2021年12月5日日曜日

久しぶりにレンタカーでデミオ1.3Lに乗りました

タイムズカーレンタルのデミオは1.5Lが主流になって、最近はMazda 2もぼちぼち入っているところですが、久しぶりにデミオ1.3Lに当たりました。

パワーが乏しいのはわかっていますので、発進時に積極的に回すようにしましたが、もともとアクセラやMazda 3の1.5Lエンジン車よりもパワーに余裕がありますので、一般道では十分に走ります。上品路線に転換する前のデミオですので軽快に走ります。デミオ1.5Lと違ってATの制御に不自然な挙動がありませんので、運転しやすいです。街乗り用のBセグメント車としてはやはりこれくらいでちょうど良いかなと感じました。

1.5LエンジンのMazda 2は長距離巡航が楽で、これならディーゼルでなくてもよいのではないかと感じますが、それこそMazda 3の1.5Lと2Lのように明確にキャラクターが違います。

2021年11月7日日曜日

次期Bセグメント車を妄想する

マツダのプレスリリースでは 「2022年前半よりロータリーエンジンを発電機として活用するマルチ電動化技術を搭載したモデルの導入を進める」とあり、あと数ヶ月すれば2022年前半ですので、いずれ何か発表されるのではないかと推測しますが、「こんなのが出たらいいな」という願望混じりに次期Bセグメント車のあり方を予想してみます。

1. シリーズハイブリッド車とプラグインハイブリッド車

Bセグメント車の本命はこれでしょう。床下に蓄電池を搭載することから、MX-30をスケールダウンして軽量化したSUVタイプではないでしょうか。名前は順当に行けばCX-20でしょうが、新機軸をアピールするためにMX-20を名乗る可能性もあります。Bセグメント車の価格帯に合わせるため、蓄電池搭載量を減らしてロータリーエンジンと発電機で代替して、Bセグメントの高級タイプとしそうです。ホイールベースを短くすると床下の蓄電池搭載量が減りますが、プラグインハイブリッド車に必要な蓄電池くらいは積むことができそうです。

エクステリアがMX-30風になるのかCX-30風になるのかわかりませんが、タウンユースの車でしたらMX-30風もありだと思います。その際、ホイールベースが短いと観音開き扉を設置するまでもなくなりますので、3ドアハッチバックになるのではないでしょうか。3ドアにすることで車体を軽量化できます。ただ、欧州向けなら3ドアでよいとしても日本のように3ドア車が嫌われる国もありますので、広く売るならCX-30風の5ドアハッチバックでしょうか。

蓄電池搭載量が多くて高価なプラグインハイブリッド車が上級グレード、蓄電池搭載量の少ないシリーズハイブリッド車がエントリーグレードでしょうか。どちらも電気モーターならではの低回転での太いトルクと精緻な姿勢制御によってMX-30EVと同じような上質な乗り味を期待できそうです。

シリーズハイブリッドには、単純にモーターを発電機として使用する日産方式と、高速域でエンジンをクラッチで車軸につないで直接駆動するホンダ方式とがあり、ロータリーエンジンを発電専用に用いるのでしたら日産方式の方が有利なのですが、それだと欧州の燃費規制に適合できずエンジンによる直接駆動も必要になったとのことですので、だとすればホンダ方式でしょうか。

シリーズハイブリッドといえども、日産ノートのWLTC燃費は28.4km/L、ホンダフィットのWLTC燃費は27.4km/L前後ですので、これくらいは出せないと商品力が劣りますが、果たして燃費に不利なロータリーエンジンでどこまでの燃費を達成できるか見ものです。最も効率的な領域ではレシプロエンジンに劣らないとは言われていますが、高速域でエンジン直結になれば最も効率的な領域から外れる可能性もあります。デミオEVのレンジエクステンダーは20km/Lくらいでしたが、Bセグメントでこの程度の燃費なら普通のガソリンエンジンでも達成できます。燃費で劣る分をロータリーエンジンの振動の少なさや軽さで補うこともできるかもしれませんが、それでも25km/Lを超えないとハイブリッド車としての魅力がありません。充放電制御を向上して電力回生率を高めれば燃費改善の余地がありそうです。また、デミオEVの頃よりもモーターが小型高出力化していますし、インバータも小型化されていますし、バッテリーの性能も良くなっていますので、これらの積み重ねでどこまで燃費を改善できるものでしょうか。

価格はノートやフィットハイブリッドのエントリーグレードの本体価格が200万円台前半ですが、マツダ車が標準装備が充実していることから、シリーズハイブリッド車はCX-3のディーゼルエンジン車と同じくらいの本体価格250万円くらい、蓄電池搭載量の多いプラグインハイブリッド車はCX-30のディーゼルエンジン車と同水準の本体価格300万円くらいでしょうか。

2. 当面はMazda 2ガソリンエンジン車を併売

1.5Lガソリンエンジンは2021年に改良型を投入したばかりですし、このクラスには安価な車両のニーズもあることから、ガソリンエンジンだけで走る車としてMazda 2のガソリンエンジン車をもうしばらく販売するのではないかと予想します。

たしかに、電動化を前提としたプラットフォームにガソリンエンジンだけを載せることは可能で、現にMX-30にもガソリンエンジン車はありますが、電動化を前提としたプラットフォームは床下に蓄電池を搭載することを前提としており、床が高くなっていますし、蓄電池を搭載すべき場所に蓄電池を搭載しないと車体の剛性が劣ります。車体が大きくなればその分重くなります。エンジンしか積まない車両にとっては設計上の無駄が多いように思われます。

もうしばらく販売するならマツダコネクトを第2世代にしてほしいですし、アダプティブクルーズコントロールを全車速対応にするためにも電動パーキングブレーキを導入してほしいところですが、安さを優先させるなら敢えて現状のままという選択肢もありえます。どのみち2025年までにはフェードアウトしますし。

ディーゼルエンジンがどうなるか気になるところです。本来ならば燃費が良くてCO2排出量が少ないことから、企業平均燃費の足しになるはずなのですが、ディーゼルエンジンには窒素酸化物等の排出量規制もあり、規制の厳しい欧州では販売されていないことから、企業平均燃費規制のために1.5Lディーゼルエンジン車の販売を継続する動機を見出しにくいです。ディーゼルエンジン車が販売されているのは日本くらいで、しかも直近の販売比率は30%程度です。しかもMazda 3やCX-30では1.8Lエンジンに移行している中で、Mazda 2だけは1.5Lのままです。たしかに既にあるものをそのまま積むことはできますが、そもそも安価なラインナップを残すことが目的でしたら高価なディーゼルエンジン車を残す意味がありません。低回転でトルクが太いのは電気モーターでも同様ですので、シリーズハイブリッド車で代替できます。

3. 一部地域ではCX-3のガソリンエンジン車も併売?

欧州ではCX-3の販売が終了したようですが、日本では1.5Lガソリンエンジン車のみ残っています。これも、ガソリンエンジン車としてなら床下に蓄電池を搭載することを前提としたプラットフォームは不要ですので、ガソリンエンジン車のみ安価なCX-3をMazda 2のSUV版として残すことはあり得ます。

4. まさかのAセグメント車は?

マツダは軽自動車から撤退して久しいですが、蓄電池を搭載する自動車は軽ければ軽いほど蓄電池搭載量が少なくて済みますのでコスト面で有利ですし、もちろん環境にも良いです。Aセグメント車向けのエンジンを新規に開発するのは現実的ではありませんが、電気モーターのサイズをひと回り小さくするのはさほど難しくありません。しかも小型軽量のロータリーエンジンならAセグメント車のエンジンルームにも収まるかもしれません。これは他社にない差別化要因です。シリーズハイブリッド車で本体価格を200万円未満に収めれば、日本の軽自動車の市場を取りに行ける可能性があります。軽自動車の売れ筋はN-BOXに代表されるトールハイトワゴンで、車両価格は200万円くらいしますので決して安くはありません。また、田舎ではガソリンスタンドが急速に減少しており給油が不便ですので、夜間に自宅で充電できる電気自動車は魅力的です。

とはいえ、プラグインハイブリッドにすると蓄電池搭載量が増えて割高になりますので、現在の蓄電池のコストのもとでは電気自動車として販売するのは難しそうです。それでも2025年にエンジンだけで走る自動車がフェードアウトする頃までには蓄電池のコストが下がってきて、価格面でMazda 2を代替する車に育つ可能性があります。

すでにダイハツロッキー/トヨタライズではシリーズハイブリッド車が出ていて、WLTC燃費は28.0km/L、本体価格は2,116,000円〜です。ガソリンエンジン車よりも30万円高い程度です。たしかにAセグメント車としては結構な値段ですが、ロッキー/ライズがもともと高く売れる車だからこそできたことでしょう。

2021年11月3日水曜日

ゆるツアラーとしてのMazda 3 20S

1年半以上Mazda 3 20Sに乗り続けてみて、だんだんこの車に合った乗り方がわかってきました。基本的にこの車は、少なくとも日本の公道の速度域では、飛ばすよりも低回転でゆっくり走った方が気持ち良いです。マツダの「カーラインナップ」ではMazda 3ファストバックは「5ドアスポーツ」と標榜していますが、全然スポーツ走行できていませんので、もしかしてマツダの想定する顧客ではないのではないかと思ってしまいます。

自然吸気ガソリンエンジン車かつ6ATですので高速道路では回転数が上がりがちで、あまり落ち着きません。クルーズコントロールをつけていれば車が巡航速度に応じてエンジンを回してくれますのでエンジン回転数はあまり気になりませんし、必要に応じて追い越し加速するときには、踏めばそれなりに加速してくれますが、やはり高速道路では低回転でトルクの太いディーゼルエンジン車が一番楽だと思います。

一方、信号のない一般国道を巡航する際にはエンジン回転数が1300回転くらいまで下がりますのでとても静かです。車内で音楽を聴くにはうってつけの環境です。路面に追随する固めの足も、この速度域でしたら道路を走っている実感があって楽しめます。ディーゼルエンジン車がこの速度域で巡航すると、エンジンへの負荷が低すぎてアイドリング時のようにカラカラとしてあまり気持ちよくありません。

ノーズが軽いので曲がるのは比較的得意な方だと思いますが、ワインディングでもガツガツ走る気にはならず、コーナー手前でエンジンブレーキで減速すれば曲がれる程度の速度で走りたくなります。ワインディングでメリハリをつけて走りたかったら1.5Lの方が楽しいと思います。

エンジンを回してゆっくり走りたかったら1.5L、一般道でエンジンを回さずにゆっくり走りたかったら2L、高速道路でエンジンを回さずに快適に走りたかったらディーゼルというところまではわかりますが、速く走りたかったら何に乗ればよいのでしょうね。Xは乗ったことがありませんのでわかりません。Xといえどもそんなにパワーがあるわけではありませんので、わかりやすいハイパフォーマンスカーに乗りたかったらシビックの方が向いているのでしょうか。

しかし、「一般道でゆっくり走りたかったらマツダがいいですよ」なんて広告を打ってもあまり人の心には訴えかけそうな気がしません。普通の人なら「ゆっくり走るだけなら軽で十分では」と思うことでしょうから、新規の顧客を獲得できそうな気がしません。広告を打って伝わりそうなのはエクステリアやインテリアといったデザインくらいで、そういう意味ではたとえ見掛け倒しと言われようともデザインに力を入れるのはありかもしれません。

2021年10月29日金曜日

Mazda 3とCX-30の商品改良

2021年10月28日にMazda 3とCX-30の商品改良が発表されました(プレスリリース)。

【パワートレイン】

残念ながら、予想通りに改良型ガソリンエンジンの搭載はありませんでした。むしろSkyactiv-Xの燃費が向上していました。エンジンの燃費向上は燃費規制の厳しい欧州向けですので、欧州で売れ筋のSkyactiv-Xで燃費を向上する方が効果が高いことは理解できますが、プレスリリースを読んでも一体どうやって燃費を向上させたのかが記載されておりません。日本でXを買うような人は燃費で選んでいるわけではないでしょうから、運転の気持ちよさのアピールしかしていません。

さらにわからないのは、全般的にWLTC燃費が向上している一方で、AT車の高速道路モードの数字だけが悪化していることです。MT車の高速道路モードの燃費は向上しています。ギアが変わったのかと思って諸元表を見ても変速比と最終減速比に違いはありません。もしかしてAT車だけアクセルペダルの反力を少し強くしたのと関係あるのでしょうか。Xは制御が複雑すぎてまだ気筒休止を導入できていませんが、ソフトウェア開発が追い付いて気筒休止を導入できたら高速道路モードの燃費が少し向上するかもしれません。

【価格】

日本でも積極的にXを売りたくなったのか、1.5Lエンジン車並みの装備でXのエンジンを積んだSmart Editionというのが出ました。本体価格はXD Proactiveと同じく2,790,741円(税込)です。乗り出し330万円くらいでしょうか。装備はともかくいまどきの国産Cセグメント車として手の届かない値段ではありません。

装備は15Sと15S Touringの間で、15Sとの価格差は約60万円、15S Touringとの価格差は約50万円です。エンジンの価格差は間を取って55万円くらいでしょうか。同じ装備の2Lエンジン車とXとの価格差は約70万円ですので、Xの価格を下げるために相当がんばっています。逆に、1.5Lエンジンが改良型になってしまうと少なくとも燃費については差がなくなってしまいますので、このタイミングで改良型エンジンを載せるのは難しそうです。

長距離向け装備の無いX Smart Editionは長距離向け装備満載の20S Proactive Touring Selectionより少し高い程度ですので、逆にいえば、いまどきの電子装備というのはかなりコストがかかっています。都会に住んでいて高速で出かけるとなると長距離向けの装備が欲しくなるところですが、田舎に住んでいて高速道路をあまり使わないのであればエンジンだけにお金をかけるという考え方はありえます。

もう少し現実的なのはProactive Touring Selectionからパワーシートを削ってProactive Touring Selectionよりも安くしたBlack Tone Editionです。こちらは売れ筋の20S Proactive Touring Selectionよりも60万円高く、X L Packageよりも15万円近く安いです。

【塗色】

プラチナクオーツメタリックはセダンとハッチバックの両方に導入され、従来ハッチバック専用色だったポリメタルグレーがセダンにも導入されました。最近のマツダは推し塗色を全車種に展開する傾向がありますので、その一環でしょう。ポリメタルグレーのセダンが似合うかどうかは実車を見てみないとわかりませんが、プラチナクオーツメタリックのハッチバックはこれはこれで意外と似合うかもしれません。ポルシェでもこの手のベージュ系の塗色があります。白に近い色でありながら光沢感があり他の塗色と同様に車体への映り込みが見えます。少なくとも今回廃盤になったチタニウムフラッシュマイカよりはとっつきやすそうな塗色です。

車の形に応じて似合う色と似合わない色とがあるはずですが、塗色のバリエーションを増やすだけなら型式証明の取得が必要なわけではありませんし、少ない種類の塗色にまとめることができれば塗装ラインの生産効率が上がりますので、生産側の都合としては理解できますが、マツダではデザイン部門よりも生産部門の方が力が強いのでしょうか。

2021年10月26日火曜日

Mazda 3の乗り心地がだいぶ良くなってきました

新車時にはガタガタした乗り心地で、こんな車で高速で長距離走れないと思いましたが、走行距離が増すにつれて足回りの当たりが取れてきて、次第に乗り心地がよくなってきています。もともと平滑な路面では乗り心地が良かったですが、最近になってやっと小さな凹凸くらいはサスペンションで吸収できるようになって、ぬるーんとした乗り心地になってきました。

何がどうぬるーんなのかというと、もともとふわふわしない車なのですが、かつては路面の凹凸に追従して車体が揺さぶられていました。しかし徐々にフラット感が増してきて、ときおり橋の継ぎ目のような大きな段差でガツンと来る程度になりました。もしかしてこれが開発者が本来意図した乗り心地なのでしょうか。ただ、ドイツ車のような高速域で氷の上を滑るような乗り心地とは違うように感じます。低速域では相変わらずガタガタしますし。足の動きだけで凹凸を吸収するというよりもむしろ、GVCか何かで車体の姿勢を制御しているような感じで、それがぬるーんとした感じを引き起こしているのではないでしょうか。車体制御の可能性を疑うのは、路面から入ってくる情報から当然に期待されるFF車の挙動と、実際の車体の動きとが一致しないような気がするからです。

2021年10月17日日曜日

Mazda 3やCX-3向けのガソリンエンジン

CX-3の年次改良車の1.5Lガソリンエンジンは改良型ではないようです。CX-3に1.5Lガソリンエンジンを積んでいるのは日本向けだけで、方や改良型ガソリンエンジンの目的は欧州のCO2排出量規制(≒燃費規制)対応が目的ですので、欧州向けでないものにまで改良型ガソリンエンジンを積む動機が無いのかもしれません。

Mazda 3においても1.5Lガソリンエンジンを積むのは日本向けを除けばトルコ向け等ごく限られていて、これも欧州のCO2排出量規制とは関係ありませんので、年次改良車にも改良型ガソリンエンジンは積まれないのではないかと予想します。

では2Lガソリンエンジンはどうかというと、欧州向けのMazda 3の売れ筋はSkyactiv-Xに移行していて、2Lガソリンエンジンは廉価版という位置づけですので、あえて改良型ガソリンエンジンを積む動機がなさそうです。欧州向けMazda 2の1.5Lエンジンにおいても圧縮比12で4-1排気管で75psの廉価版と圧縮比14→15で4-2-1排気管で90psの上位版とが併売されています。

では欧州向けのCX-3の2Lガソリンエンジンは主力だからテコ入れされるかというと、こちらはそもそも12月限りで販売終了となる国が出ています。2Lガソリンエンジン車と1.8Lディーゼルエンジンとの組み合わせはCX-30と被りますし、CX-30ではすでにSkyactiv-Xがありますので、欧州向けはそちらに統合でしょうか。もともとCX-30はホイールベースを短くしてまで全長を欧州Cセグメント車の標準に合わせており、これは縦列駐車の多い欧州では重要なことです。そこまでして欧州のニーズに合わせているということは、そちらが本命なのかもしれません。そして価格に敏感な日本向けには安価なCX-3の1.5Lガソリンエンジン車を継続とか。

とはいえ、すでに開発済であれば従来型であっても改良型であっても製造コストは変わらないはずですし、マツダの生産ラインは混流生産が可能ですので、従来型エンジンを一定数生産する動機も無いはずです。どうせコストが同じなら燃費の良いエンジンを生産する方が皆が幸せになるのではないかと素人考えでは思うのですが、あえて従来型を残す理由が何かあるのでしょうか。

例えば欧州向け2Lガソリンエンジンにはマイルドハイブリッドと気筒休止がついていてSkyactiv-Xとの価格差が小さくなっています。燃費改善効果が乏しいのに高価な補機をつけてまでマイルドハイブリッドにしているのは、欧州では欧州メーカーがトヨタに匹敵するハイブリッド車を作る技術を持っていないために、マイルドハイブリッドでもハイブリッド車に含まれるという欧州ルールの産物であり、電動化比率のアリバイとして敢えてそうしているともいえます(裏返せば、欧州以外でそこまでする必要はない)。しかし改良型エンジンで製造コストが増えずに燃費が7%も向上するなら、企業平均燃費向上の足しになりますし、廉価版であるならなおさら費用対効果が重視されるはずです。

日本では罰金を課されるような企業平均燃費規制はまだ導入されておらず、税制上の優遇措置を受けられるかどうかが一つの目安になります。Mazda 2の改良型エンジンはこれをクリアできたからこそ日本でも発売されたのでしょう。CX-3やMazda 3でこのラインをクリアできないなら、敢えて改良型エンジンを積む動機が無いのかもしれません。

あとは走りの質の問題で、日本向けMazda 2はエンジンをあまり回さずに走る前提ですので、中回転域でのレスポンスが改善すれば効果があるのかもしれませんが、CX-3やMazda 3の1.5Lエンジンはアクセルを踏み込んだときには3000回転から4000回転くらいまで回す前提ですので、エンジン改良のスイートスポットを外れている可能性もあります。回転数を落とせるくらいトルクが太くなれば別でしょうが、さすがにそこまでの改善ではないでしょうし。目立った改善効果が期待できないなら、改良型エンジンの生産が安定して信頼性が確保されるまでの間は、信頼性の高い従来型エンジンで乗り切るというのもありかもしれません。

では日本向け2Lエンジンはというと、前述の通り、欧州向けに改良型エンジンを積むのであれば開発されるでしょうが、そうでなければわざわざ開発にリソースを割く動機がないのかもしれません。とはいえ、欧州向け2Lエンジンには気筒休止が搭載されていますので、日本向けにも気筒休止くらいはあってもよいのではないかと思います。6ATだと高速道路の速度域でエンジン回転数が上がってしまって他社のCVT車に高速燃費で負けています。新東名の120km/h区間だと15km/Lくらいしか出ません。今後東京から放射状に伸びる高速道路で120km/h区間が増える予定ですので、高速燃費の改善に力を入れてほしいものです。日本向けの導入するためには、気筒休止の制御を日本向けにも作り込む必要がありますが、ソフトウェア開発にリソースを割くほど優先順位が高くないのでしょうか。

2021年9月25日土曜日

レンタカーでデミオ1.5LのAWD車に乗りました

ここのところタイムズカーレンタルでデミオ1.5Lの何度か乗りましたが、すべてFF車でした。今回は初めてAWD車に乗りました。レンタカー用の一番安いグレード(おそらく15C)で、クルーズコントロールはおろかマツダコネクトさえついていませんでした。勝手知ったるデミオかと思いきやナビがマツダコネクトでなかったので、ナビの操作で苦労しました。

第一印象としては、1.5Lエンジンを積んでいるとはいえ、やはりFF車よりも動作が重たいです。諸元表を調べてみたらFF車の1040kgに対しAWD車では1140kgあり、ディーゼルエンジン車と同じ重さでした。WLTC燃費もFF車の19.0km/Lに対しAWD車では17.8km/Lとやや劣ります。

デミオ1.5Lといえばディーゼルエンジン車と共通のAT制御ソフトウェアを採用して手抜きをしており、FF車だと一部の速度域でトルクが足りなくて運転しにくいのですが、AWD車はディーゼルエンジン車と同じ重量のせいかどうか知りませんが、車体が重い分、最初から高いギアで頑張るのをやめて低めのギアでエンジンを回しますので、発進時にトルクの不足を感じることはありません。その代わり、やや高めの速度域でトルクの不足を感じます。例えば対面通行の高速道路の70km/hで巡航する場合、高いギアで回転数を抑えて走るとトルクが不足して速度が落ち込みます。そのため時折キックダウンしないと巡航速度を維持できません。一方、一般道を60km/hで巡航する場合には特に不便を感じませんでした。

高速道路では、後輪の荷重が大きいせいか、FF車よりも安定して走る印象を受けました。ただ、重い分、アクセルを踏み込まないと速度を維持できませんので、クルーズコントロール無しで手動でコントロールするのは大変です。

実燃費は、信号の無い国道の制限速度でひたすら巡航するという燃費に最も有利な条件で、最高21.2km/Lまで出ました。街乗りでは15km/Lくらいです。

積雪地帯でなければ積極的にAWD車を選ぶ必要はないでしょう。デミオないしMazda 2のディーゼルエンジン車はノーズが重くて曲げるのがやや面倒ですので、AWD車の方が曲がりやすいのですが、ガソリンエンジン車はもともとノーズが軽くてFF車でも曲がりやすいので、あえてAWDにする意味がありません。

2021年8月23日月曜日

Mazda 3の床板の振動

Mazda 3の床板の振動が気になる人もいるようですが、床板が振動するのは車が動いているときで、車が動いているときは運転中ですので運転に集中していて、床板の振動まで気にする余裕がありませんでした。

泥のついた靴で車に乗る可能性があるため、分厚いゴム製のオールウェザーマットを敷いているのですが、それが振動を抑え込んでいる可能性もあります(その代わり触感や静粛性は劣るようですが)。オールウェザーマットは通常のマットよりも安価ですので、床板の振動が気になる人には良い買物かもしれません。マットはディーラーオプションですので、新車購入時に普通のマットを買ってしまった人でもディーラーで購入できます。

そもそも力は最も弱い所に逃げていくものですので、床板以外の剛性が高ければ、相対的に剛性の弱い床板が振動するということはありえます。床板の剛性を高めると、今度は他の場所が振動する可能性があります(例えばダッシュボードがギシギシいうとか)。そのようなトレードオフを勘案した上で、どこの剛性を相対的に弱くするか、どこに力を逃がすかを決めているのではないでしょうか。

2021年8月22日日曜日

レンタカーのデミオ1.5Lガソリンエンジン車で高速道路を走ってみました

デミオの1.5Lガソリンエンジン車はディーゼルエンジン車用のAT制御ソフトウェアを流用しているせいか、ガソリンエンジンだとトルクが不足します。そのため、力強く加速したいときには予めアクセルを強めに踏んでおく必要がありますが、それは街乗りのときだけであって、長距離巡航の場合にはさほどパワーが必要ないため問題ないだろうと思っていました。

しかし高速道路を運転してギアを6速に入れていると、トルクが足りないのか徐々に速度が落ちてきます。速度を維持しようとすると頻繁にキックダウンが必要になり、エンジン音も大きくなり落ち着きません。もしかしたらマニュアルモードにして5速固定にした方が楽かもしれません。クルーズコントロールがついていれば特に苦労せずとも速度が維持されますが、あいにくレンタカーに採用されているような安いグレードだとクルーズコントロールがついていませんので、速度を維持するのに苦労します。

マツダはATのさらなる多段化に対して懐疑的なようですが、たしかに高級車のようにパワーに余裕のある車や、低回転でもトルクの太いダウンサイジングターボエンジンならまだしも、マツダのガソリンエンジンはただでさえ熱効率重視でパワーが劣後する上、自然吸気ガソリンエンジンは低回転でのトルクが細いですし、小型車には小さいエンジンしか積みませんので、「マツダの小型車の自然吸気ガソリンエンジン」に限ってはATの多段化にはあまり意味がないのかもしれません。しかしそれでは高速巡航時にエンジン回転数が上がってしまい、高速道路モードの燃費が悪くなってしまいます。ガソリンエンジンにおいて低回転でトルクが不足するのが問題ということでしたら、その領域でモーターアシストを使うことで高速燃費を改善できないものでしょうか。


2021年8月21日土曜日

長時間運転しているとかかとが痛くなってくる

マツダのオルガン式アクセルペダルのせいかどうか知りませんが、マツダ車を長時間運転しているとかかとが痛くなってきます。幸い、腰が痛くなることはありませんが、その代わり、かかとが痛くなるのが連続運転時間の制約となります。

CVTを積んでいるような他社の小型車、とりわけ軽自動車やそれに類似した自動車の場合、アップライトに座って吊り下げ式のアクセルペダルを上から下に踏みつけるような感じですのでかかとに荷重がかかることはないのですが、足を伸ばし気味にしてかかとを支点にしてアクセルを操作しているとかかとに荷重がかかります。

靴の形状にもよります。革靴のようにかかとの部分が硬くて飛び出しているような靴だとかかとにかかる力が強いです。おそらく運動靴ならば比較的ましでしょう。理想的なのは靴底がぺったんこで、かつかかとの部分が丸くなっている靴です。マツダとミズノが共同開発したドライビングシューズはそのような形状になっているようですが、あいにくなかなか入手できません。ディーラーの店頭で買えるくらいに供給が潤沢になればよいのですが。

2021年8月19日木曜日

レンタカーでMazda 2の1.5Lガソリンエンジン車に乗りました

タイムズカーレンタルのクラス指定で予約しましたので、デミオ1.5Lかなと思っていたところ、なんとMazda 2に当たりました。中身はほぼ同じですので、違う分のみ記載します。

まず、ATの制御ソフトウェアが改善されてまともに加速するようになりました。デミオ1.5LのAT制御ソフトウェアはどういうわけかディーゼルエンジン車の制御ソフトウェアの流用だったようで、ギアが高すぎてトルクが不足してキックダウンが必要になる場面がありました。そのため、巡行時には快適だった半面、それなりの加速度で加速しようとするときにはストレスを感じました。

それに対してMazda 2では制御ソフトウェアがまともになったようで、特にトルクの不足を感じることなく普通に加速するようになりました。パワー感としてはMazda 3の2Lガソリンエンジン車と同じくらいでしょうか。Bセグメントで1.5Lエンジンですので、エンジン本来のトルクの余裕が感じられるようになりました。低い回転数で走れますので長距離の移動はとても楽です。車自体の遮音は車格相応ですが、エンジン音は静かです。

次に、シートがMazda 3と同様に骨盤を立てるシートになったようで、腿の裏に圧を感じる一方で骨盤の下に隙間があるような感じです。Mazda 3のシートと異なり、シートの左右の出っ張りから圧迫感を感じます。シートのフレームは旧来のまま(といってもBMアクセラと共通のフレームですが)とのことですので、もしかしたらそのせいかもしれません。

レンタカーの一番下のクラスで乗れる車としてはおそらくこれがベストではないでしょうか。ヤリス1.5Lに乗ったことがありませんのでまだ比較できませんが、トヨタレンタカーで一番安いクラスはヴィッツ1Lかせいぜいヤリス1Lです。フィットは街乗りでは快適ですが1.3Lエンジンですので高速道路ではつらいです。新型ノートはe-Powerしかありませんので、レンタカーの安いクラスでは乗れません。

2021年8月3日火曜日

UK版のMazda 2の諸元表を見てみました

UKでも改良版1.5Lエンジンを積んだMazda 2が発売されましたので、諸元表を見てみました。Mazda 2にはディーゼルエンジンもSkyactiv-Xもありませんので、もうしばらくSkyactiv-G 1.5で頑張らなければならないのでしょうが、この期に及んでSkyactiv-Gの改良をしているということは、Skyactiv-Xの1.5L版が出るまでもうしばらくかかるのでしょうか。

まず圧縮比は13から15に向上。15というのは改良版Skyactiv-Xの圧縮比と同じです。これに伴い低回転でのトルクが向上しています。トルクのピークも4000回転から3500回転に下がっています。0-62mphに要する時間はMT車では僅かに短縮されていますが、AT車では却って微増。低回転でのトルクが太くなった分、燃費のために早めにシフトアップしているのでしょうか。車両重量が10kg前後重くなっているのはなぜでしょう。今回の改良でマイルドハイブリッドをつけなくなった75psモデルですら重量が増えていますので、4-2-1排気管導入によるものでしょうか。

燃費はだいたい1割ほど向上しています。実燃費でこれだけ出れば大したものです。燃料タンクの大きさが同じで燃費が1割向上すれば、満タン給油での航続距離も1割伸びます。もともと欧州での燃費規制に対応するのが目的ですので、燃費重視であるのは順当です。しかしSkyactiv-Gでも燃費がここまで良くなってしまったら、果たしてSkyactiv-Xは必要なのでしょうか。それともXだとさらに燃費が良くなるのでしょうか。

燃費が最も良いのは売れ筋であろう90psMTモデル。次が今回の改良でマイルドハイブリッドが無くなった廉価版の75psMTモデル。追加された115psMTモデルはそれよりも劣り、90psATモデルはさらに劣ります。意外なのは75psモデルの方が燃費が劣ること。燃料噴射を絞っている分、加速に時間がかかるのでしょうか。低出力仕様は税金や保険料が安いために欧州で好まれていますが、燃費規制が厳しくなってくると税金や保険料よりも燃費を重視するようになるかもしれません。

ATモデルには改良前からもマイルドハイブリッドもついていませんが、どうせ売れないのだから企業平均燃費には影響しないと割り切っているのでしょうか。それともマイルドハイブリッドは燃費向上にはあまり効いていなくて、単にシフトショックが軽減されるくらいの効果しかないのでしょうか。ATモデルがいろいろな意味で重視されていないのが見て取れます。

しばらく廃盤になっていた115psモデルが復活したのはなぜでしょうか。たしかに90psモデルよりも速いですが、税金や保険料や燃費を犠牲にするほど魅力的なパワーなのか疑問です。そもそも贅沢品として買うのでしたらもっと上のクラスの車を買うのではないでしょうか。実際には売れることは全然期待していなくて、今回の燃費向上で企業平均燃費に少し余裕が出たのでカタログ映えするモデルを載せられるようになったということでしょうか。「本気を出せばくれくらい走れる」というのが無いと車本来の性能がわかりませんから。

2021年7月30日金曜日

ドアミラーカバーを着脱しました

やったことは表題の通りでそれ以上でもそれ以下でもないのですが、ドアミラーカバーを交換する意図があれば事前に予習したものの、不測の事態でしたのでいろいろ手戻りがありました。

駐車場ではなるべく左に寄せるようにしていて、左側ドアミラーに接触しないギリギリを狙っているのですが、たまたま左に寄りすぎてドアミラーカバーが柱を覆うゴムに接触してしまい、勢いでドアミラーカバーが外れてしまいました。幸いカバー自体には損傷がありませんでしたので、慌てて取り付けようとしたのですが、いい加減にはめ込んだら外周部の爪が1か所はみ出してしまい、他の爪は引っ掛かりましたので、そのままではドアミラーカバーを取り外せなくなってしまいました。ドアミラーカバーが外れた際にそこの爪が外向きに曲がっていたようです。そのままだとカバーに少し隙間ができてしまい、雨水が侵入したときに中の電気部品が濡れて壊れるおそれがありましたので、直さないわけにいきません。

急遽ドアミラーカバーの外し方を調べたところ、https://minkara.carview.co.jp/userid/186528/car/2785189/5805393/note.aspx

にわかりやすい説明がありました。改めて手順通りに実行したところ、少し強い力を加えたらミラーが外れ、カバーを固定している爪が2か所見えました。爪を押してカバーを引き出そうとしてもののなかなか外れませんでしたが、カバーの隙間にマイナスドライバーをねじ込んだらやっと外れました。内側から外せる2か所の爪の位置が左に寄っていますので、爪を外した状態で左側の隙間からこじ開けるとうまく開きます。右側はカバー外周についている爪を隙間に入れる形で固定しています。

カバーを取り付ける際には、カバー右側の外周の爪を穴に入れた状態で左側を押し込むと元に戻ります。あとはミラーを取り付けるだけなのですが、中央の黒い丸い部品がミラーの位置を固定し、2つある白い突起がミラーの向きを制御していますので、この2つの白い突起に当たるまで強く押し込む必要があります。ここも意外とてこずりました。ミラーの向きを自在に調整できることを確認でき、完了しました。この辺りの手順を詳しく書いている人が見当たりませんでしたので、普段この手の作業をやっている人にとっては当然の手順で、わざわざ意識する必要がないのでしょう。

ドアミラーカバーを交換したいと思ったことがなかったため、今までドアミラーの部品なんて意識したことがなかったのですが、改めて中の様子を見てみるといろいろ工夫されているのが見て取れます。

それにしても、ドアミラーカバーが少し接触しただけで外れてしまうということは、もしかして製造時にドアミラーカバーを取り付けたときにきちんと爪がはまっていなかったのでしょうか。結果的にドアミラーカバーを損傷せずに済みましたが、万一走行中に外れたら大半なことになります。

2021年7月11日日曜日

久しぶりにUK版のMazda 3の諸元表を見てみました

RON95でのSkyactiv-G 2.0の性能を調べてみたくなってUK版のMazda 3の諸元表を見てみました。

まず驚いたのは、欧州では既にSkyactiv-Xが主流になっており、Skyactiv-Gは廉価版しか残っていないことです。ROM95なら圧縮比14が可能なはずですが、Skyactiv-Gは圧縮比13しかありません。マイルドハイブリッド付で出力122psというのは従来のままです。出力を絞っていない上位グレードはSkyactiv-Xに移行してしまったのでしょう。斜め渦燃焼で圧縮比を14に引き上げたら多少燃費が良くなるかもしれません。

次に驚いたのは、欧州では既にSkyactiv-G 2.0にも気筒休止が導入されている一方で、Skyactiv-Xには気筒休止が導入されていないことです。Xは制御が複雑で、まだ気筒休止を導入できていないのかもしれません。しかし、Skyactiv-G 2.0で気筒休止を可能にする制御ソフトウェアが既にあるなら日本版にも導入すれば他社同クラスよりも劣る高速燃費が改善しそうですが、どうして日本版ではまだ導入されていないのでしょう。日本の公道の速度域ではあまり効果がないのでしょうか。

燃費の数字はさすがに日本版よりも良いです。気筒休止付Skyactiv-G 2.0のマイルドハイブリッドのAT車の燃費のmiles per gallonをkm/Lに変換すると以下の通りです。

Combined:19.7-20

Low:14.5-14.6

Medium:20.4-20.7

High:22.7-23.1

Extra High:19.4-19.7

この計測方式がどこまで実燃費に近いのか知りませんが、日本だとBセグメント車並の燃費です。日本版のMazda 3のSkyactiv-G 2.0でもこんな燃費で走れれば申し分ないのですが。気筒休止がついていてもExtra Highだと燃費が落ち込むものですね。空気抵抗が増える分はエンジンではどうにもなりません。

せっかくですのでMazda 2の諸元表も見てみました。1.5LのSkyactiv-Xがまだありませんので75psの廉価版と90psの上位版との2種類があり、90ps版にはMTだけでなくATもありますが、AT車にはマイルドハイブリッドがついていません。欧州の燃費規制への対応の足しになるのならマイルドハイブリッドをつけても良さそうに思えますが、UKではこのクラスでAT車を買う人があまりいなくて、コストをかけてまでマイルドハイブリッドをつけるまでもないという判断が働いたのでしょうか。さすがに1.5Lエンジンには気筒休止がありません。高回転で負荷に余裕がなければ導入する意味がありません。

圧縮比はどれも13です。ROM95なのにどうして圧縮比を13に抑えているのでしょうか。かつては4-1排気管の廉価版が圧縮比12で、4-2-1排気管の上位版が圧縮比14だったのですが、どのような考え方の変化によるものなのでしょう。

90psのAT車の燃費は以下の通りです。単位はすべてkm/Lに換算されたものです。

Combined:20.4

Low:16.0

Medium:21.9

High:23.6

Extra High:19

車体が一回り小さいだけあって主に低速域の燃費はMazda 3よりも少し良いですが、重量の差に比べると燃費の差はさほど大きくありません。しかも、Eatra HighではMazda 3よりも燃費が悪いです。気筒休止がついていないというよりもむしろ、小さい車ほど天地寸法が大きいので、空気抵抗が効いてくる領域では空力性能の悪さが影響するのかもしれません。

2021年6月30日水曜日

斜め渦燃焼のエンジンは欧州レギュラーガソリン仕様で圧縮比をいくつにできるのか

タイトルだけで書きたいことを書いてしまったような気がしますが、日本のレギュラーガソリン仕様で圧縮比14を実現できるなら、オクタン価の高い欧州レギュラーガソリン仕様ならもっと圧縮比を高くできるのではないでしょうか。

もしかしてSkyactiv-X(日本仕様もハイオク指定)と同様に圧縮比15まで実現できるのでしょうか。Skyactiv-Xは高負荷域では通常の火花着火で、圧縮比15でもノッキングせずに火花着火していますし、改良前の欧州仕様のSkyactiv-Xは圧縮比16.8でしたから、燃焼制御を精緻化できればもしかしてそれくらいは可能なのでしょうか。Mazda 2が欧州でも商品改良されたら仕様が公表されるでしょうから、そのときになればわかるはずです。

そもそもSkyactiv-Xは日本のレギュラーガソリン仕様でも圧縮比15でしたから、コストをかけて筒内圧センサー等の補機をつけたり工作精度を高めたりすればSkyactiv-Gも日本のレギュラーガソリンで圧縮比15までは行けるのでしょうか。費用対効果を考えたらたぶんやらないでしょうけど。

欧州の方が燃費規制等の環境規制が厳しいので、燃費に有利なことは何でもやるはずですが、その一方、欧州ではSkyactiv-Xが売れ筋ですので、さほど数の出ないSkyactiv-Gでわざわざそこまでする動機がないという考え方もあります。1.5LエンジンのMazda 2は圧縮比12の廉価版も並行して販売していますので、Skyactiv-Xの1.5L版に移行した上で従来型のエンジンを廉価版のまま残すという可能性もあります。欧州仕様特有の事情としては、1.5Lで100ps、2Lで120psと出力を抑えて販売していますので、そもそも本来の最大出力で回す機会がなく、斜め渦燃焼にしてもさほど効果がないという可能性もあります。そのため、技術的に可能であるということと市販するということの間には差異があります。

2021年6月24日木曜日

もしMazda 3に斜め渦燃焼を導入したら

Mazda 2のSkyactiv-Gに斜め渦燃焼を導入して燃費が6.8%向上していますので、もし同じだけ燃費が向上したらMazda 3の燃費がどれくらいになりそうなのか、ざっくりと数字を出してみました。

【現状】WLTC平均燃費、市街地モード、郊外モード、高速道路の順

1.5L 6AT 1340kg:16.6, 13.7, 16.5, 18.4

2L 6AT 1360kg:15.6, 12,1, 15.8, 17.7

1.8Lディーゼル 6AT 1410kg:19.8, 16.3, 19.8, 22.1

X 6AT 1440kg:17.3, 13.7, 17.8, 19.1

これに平均1.5km/Lほど、市街地モードは多めに、郊外モードと高速道路モードは少なめに乗せるとこんな感じになりそうです。

1.5L:18.1, 15.4, 18.0, 20.0

2L:17.0, 13.8, 17.3, 19.0 

燃費の悪い2Lエンジンの燃費が現在の1.5Lエンジン並に改善すれば、自然吸気2Lエンジンとしてはなかなかのものです。Xより少し見劣りする程度まで追いつきますが、Xはマイルドハイブリッド付ですので、重量差があるとはいえほぼ互角になります。ディーゼルエンジンの燃費との差は随分あります。他社との比較では、

カローラ 1.8L CVT 1300kg:14.6, 9.6, 15.9, 17.6

Mazda 3よりも軽くてかつCVTを積んでいるのに現状のMazda 3の2Lエンジンよりも燃費が劣りますので、比較の対象としてはあまり意味がないかもしれません。500台限定販売だったカローラツーリング2000Limitedは2LのダイナミックフォースエンジンとダイレクトシフトCVTを積んでいますので、その燃費を見てみましょう。ダイナミックフォースエンジンの方がパワー・トルクともにやや上です。

カローラ 2L CVT 1370kg:16.6, 12.2, 16.8, 19.4

市街地モードでは現状のMazda 3の2Lエンジンでも互角ですが、6ATのせいで高速燃費で負けています。Mazda 3の燃費が向上すると低速域の燃費が大幅に向上して、高速燃費の悪さを補えそうです。あまり参考にならないかもしれませんが、インプレッサの燃費は以下の通り。

1.5L AWD CVT 1330kg:14.1, 9.8, 14.9, 16.7

2L FF CVT 1320kg:14.0, 9.8, 14.6, 16.6

1.5Lエンジン車にはAWDしかなく、2LのAWDにはハイブリッド車しかありませんので、同じ条件での比較ではありませんが、重量がほぼ同じですので燃費もほぼ同じです。水平対向エンジンはスペースの都合でロングストロークにできませんのでやはり燃費では不利です。

新型シビックの燃費が気になるところですが、まだ諸元データが開示されておりません。販売終了した現行シビック Type Rの燃費は以下の通り

シビック Type R 2L 6MT 1390kg:13.0, 9.8, 13.3, 14.9

Mazda 3 2L 6MT 1340kg:16.7, 13.0, 16.9, 18.8

もともと320ps, 400Nmと性能が倍くらい違いますので同列に比較できる車ではありませんし、ターボ付きで圧縮比9.8ですので高負荷域での燃費では不利です。

Mazda 2の改良型エンジンの燃費比較

まずは同じ圧縮比14でハイオク指定の15MBとの比較から。

WLTCモードの全体、市街地、郊外、高速道路の順(以下同様)で

15S Proactive MT(レギュラーガソリン 1060kg):20.2, 16.7, 20.5, 22.0

15MB MT(ハイオク 1040kg):20.2, 16.3, 20.7, 22.1

平均燃費は同じですが、市街地モードではレギュラーガソリン仕様が有利、郊外と高速道路ではハイオク仕様が有利です。ちなみにパワーもトルクもハイオク指定の15MBの方が上です。15MBの方が若干ローギアードな割に、高速道路では15MBの方が燃費が良いです。高速道路ではパワーに余裕がある方が有利なのでしょうか。

次はトヨタヤリスとホンダフィットとの比較です。なるべく重量が近いものやホイールサイズが同じものと比較するようにしました。新型ノートはシリーズハイブリッド車しかないため、比較の対象に含めません。

Mazda 2 6AT 1090kg:20.3, 16.5, 20.4, 22.5

ヤリス 1.5L CVT 1020kg:21.6, 16.1, 22.9, 24.3

ヤリス 1L CVT 940kg:20.2, 15.3, 21.8, 22.4

フィット 1.3L CVT 1090kg:20.2, 15.5, 21.0, 22.6

Mazda 2 は今回の燃費向上でやっと旧来のエンジンを採用しているヤリス1Lやフィットに追いつきました。150kg軽いヤリス1Lと同等の燃費なのは大したものです。しかしダイナミックフォースエンジンを積んでいるヤリス1.5Lとの比較では、70kgほどの重量差を考慮してもまだ劣ります。Mazda 2は市街地モードの燃費では健闘しているのですが、比較的速度域の高い郊外モードや高速道路モードの燃費で負けているために平均値ではヤリス1.5Lに差をつけられています。ヤリス1.5LはエンジンだけでなくCVTも1Lモデルよりも新しい発進用ギア付のものを積んでいますので、そこでも差がついているのかもしれません。

Mazda 2はエンジン単体の熱効率では負けていないように見えますが、変速機のレシオカバレッジが劣るせいで高速燃費で負けているように見えます。高速域でエンジン回転数が上がる一方の6ATでは機械損失が増大して燃費が悪化します。実際、Mazda 2の6MTとダイナミックフォースエンジンを積んだヤリス1.5Lの6MTとの比較は以下の通りです。

Mazda 2 Proactive 6MT 1060kg:20.2, 16.7, 20.5, 22.0

ヤリス1.5L 6MT 990kg:19.6, 14.7, 20.3, 22.3

低速域での燃費はMazda 2の方が圧倒的に良いですし、高速域の燃費もほとんど見劣りしません。重量差を考慮すればむしろ健闘しているともいえます。エンジン単体でダイナミックフォースエンジンに負けていないとしたら、やはりCVTで差をつけられています。

高速域・高回転域の燃費を改善しようとしたら、低速域でのモーターアシストを前提に最終減速比を下げてハイギアードにするか、トルクバンドのピークが広くなるのに合わせてギアをワイドにするか、あるいは気筒休止で高回転域でのポンピングロスを低減するかが必要でしょう。もっとも、街乗り主体でたまにしか高速道路に乗らないBセグメント車でそこまでして高速燃費を改善する動機がないというのもあるかもしれません。市街地モードで燃費が良ければトータルの燃料コストでは有利なはずです。

Mazda 2のエンジン改良(答え合わせ2)

諸元データが更新されました。

ガソリンエンジン車のうち、下位グレードのみ圧縮比12の従来型で、Proactive以上が圧縮比14の改良型です。グレードによって圧縮比が異なるのは欧州仕様と同様です。

改良型の諸元は以下の通り。

出力:110ps/6000回転(圧縮比12のエンジンから据え置き)

トルク:142Nm/3500回転(Mazda 3の圧縮比13のエンジンと同等)

WLTCモード燃費:20.3km/L(←圧縮比12の場合19.0km/L)

市街地モード:16.5km/L(←15.2km/L)

郊外モード:20.4km/L(←19.4km/L)

高速道路モード:22.5km/L(←20.9km/L)

市街地モードだけでなく、低負荷で巡行する高速道路モードでも燃費が向上しています。郊外モードでの伸びが限られていますが、もともと低負荷で、圧縮比12でもそこそこ燃費が良いのでしょう。また、性能は従来の4-2-1排気管付の圧縮比13のエンジンと同等に据え置かれており、燃焼効率向上分が燃費に振り向けられているのが見て取れます。変速比や最終減速比には変化なし。低回転から中回転にかけてのトルクが太くなった分、早めにシフトアップしてエンジン回転数を落として燃費を稼いでいるのでしょう。アクセルを踏み込んだ際にキックダウンする頻度が下がるでしょうから、静かで楽に走れそうです。

ディーゼルエンジンとの比較では、それぞれのモードで1.5km/Lほど劣りますが、ガソリンエンジンなのにその程度の差で済んでいるのは大したものです。

仮にMazda 3にこの技術を応用するとしたら、パワーやトルクの向上はあまり期待できないものの、特に燃費の悪い2Lエンジンの燃費向上に期待できそうです。非力な1.5Lエンジンではむしろトルクやパワーの向上に期待したいところですが、燃費規制対応が喫緊の課題である以上、燃費よりもパワーを優先させるセッティングは難しいかもしれません。

Mazda 2のエンジン改良(答え合わせ)

2021年6月24日にエンジン改良を伴うMazda 2の特別仕様車が発表されました。

圧縮比を上げるところまでは合っていましたが、レギュラーガソリン仕様で圧縮比14というのは予想できませんでした。斜め渦燃焼によって圧縮比を高め、WLTC燃費を最大6.8%向上させたとのことです。WLTC燃費のどのモードで6.8%向上したのかわかりませんが、仮に平均19.0km/Lから6.8%したとすると、20.3km/Lに向上しますのでかなりの効果です。市街地モードの15.2km/Lから6.8%向上すると16.2km/Lになりますので、これでも燃費の向上を実感できそうです。

プレスリリースでは、4-2-1排気管の有無については言及がありませんが、もし4-2-1排気管無しで圧縮比14を実現できたら大したものです。諸元データはまだ更新されておりませんので、出力やトルクや燃費の詳細はわかりません。

これに加えて、「e-SKYACTIV X(イー・スカイアクティブ エックス)の開発で培ったエンジン制御技術を採用し、アクセル操作に対するクルマの応答性とコントロール性が向上」とあります。

気になるのは、斜め渦燃焼がソフトウェアの更新のみによって実装可能なのか、あるいはハードウェアから異なるかです。もしソフトウェアの更新のみによって実装可能でしたら、有償でもよいので既存のSkyactiv-Gのアップグレードにも期待したいところです。今まで日本のレギュラーガソリン仕様では圧縮比13でしたが、これが欧州仕様と同じく圧縮比14にまで上げることができれば、燃費もさることながら走りも良くなりそうです。エンジン制御技術はソフトウェアでしょうから、こちらもアップグレードしたいものです。

2021年6月22日火曜日

Mazda 2のエンジン改良の予想

ディーラーのチラシによると「さらに気持ちのいい軽快な走りへと進化」するそうです。具体的な中身がわかりませんので、いい加減に予想してみました。

順当に行けば、Mazda 3と同様に4-2-1排気管をつけて圧縮比を13に引き上げることでしょうか。現行Mazda 2の1.5Lエンジンは4-1排気管付きの圧縮比12で出力が110ps/6000、トルクが141Nm/4000ですが、Mazda 3の1.5Lエンジンでは出力が111ps/6000、トルクが146Nm/3500となり、低回転から中回転にかけてのトルクが太くなっていることが見て取れます。重いMazda 3で乗っても街乗りでは意外とトルクが感じられます(その代わり、パワーは排気量なりでしかなく、踏んでもさほど加速しませんが)。軽いMazda 2でしたらMazda 3の2Lエンジン車とほぼ同等の加速感でしょうか。

Mazda 2でも15MBはすでに4-2-1排気管付きのハイオク指定で圧縮比14ですので、現行Mazda 2でも4-2-1排気管を搭載することは可能です。欧州では、4-1排気管で圧縮比12の75ps版と4-2-1排気管で圧縮比14(欧州レギュラーガソリン仕様)の90ps版とがあります。日本では今まで費用対効果を勘案して廉価版の4-1排気管仕様だったまでのことです。すでにあるものを積むだけでしたら開発費がかかりません。

仮にコストを増大させてまでこのような改良が行われるとしたら、その狙いは何でしょうか。おそらくエンジン回転数を落とすことで機械損失を低減して実燃費の向上を目指すのではないでしょうか。近年は実燃費に近い燃費計測方式が採用される傾向があり、実燃費を向上させることが燃費規制に適合することにつながります。ラージプラットフォームで3Lエンジンが採用されるのも同様の発想で、排気量を大きくして回転数を落とせば機械損失が減って燃費が良くなるというものです。

6ATでは6速に入ってしまうとあとは速度に比例してエンジン回転数が上がりますので、いまどきのCVT車よりも高速燃費が悪いのですが(WLTCによって高速道路モードでの燃費が他社よりも劣ることが可視化されました)、多段ATを開発するよりもエンジン回転数を落とす方が簡単です。ただ、高速巡航時にエンジン回転数を落とそうとしたら最終減速比を下げてハイギアードにする必要があり、そうすると出足が鈍くなります。最終減速比をどこに設定するのか見ものです。

エンジンのトルクを太くし、トルクバンドのピークを広げれば、変速機をワイドレシオにでき、低速域の出足と高速域の低回転とを両立できます。しかしそのためには小容量型ATの変速比に手を加える必要があります。小容量型ATはほぼ1.5Lガソリンエンジン専用で、1.5LガソリンエンジンはほぼMazda 2専用ですので、Mazda 2に合わせて手を加えて最適化することはできないこともありません。しかしその場合、Mazda 3の1.5Lエンジン車も影響を受けます。

もう一つ狙いがあるとしたら、ディーゼルエンジンを廃盤にすることでしょうか。Mazda 3やCX-30やCX-3のディーゼルエンジンがすでに1.8Lに移行している中、Mazda 2だけのために1.5Lディーゼルエンジンの生産を続けるのは効率が悪そうです。しかも最もディーゼルエンジンが好まれるはずの欧州でもディーゼルエンジンが廃盤になっており、ほぼ日本向けにしか搭載されておりませんし、DJデミオ登場当初のような目新しさもありませんので、ほとんど数が出ていないのではないでしょうか。ガソリンエンジンのトルクを太くすることでディーゼルエンジン廃盤の埋め合わせをするのでしたら理解できます。

ガソリンエンジンに24Vマイルドハイブリッドシステムをつける可能性もありますが、コストがかかる割に燃費向上効果が限られており、欧州のように燃費規制の厳しい地域でなければ割に合いそうにありません。それに、マイルドハイブリッドによって「さらに気持ちのいい軽快な走り」が実現するようにも見えません。マイルドハイブリッドをつけるよりも4-2-1排気管をつける方がコストが安く、かつトルク向上に寄与するのではないでしょうか。

高回転での燃費を向上しようとしたら気筒休止にも効果がありますが、直列4気筒エンジンで気筒休止を採用したのはVWが最初で、マツダも最近になって2.5Lエンジンで気筒休止を採用しましたが、まだ技術的に成熟していないのか、細かい不具合が出ているようです。すぐに1.5Lエンジンに採用できる状況にはなさそうです。気筒休止で高回転域での燃費を改善するよりもエンジン回転数を落とす方が技術的には容易なのでしょう。

Skyactiv-Xを積むとなると型式認定が必要ですので、年次改良程度ではやらないのではないかと予想します。

2021年6月19日土曜日

CTSのステアリングアシスト

高速道路でCTSを使うと、まっすぐ走っているときでもなぜか左右にステアリングを切り続けて気持ち悪いのですが、その原因を推測してみました。

基本的に、CTSは近視なのではないかと推測します。晴天時よりも雨天で視界の悪いときにステアリングの切り幅が広くなる傾向があります。遠くを見ていればまっすぐ走って問題ないことがわかるのですが、近くしか見ていないと、水しぶきで画像が乱れたときに、どちらを向いて走ったらよいのか判断がつかないようです。また、路面が荒れていて車体が揺れるとき、遠くを見ていれば自車が揺れているだけであることがわかりますのでそのまままっすぐ走っていればよいはずなのですが、近くしか見ていないと画像が揺れますのでそれに合わせて修正舵を切りたくなるようです。

渋滞時のように走行速度が低ければさほど遠くまで見通さなくても問題ないのですが、速度が高ければ高いほど遠くを見る必要があります。にも関わらずカメラで視認できる距離に限度があると、高い速度域では視認する距離が不足します。

ソフトウェアの作り込みによって改善できるものでしたら将来改善することを期待できそうですが、もしハードウェアの処理能力の制約によるものだとしたら、新しいハードウェアを積んだ新世代の車でなければ改善できないことになります。

それに比べると、人間はある程度運転に慣れてきたら遠くを見て余計なステアリングを切らずにまっすぐ走れるのですから、こういう領域はもしかしたら人間の方が得意なのかもしれません。

2021年6月16日水曜日

ノートの上位グレードのタイヤは185/60R16

185/60R16といえば、ラクティスなき後デミオ/Mazda 2専用サイズになってしまってタイヤの品揃えが乏しくて困っておりましたが、新型ノートの上位グレードは185/60R16とのことで、ノートのように数の出る車がこのサイズを採用してくれるとタイヤの品揃えに期待できそうです。

2021年6月8日火曜日

Gracenoteデータベースを更新しました

USBメモリに入っている楽曲には曲の情報やアルバムアートワークが必ず含まれていますので、今までGracenoteには全く興味がなかったのですがCDを読み込んだときに「不明なアーティスト」「不明なアルバム」となってしまいましたので、Gracenoteデータベースを更新しました。

マツダコネクト2のサポートサイトから最新のデータベースをダウンロードしたところ、バージョン1.1.1.02317でした。従来のバージョンは2020年6月に更新した1.1.1.02065です。とりあえず空いていたUSBメモリにコピーして車に挿してGracenoteデータベースを更新しようとしたものの、なぜか途中で止まってしまいます。そこで普段車に挿しっぱなしにしているUSBメモリに改めて新しいバージョンのGracenoteデータベースのファイルをコピーしたところ、こちらは無事に更新できました。

しかしCDから読み込まれて「メモリオーディオ」に入っている楽曲は依然として「不明なアーティスト」「不明なアルバム」のままです。最新版はいつ発表されたのだろうかと思って調べてみたら、2020年12月公開のようです。もしかして半年に1度くらいのペースで更新されるものなのでしょうか。仮にそうだとしたら6月には何か新しいバージョンが出てくるかもしれません。

2021年6月3日木曜日

CDをかけてみました

CD/DVDドライブはメーカーオプションで抱き合わせで買わされただけであって、普段は音楽の入ったUSBメモリを挿しっぱなしにして使っていますが、せっかくですので試しにCDをかけてみました。普段圧縮音源ばかり聴いていますので、久しぶりに無圧縮のCDの音を聴いてみるとさすがに音の迫力が違うものだなと感じました。車の中は振動が多くて光学メディアには不向きな環境のはずですし、夏には温度も上昇しますが、それでもごく普通に音飛びなく再生したり録音できたりするのは大したものです。

しかしCD音源だと「不明なアーティスト」「不明なアルバム」「トラック1」といった表示しかできません。CDプレイヤーというのは当然そういうものですが、曲名のデータが含まれている音源にばかり接していると改めて古いなと感じました。

マツダコネクト2にはCDリッピング機能というのがありますので、必要ではないのですが試しに使ってみました。CD再生中に「録音」ボタンを押すと録音が開始される方式です。ただ、中途半端なタイミングで録音ボタンを押したときにそこから録音が開始されるのか、それともCDまるまる1枚のデータが録音されるのかよくわかりません。CD1枚分の再生が完了するまでに何度かエンジンを止めましたが、それでも全曲の録音が完了していましたので、CDのデータを読み取るのと読み取った音楽データを再生するのは同時ではないのかもしれません。マツダコネクトの設定で、CDを入れたらただちに録音が開始されるように設定することも可能です。また、標準音質(128kbps)か高音質(256kbps)かを選ぶことも可能です。MP3なのかAACなのかは不明です。

ソース選択画面で「メモリオーディオ」を選択すると録音された音源を選ぶことができます。録音された音源の方も「不明なアーティスト」「不明なアルバム」「トラック1」といった表示しかできませんが、録音された年月日と時刻で区別されているようです。しかし1枚か2枚くらいでしたらまだしも、それなりの枚数のCDを録音してしまったら「いつ録音したものか」が表示されていてもそれが何のCDなのかを思い出すのは難しそうです。後から音源の情報を追加する手段は無いものでしょうか。マニュアルを調べてみるとGracenoteのデータベースにマッチした曲は自動で曲名等が表示されるようですが、新しい音源だとデータベースに載っていないのかもしれません。Gracenoteデータベースを更新すればよいのかもしれませんが、わざわざそこまでするほどのことなのかという気もします。

メモリオーディオの方を再生してみると、慣れ親しんだ圧縮音源の音がします。わざわざ車のCDプレイヤーにCDを入れてリッピングするくらいなら、自宅でリッピングをしてPCやUSBメモリ上で音源を管理する方が簡単に思えます。たしかにいまどきのデスクトップPCには光学ドライブがついていないものが増えてきましたが、いまどき外付けのDVDドライブなんて安いのですから必要ならば買えばすむことです。それをけちってわざわざ車のCDプレイヤーでリッピングを行うほどのものでしょうか。


2021年5月24日月曜日

県境でラジオの周波数が自動で切り替わる機能がほしい

普段運転中にはUSBメモリの音源をシャッフル再生していますが、これは運転中に余計な操作が必要なくて楽だからです。

長距離を移動する際にラジオが不便なのは、県境を越えるごとに周波数が変わることです。今まで聞いていたラジオのノイズが増えていき、いつしかノイズに埋もれていきます。新しく放送局リストを表示させて選局し直す必要がありますが、高速道路で運転中に行う操作としては煩雑です。いくらクルーズコントロールやステアリングアシストがあっても運転の集中を削がれるような作業は避けたいです。

今どき大抵の車にはカーナビがついていてGPSで現在位置を把握しているのですから、現在位置に応じてラジオの周波数を自動で調整することはできないものでしょうか。たしかに民放ラジオ局は県ごとに異なりますが、せめてNHKくらいは自動で周波数を合わせられないものでしょうか。

2021年5月4日火曜日

Mazda 3の2Lガソリンエンジン車は低負荷+低回転で燃費が良い

信号の無い郊外路をある程度まとまった距離で走ると、なかなか良好な燃費が出ます。普通に走って17km/L台、条件が良ければ19km/L台と、WLTCの郊外モード15.8km/Lを上回ります。ではストップアンドゴーがなければ燃費が良いのかというとそうでもなくて、高速道路ではせいぜい16km/L台が精一杯です。WLTCの高速道路モード17.7km/Lというのはそれこそ対面通行の高速道路で70km/hや80km/hで走り続けるような最も有利なケースでしか発揮できません。100km/hで走ると、たとえクルーズコントロールで速度を一定に保っても17km/Lを超えることはありません。WLTCの高速道路モードというのは一体どのような条件で測定しているものなのでしょうか。

どうして低負荷で燃費が良いのだろうかと考えてみると、変速比の最終減速比がディーゼルエンジン車と同じで、ガソリンエンジン車にしては比較的ハイギアードであることが思い当たります。メーター読みで58km/hでエンジン回転数が1100回転程度です。ガソリンエンジンの燃料噴射量は燃焼室への空気投入量に制約され、それは過給なしの自然吸気エンジンならばほぼエンジン回転数に比例します。エンジン回転数を抑えれば必然的に燃料噴射量も抑えられます。パワーを出すために燃料噴射量を増やそうとしたらシフトダウンしてエンジン回転数を上げるしかありません。

80km/h以上で6速に入りますが、それより上の速度域では、たとえ低負荷であっても速度がエンジン回転数に比例します。100km/hで1800回転くらい回っています。低負荷域では機械損失の割合が比較的高い上、回転数が上がれば機械損失も増えますので、そのせいでしょうか。もしかして、6ATだから高速道路モードでの燃費が悪いのでしょうか。8ATだとどうなるのでしょう。

一方、どうしてほぼ同じ重量の車体に1.5Lエンジンを積むと2Lエンジンを積んだときよりも燃費が良いのかといえば、まずエンジンが小型であるゆえに機械損失やポンピングロスが小さいということが挙げられます。次に、エンジン出力の割に車体重量が大きいため、高負荷域での使用が多く、たとえ高回転であっても機械損失が小さいのではないでしょうか。もしそうだとしたら、ベースになるエンジンは1.5Lにして、パワーの足りない領域だけ電気モーターで補った方が燃費が良くなるのではないでしょうか。

2021年4月30日金曜日

CTSを使うと高速で出口に吸い寄せられる

 CTSを使いやすくなりましたのでやっと本格的に使うようになったのですが、高速道路の左車線を走っているときに、分岐があるとそちらに吸い寄せられてしまいます。もちろん本線ですので左側にも右側にも点線があるのですが、左に分岐する太い白線につられてしまうのでしょうか。分岐を通過する際には本線側にステアリングを切る必要があります。

他に気になったのは、CTSが車線の中心よりも少し右に寄りたがることです。何度もサイドミラーを見て位置を確認しましたが、やはり右に寄りたがります。対面通行区間では左側の路肩が空いている一方で、右側はすぐ近くにセンターポールなり中央分離帯がありますので、あまり右に寄ってほしくないのですが。もしかして、左の白線を基準にして一定間隔を取る制御なのでしょうか。

2021年4月29日木曜日

レーンキープアシストを切ってCTSを使ってみました

高速道路走行時にCTSを使うと直進時でもなぜか左右に小刻みにステアリングが動いて気持ち悪いので、CTSを使わずにMRCCを使ってきましたが、もしかしてレーンキープアシストとの組み合わせで問題があるのだろうかと思って試しにレーンキープアシストを無効にした上でCTSを使ってみました。コーナリング時にステアリングを切るタイミングはまだ少し気持ち悪いですが、それでも直進時にはまっすぐ走るようになりました。これなら高速道路で使おうという気になれます。

もともと60km/h以下ではもともとレーンキープアシストが機能しませんので、かつて55km/hまでしかCTSのステアリングアシストを使えなかった頃にはそんなに変な挙動がありませんでした。

しかしレーンキープアシストが介入するのは白線からはみ出しそうになったときだけで、車線の中央を走っているときには介入してこないはずなのですが、どうしてCTSと併用すると変な挙動になるのかよくわかりません。

2021年4月6日火曜日

CX-30は丸っこい

CX-30は着々と売れているようで、運転中にCX-30とすれ違う機会が増えてきました。すれ違いざまには斜め前方から見るわけですが、随分丸っこい車だという印象を受けます。今時の車はカクカクしたものが多いので、丸っこい車というのは印象に残ります。キャラクターラインが入っていないのはMazda 3と同様で、Mazda 3を見ても決して丸っこいとは感じないのですが、車体がかさ上げされていてずんぐりしているのと相まって丸っこく見えるようです。似たようなデザインであっても車高によってだいぶ印象が異なるものです。

2021年4月5日月曜日

Mazda 3の小銭置き場

未だにETCの使えない有料道路があるせいで運転中に料金所で小銭を出す必要に迫られることがあるのですが、Mazda 3のETC車載器はもともと小銭入れだった場所に設置されていますので、小銭の置き場に困ります。

第6世代車の場合はドアノブの手を入れる場所がポケットになっていますので、そこに小銭を入れることができたのですが、第7世代車ではドアノブの穴に底が無いため、ポケットとして使えません。また、DJデミオなら釣り銭やレシートや通行券は運転席左のドリンクホルダーに放り込むこともできたのですが、Mazda 3のセンターコンソールは、肘掛け部分をスライドさせてから開けるという動作が必要なため、すぐに釣り銭を放り込むことができません。

物を置くのに一番便利なのはセンターパネル下の小物入れですが、ここは手を伸ばすにはやや遠いです。ドリンクホルダーの蓋を開ければそこに物を入れることもできないことはありませんが、もともとドリンクホルダーですのでポケットが深く、底にある小銭を取り出すのには適していません。ドアの下側のドアポケットもあるのですが、ここも手を伸ばすには遠いので、小銭の出し入れには適しません。

大抵の日本車は物を入れる場所について細心の配慮がなされていて、特に軽自動車なんていたれりつくせりなのですが、Mazda車にはそういう痒い所に手の届くような所が全くありません。

2021年3月30日火曜日

BluEarth-GTにデミオ用の185/60R16登場

デミオ用の185/60R16のタイヤは特殊なサイズで選択肢が乏しくて、BluEarth-GTも長らくサイズがなかったのですが、いつの間にか185/60R16が出ていました。調べてみたものの、いつから登場したのかは判明せず。BluEarth-Aの在庫がやっと無くなったのでしょうか。

2021年3月10日水曜日

サービスキャンペーンの入庫以降アイドリングストップに入る頻度が増えました

Skyactiv-XやCTSのソフトウェア更新ばかりが目立ちますが、電装品の制御ソフトウェアも更新されています。不具合の内容に関して心当たりがありませんでしたので、特に影響がないかと思いきや、入庫以前に比べてアイドリングストップに入る頻度が増えました。

入庫後に高速道路を走ってから、街乗りでもアイドリングストップに入りやすくなりましたが、まとまった距離を走ってバッテリー残量が増えたのだろうと思ってさほど気にしておりませんでした。しかしその後しばらく街乗りばかりで乗っても、以前と比べてアイドリングストップに入る頻度が上がっています。もしかして、バッテリーが上がることはなかったにせよ、従来は電源制御が良くなくてバッテリー残量が必要以上に下がっていたのでしょうか。不具合の内容にいちいち書かれていなくても細かい改善がいろいろあるでしょうから、そのせいかもしれません。

2021年3月8日月曜日

Mazda 3ファストバックの後部の汚れ

過去にも書いたような気がしますが、やはりハッチバック車は後部が汚れやすいです。雨の日に田舎の舗装道路を走ったり積雪地帯で融雪剤の撒かれた濡れた路面を走ると後部が汚れます。デミオディーゼルに乗っていたときは、このサイズに収める必要があるために空力性能を犠牲にしているのかなと思いましたが、一回りサイズが大きくて低くて平べったくてリアが緩やかに傾斜していて、さらに細かい空力パーツをつけて整流しているMazda 3ファストバックでも後部が汚れやすいです。

リアオーバーハングが短いからかなとも思いましたが、雨の日に他の車の様子を見ていると、後輪が泥水を巻き上げているわけではなく、後方乱流が地表面近くの泥水を巻き上げていますので、必ずしもリアオーバーハングが短いからでもないのではないかと思います。タイヤからの巻き上げについてはむしろ、前輪から巻き上げられた泥水が側面裾部につくのが目立ちますが、幸い、Mazda 3の側面裾部には下部からの巻き上げを防ぐための空力パーツがついていますので、側面裾部の汚れはそれほどでもありません。では後方にも空力パーツがあればよいのかと思いきや、車は前方に移動しているものですので、後方乱流による巻き上げは大体2メートルくらいまで先で発生しており、側面の乱流とは挙動が異なります。後ろに2メートルの板なんてつけたらカスタムカーの出っ歯みたいになってしまい、到底市販できません。

後方乱流の発生には速度も影響しますが、制限速度を守って走っているのに後部が汚れるのは空力性能上いかがなものかと思います。風洞実験やコンピューターシミュレーションによって空力性能を高めているはずですが、風洞実験は静止状態の車に風を吹き付けて行うものですし、コンピューターシミュレーションは考慮に入れた項目のみに基づいて計算しているだけです。公道で実際に走行しているときの空気の流れに関して、何か見落としているものがあったりしないでしょうか。例えば、路面の細かい凹凸や、タイヤのトレッドパターンやタイヤの回転や、さらに車体の細かい回転運動や細かい速度ムラも空気の流れに何らかの影響を与えそうに見えます。

2021年3月6日土曜日

フューエルリッドが開かない

給油の際、普段なら解錠状態で問題なくフューエルリッドが開くのですが、たまたま給油前にトランクを開ける必要があってエンジンをかけたまま車を降りてトランクを開閉してからエンジンを停止したところ、どういうわけかフューエルリッドが開きませんでした。解錠状態なら開くはずですので、施錠と解錠を繰り返したり、エンジン始動とエンジン停止を繰り返したりしたのですが、それでもフューエルリッドが開きませんでしたので、少しだけ車を動かして止めたらやっとのことでフューエルリッドが開きました。後で説明書を読んだりしたものの、未だに原因がわかりません。

従来の車なら運転席横にあるフューエルリッドを開くレバーを引けば確実にフューエルリッドが開きますが、Mazda 3は欧州車と同様に解錠状態のときに外からフューエルリッドを開けられる仕様で、運転席横には開けるためのレバーが無いため、何らかの理由でフューエルリッドが開かないと手動で復旧させる手段がありません。何かあったときに備えてローテクな手段もあってほしいものです。

さらに、給油の際にはドアロックを解錠状態のままにする必要があるのですが、そうするとMy Mazdaアプリがおせっかいにも、いちいち「運転席ドアがロックされていません」といううっかり通知を出します。たしかに給油目的で解錠しているかどうかを車は判断できませんので仕方ないのですが、全体の整合の取れる方法は無いものでしょうか。

2021年3月4日木曜日

交通標識認識システム (TSR)のバージョンアップ

既にいろいろな方が指摘されていますが、サービスキャンペーンでソフトウェアを更新したら交通標識認識システム(TRS)も更新されていました。最大の特長は地図データをもとに常時制限速度が表示されるようになったことです。一般道の法定速度60km/hや高速道路の法定速度100km/hのもとでは特に速度を制限するような標識が出ていないため、従来は制限速度の表示がありませんでした。その場合、法定速度だから表示が無いのか、車の側で制限速度を認識できていないのか、見た目ではわかりませんでした。法定速度も表示されるようになれば、常時制限速度を参照できます。

問題は、地図データ上の制限速度と道路標識から読み取った制限速度とが一致しない場合です。例えば高速道路走行中に出口での40km/h制限標識が見えてしまうと、従来は40km/hと表示されていました。人間が見れば本線上の標識でないとわかるものですが、機械は読み取り範囲が広いのか、本線から外れた場所にある標識まで読み取ってしまうためです。更新後は、本線上の本来の制限速度と標識から読み取った制限速度が左右に並び、標識から読み取った方の数字の下には「!」マークが表示されるようになりました。

交通標識認識システムは速度制限標識だけでなく、進入禁止標識や一時停止標識も読み取れますが、まだ一般道をそんなに走っていませんので、これらが地図データに基づいて表示されるのかどうかはわかりません。本来進入禁止標識が無いはずの場所で天下一品ラーメンの看板やガストの看板を進入禁止標識と誤認識した場合の挙動もまだ観察できていません。

(追記)高速道路上での悪天候等による速度制限の場合、標識から読み取った速度のみが表示されます。高速道路上ではそのような仕様になっているのか、あるいはVICSから読み込んだ情報に基づいてそうしているのかわかりませんが、速度制限が解除になり、高速道路上の速度標識に何も表示されなくなっても制限された速度を表示し続けました。しかしこれも、単に上書きされていないという理由でそうなっているのか、あるいはVICSの情報が更新されるのが遅いのかわかりません。

(追記2)高速道路では速度標識の誤認識がまだ見られます。120と表示されたときは、たしかこの辺りに120kmのキロポストがあったかなと思いましたが、110と表示されたときはキロポストと関係なくて、どこからそんな数字が出てきたのかよくわかりません。

それにしても、どうしてこのタイミングでこのような変更がなされたのでしょう。まず思いつくのは、地図データに制限速度や標識の情報が含まれるようになったことです。Yahoo!カーナビでは従来より制限速度や標識や、特に制限速度に注意すべきの場所が表示されます。しかしその地図データが陳腐化したままでは実際の標識との間に差異が生じてドライバーを混乱させるでしょう。幸い、車載通信機搭載の車は毎月地図データを更新しますので、地図データが陳腐化しにくくなっています。制限速度や標識が変更になることはめったにありませんので、ある程度追随できていればさほど問題ありません。交通標識認識システムを搭載しているのは車載通信機搭載車だけですが、もしかしていずれ地図データを参照することを想定した上でそのようなグレード構成にしたのでしょうか。

2021年3月3日水曜日

オルタネーターの容量を大きくできないか

 最近の車は電装品が増えているために電力消費が増えていますし、アイドリングストップがついているとエンジン再始動のたびにセルモーターの電力を消費します。1週間に1回街乗りで乗る程度ではなかなかバッテリーに充電されず、バッテリー残量が不足気味のせいかアイドリングストップがかかりません。街乗りはストップアンドゴーが多いため、減速のたびにオルタネーターを回して充電していたらそこそこ充電されるのではないかと思いきや、意外とそうでもありません。むしろある程度まとまった距離を走る方が充電されます。

減速時にもっとしっかりと充電されればよいのですが、そうなっていないということは、オルターネーター容量が小さいか、あるいはバッテリーの充電速度の低いタイプでせっかく発電しても十分に充電されないかのどちらかでしょう。過去にi-Eloopが導入された際には、鉛バッテリーでは充電速度が足りないため、充放電速度の早いキャパシタが代わりに採用されました。しかし最近はアイドリングストップ対応の大容量バッテリーが搭載されていますので、あとはオルタネーターの容量次第なのではないかと推測します。

衝突安全性能を確保するために車は年々重くなっていますし、SUVブームで車高が高くて重い車が好まれています。車の走行中の運動エネルギーがそれだけ大きくなっているということでもあり、回生ブレーキによって回収できる電力のポテンシャルが増えています。

アクセラハイブリッドやMX-30EVの開発経験から回生ブレーキと油圧ブレーキの協調制御のノウハウが蓄積されてきたことから、そのノウハウを普通のエンジン車両にも還元できればもっと回生効率が良くなるのではないでしょうか。

今の車のあり方に即してオルタネーター容量を見直す余地があるのではないでしょうか。

2021年2月28日日曜日

MX-30のEVに試乗しました

サービスキャンペーンで入庫した際に、待ち時間にMX-30のEVに試乗させていただけました。内装やドアについては別のエントリーで書きましたので、ここでは触れません。

【第一印象】

ガソリンエンジン車と同じ使い勝手で運転できますので、とても扱いやすいです。ブレーキペダルを踏んでスタートボタンを押してシフトレバーをDに入れてパーキングブレーキを切ってアクセルを踏めば走り出します。ただし、シフトレバーでPレンジを右側に倒すのだけはなじめませんでした。Rに入れるべきときに間違ってPに入れるリスクはどの程度なのだか知りませんが、コンビニアタックはRに入れるべき場面でDに入ってしまうのが原因ですので、むしろRとDを間違えないようなシフトレバーの方が必要ではないでしょうか。

【加速】

アクセルを踏み込むと必要なだけ加速しますのでストレスフリーです。加速がもたつくことはありませんので車体の重さを感じることもありません。試しにアクセルを踏み込んでみて勢いよく加速させてみましたが、あまり激しく加速させても楽しくありません。電気モーターですので低回転でもトルクが太いですが、ディーゼルエンジンのような力強さを感じることはなく、あくまでも自然です。力強さを売りにするような味付けにすると電力消費が増えてバッテリーが持たなくなりますので、穏やかに走らせてもストレスが無いような繊細な味付けにしているのではないでしょうか。

【ブレーキ】

回生ブレーキと油圧ブレーキの協調制御が完璧で全くギクシャクしません。これはすごいです。ガソリンエンジン車と同じ感覚で狙い通りの位置に停止できます。回生ブレーキが効いているときにはメーターパネル左側のメモリがChargeの側に振れてバッテリーへの充電が可視化されますので、うまく電力回生できると達成感を感じます。ステアリングシフトスイッチで回生ブレーキを強められるようですが、試すのを忘れました。

【コーナリング】

市街地のみでワインディングは走っていませんが、交差点を曲がるときにはノーズがすっと入ります。後でボンネットを開けてみたらエンジンルームがスカスカで、これだけ前が軽くて後方床下にバッテリーが入っていたらたしかにノーズは軽いでしょう。車高の割に重心が低いので気持ちよく曲がれます。

【視界】

Aピラーが立っていますので、フロントガラスやAピラーが目の前に来るような圧迫感がなく、見切りが良いです。バックの際はバックモニターとミラーを見ればCピラー付近の死角も気になりません。あとは左折時の巻き込み防止のための後方目視ですが、たしかにこれは見えにくいです。

【静粛性】

さすが電気自動車ですので静かです。発進時には電気モーターやインバータの音がわずかに聞こえますが、中速域ではエンジンを模した人工音が入ってきて、アクセルを踏むと力を出している感覚が得られます。ガソリンエンジン車と同様の自然な運転間隔が得られますが、それだけでなく、アクセルを踏みすぎるとうるさいので、自ずと必要以上にアクセルを踏まないことが期待されているのではないでしょうか。

レンジエクステンダーやPHEVやシリーズハイブリッド車のようにエンジンがついていれば、アクセルの踏み込み度合いに応じてエンジンを回すくらいのことはするでしょうから、そのときには人工音ではなく本物のエンジン音になるでしょう。もしかして今の人工音はロータリーエンジンを念頭に置いたものだったりするのでしょうか。

【乗り心地】

Mazda 3よりも乗り心地がよいかと期待したのですが、意外とゴツゴツしました。おろしたての新車ですのでまだ足回りの角が取れていないようです。しかしそれでも余計な揺れは一切なく、びしっと位置が決まっていました。ちゃんとまっすぐ走ります。まるで覆面パトカーのクラウンのような安定感です(だからこそ挙動だけでなんとなくわかります。素人の運転するクラウンはふらつきますし、速度ムラもあります)。レシプロエンジンという絶えず振動を発生させる重量部品が無いのと、電気モーターによるGVCはエンジンによるGVCよりも精度が高いということによるものでしょう。運転中はGVCの効果を特に実感することはなかったのですが、Mazda 3に乗ってから「そういえばMX-30は全く揺れなかったな」と気が付きました。

【バッテリー残量】

残量4分の1で走行可能距離50km程度でしたので、満充電での走行距離はやはり200kmくらいでしょう。しかし、走行可能距離50kmくらいでバッテリー残量不足の警告がメーターパネルに出ていましたので、この状態で乗ると落ち着きません。たしかにEVの充電スポットはガソリンスタンドよりも数が少ないので、ある程度早めに警告を出す必要があるかもしれませんが、街乗りだけでしたら残り50kmで警告が出るのは早すぎる気がします。実際には、自宅で夜間に充電できれば毎朝満充電で出発できますので、街乗りだけでしたらバッテリー残量不足の警告が出ることはないでしょう。

【エアコンのタッチパネル】

電気がもったいないので、エアコンを切りました。運転中に操作するものなのにタッチパネルというのはいかがなものかと思いましたが、左右両端の物理スイッチを押せば大抵の操作ができますので、運転中の操作にも支障しません。

【BOSEスピーカー】

試乗車にはBOSEのスピーカーがついていましたが、試乗車ですのでラジオを聴いただけで、あまり音の良さを実感することはありませんでした。これなら普段乗っているMazda 3の標準スピーカーの方が音が良いです。もっとも、ラジオの音ではドンシャリ系音源に強いBOSEのスピーカーの良さを引き出せませんので、きちんと評価しようとしたらそれにふさわしい音源が必要です。

【価格】

とてもよくできた車ですが、乗り出し500万円です。CEV補助金が16万円ほど出るようですが焼け石に水です。自宅に充電設備を設置する場合には別途補助金があるようです。500万円の予算があったらヤリスクロスのハイブリッドを買ってもかなりお釣りが出ます。バッテリーEVという仕様上、街乗り専用のセカンドカーという位置づけになりますが、セカンドカーに500万円出せるのはお金持ちだけでしょう。

レンジエクステンダーEVやPHEVやシリーズハイブリッド車といったエンジンと併用する車なら航続距離が伸びますのでファーストカーとしての選択肢にも入るでしょうが、エンジンをつければその分コストが上がりますので、バッテリーを減らしてコストを下げる工夫が必要でしょう。走りは素晴らしいので、ノートe-Powerと同様のシリーズハイブリッド車でも十分に魅力的ではないかと思います。ノートe-Powerが内外装をけちって乗り出し350万円でそれなりに売れているようですので、Cセグメントで内外装とも妥協の無いMX-30なら乗り出し400万円くらいでも売れるかもしれません。レシプロエンジンのマイルドハイブリッド車よりも魅力的に思えますが、まだ出ていないということは熱効率にすぐれたエンジンの準備が出来ていないのでしょうか。あるいは、もう一回り小さいMazda 2のフルモデルチェンジのための隠し玉として取ってあるのでしょうか。一回り小さくて乗り出し300万円〜350万円くらいになれば手に届きやすくなります。

【グレード】

乗り出し価格を調べるために諸元表を参照しましたが、走りについてはどれも同じで、ホイール径も同じです。内外装にお金をかけたりBOSEのスピーカーをつけたりすればその分高くなる程度です。もともと高いですし、走りだけでも十分に素晴らしいので、それ以外のものにさほどお金をかける必要はあまり感じませんでした。ナビ用のSDカードとETC、あとは必要に応じてドライブレコーダーくらいを買えば十分かもしれません。

【総評】

この車のコンセプトは、バッテリーが高価で重いという技術的な制約によって導かれたように見えます。テスラのようにびっくりするような加速をするためには大量のバッテリーを積まなければならず、そうしようとすればとんでもない値段になります。テスラは初物でしたのでお金持ちのおもちゃとして売れていますが、マツダがそんな車を作っても売れません。バッテリーを無駄遣いしないように穏やかな走りを促そうとすると、穏やかに走ってストレスを感じないよう精緻に作り込むのと、アクセルを踏み込んだらそれなりに燃料を無駄遣いした感覚をもたせることが必要になるでしょう。

サービスキャンペーンでCTS/MRCCのソフトウェアを更新しました

年次改良車のソフトウェアを既存車にも反映させるサービスキャンペーンが発表されましたので、入庫してソフトウェアを更新しました。といっても普通のガソリンエンジン車ですのでCTS/MRSSのソフトウェアの更新のみです。電装品の制御ソフトウェアの不具合対応のサービスキャンペーンも同時に発表されましたので、2件同時に済ませました。

更新前のソフトウェアは日本の道路事情では加減速が強すぎる印象がありました。特に追い越し加速でアクセルを踏み込んだ後、走行車線に戻る際、アクセルを離してクルーズコントロールに復帰すると減速が強すぎて後続車に迷惑をかけてしまいます。それを避けるためにはアクセルを徐々に緩めながらクルコンの設定速度まで落とす必要があり、神経を使いますし時間もかかります。ですので、早くソフトウェア更新のサービスキャンペーンをやってほしいと思っていたのですが、Skyactiv-Xのソフトェア更新と同時に国土交通省にサービスキャンペーンが届けられたおかげで、購入から1年くらい経ってやっとソフトウェアが更新されました。もっとも、この1年間は新型コロナウイルスの影響で遠出ができず、したがってCTS/MRSSを使って高速道路を走る状況自体がほとんどなかったため、幸か不幸かさほど実害はありませんでした。

また、CTSで55km/h以上でもステアリングアシストが効くようになりまました。しかし、かつて先代アクセラのレーンキープアシストやスバルのアイサイトで経験がありますが、車がレーンを自動でトレースしているときでもステアリングを握り続けなければならないため、どうせステアリングを握るなら人力で操作した方がまだましと思いました。

さて、早速近所の高速道路で走ってみた所、MRCCは○、ステアリングアシストは✗でした。クルーズコントロールの加減速は穏やかになり、特に追越加速をした後でアクセルを離したときも自然に減速できるようになりました。これなら高速道路で頻繁にクルーズコントロールを使うことができますので、高速道路での移動が楽になりますし、燃費も向上します。ちなみに平均燃費は往路で17.2km/L、復路でなんと18.7km/Lでした。17.2km/Lだけでもかなり良好な数字ですが、18.7km/Lは驚きです。

一方、高速域でのステアリングアシストについては、まっすぐ走っているときですら左右に小刻みにステアリングを切っており、まるで運転に慣れていない下手な人が運転しているようで、実に気持ち悪いです。都市高速道路でのコーナリングでも、この辺りから軽くステアリングを切りたいと思ったタイミングでは何もせず、かなり後になってからいきなり大きくステアリングを切りますので機械に任せていると怖いです。これも運転に慣れてない下手な人のような運転です。普段i-DMに調教されている身にとっては受け入れがたいです。機械なら必ずしもそうなるとは限らず、スバルのアイサイトはもっと滑らかにステアリングを切れます。

これなら高速域ではステアリングアシストが無い方が運転しやすいので、最初は一旦CTSを切ってからMRCCを入れ直したのですが、これだと設定速度がリセットされてしまいます。実はステアリングアシストの有無を切り替えるためにはそんなことをする必要はなくて、CTSが有効なときにMRCCのボタンを押すと設定速度がそのままでMRCCに切り替わりますし、逆にMRCCが有効なときにCTSのボタンを押すと設定速度がそのままでCTSに切り替わります。空いている道を走っているうちはMRCCを使い、渋滞してきたらCTSに切り替えるということができます。

当初、「運転する楽しみのために55km/Lではステアリングアシストを無効にしている」と言われていましたが、たしかに高速域でステアリングアシストを有効にすると運転する楽しみが損なわれるという点においてはあながち間違っていないものの、しかしそれは高速域でのステアリングアシストの出来が良くてもなおかつそうだという意味ではなく、単に高速域でのステアリングアシストの出来が悪いのをごまかしているだけに見えます。

今回はサービスキャンペーンですので無料ですが、次回以降は有償での更新を検討しているようです。有償での更新となるとサービスキャンペーンではなく、追加オプションとしてのソフトウェア更新ということになり、2020年11月に施行された自動車の特定改造の許可制度に基づくものになるようです。国土交通省の許可を得るためには改造が適切に行われることを確保する体制が必要です。今回は無料というのは初期型の出来が悪かったからというのもありますが、特定改造制度の要件を充足するのに時間を要したので今回はサービスキャンペーンとしたのではないかと想像します。

年次改良車ではサスペンションセッティングを変更してフラット感を増したとのことで、まだ年次改良車に乗ったことがありませんのでどんな感じなのか想像がつきませんが、初期型であっても走行距離が増えてサスペンションがなじんでくるにつれて乗り心地にはさほど不満がなくなりましたので、それは別に必要ないのではないかと思っております。

2021年2月23日火曜日

ETC2.0のメリット

新車購入時にETC車載器を選定するにあたって、さすがにこれからはETC2.0でないと不便だろうと思って、少し高かったですがETC2.0の車載器を取り付けました。道路交通情報受信端末としては重宝しています。

高速道路走行時に道路上に設置されたITSスポットを通過するごとに道路交通情報を受信してカーナビのサブディスプレイに道路状況が表示されたり音声で案内があったりします。これがあれば音楽再生をハイウェイラジオに切り替える必要がありません。デミオディーゼルに乗っていた頃には道路交通情報を表示させるためにスマホホルダーにスマホを設置してYahooカーナビの道路交通情報を表示させていましたが、今ではその手の煩雑なことが一切不要になりました。落下物や故障車等の危険物も手前で知らせてくれますので運転しやすいです。

2021年2月22日月曜日

1.8Lディーゼルエンジンの出力向上(その2)

Skyactiv-Xと1.8Lディーゼルエンジンの出力向上に関して記事を見たところ、1.8Lディーゼルエンジンの出力をどうやって向上したのかある程度見えてきました。当初の予想とは全然違っていました。

Skyactiv-Xでは筒内圧センサーからの信号の解析手法を改善することでEGRの予測精度を向上し、それによって出力を向上したとあります。一方、1.8Lディーゼルエンジンについては、今までEGRを入れすぎていて加速のために酸素が足りない領域があったのを改めたとのことですが、それを実現した手段には言及されていません。

当初の噂ではディーゼルエンジンの出力向上はソフトウェアの変更だけでなくハードウェアの変更も伴うので既存車両には適用できないという話でしたので、てっきり触媒をつけて環境性能に余裕を持たせたのだろうかと予想していました。既存車へのサービスキャンペーンでもディーゼルエンジンの出力向上が含まれておりません。EGRの制御というと、ディーゼルエンジンにもSkyactiv-Xと同様に筒内圧センサーを取り付けて、Skyactiv-Xと同様にEGRの予測精度を向上して、EGRの入れすぎを解消したのでしょうか。しかし筒内圧センサーのような高価な部品を入れてしまったらますますディーゼルエンジンのコスト競争力が低下するでしょう。具体的にどのハードウェアを変更したのかまだわかりません。

2021年2月21日日曜日

Mazda 3の2Lガソリンエンジン車で平均燃費23.6km/Lを達成

エンジンを停止したときにエンジン始動から停止までの間の平均燃費が表示されますが、長い下り坂を走った後にエンジンを停止したら平均燃費が23.6km/Lと出ていてびっくりしました。もちろん特殊な条件下での参考記録に過ぎません。ディーゼルエンジン車でしたら普通の数字ですが、2Lガソリンエンジン車だと今までどう頑張っても18.4km/Lが精一杯でした。郊外路を走るときの平均燃費はだいたい15km/L〜18km/Lくらいです。同じ条件でディーゼルエンジン車で走ったら35km/Lくらい出るのでしょうか。

(追記)その後同様に長い下り坂を下ったら今度は25.0km/Lという記録が出ました。ディーゼルエンジン車はアクセルペダルを離しても燃料を噴射し続けますので下り坂でもさほど燃費が伸びませんが、ガソリンエンジン車はエンジンブレーキをかければ燃料噴射が止まりますので、下り坂では燃費が伸びるようです。

上りと下りを合わせて給油から給油までの平均燃費は17.2km/hでした。標高差を伴う移動の割にはなかなか良い燃費でした。今までの経験では上り坂で速度を出すとたちどころに燃費が悪化し、下り坂では速度を抑えてもさほど燃費が改善しません。下り坂は速ければよいかというとそうでもなく、山を降りるときのようにコーナー手前で減速する場合には速度を上げてもブレーキで熱エネルギーに変換されるばかりで燃料を無駄遣いします。高速道路のように曲線の緩やかな道路の連続下り勾配でしたら、エンジンブレーキをあまり効かせずにDレンジでアクセルを離して下りるのが最も燃費に良さそうです。速度制限がありますので、必ずしも最も燃費の良い走り方をできるとは限りませんが。

2021年2月19日金曜日

Mazda 3のリアオーバーハングと駐車場の縁石

Mazda 3ファストバックは全長4460mmとCセグメントにしてはやや長い方ですが、他の車に比べて特に大きいわけではありません。しかし駐車場に停めると前がはみ出します。立派そうなエクステリアデザインとあいまって、前から見ると立派そうに見えてしまいます。

リアオーバーハングが短いため、後輪が駐車場の縁石に当たってしまい、他の車よりも駐車位置が前に出てしまうためです。縁石の無い駐車場なら問題ありません。一戸建ての狭い車庫に駐車する場合には縁石の位置に注意が必要です。

フロントオーバーハングはそれなりにあるため、前向き駐車であれば比較的奥まで入れられます。しかし車高の低い車ですのでフロントバンパーが縁石に接触しないよう注意が必要です。空車時には問題なくても前席に人が乗って前輪に荷重がかかるとフロントバンパーが沈み込みますので、縁石に接触しやすくなります。

2021年2月17日水曜日

Mazda 3を振り返る

 Mazda 3が納車されてから1年強乗ってきて、CX-30やMX-30といった第7世代の他のCセグメント車も登場したこともあり、Mazda 3がどのような位置づけの車であるのか徐々に見えてきました。

ど真ん中にあるのはファミリーカーのCX-30で、Mazda 3のファストバックは尖った方の極、MX-30はゆるい方の極、Mazda 3のセダンはフォーマルな方の極でしょうか。MX-30のEVは高価で街乗り専用ということもあり、これも一つの極です。尖った方は比較的軽くて重心と車高が低くて乗り心地や室内空間をやや犠牲にして操縦安定性重視、ゆるい方は比較的重くて重心と車高が高くて広くて見晴らしが良くて乗り心地重視のように見えます。全般的に、サスペンションに荷重がかかっている方がしっとりとした乗り味になるような気がします。尖った車は見た目も尖っていますし、ゆるい車は見た目もゆるいので、そういう意味ではコンセプトは一貫しています。

別の言い方をすれば、Mazda 3は決してスポーツカーではないのですがスポーツカー「的な」発想で作られていて、運転しながら車と対話するような車、CX-30は運転しながら同乗者と対話する車、MX-30は運転しながら自分と向き合う車でしょうか。

第7世代車の操縦安定設計は「人が歩くように」というコンセプトのようで、それ自体はあながち間違っていないと感じますが、素足で歩くか革靴で歩くか運動靴で歩くかくらいの違いはあると思います。室内をゆっくり歩く分には素足で歩いても苦になりませんが、荒れた路面を素足で走るのは大変です。

パワートレインについては、Mazda 3ファストバックのような尖った車に最も合うのは本来ならばSkyactiv-Xなのかもしれませんが、まだ技術も値段もこなれていませんので、当面は1.5Lガソリンエンジンが最も「らしい」パワートレインかもしれません(特にMTなら)。Mazda 3セダンなら最も静かな2LガソリンエンジンのATでしょうか。改良後の1.8Lディーゼルエンジン車にはまだ乗れていませんので、コメントできません。

とはいえ自分で購入したときの動機は「必要以上に大きくて重くて高い車に乗りたくない」というミニマリスティックな発想で、当初は楽しく運転できて免許にやさしい1.5Lにしたかったのですが、1.5Lは意図的に長距離向けの装備をつけられないように売られていて露骨に2Lに誘導されていて、2Lとの価格差が安全装備の差でほぼ説明できてしまうのと、車内で周りに気兼ねせずに音楽を聴くのが好きですのでそれならば比較的静かな車の方がよいというのと、なるべく奇をてらわずに素直なパワートレインを選びたいというのがあり、結局2Lにしました。

2Lにするならファストバックでなくてセダンにすればよかったのではないかという気もしないでもないですが、必要以上に全長の長い車は取り回しが悪いのと、セダンのエクステリアは保守的で第一印象はファストバックよりも良かったのですが、デザインとしてはファストバックほど突き抜けていませんし、後席よりも前席を重視したいといったことから、結局ファストバックにしました。

実際に乗ってみると、当初は冬タイヤを履いていたことやサスペンションが馴染んでいなかったためか、「随分ガタガタする車だな」という印象を受けました。周りに気兼ねせずに運転に集中できる環境では開発者が意図した通りに気持ちよく運転できる反面、混雑する道路ではもっと楽に乗りたいと思いました。ドライバーの多くは混雑する道路を走りますので、トヨタの車が売れる理由もわからないでもありません。それでも、車内でのんびり音楽を聴いていればいいやと割り切れば、渋滞する道路も貴重な時間です。その後サスペンションが馴染んでくるにつれて、「ガタガタ」から「ゴツゴツ」くらいになって、乗り心地はさほど気にならなくなりました。

後席が暗くて狭いのはまったくどうでもよいのですが、天井が低くてドライビングポジションが制約されたり視界が狭かったりするのは、大衆車たるハッチバックとは異なる考え方なのかなと思います。SUVの時代になってハッチバックという車は我慢して乗る車になったようです。

高速道路での追い越し加速や上り坂のようにトルクが必要な場面ではキックダウンが必要ですので、そういうときだけはさすがにディーゼルエンジンのトルクには及ばないと感じるものの、一応パワーはありますので、燃費を度外視してアクセルを踏めばちゃんと加速します。不満があるとしたら燃費だけです。むろん、燃費が悪いといってもそもそも走行距離が短ければ燃料代へのインパクトはさほどありません。燃料代の絶対額でいえばデミオディーゼルの方が圧倒的に大きいです。

新型コロナウイルスの影響で遠出ができずに街乗りばかりしている中、Skyactiv-Xが登場して、CX-30が出てきて、さらにMX-30が出てきてみると、今この状況で選ぶとしたら「MX-30のガソリンエンジン車もいいかな」と思いますが、値段はともかくとして、重くて燃費が良くないのはいかがなものかと思います。せめて第7世代のままCX-3くらいのサイズになれば積極的に選びたくなるところですが。MX-30のレンジエクステンダーEVが出てくれば走りや乗り心地は良さそうですが、500万円の予算があれば環境性能も含めて他にもっと良い車がありそうです。

とはいえ、それはせっかくのMazda 3が本領を発揮できない状況だからともいえます「やはりMazda 3にして良かった」と思えるくらいのびのびと遠出できるようになってほしいものです。

2021年2月11日木曜日

もしSkyactiv-Xに軽油を入れたら

Skyactiv-Xはガソリンエンジンながら圧縮比が15もありますが、圧縮比15といえば軽油を噴射しても圧縮着火できるくらいの圧縮比です。軽油を圧縮着火させるためにはコモンレールインジェクターで精緻に燃料噴射を制御する必要がありますが、Skyactiv-Xにもコモンレールインジェクターとよく似たインジェクターがついているようです。さらにディーゼルエンジンには過給器が必要ですが、Skyactiv-Xにはターボチャージャーがついていないものの、スーパーチャージャーならついています。直噴ディーゼルエンジンからは煤が出ますのでDPFが必要ですが、Skyactiv-Xも同様に煤が出ますのでGPFがついています。Skyactiv-Xは現在は空気過剰率(理想空燃比に対する空気の量の比率、λ)=2以上ですが、次世代ではλ=3〜4を目指しているようです。そうなるとますますディーゼルエンジンに近づいていきます。もしかして軽油向けの制御を導入したら軽油を燃焼させることができたりしないものでしょうか。

さすがにそれは絵空事としても、Skyavtiv-Xの開発で培った技術をSkyactiv-Dに応用したらもっと熱効率がよくなるかもしれません。例えばカプセル化して断熱する技術は、特に断熱で不利な小排気量エンジンに応用すれば改善が見込めます。実際、カプセル化はSkyactiv-X以外への応用の余地もあるようです。また、必要以上に過給すると窒素酸化物が発生しやすくなりますが、Skyactiv-Xの技術を応用して過給圧を精緻に制御すれば窒素酸化物の発生を減らせるかもしれません。さらに、Volvoのエンジンのようにガソリンエンジンとディーゼルエンジンとで可能な限り設計を共通化することもできるかもしれません。

2021年1月31日日曜日

運転技量によらずにi-DMのスコアを上げる方法

 運転技量の向上を伴わずにi-DMの点数を上げる方法がいくつかあります。

1)タイヤ空気圧を規定値にする

これは結構効きます。ブレーキを踏んだとき、とりわけ停止直前で白点灯しやすいときにはタイヤ空気圧が規定値よりも低い可能性があります。空気を入れるとしゃっきりとした挙動に戻ります。空気圧の規定値が高いのは乗り心地を犠牲にして燃費を稼ぐためだと思って乗り心地重視で空気圧を下げると、操縦安定性を犠牲にします。空気圧が高いのは燃費のためだけではないのですね。

しかしタイヤ空気圧は気温によって結構変動しますし、長距離を走り込んだ後にはタイヤ内の空気の温度が上昇して空気圧が上がります。秋から冬にかけては気温が下がりますので放っておくとどんどん空気圧が下がります。セルフのガソリンスタンドには空気入れがありますので、給油の都度タイヤの空気圧を調整する習慣をつけましょう。

2)正しいドライビングポジションで運転する

これも結構効きます。i-DMはアクセルとブレーキとステアリングの操作に基づいて採点しますので、これらを正確に操作できなければなりません。そのためには足でペダルを踏む操作を正確に行えるポジションが必要ですし、同様にステアリングを切る際に正確に操作できるポジションが必要です。リラックスして無理なく力を入れられれば適切に操作できますが、無理な体勢だと思うように操作できません。

3)自分がコントロールできる速度で運転する

これも多くの方に経験があるでしょうが、車の速度が高ければ単位時間当たりの運動量が増えて操作が難しくなります。人間が運転するときには認知・判断・行動のタイムラグがありますので、反応速度が下がればなおさら意図したタイミングで操作するのが難しくなります。高齢者の運転速度が自然に下がるのはそのためです(運転速度が下がったという自覚が無いために追越車線をゆっくり走り続けたりするケースを散見しますが)。速度を出しすぎて荒い運転をするとたちどころにi-DMの点数が下がります。

パワーのある車、速い車を運転する際に運転技量が伴っていなければ乗りこなせませんので、「速い車に乗っている」ということが運転技量のシグナルに見えてしまいますが、それはあくまでも各人が自分の運転技量に基づいて合理的に車を選んでいる場合にのみ言えることであって、速い車に乗れば運転技量が向上するわけではありません。因果関係を履き違えてはいけません。乗りこなすのが難しい車に乗っているからといって乗りこなせているとは限りません。

4)運転しやすい車に乗る

車にはいろいろあって、どう頑張ってもドライビングポジションの設定がうまくいかない車とか、アクセルペダルやブレーキペダルの挙動がリニアでない車とか、そもそもまっすぐ走らない車とかがあって、特に安い車に多いのですが、そういう車を乗りこなすのは結構難しいです。運転初心者はまず運転しやすい車に乗った方がよいでしょう。マツダ車の場合、ディーゼルエンジン車よりもガソリンエンジン車の方が素直で運転しやすい印象を受けます。

以上、運転技量によらずにi-DMの点数を上げる方法でした。練習しても一向に点数の上がらない人は、もしかしたら運転技量以前の問題を抱えているのかもしれません。楽器だって組み立て方や持ち方や奏法が間違っていたらどんなに練習してもうまくなりません。

Mazda 3のレーダー探知機の設置場所

速度違反するつもりがなくてもヒューマンエラーに対するバックアップとしてレーダー探知機(といってもレーダーを探知する機能には今やほとんど意味がなくて、むしろ単にGPS座標が登録されたオービス手前で警報を発する装置といった方が実態に近いですが)をつけるようにしているのですが、Mazda 3につけるのは意外と難しいです。

デミオディーゼルに乗っていたときにはちょうどマツダコネクトのディスプレイのすぐ右が空いていましたので、そこに台座を固定して使っていましたが、Mazda 3の場合はディスプレイが横長ですのでディスプレイの右側にちょうどよい場所がありません。視界の妨げにならない一等地にディスプレイが鎮座しています。国土交通省の前方視界基準および直前側方視界基準に適合するためには、運転席から見て概ねダッシュボードの前縁からはみ出さないに設置しなければなりません。ダッシュボードやボンネットしか見えない場所なら視界の妨げになりません。ミニバンやSUVや軽自動車のように着座位置が高くダッシュボードの高さが低く視界の広い車であればさほど問題にならないのですが、Mazda 3は天井が低いうえに着座位置が低く、フロントガラスの天地寸法も小さいことから、視界を確保できないと法令違反もさることながら自分が危険にさらされますので、限られた前方視界を妨げないよう注意が必要です。

Aピラーによる死角とルームミラーによる死角は視界確保の例外ですので、その陰になっている場所に設置するのが確実なのですが、ルームミラーの手前に設置するわけにはいきませんし、ドライブレコーダーと違ってレーダー探知機の画面を見ることもありますので、ルームミラーの左前方に設置するわけにもいきません。助手席側のAピラーの陰に置けば視界は万全ですが、画面を見るときの視線移動が大きすぎて危険です。

となると消去法で運転席側Aピラーの陰になります。ここはちょうど窪んでいてレーダー探知機をつけても視界の妨げになりません。幸い、スピーカーを遮ることもありません。しかし、ダッシュボードの位置が低すぎて台座が届きません。台座がなくてもすっぽりはまる場所はあるにはあるのですが、安定しないため落ちやすいです。調べてみたところ、台座にスペーサーを噛ましている事例があり、これは便利そうだと思って台座を嵩上げしてみたところ、やっと安定して設置できるようになりました。ちなみに運転席側Aピラーの陰はカローラやインプレッサでは三角窓のある場所ですので、ここに物を置くと視界の妨げになり、せっかく設置された三角窓が意味をなさなくなります。

2021年1月30日土曜日

Android AutoでSpotifyを使ってみました

Spotifyの無料アカウントでは従来PCやタブレットで再生する場合に月15時間までという規制があったのですが、つい最近になってその規制が撤廃されましたので、ここしばらく利用しています。月末でスマホのデータ通信容量も余っていましたので、試しに車の中でSpotifyを聴いてみようと思って、久しぶりにAndroid Autoを使ってみました。

Spotifyはモバイルデータ通信のもとでは最低で24kbps、最高でも96kbpsしかありませんので、FMラジオ以下の音質です。これならわざわざ車の中で聴くまでもなく、今まで通りにUSBメモリを挿して音楽を聴きたいものです。こちらは256kbpsです。

実はSpotifyよりもむしろYouTubeで音声だけを聴きたかったのですが、Android Autoで利用可能な音楽サービスにはSpotifyやYouTube MusicやAmazon MusicやTuneIn Radioは含まれますが、YouTubeそのものは含まれておりません。

Android Autoではナビ画面はGoogle Mapですが、相変わらず色が見にくいです。設定で変えられるのかと思って設定メニューを探しましたが、画面表示に関する設定項目は見当たりませんでした。Google Mapで航空写真を重ねて表示させることもできるようですが、これをやるとデータ転送量が大変なことになりそうです。マツダコネクトの地図データの無料更新が終了するまでにAndroid AutoのGoogle Mapがまともになってほしいのですが、もうしばらくかかりそうです。

よく考えてみれば、Google Mapを使わずにスマホの音声を再生するだけならBluetooth接続でも十分で、敢えてAndroid Autoを使うまでもないのかもしれません。ただしBluetooth接続だとマツダコネクトからの操作が一切できず、スマホからしか操作できませんので、運転中は一切操作できません。

2021年1月29日金曜日

ドライビングポジションとペダル操作

前後寸法が小さく天地寸法に余裕のあるBセグメント車ではどちらかというとアップライト気味に座りますが、Cセグメント車、とりわけMazda 3は天井が低いため、背もたれをあまり倒さずに着座位置を低くしようとすると、シートを後ろに下げて足を伸ばし気味に座らざるを得ません。

試しにしばらくその姿勢で運転してみたところ、i-DMで3点台を連発してしまい、すっかり運転が下手になってしまいました。丁寧にブレーキを踏んでいるつもりなのに白点灯しました。足を伸ばし気味に座ると、アクセルペダルやブレーキペダルを踏む際に、つま先を伸ばすような感じで足を下ろすことになってしまい、足の筋肉の使い方としてはあまり効率的ではありません。もしかしてつま先を伸ばすようにペダルを踏む動作が良くないのではないかと思って元のドライビングポジションに戻してみたところ、i-DMの点数も元に戻りました。

足を無理なくコントロールしようとしたら、踵が直角になるくらいがちょうどよいのではないでしょうか。ペダルの位置が決まっていますので、アクセルペダルの位置に踵を置き、ペダルに足を乗せた状態で踵が直角になるようにシートの前後方向を調整し、膝裏に隙間ができるなら圧迫感を感じない程度に膝側の座面を上げるのがよいのかもしれません。