカーナビでもさほど不満はなかったのですが、マツダコネクトを交換すると必然的にMicware製になります。全く別のカーナビになりましたので、地図の表示画面がすっかり変わってしまい、目的地入力の操作方法も変わってしまいました。使い勝手を一言で言うならば、安物の国産カーナビのようなものになったという印象です。

《地図データ》
2014年秋版とのことです。2015年春に中央環状品川線を始めとして高速道路が相次いで開通しましたが、その分は反映されていません。高速道路は道がわかりやすいため、カーナビの案内が無くても道に迷うことはありませんが、ナビが道路だと認識しない所を勝手に通ることになりますので、ナビのルート案内が混乱をきたします。

《地図の表示》
単に慣れの問題かもしれませんが、NNG製のナビでも地図の表示にはさほど不満は無く、単に国産ナビとは見え方が異なるだけではないかと思っておりましたが、改めて国産ナビ風の地図表示になると、まだNNG製のナビの方が道がわかりやすかったような気がします。Micware製ナビでは、高速道路、国道等の幹線道路が太く表示され、県道は細く表示されますので、ある程度拡大しないと県道のルートが見えません。ナビの誘導通りの道を走るのでしたらさほど問題ありませんが、地図表示だけで自分でルートを選びながら走ろうとすると道が見えにくいです。

《縮尺の自動拡大縮小》
地図の縮尺の自動拡大縮小についてはNNG製の方がよくできていたと思います。曲がりくねった道で縮尺が小さすぎると直進するはずなのに右折ないし左折するかのように見えてしまい、道を間違えるおそれがあります。交差点付近では縮尺が拡大される代わりに2画面表示になり、これはこれで便利かもしれません。

《2画面表示》
2画面表示にすると、左側がメイン画面、右側がサブ画面になります。ナビと音楽の2画面表示にできる他、同じナビでも2D表示と3D表示を並列できるようになりました。2Dと3Dの両方を表示させることに特にメリットを感じませんので、デフォルトではナビと音楽の2画面表示に設定しましたが、当然のことながら地図表示が小さくなりますので、普段は2画面表示を無効にしています。

前述の通り、交差点付近では拡大図が右側に表示されたり、高速道路の分岐が表示されたりします。

《高速道路の入口と出口の選択》
高速道路の入口と出口を選べるようになりましたが、ルート探索で最初に表示されたインターチェンジの周辺のみから選択可能で、任意のインターチェンジを選ぶことはできません。最短経路を選択する分には特に問題ないでしょうが、渋滞を避けて迂回したりするときにはもっと気の利いたルート設定ができるとありがたいです。

中途半端に高速道路の入口と出口を設定すると、ナビが頑なにそのインターチェンジに誘導しようとして、別のルートを選んで走っても、常に折り返すよう誘導してきます。高度な機能の無いNNG製ナビだと早めに諦めてリルートしてくれたのですが、Micware製のナビは中途半端に利口になってしまったせいで逆に使いにくくなっています。もちろんナビの誘導通りに走る分には問題ないのですが。

《高速道路モード》
画面の右側に現在地から数個先までのインターチェンジがサービスエリアやパーキングエリアが表示されるのはNNG製ナビと同様ですし、それぞれまでの距離が表示されるのもNNG製ナビと同様です。Micware製の場合、それぞれのインターチェンジ等の通過予定時刻が表示されますので、すぐに休憩するか、もうしばらく先まで我慢するかを選ぶことができます。特にトイレをどのくらい我慢できるかについては、距離よりも時間で表示された方が直感的です。

《音声案内》
NNG製では合成音声だったのに対し、Micware製では肉声データになったとのことですが、もともと音声案内は全然期待していませんので、肉声データになったからといってあまり違いを感じません。隠しコマンドで音声案内が広島弁にでもなれば話は別ですが。この手の音声案内もフォントみたいに自由に作れたり、好きなものを購入できたりすると便利かもしれません。

《ルート選択》
NNG製ナビでは「時間優先」「距離優先」「一般道のみ」「幹線優先」等のそれぞれのルートが表示されましたが、Micware製ナビではルートが4種類表示されます。取扱説明書を見てみると「推奨」「有料道路優先」「一般道優先」「距離優先」の4種類だそうですが、画面表示を見てもどれがどのルートに相当するのかわかりにくいです。

《狭い道への誘導》
https://www.fastcloud.jp/mazda/web/faq/faq650.htmlによると、変更点の中に「狭い道への案内を回避」という記述があります。一般道ではまだあまりカーナビを使っていませんが、今のところ極端に狭い道へは誘導されていません。思い起こせばNNG製ナビのときには、時間優先や距離優先でとんでもなく狭い道に案内されたことが何度かあって、あまりに狭い路地なのでよもやそこを通るとは思いもよらず、入口を見失ったこともありました。5ナンバー車体でも曲がれないような角を曲がるよう誘導されたり、5ナンバー車体でもミラーを畳まなければ通れないような道へ誘導されたり、一度入ったら二度と出られない道に誘導されて、ミラーを畳んだ状態でバックで脱出する際に死角にあった突起のせいで後ろのバンパーに少し傷がついたりしたこともありました(普段は狭い道を通ってもこすらないのですが)。逆に、敢えて「落ちたら死ぬ林道」を通りたい場合でも、ちゃんと案内してくれて、それはそれで重宝しました。

NNG製ナビにさほど不満がないとはいえ、狭い道については苦労しました。おかげで狭い道での運転操作については随分鍛えられました。日本には特に田舎を中心に徒歩時代の路地がたくさん残っており、いち早く馬車社会になった欧州からは想像がつかないのかもしれません。

《システムの安定性》
データ圧縮率を下げて圧縮データ展開のために費やされた計算機資源を開放したことで安定性が向上したようです。まださほど使っていませんが、今のところ走行中にナビが落ちたことはありません。NNG製のナビの場合、経由地点をいくつも入力して複雑な経路を取ると処理が追いつかなくなって落ちましたが、Micware製のナビでどこまで経路を複雑にしたら落ちるのかはまだ試せていません。もしかしたら狭い道への案内を回避するのは検索経路を減らして負荷を下げるためでもあるのかもしれません。

ナビとしては普通の国産ナビよりも劣るものの、国産ナビに慣れた人にとってはとっつきやすくなったのではないでしょうか。特にアクセラは「車は最高ナビは最低」とか「マツダコネクトが嫌だからアクセラを買わない」とかさんざんな評価で、せっかく車の出来が良いのに日本国内での売上が低迷して幻の名車になってしまいましたが、これで多少はましになったでしょうか。

【SDカード】
せっかくですのでSDカードを取り出して中を覗いてみました。中にはKWIという拡張子のファイルだけが10数個入っており、サイズは合計で8GB強でした。尚、NNGナビのSDカード内のデータサイズは1.8GBです。NNGナビ用のMazda Toolboxを起動しましたが、認識されませんでした。もうNNG製のナビには戻れませんのでMazda Toolboxを使う機会もなく、アンインストールしました。結局地図データの更新は一度もできないまま終わってしまいました。Micware製ナビの地図データを更新する術は今のところありませんが、これもいずれ何らかの形で実現することでしょう。ただし、NNGナビの地図データよりもデータサイズが大きくなっていますので、結構大きなファイルをダウンロードすることになりそうです。

新車6ヶ月点検を受けてきました

納車から半年弱経過し、走行距離も7000km近くなりましたので、新車6ヶ月点検を受けてきました。特に異状もなく、いつものオイル交換に加えてタイヤローテーションしてもらい、最後はいつも通り洗車してもらって出場しました。

少し走ってみましたが、オイル交換のおかげかエンジンが滑らかになり、カラカラ音が減ったような印象があります。タイヤローテーションのおかげか、足回りも心なしか滑らかになったような気がします。高速道路では抜群の安定感で、とても楽に走れます。

CX-3の試乗車を見てみました

ディーラーの店頭にあるCX-3の試乗車を見てみました。試乗はせず、内装と外装を見ただけです。

【外装】

  • デミオとほぼ同じサイズながら迫力があり、一つ上の車格に錯覚します。
  • セラミックメタリックは白とは全然違う色で、薄いグレーや薄いシルバーに近い色です。やはりソウルレッドとセラミックメタリックが売れ筋とのこと。
  • ホイールは大きいだけでなく太いです。このサイズで18インチのタイヤを履いて大丈夫なのか心配ですが、ホイールが大きくなった分トレッドも大きくなっていますので、高速道路では乗り心地が良いのでしょうか。
  • デミオと見比べてみましたが、全高や最低地上高はデミオとさほど違いません。
【内装】
  • 内装はデミオとさほど変わりませんが、シートが少し違うとのこと。
  • 座面の高さが乗り降りしやすい高さに設定されているのが売りですが、実際に乗り降りしてみると、腿を支える突起が乗降の妨げになります。これならデミオでも乗り降りのしやすさは大差なさそうです。
  • 後席の快適さはデミオとは全然違います。頭上のスペースに余裕がありますし、座面が高いので、座りやすいです。その代わり後席の窓の小ささが気になりました。
【荷室】
  • 荷室は当然のことながらデミオよりも大きく、国内旅行用のキャリーケースを2つ積んでもスペースのやり繰りに苦労しないくらいのスペースはあります。海外旅行用の23kgクラスのスーツケースが1個入るか入らないかくらいの大きさです(それにしても試乗車では荷物を入れた状態で展示してくれると荷室の大きさをつかみやすくて助かるのですが)。
  • 荷室は2段になっていますが、下の段の深さが5cmくらいしかなくてびっくりしました。貴重品入れくらいの使い道しか思いつきません。
  • 荷室の仕切り板を外した場合、荷室の中に置き場がありません。
【使い方】
  • 2人乗りでしたらデミオで十分ですし、大人4人で乗るとなるとCX-3では荷室の大きさが足りません。大人2人に子供1人くらいが精一杯かもしれません。アクセラのセダンだと大人4人で乗って荷物を積むスペースがあるのですが。
  • 競合車種として直接想定されているのはヴェゼルでしょうが、ヴェゼルよりも狭いです。むしろmini crossoverと被ります。内装や外装の方向性は全然違いますが、サイズや使い方としては近いと思います。スペックの数字もほぼ同じです。
【価格】
デミオよりも1回り高くて300万円クラスですが、「価格は大きさに比例する」という考え方を捨てればこれもありなのかもしれません。しかし他の300万円クラスの車と比較した場合に、小ささやデザイン以上の価値を見いだせるのか疑問です。

アクセラハイブリッド車に試乗しました

デミオの点検の合間にアクセラハイブリッド車に試乗しました。試乗したのはレザーシートの最上級モデルHYBRID-S L Packageでした。HYBRID-Sからヘッドアップディスプレイがつき、L Packageで電動式レザーシートになります。メーカーオプションのBOSEサウンド・システムや電気スライドガラスサンルーフ等もついており、全部盛り仕様です。本体価格がアクセラディーゼルと同じですが、アクセラディーゼルは本体価格のままで全部盛りですので、オプションの分だけアクセラディーゼルよりも割高になります。

まずエクステリアは当然アクセラのセダンで、結構迫力があります。アクセラのハイブリッド車がセダンのみの設定なのはトランクルームにバッテリーを設置するためですが、アクセラにおいては荷室が大きく静粛性の高いセダンは実用性重視の車に設定し、ハッチバックはスポーティーな車に設定するとのことで、アクセラ2Lにセダンの設定が無いのはスポーティーな位置づけだからとのことでした(アクセラのディーゼルがスポーティーな位置づけというならまだしも、2Lはむしろ街乗りから高速道路までそつなくこなせるイメージがあり、むしろ積極的にエンジンを回しに行って限られたパワーを絞り出す1.5Lの方がスポーティーな感じなのですが)。インテリアもアクセラの上位モデルと同じですので質感はなかなか良いです。少なくともプリウスとは比較になりません。シフトノブ周りを除けば最近のマツダ車に共通の内装ですので、操作しやすいです。

プリウスでおなじみのシフトレバーを動かして発進すると、バッテリー残量が少なめなのかエアコンがついているためなのか、エンジンが回りました。道路に出てアクセルを踏み込むと、実にリニアに反応します。プリウスのように踏んでも全然加速しなくて、その上、ゲージメーターで燃費の悪さをこれ見よがしに表示されていらつくということがありません。アクセルペダルはオルガン式ではなくプリウスと同様の吊り下げ式なのですが、特に気になりませんでした。

不思議なのはアクセルを踏み込むにつれてエンジン回転数が上がることです。本来ハイブリッド車は低速域ではモーターアシストがありますので、プリウスやアクアではパワーが不足しない限りエンジン回転と加速とが同期しません。アクセラではリニアな反応を演出するため、敢えてそのような制御にして、余ったパワーを充電に回しているのではないかと想像しています。

ブレーキを踏むと、これもリニアに減速します。プリウスだと少し踏むだけで強い回生ブレーキがかかって操作しづらいことこの上ないのですが、アクセラではこの辺りの制御もガソリン車の感覚に合わせているようです。

ステアリングフィールも他のマツダ車と同じで、プリウスやアクアの手応えの無いステアリングフィールと違って、ストレスなく曲がれます。後ろにバッテリーがついていますので、アクアみたいに前後の重量バランスが良くなって曲がりやすいかと期待したのですが、コーナリング性能を試す機会はありませんでした。

リアサスペンションはプリウスのトーションビームに対してアクセラはハイブリッドでもマルチリンクですが、マルチリンクサスペンションが威力を発揮する左右非対称な突起を通ったりワインディングを走ったりする機会がありませんでしたので、どの程度違うかはわかりませんでした。

試乗したのは市街地の道路でしたが、さすがハイブリッド車だけあって低速域での静かさと滑らかさは秀逸です。普段ディーゼル車に乗っていると街乗りでの滑らかさはうらやましいです。高速道路は走行しませんでしたが、2Lのエンジンを積んでいますし、プリウスもそこそこパワーのある車ですので、この調子なら高速道路でも楽に走れるのではないかと推測します。

ハイブリッド車でもi-DMがついています。ハイブリッド車の場合、車が勝手に最適な制御をしてしまいますのでi-DMをつけることに一体何の意味があるのか不思議ですが、急加速・急減速・急ハンドルを抑制する分には役に立つのかもしれません。あるいは、プリウスと違って自在に操作できるという自信の表れでしょうか。

要は走りと内装と外装に関してはマツダ車の水準です。プリウスと同じシステムでこんなに違うものかと驚きました。

数字をプリウスと比較してみると、プリウスの重量が1350kgなのに対し、アクセラハイブリッドの重量は1390kgです。プリウスは軽量化のためにリアサスペンションをトーションビームにしたりアルミを多用したり剛性を落としたり内装をチャチにしたりして、軽量化のためにあらゆる努力をしているにも関わらず重量差が40kgしかありません。トーションビームとマルチリンクとで重量差が100kgくらいあり、リアサスペンション以外で60kg軽量化されています。しかも一見したところプリウスのような軽量化も見えませんので、どこで60kg軽くしたのか不思議です。アクセラの2Lガソリンエンジン車との重量差が80kgですので、アクセラのシャーシやボディー自体がプリウス以上の軽量化を達成できているということでしょうか。燃費についても同じTHS2を採用し、しかもプリウスよりも40kg重いにも関わらずJC08燃費はアクセラハイブリッドの方が僅かに上回ります(もちろん実燃費はプリウスの方が良いようですが)。プリウスはタイヤの転がり抵抗を小さくしたり、空力性能重視の車体にしたり、モード燃費の数字を出しやすい仕様にしたりして、燃費のために様々な工夫をしているにも関わらず、そのような燃費に特化した仕様ではないアクセラの方が、少なくともカタログ燃費では上回っているというのは実に不思議です。燃費に差が出るとしたらエンジンの燃焼効率くらいしか思いつきません(アクセラハイブリッドのエンジンの圧縮比が14に対し、プリウスのエンジンの圧縮比は13)。

あとは値段および他車との兼ね合いですが、一番安いグレードは戦略的にプリウスの価格に合わせてありますので、同じ値段で同じ燃費で走りが全然違うアクセラにしない理由を見出だせません。どうしてこんなに過小評価されているのか不思議です。もしあるとすれば、プリウスに好んで乗る層がマツダ車に偏見のある世代だからでしょうか。

一番高いグレードではアクセラディーゼルよりも高くて、メーカーオプション付で300万円くらい、乗り出しで350万円くらいしそうです。だったらディーゼルの方がお買い得に見えますが、ディーゼルエンジン車は低速域であまり滑らかでありませんので、街乗り主体でたまに高速に乗るくらいでしたらハイブリッド車の方が扱いやすいかもしれません。走りはおとなしめで、2.2Lディーゼルエンジン車のようなパワーやトルクはありませんが、街乗りから高速道路までオールラウンドに使えますので実用性は高いです。また、プリウスでは安っぽくて物足りない場合、トヨタ車だとSAIやCT200hになってしまいますが、これらは400万円以上しますので、その間を埋めるグレードとして有用なのではないでしょうか。

ではアクセラ2Lガソリンエンジン車との比較ではどうかというと、プリウスでの走りから推測する限り、高速道路での走りはほぼ同等と予想されますし、街乗りでも1.5Lよりもパワーに余裕があり、エンジン回転数があまり上がらない分静かでしょう。2Lガソリンエンジン車の最上位グレードとハイブリッド車の一番安いグレードでほぼ同じ値段です。同じグレード同士での比較では価格差は20万円です。カタログ燃費の差が10km/L、実燃費の差がだいたい5km/Lくらいだとすると、3万km走れば元が取れることになります。ハイブリッド車が強みを発揮する街乗りでは走行距離は伸びませんが、それでも5年乗るとして年間6000km乗れば元が取れますので、たまに高速道路で遠出すれば難しい数字ではありません。元気に走りたければガソリンエンジン車、穏やかに走りたければハイブリッド車でしょうか。運転する分には元気に走る方がよいかもしれませんが、同乗者にとっては静かで穏やかな方が乗りやすいでしょう。

アクセラハイブリッド車が唯一プリウスに劣るのは荷室の大きさです。プリウスは大人4人乗って荷物をたっぷり積めるパッケージングが秀逸ですが、アクセラは走りに振っている分、荷室のスペースが犠牲になっています。アクセラのセダンは本来荷室が広いのですが、バッテリーがかなり場所を取っています。大人4人で乗ると荷室が不足しますので、実用的には3人くらいまででしょうか。

アクセラに搭載されているハイブリッドシステムは実用性重視の走りですので、アクセラに載せるよりもプレマシーに載せる方が売れるかもしれません。プレマシーなら大人4人乗って荷物をたっぷり積めますし、扱いやすくて乗り心地が良いのは売りです。ただし、バッテリーを後ろに搭載する際に3列目の座席を設置するスペースを確保するのが難しそうです。CX-3は1.5Lディーゼルだけしかありませんが、街乗り主体でしたらハイブリッドの方が本来は合うのではないかと思います。CX-3にアクアのハイブリッドシステムを載せれば、アクアでは内装が安っぽすぎるとかアクアでは後ろが狭すぎるという層にアピールできるかもしれません。それにレクサスではCT200hよりも小さい車はありませんし。

まるでマツダの回し者みたいな書き方になってしまいましたが、制御やセッティングはマツダ流とはいえ、ベースになっているTHS2の出来が良いというのもあると思います。トヨタの底力を感じます。

2015年5月14日木曜日

シートポジション

【アイポイント】
一般に、アイポイントが高い方が高速走行で楽と言われています。高速走行時に限らず見通しが良い方が運転しやすいため、高めのアイポイントが好みなのですが、あまりにアイポイントが高いと今度はAピラーに視界を遮られますし、安全装備のためのカメラやレーダー等がバックミラーの前にあって、それなりの面積を占めているため、左前方が見えなくなってしまいます。そのため、敢えてアイポイントを下げています。スピードが出すぎないようにするためにも敢えて体感速度を高めにする方が有利です。

おそらくアクティブドライビングディスプレイの高さ調整で高さが真ん中になるときのアイポイントが本来想定されているアイポイントだと思います。

【座面の高さ】
デミオはアクセラよりも着座位置が高めのため、ペダル操作に支障しないよう、座面の奥行きを切り詰めているとのことですが、たしかに膝裏に当たる感触はありません。たまにレンタカーでアクセラに乗ると膝裏に当たります。アクセラに乗る際にはもっと座面を下げた方が良いのかもしれません。

【座面の前後位置】
座席に深く腰掛けると、座席を前に出さない限りペダルに足が届かないのですが、座席を後ろに下げている人って一体どれくらい足が長いのでしょう。オルガン式アクセルペダルに合わせて踵の位置が決定しますから、そこから逆算すると自ずと座席の位置が決まってきます。着座位置が低ければその分少し後ろに下がるという程度の差しか出ないはずです。また、着座位置が低ければ座面が膝裏に当たりにくくなりますので、深く腰掛ける上でも支障がなくなるはずです。

ステアリングの位置は調整できますが、シフトレバーの位置は調整できませんので、特にMT車の場合はそれによっても座席の位置が制約されます。デミオやアクセラよりも着座位置が高めの設計で、それに合わせてシフトレバーも手を自然に下に下したときに調度良い場所にあり、シフトレバーの長さも短めです。デミオにはアームレストがありませんが、アームレストを使わない前提でシートポジションが設計されているように見受けられます。

アクティブドライビングディスプレイの位置と視認性

アクティブドライビングディスプレイの利点は視線移動が少ないことと言われています。それは真正面を向いているときにはそうなのですが、実際に運転しているときは真正面だけを見ているわけではありません。危険予知のために広く周囲を見渡す必要がありますし、周囲の車の位置を把握するためにミラーも頻繁に見ますので、真正面の狭い所に速度が表示されていてもあまり見る機会がありません。むしろ、視野角が広がるとハンドル下のメーターも視界に入ります。たしかに、遠くを見て運転するときにはアクティブドライビングディスプレイの方が見やすいですが、遠くを見て運転するのは速度が高いときであり、高速道路を走るときにはむしろミラーを見て周りの車の位置を把握するための時間が長いので、真正面だけ向いているわけではありません。

もちろん、プリウスやアクアのように速度表示が左側にあると左側に気を取られて危険ですので、速度表示は左右中央にあってほしいのですが、上下方向については低すぎなければよいという程度です。他にも、


  • アクティブドライビングディスプレイは高さ設定をきちんとしないと数字が見えませんし、着座位置が少しずれるだけでも数字が見えなくなってしまいます。
  • 1.5mで焦点を結ぶよう調整されているとのことのですが、運転時には1.5m前を見て運転しているわけではなく、もっと遠くを見ていますので、意外と焦点を合わせにくいです。焦点が合わないとたちどころに見えにくくなります。
  • そもそもヘッドアップディスプレイに表示される数字自体、透明なアクリル板への投影ですので、視認性があまり良くありません。
  • 着座位置が高いと、丁度ワイパーのある辺りに数字が表示されますので、見づらかったりします。
  • たまたま真正面を向いているときに、アクティブドライビングディスプレイが見えることもあるといった程度です。


理想的なのは注視しなくても視野に入っていればだいたい見て取れることで、その点アナログメーターが最も視認性に優れています。あまり効果がないかもしれませんが、せめてアクティブドライビングディスプレイ上の速度表示をデジタルからアナログに切り替えることはできないものでしょうか。

デジタル表示のメリットは、僅かでも速度超過すると速度違反で捕まるような国で正確な速度を把握できることですが、そもそも速度計による表示にはタイヤ空気圧やタイヤ面の摩耗による誤差がありますので、その誤差を解消せずに表示される数字だけ1km刻みにすることにどの程度意味があるのでしょうか。

アクティブドライビングディスプレイには、進むべきレーンの表示や、角を曲がるまでの距離も表示されますので、運転に最低限必要な情報を得るには便利ですが、そのためには肝心のカーナビの信頼性確保が急務です。また、距離で表示されても具体的にどこで曲がるのかはわかりにくいです。「30m先」というのはすぐ先ですので知らない道で車速が高いと判断が間に合いません。「2つ目の信号を右」とか「信号の50m手前の細い道を左」みたいに、視覚情報とリンクした情報ならわかりやすいのですが、そのためには地図表示と突き合わせる必要があります。

2015年5月13日水曜日

長距離巡航で真価を発揮するデミオディーゼル

同じことの繰り返しでしかないのですが、デミオディーゼルは街乗りではいろいろ我慢を強いられる反面、長距離巡航ではうって変わって快適になります。

  • ディーゼルエンジンは始動してしばらくは滑らかさが無く、特に低速域ではカラカラ音が気になりますが、高速道路で1時間くらい走ってエンジンを回し続けていると、アイドリング時ですらガソリンエンジン並に静かで滑らかになります。走行速度にもよりますが、燃費もだんだん良くなっていきます。
  • デミオディーゼルはハイギアードなため、出足は全然鋭くなくて、青信号発進では軽自動車に負けるのですが、普通のガソリンエンジン車が息切れする速度域では余裕のある加速ができます。
  • 16インチホイールはBセグメント車にしては大きめで、低速域での乗り心地はあまり良くない反面、速度が上がると乗り心地が良くなります。
  • フロントヘビーですのでタイトコーナーには弱いですが、その分、直進安定性は良好ですので高速域では走りやすいです。
  • 街乗りでは燃費があまり良くありませんし、走行距離が短ければ燃料コストにも差が出ませんが、長距離を走ると燃料コストに大きな差が出ます。

5km走るよりも500km走る方が楽という珍しい車です。同じエンジンを積んでいるCX-3はどうなのでしょうね。

アクセラに1.5Lディーゼルエンジンを搭載できるか

1.5Lディーゼルエンジンは当初アクセラに搭載する計画だったみたいな噂が時折出てきますが、本当にそうなのでしょうか。もしアクセラに1.5Lディーゼルエンジン車が出るのだったら購入候補に入れたいと思っていましたので、気になるところです。

いろいろな記事を見ていると、当初は1.6Lディーゼルエンジンを開発していたものの、インドの税制に合わせて1.5Lにすることになったとのことで、結局デミオに最初に搭載されました。デミオに1.5Lディーゼルエンジンを搭載すると、トルクにはかなり余裕がある反面、パワーはやはり排気量相応の感があります。

CX-3に1.5Lディーゼルエンジンを搭載するにあたっては、出力はそのままですが、過給圧を上げることでトルクを270Nmにしましたが、デミオディーゼルよりも130kg重くなっていることもあり、走りはややおとなしめのようです。エンジン以外の重量で比較するとアクセラはCx-3よりも110kgくらい重くなり、デミオよりも240kgくらい重くなります。しかも4WD仕様だとさらに重くなります。いくら低回転でのトルクの太いディーゼルエンジンとはいっても、アクセラに搭載するためにはローギアードにして高速域での余裕を切り捨てる必要がありそうに見えます。

低速域での出足は1.5Lガソリンエンジン車と同等かやや劣るくらいで、高速域での加速は2Lガソリンエンジン車と同等くらいのスペックでしょうか。しかし、フロントヘビーになりますので、2Lガソリンエンジン車よりも高価でありながら2Lガソリンエンジン車よりも走らない曲がらない車になってしまいます。ガソリンエンジンなら低出力であっても回転数を上げることでパワーを絞り出せますが、ディーゼルエンジンはそのような使い方に適しません。ディーゼルエンジンの優位性は長距離巡航にありますが、ガソリンエンジンでも2Lあれば十分に高速道路で走れます。それなら敢えて高価なディーゼルエンジンを搭載する意味がありません。

あるいは、アクセラに1.5Lディーゼルエンジンを搭載すれば、欧州向けに税金対策で出力を減格した車を作りやすいかもしれませんが、せっかくの節税のメリットも車両価格の高さで相殺されてしまいますので、経済的合理性がありません。そんなことをするくらいなら最初から2Lガソリンエンジンの制御ソフトウェアをいじる方が楽です。

当初の計画通り1.6Lエンジンとして開発されていれば状況は違ってきたのでしょうが、1.5Lディーゼルエンジンをアクセラに搭載するのは残念ながら難しそうです。アクセラやプレマシー(の後継車)向けでしたら1.8Lくらいがちょうどよいのかもしれません。

敢えて高価なディーゼルエンジンを搭載するならそれに見合った価値が必要です。アクセラに2.2Lディーゼルエンジンを搭載すれば圧倒的なパワーとトルク、重い車体によるしなやかな足、CX-5よりも重心が低く、アテンザよりも小回りが利くという価値があります。デミオに1.5Lディーゼルエンジンを搭載すればコンパクトカーでありながら長距離巡航に適した車になります。

また、車の性格によるところもあって、デミオやプレマシー(ないしその後継車)でしたら、いろいろ我慢しても実用上差し支えなければ十分でしょうし、デミオの価格でしたら特定の用途に特化しても仕方ないと思えますが、アクセラはそういう車ではないと思います。

【追記】
結局、DE精密過給制御等の様々な改良を施された上で1.5Lディーゼルエンジン車が出ましたが、煤対策もあり、また2.2Lディーゼルエンジンの出力向上もあり、1.8LディーゼルエンジンがCX-3に搭載されることになりました。

2015年5月10日日曜日

手袋

夏場は手に汗をかきますし、日焼けしやすいので、手袋が便利です。ステアリングが滑りにくくなり、指に力がかからなくなりますので、運転が楽になります。他にも、夏はエアコンの冷風が丁度手に当たって寒いのですが、手袋をしていると寒さが和らぎます。それにしても、どうしてエアコンの吹き出し口は手に風が当たる所にあるのでしょう。

せっかくデミオディーゼルは長時間運転しても疲れない車ですので、シートやシートポジションだけでなく、ステアリングでも疲れないための工夫をすると効果的です。

2015年5月9日土曜日

アイドリングストップと滑らかな停止

停止時には一定の減速度を維持した上で、停止直前でブレーキを抜いて減速度を徐々に下げると滑らかに止まることができるのですが、ブレーキをある程度抜いた状態で停止直前にアイドリングストップがかかり、さらにブレーキを抜くとアイドリングストップが解除されてエンジンが再始動することがあります。さりとて、アイドリングストップが解除されないようにブレーキを抜くのを控えめにすると、今度はi-DMで白点灯しやすくなります。一番簡単なのはブレーキを踏みっぱなしにしてそのままアイドリングストップに突入することなのですが、それだと確実に白点灯します。

アイドリングストップを確実に動作させるのと滑らかに停止させるのが両立しにくいので、苦労しています。すぐに青信号になることがわかっているときにはアイドリングストップが作動しないように最初からブレーキを浅めに踏みますので、滑らかに停車しやすいですし、発進時も滑らかです。いっそのことアイドリングストップなんてやめてしまえば簡単なのですが。

2015年5月3日日曜日

最近見かけるデミオとCX-3

最近になって、新型デミオとCX-3を見かける機会が増えてきました。

デミオは数が増えてきたのか、見かける頻度が増えてきました。最近はガソリン車の方を多く見かけます。体感的にはガソリン6割ディーゼル4割くらいでしょうか。デミオディーゼルは長距離巡航に特化したニッチな仕様ですので、発売当初はともかくとして、実用的な使い勝手を考えればガソリン車の方が売れると思います。1.3Lクラスのガソリンエンジン車で変速機がCVTでないもの自体が珍しいですから。燃費に関してはCVTを搭載するフィットに劣るようですが、変速フィールはATの方が良いですし、高速域ではATの方が有利です。

色については、ソウルレッドが一番多いのは今までと変わりませんが、ブルーリフレックスマイカをぼちぼち見かけるようになりました。ディープクリスタルブルーマイカもそこそこ見かけます。ただし、色については地域差もあるでしょうから、自分が見かけた範囲ではまだサンプルが足りません。

発売から間もないCX-3も見かけるようになりました。色はセラミックメタリックという白が一番多いです。その次がソウルレッドです。他の色はまだ見たことがありません。まだ数はそれほど多くないのですが、とてもインパクトのあるエクステリアですので、実際の数以上に印象に残ります。

CX-5やアテンザもよく見かけますが、さすがにマイナーチェンジ後のはまだ見たことがありません。CX-5なんて売れ筋ですし、マイナーチェンジ版はCX-3よりも先に出たにも関わらず見かけないのは、もしかしてマツダコネクト効果でしょうか。

新型アクセラを見かける頻度はCX-5はおろかアテンザよりも低くて、体感的には新型デミオと同じくらいでしょうか。アクセラは初代、二代目、新型のうち、4:4:2くらいの相対頻度に感じられます。新型アクセラは影が薄くて、正面から見ると、ぱっと見新型デミオかと思ってしまいます。実際に乗ってみるとなかなか良い車なのに勿体無いです。

デミオディーゼルのオートエアコンとアイドリングストップ

ここのところ急に暑くなってエアコンをつけるようになりました。暖房はエンジンの排熱でできますので燃費には影響しないのですが、冷房をつけると少し燃費が悪化します。今まで走ってきた限りでは1~2km/Lくらい平均燃費が下がっています。

エアコンをつけるとアイドリングストップが効かなくなって、その分燃費も悪化したのですが、信号待ちのたびにセルモーターを回すことがなくなり、かつエンジンが回りっぱなしですので、最初にエンジンをかけるとき以外はカラカラ音がせず、回転も滑らかになりました。その結果、アイドリング時でもエンジン音があまり気にならなくなり、これはこれで良いかなと思いました。また、アイドリングストップ解除後の青信号発進のときにi-DMで白ランプがつかないよう、青信号になる直前でブレーキを緩めたり、最初はゆっくり発進させる必要があったのですが、アイドリングストップが効かなくなることで、すぐに発進できるようになり、発進時に余計な気を遣うことがなくなりました。

しかし、ふと送風設定のツマミを見ると、雨の日にデフロスタに設定してからそのままになっていました。ためしにAUTOにしてみたところ、たちどころに送風が静かになり、かつアイドリングストップが効くようになりました。ただし、アイドリングストップ時には送風だけになりますが、どのみち信号待ちの時間はそんなに長くないため、さほど気になりません。AUTOにしておいた方が燃費に良さそうです。調べてみたところ、このi-Stopの仕様は先代からのもののようです。

エアコンをつけるときの燃費への影響がどの程度か気になるところですが、それまで19.5km/Lだったのが20.5km/Lに向上しました。デフロスタ設定でアイドリングストップが効かなかったときで1~2km/Lの低下ですので、AUTO設定だとほとんど燃費への影響が無いことになります。本来そんなことは無いはずなのですが、冬場に比べてエンジンが温まりやすいので、燃焼効率が良くなって回転が滑らかになるためかもしれません。なお、流れの良い幹線道路を巡航していたら、25km/L、山道でも22km/Lでした。

ディーゼルエンジンはアイドリング時にガソリンエンジン車よりも燃費の悪化の度合いが大きい一方で、始動直後には回転が滑らかでなく、アイドリングストップを有効にするにせよしないにせよ、いろいろと気を遣います。

2015年4月26日日曜日

久しぶりにレンタカーでアクセラ1.5Lに乗りました

このたびレンタカーでアクセラ1.5Lに1日乗る機会がありましたのでご報告いたします。アクセラ1.5Lは前にレンタカーで乗ったことがありますが、今回はデミオディーゼルに乗ってしばらく経過していますので、デミオディーゼルと比較ができます。デミオディーゼルとアクセラ1.5Lはほぼ同じ予算ですので、車選びの参考になれば幸いです。

タイムズカーレンタルの料金は1.5Lクラスのガソリン車が比較的割安で、12時間借りる場合、デミオ1.3Lよりも500円弱高い程度です。燃費を加味すると差額はもっと大きくなるのですが、デミオで20Lで済むところをアクセラで25L給油するとして、ガソリン代の差額は650円程度です。その程度の差額でしたらアクセラ1.5Lの方が運転して楽しいので、迷わずアクセラにしました。レンタカーですと車種は絞り込めてもモデルまでは指定できませんので、先代のアクセラが来る可能性もありましたが、来たのは新型でした。レンタカーの店舗を見てみるとアクセラは新旧半々くらい、デミオは大半が先代で一部新型が入ってきている程度です。

【走行した道路】
今回走ったのは主に海辺のワインディングで、比較的平坦でした。狭くで走りにくい道から広くて走りやすい道まで万遍なくありました。往復で少しだけ高速道路にも乗りました。

【個体】
今回アクセラは2014年5月納車で1年弱しか経過していないにも関わらず走行距離が25000kmであり、レンタカーは走行距離が伸びやすい傾向があります。サスペンションがだいぶなじんできた頃です。タイヤはダンロップのSP Sport230です。レンタカー仕様の一番安いやつですのでヘッドアップディスプレイは無く、中央に速度計、左側にデジタルタコメーターがついています。ちなみにi-DMのステージを見てみたらStage 2でした。25000kmも走ってまだステージ2ということは、平均的なドライバーの運転技量はそれくらいということなのでしょう。色は白でした。アクセラのセダンで白だと教習車みたいですが、塗装をよく見てみたら高い方の白でした。

【マツダコネクト】
マツダコネクトはレンタカーにはとっつきにくいような気がするのですが、かといってレンタカーにカーナビをつけないわけにはいかず、そうなるとマツダコネクトのカーナビしか無いため、レンタカーであってもマツダコネクトがついています。

普段デミオで使っているのと同じものですので、いつも通りに使えました。普段使っているiPodを挿すだけで普段通りに音楽を再生できるのはとても便利です。バージョンを確認したところ、33.0.700でしたのでデミオと同じバージョンです。これももうじきアテンザやCX-5と同じものに交換される予定ですので、今回のバージョンもそろそろ見納めです。

【シフトレバー】
小物入れがアームレストの下にありますので、その分コマンダーノブもシフトレバーもデミオよりも前の方にあります。シフトレバーはデミオよりも長めですので、パーキングブレーキを引いてからおもむろに斜め前方を見て操作することになります。しかし、Dレンジのときには丁度手を伸ばした所にシフトノブがありますので、マニュアルモードでの操作をしやすいです。

デミオよりもスペースに余裕があるのか、パーキングブレーキのレバーと引きしろもデミオよりも大きめで、こちらの方が操作しやすく感じます。

【シート】
秀逸です。長時間乗っても疲れません。座面の奥行きは大きめで、たしかにこのシートをこのままデミオに積むと小柄な人がアクセルやブレーキを踏みにくいでしょう。

【市街地の道路】
低回転域でのトルクが比較的太いのか、青信号発進でも特にストレスなく加速します。たまにガソリンエンジン車に乗ると、低速域での滑らかさと俊敏さを実感します。街乗りメインでしたらわざわざ高価なディーゼルエンジン車に乗る理由を見出だせません。燃費と走りやすさを両立させるならハイブリッド車が最も有利でしょうが、しかし、経済性まで考慮すると結局安いガソリンエンジン車が一番という数字になります。

最終減速比の数字を見てみると、トルク容量220Nmの小容量変速機を搭載するアクセラ1.5Lは4.605と、出力と重量から想像される通り、ローギアードな設定です。同じ変速比のデミオ1.3Lは最終減速比が4.060であり、車輪外径の違いを考慮してもアクセラ1.5Lの方がローギアードであり、アクセラ1.5Lとデミオ1.3Lとで青信号発進時の出足の違いが見て取れます。トルク容量270Nmの中容量変速機を搭載するアクセラ2Lやアテンザガソリンエンジン車の最終減速比は4.325と意外とローギアードですが、これも車重の大きさに対処するためものでしょうか。さらに重くて車輪外径の大きいCX-5のガソリンエンジン車だともっとローギアードで、最終減速比は4.624です。

せっかくですので、ディーゼルエンジン車の最終減速比も見てみましょう。デミオディーゼルATやCX-3の変速機は2Lクラスのガソリンエンジン車と同じく中容量のものであり、デミオディーゼルの最終減速比は3.389です。CX-3の最終減速比は3.591と車重の大きさと車輪外径の大きさに対処したものになっています。トルクも太くなっていますので、街乗りではデミオよりも扱いやすそうですが、高速道路ではデミオの方が余裕があります。

トルク容量460Nmの大容量変速機を搭載するアクセラディーゼルとアテンザディーゼルの最終減速比は3.804、CX-5のディーゼルの最終減速比は4.090であり、デミオディーゼルのハイギアードぶりが見て取れます。ハイギアードなため、せっかくトルクが太くても回転数を稼げず、俊敏さは無く青信号発進時に軽自動車に負けます。

一方、CX-5の爆発的な加速はトルクの太さもさることながら、ガソリンエンジン車並にローギアードであることによっても説明がつきます。アクセラディーゼルはアテンザディーゼルとほぼ同じ車重で、エンジンも変速比も最終減速比も同じですので、アクセラだからといってアテンザよりも著しく速いわけではありません。同じ予算でアテンザのガソリンエンジン車を買った方が速いのではないでしょうか。

【ワインディング】
とても気持ちよく走れます。ノーズが軽くてリアサスペンションが重いため、前後の重量バランスが良いのでしょう。デミオ1.3Lでも曲がりやすいのですが、曲がって気持ち良いのはアクセラの方です。味付けの違いもあるでしょうが、足回りについてはアクセラの方がよくできているのを感じます。急曲線の前後での加減速も滑らかで、速さの決定要因はパワーだけではないことを実感します。

ちなみに曲がる感触は、アクセラの場合、足がぬるぬる動いてぐわっと食いつくように曲がります。デミオのガソリン車はフロントもリアも軽いため、曲がる感触があまりなくて車が勝手にすいすいと曲がる感じ。デミオのディーゼルは重いフロントをタイヤのグリップ力で支えながらレールにはまったようにねっとりと曲がる感じです。

車検証記載の前輪と後輪の重量の数字を見てみると、アクセラ1.5Lは前輪760kg、後輪500kgで前輪の荷重が60%と、FF車の理想的な重量配分です。デミオ13Cは前輪640kg、後輪370kgで前輪の荷重が63%、デミオディーゼルは前輪760kg、後輪370kgで前輪に67%の荷重がかかっています。前輪の荷重はアクセラ1.5Lと同じ、後輪の荷重はデミオガソリン車と同じで、たしかにデミオディーゼルはアクセラ1.5Lの前半分にデミオ1.3Lの後ろ半分をくっつけたような数字です。前が重いというよりも後輪の荷重が足りないように見受けられます。まだ乗ったことがありませんが、後輪の荷重の大きい4WD車だともっとバランスが良いようです。ちなみにアクセラ2Lで前輪62%、アクセラディーゼルで前輪65%です。

しかし、アクセラ1.5Lはセンターラインのある道路では速く走れる一方で、1車線や1.5車線でブラインドコーナーが連続するような道では、対向車や待避場所を気にしながら慎重に走る必要がありますので、曲がる性能よりも小回りの良さや見通しの良さの方が効いてきます。このような道でしたらデミオの方が走りやすいですし、対向車をやり過ごすとき以外は頻繁に加減速する必要もありませんのでデミオディーゼルでもそこそこ走れます。

また、アクセラのAピラーはデミオのAピラーよりも前に出ていますので、右カーブでAピラーが邪魔になり見通しが悪いです。Aピラーが見通しの邪魔にならないようシートポジションを調整した方がよいでしょう。

【狭い道】
横幅が1795mmあり、全長もCセグメントにしては長めの割には狭い道もさほど苦になりません。運転しやすく狙い通りの位置に走らせることができるためでしょう。前述の通り、対向車や待避場所を気にしながら走るとなるとデミオの方が走りやすいのですが、単に狭い道を通過するだけでしたらアクセラも遜色ありません。

【上り坂】
短い上り坂でしたら事前に加速しておけば惰性で登り切れますので不自由しないのですが、長い上り坂だとキックダウンが必要になります。わかりきったことですが、上り坂が苦にならないデミオディーゼルと比べると特徴がはっきりと出ます。

【高速道路】
ローギアな車ですので、時速100kmでも十分に速く感じられます。時速100kmでのエンジン回転数は2000回転弱でした。試しにマニュアルモードにして6速固定で走ってみたところ、追い越しをしようと加速してもトルクが細くて全然加速しません。定速で巡航できれば日本の高速道路の速度域なら全く問題ないのですが、最近は高速道路に遅い車が多いので、なるべく一定速度を維持しようと努めていても周囲の状況次第では加減速が必要になります。結局高速道路で加速するたびにキックダウンしてエンジン回転数が上がりましたので、ワインディングならまだしも高速道路で走ると疲れます。低排気量のエンジンを回してパワーを絞り出すような使い方はたまにやる分には楽しいですが、ずっと続くと疲れます。デミオディーゼルは高速道路の走行では全く不自由ありませんが、アクセラ1.5Lとて車格相応であり、BセグメントでありがならCセグメント車よりも高速道路を楽々走れるデミオディーゼルが破格なのでしょう。

なお、時速70kmくらいまで下がっても6速を維持しましたので、6速でカバーする速度域は結構広いです。デミオディーゼルだと時速80kmまで下がると5速に切り替わり、時速65kmまで下がると4速に切り替わります。

しかし、なまじ高速道路で余裕のある車に乗るとスピードを出し過ぎるおそれがありますので、低排気量ガソリンエンジン車に乗る際には、車のパワーに合わせてのんびり走るのがよいのかもしれません。遅い車と同じペースで走る分にはすこぶる快適です。なぜ日本の高速道路には遅い車が多いのかといえば、燃費のためというよりも遅く走る方が楽からかもしれません。上り坂ではアクセルを踏まざるを得ませんが、高速道路ならゆっくり走るという選択肢もあります。

【パワーウェイトレシオ】
高速道路で非力さを実感しましたので、一つの目安としてパワーウェイトレシオの数字を引っ張ってきた所、アクセラ1.5Lは11.44kg/psで、デミオ1.3Lの11.20kg/psよりも非力です。ちなみにデミオディーゼルは10.76kg/psとやや良好です。エンジンは排気量相応とはいえアクセラ1.5Lと同じく1.5Lですし、ディーゼルエンジンを搭載して重いといってもそれでもアクセラ1.5Lよりひと回り軽量です。車体の大きさもさることながら、リアサスペンションがトーションビームですので、それでマルチリンクよりも100kgほど軽くなっています。アクセラ2Lだと8.45kg/psとなかなかの数字ですので、これなら高速道路でも不自由しないでしょう。

同様に車体重量を最大トルクで割ってみると、アクセラ1.5Lは8.82kg/Nmであり、しかもこれは3500回転での数字ですのでキックダウンして3000回転くらい回す必要があります。デミオ1.3Lの場合は8.51kg/Nmですので、アクセラ1.5Lは数字の上ではデミオ1.3Lよりも非力ということになります。デミオディーゼルは4.52kg/Nmであり、これは1500回転から出ます。アクセラディーゼルは3.45kg/Nmと車体が重い割には良好な数字です。CX-5のディーゼルは3.71kg/Nmです。ただし、2.2Lディーゼルエンジンは1.5Lエンジンよりもトルクバンドが狭いため、1000回転から1500回転程度ではデミオディーゼルも遜色ありません。アクセラ2Lで6.68kg/Nmですが、これは4000回転での数字です。パワーに余裕はあってもトルクが太いわけではありませんので、適宜キックダウンが必要になります。やはり高速巡航についてはディーゼルエンジンの方が有利です。

【燃費】
約450km走って約25Lの給油でしたので、18km/Lです。車内の燃費計に表示された平均燃費は16.5km/Lで、こちらの方が実態に即しているかもしれません。いずれにせよ、JC08モード燃費が19.6km/Lですので、狭い道を比較的低速で走り、急曲線の都度減速していた割にはまずまずの燃費ではないでしょうか。しかしガソリンは軽油よりも高いので、燃料代はデミオディーゼルの1.5倍くらいかかります。

【結論】
デミオディーゼルと乗り比べてみると、アクセラ1.5Lが強いのは市街地とワインディング、デミオディーゼルが強いのは長距離巡航と上り坂と、それぞれの長所短所がはっきりと出ます。坂道が少なく、さほど高速道路を使わなければアクセラの方が圧倒的に楽しめますし、スペースにもゆとりがあります。一方、高速道路を使う機会が多ければデミオディーゼルの方が楽です。用途が明確であれば迷うことはないでしょう。

長距離巡航が楽というデミオディーゼルの方がニッチな仕様で、普通に使うならアクセラ1.5Lの方が使い勝手が良さそうですが、こんなに安くて良い車なのにあまり売れていないのは勿体無いです。新車販売台数の数字を見てみると、アクセラシリーズ全体の売上はデミオ全体の売上の半分くらいです。