2015年4月26日日曜日

久しぶりにレンタカーでアクセラ1.5Lに乗りました

このたびレンタカーでアクセラ1.5Lに1日乗る機会がありましたのでご報告いたします。アクセラ1.5Lは前にレンタカーで乗ったことがありますが、今回はデミオディーゼルに乗ってしばらく経過していますので、デミオディーゼルと比較ができます。デミオディーゼルとアクセラ1.5Lはほぼ同じ予算ですので、車選びの参考になれば幸いです。

タイムズカーレンタルの料金は1.5Lクラスのガソリン車が比較的割安で、12時間借りる場合、デミオ1.3Lよりも500円弱高い程度です。燃費を加味すると差額はもっと大きくなるのですが、デミオで20Lで済むところをアクセラで25L給油するとして、ガソリン代の差額は650円程度です。その程度の差額でしたらアクセラ1.5Lの方が運転して楽しいので、迷わずアクセラにしました。レンタカーですと車種は絞り込めてもモデルまでは指定できませんので、先代のアクセラが来る可能性もありましたが、来たのは新型でした。レンタカーの店舗を見てみるとアクセラは新旧半々くらい、デミオは大半が先代で一部新型が入ってきている程度です。

【走行した道路】
今回走ったのは主に海辺のワインディングで、比較的平坦でした。狭くで走りにくい道から広くて走りやすい道まで万遍なくありました。往復で少しだけ高速道路にも乗りました。

【個体】
今回アクセラは2014年5月納車で1年弱しか経過していないにも関わらず走行距離が25000kmであり、レンタカーは走行距離が伸びやすい傾向があります。サスペンションがだいぶなじんできた頃です。タイヤはダンロップのSP Sport230です。レンタカー仕様の一番安いやつですのでヘッドアップディスプレイは無く、中央に速度計、左側にデジタルタコメーターがついています。ちなみにi-DMのステージを見てみたらStage 2でした。25000kmも走ってまだステージ2ということは、平均的なドライバーの運転技量はそれくらいということなのでしょう。色は白でした。アクセラのセダンで白だと教習車みたいですが、塗装をよく見てみたら高い方の白でした。

【マツダコネクト】
マツダコネクトはレンタカーにはとっつきにくいような気がするのですが、かといってレンタカーにカーナビをつけないわけにはいかず、そうなるとマツダコネクトのカーナビしか無いため、レンタカーであってもマツダコネクトがついています。

普段デミオで使っているのと同じものですので、いつも通りに使えました。普段使っているiPodを挿すだけで普段通りに音楽を再生できるのはとても便利です。バージョンを確認したところ、33.0.700でしたのでデミオと同じバージョンです。これももうじきアテンザやCX-5と同じものに交換される予定ですので、今回のバージョンもそろそろ見納めです。

【シフトレバー】
小物入れがアームレストの下にありますので、その分コマンダーノブもシフトレバーもデミオよりも前の方にあります。シフトレバーはデミオよりも長めですので、パーキングブレーキを引いてからおもむろに斜め前方を見て操作することになります。しかし、Dレンジのときには丁度手を伸ばした所にシフトノブがありますので、マニュアルモードでの操作をしやすいです。

デミオよりもスペースに余裕があるのか、パーキングブレーキのレバーと引きしろもデミオよりも大きめで、こちらの方が操作しやすく感じます。

【シート】
秀逸です。長時間乗っても疲れません。座面の奥行きは大きめで、たしかにこのシートをこのままデミオに積むと小柄な人がアクセルやブレーキを踏みにくいでしょう。

【市街地の道路】
低回転域でのトルクが比較的太いのか、青信号発進でも特にストレスなく加速します。たまにガソリンエンジン車に乗ると、低速域での滑らかさと俊敏さを実感します。街乗りメインでしたらわざわざ高価なディーゼルエンジン車に乗る理由を見出だせません。燃費と走りやすさを両立させるならハイブリッド車が最も有利でしょうが、しかし、経済性まで考慮すると結局安いガソリンエンジン車が一番という数字になります。

最終減速比の数字を見てみると、トルク容量220Nmの小容量変速機を搭載するアクセラ1.5Lは4.605と、出力と重量から想像される通り、ローギアードな設定です。同じ変速比のデミオ1.3Lは最終減速比が4.060であり、車輪外径の違いを考慮してもアクセラ1.5Lの方がローギアードであり、アクセラ1.5Lとデミオ1.3Lとで青信号発進時の出足の違いが見て取れます。トルク容量270Nmの中容量変速機を搭載するアクセラ2Lやアテンザガソリンエンジン車の最終減速比は4.325と意外とローギアードですが、これも車重の大きさに対処するためものでしょうか。さらに重くて車輪外径の大きいCX-5のガソリンエンジン車だともっとローギアードで、最終減速比は4.624です。

せっかくですので、ディーゼルエンジン車の最終減速比も見てみましょう。デミオディーゼルATやCX-3の変速機は2Lクラスのガソリンエンジン車と同じく中容量のものであり、デミオディーゼルの最終減速比は3.389です。CX-3の最終減速比は3.591と車重の大きさと車輪外径の大きさに対処したものになっています。トルクも太くなっていますので、街乗りではデミオよりも扱いやすそうですが、高速道路ではデミオの方が余裕があります。

トルク容量460Nmの大容量変速機を搭載するアクセラディーゼルとアテンザディーゼルの最終減速比は3.804、CX-5のディーゼルの最終減速比は4.090であり、デミオディーゼルのハイギアードぶりが見て取れます。ハイギアードなため、せっかくトルクが太くても回転数を稼げず、俊敏さは無く青信号発進時に軽自動車に負けます。

一方、CX-5の爆発的な加速はトルクの太さもさることながら、ガソリンエンジン車並にローギアードであることによっても説明がつきます。アクセラディーゼルはアテンザディーゼルとほぼ同じ車重で、エンジンも変速比も最終減速比も同じですので、アクセラだからといってアテンザよりも著しく速いわけではありません。同じ予算でアテンザのガソリンエンジン車を買った方が速いのではないでしょうか。

【ワインディング】
とても気持ちよく走れます。ノーズが軽くてリアサスペンションが重いため、前後の重量バランスが良いのでしょう。デミオ1.3Lでも曲がりやすいのですが、曲がって気持ち良いのはアクセラの方です。味付けの違いもあるでしょうが、足回りについてはアクセラの方がよくできているのを感じます。急曲線の前後での加減速も滑らかで、速さの決定要因はパワーだけではないことを実感します。

ちなみに曲がる感触は、アクセラの場合、足がぬるぬる動いてぐわっと食いつくように曲がります。デミオのガソリン車はフロントもリアも軽いため、曲がる感触があまりなくて車が勝手にすいすいと曲がる感じ。デミオのディーゼルは重いフロントをタイヤのグリップ力で支えながらレールにはまったようにねっとりと曲がる感じです。

車検証記載の前輪と後輪の重量の数字を見てみると、アクセラ1.5Lは前輪760kg、後輪500kgで前輪の荷重が60%と、FF車の理想的な重量配分です。デミオ13Cは前輪640kg、後輪370kgで前輪の荷重が63%、デミオディーゼルは前輪760kg、後輪370kgで前輪に67%の荷重がかかっています。前輪の荷重はアクセラ1.5Lと同じ、後輪の荷重はデミオガソリン車と同じで、たしかにデミオディーゼルはアクセラ1.5Lの前半分にデミオ1.3Lの後ろ半分をくっつけたような数字です。前が重いというよりも後輪の荷重が足りないように見受けられます。まだ乗ったことがありませんが、後輪の荷重の大きい4WD車だともっとバランスが良いようです。ちなみにアクセラ2Lで前輪62%、アクセラディーゼルで前輪65%です。

しかし、アクセラ1.5Lはセンターラインのある道路では速く走れる一方で、1車線や1.5車線でブラインドコーナーが連続するような道では、対向車や待避場所を気にしながら慎重に走る必要がありますので、曲がる性能よりも小回りの良さや見通しの良さの方が効いてきます。このような道でしたらデミオの方が走りやすいですし、対向車をやり過ごすとき以外は頻繁に加減速する必要もありませんのでデミオディーゼルでもそこそこ走れます。

また、アクセラのAピラーはデミオのAピラーよりも前に出ていますので、右カーブでAピラーが邪魔になり見通しが悪いです。Aピラーが見通しの邪魔にならないようシートポジションを調整した方がよいでしょう。

【狭い道】
横幅が1795mmあり、全長もCセグメントにしては長めの割には狭い道もさほど苦になりません。運転しやすく狙い通りの位置に走らせることができるためでしょう。前述の通り、対向車や待避場所を気にしながら走るとなるとデミオの方が走りやすいのですが、単に狭い道を通過するだけでしたらアクセラも遜色ありません。

【上り坂】
短い上り坂でしたら事前に加速しておけば惰性で登り切れますので不自由しないのですが、長い上り坂だとキックダウンが必要になります。わかりきったことですが、上り坂が苦にならないデミオディーゼルと比べると特徴がはっきりと出ます。

【高速道路】
ローギアな車ですので、時速100kmでも十分に速く感じられます。時速100kmでのエンジン回転数は2000回転弱でした。試しにマニュアルモードにして6速固定で走ってみたところ、追い越しをしようと加速してもトルクが細くて全然加速しません。定速で巡航できれば日本の高速道路の速度域なら全く問題ないのですが、最近は高速道路に遅い車が多いので、なるべく一定速度を維持しようと努めていても周囲の状況次第では加減速が必要になります。結局高速道路で加速するたびにキックダウンしてエンジン回転数が上がりましたので、ワインディングならまだしも高速道路で走ると疲れます。低排気量のエンジンを回してパワーを絞り出すような使い方はたまにやる分には楽しいですが、ずっと続くと疲れます。デミオディーゼルは高速道路の走行では全く不自由ありませんが、アクセラ1.5Lとて車格相応であり、BセグメントでありがならCセグメント車よりも高速道路を楽々走れるデミオディーゼルが破格なのでしょう。

なお、時速70kmくらいまで下がっても6速を維持しましたので、6速でカバーする速度域は結構広いです。デミオディーゼルだと時速80kmまで下がると5速に切り替わり、時速65kmまで下がると4速に切り替わります。

しかし、なまじ高速道路で余裕のある車に乗るとスピードを出し過ぎるおそれがありますので、低排気量ガソリンエンジン車に乗る際には、車のパワーに合わせてのんびり走るのがよいのかもしれません。遅い車と同じペースで走る分にはすこぶる快適です。なぜ日本の高速道路には遅い車が多いのかといえば、燃費のためというよりも遅く走る方が楽からかもしれません。上り坂ではアクセルを踏まざるを得ませんが、高速道路ならゆっくり走るという選択肢もあります。

【パワーウェイトレシオ】
高速道路で非力さを実感しましたので、一つの目安としてパワーウェイトレシオの数字を引っ張ってきた所、アクセラ1.5Lは11.44kg/psで、デミオ1.3Lの11.20kg/psよりも非力です。ちなみにデミオディーゼルは10.76kg/psとやや良好です。エンジンは排気量相応とはいえアクセラ1.5Lと同じく1.5Lですし、ディーゼルエンジンを搭載して重いといってもそれでもアクセラ1.5Lよりひと回り軽量です。車体の大きさもさることながら、リアサスペンションがトーションビームですので、それでマルチリンクよりも100kgほど軽くなっています。アクセラ2Lだと8.45kg/psとなかなかの数字ですので、これなら高速道路でも不自由しないでしょう。

同様に車体重量を最大トルクで割ってみると、アクセラ1.5Lは8.82kg/Nmであり、しかもこれは3500回転での数字ですのでキックダウンして3000回転くらい回す必要があります。デミオ1.3Lの場合は8.51kg/Nmですので、アクセラ1.5Lは数字の上ではデミオ1.3Lよりも非力ということになります。デミオディーゼルは4.52kg/Nmであり、これは1500回転から出ます。アクセラディーゼルは3.45kg/Nmと車体が重い割には良好な数字です。CX-5のディーゼルは3.71kg/Nmです。ただし、2.2Lディーゼルエンジンは1.5Lエンジンよりもトルクバンドが狭いため、1000回転から1500回転程度ではデミオディーゼルも遜色ありません。アクセラ2Lで6.68kg/Nmですが、これは4000回転での数字です。パワーに余裕はあってもトルクが太いわけではありませんので、適宜キックダウンが必要になります。やはり高速巡航についてはディーゼルエンジンの方が有利です。

【燃費】
約450km走って約25Lの給油でしたので、18km/Lです。車内の燃費計に表示された平均燃費は16.5km/Lで、こちらの方が実態に即しているかもしれません。いずれにせよ、JC08モード燃費が19.6km/Lですので、狭い道を比較的低速で走り、急曲線の都度減速していた割にはまずまずの燃費ではないでしょうか。しかしガソリンは軽油よりも高いので、燃料代はデミオディーゼルの1.5倍くらいかかります。

【結論】
デミオディーゼルと乗り比べてみると、アクセラ1.5Lが強いのは市街地とワインディング、デミオディーゼルが強いのは長距離巡航と上り坂と、それぞれの長所短所がはっきりと出ます。坂道が少なく、さほど高速道路を使わなければアクセラの方が圧倒的に楽しめますし、スペースにもゆとりがあります。一方、高速道路を使う機会が多ければデミオディーゼルの方が楽です。用途が明確であれば迷うことはないでしょう。

長距離巡航が楽というデミオディーゼルの方がニッチな仕様で、普通に使うならアクセラ1.5Lの方が使い勝手が良さそうですが、こんなに安くて良い車なのにあまり売れていないのは勿体無いです。新車販売台数の数字を見てみると、アクセラシリーズ全体の売上はデミオ全体の売上の半分くらいです。

2015年4月20日月曜日

デミオディーゼルの後輪の横滑り

フロントヘビーなデミオディーゼル(特にAT車)は前輪への荷重に比べて後輪への荷重が小さいです。限界付近の挙動を試すような激しい運転はしませんし、ワインディングで速く走れるほどの運転技量があるわけではありませんので、普段は後輪が滑ることは無いのですが、それでも今まで特定の状況で後輪が滑ることが見受けられました。

幹線国道の山越え区間や山の中の国道の改良区間のように大型車が通行可能な道幅で上り勾配と緩い曲線が連続する場合、太いトルクのおかげで比較的高速に登坂できますが、曲線通過中に路面に橋梁の継ぎ目等の凹凸があると後輪が突き上げられて一瞬接地を失います。接地が回復するまでの僅かな間に遠心力で車体後方が曲線の外側に振られるのを感じます。特に橋梁の継ぎ目の鉄板は摩擦係数が小さいため、後輪への荷重が少し下がるだけでも影響が出ます。あくまでも感覚的なものであり、実際に計測したわけではありませんので、実際にどの程度滑っているのかはわかりません。

同じ状況でも前輪は全く滑りません。フロントヘビーではあるものの、前輪のグリップ力が大きいため、限界付近にならない限りアンダーステアにはなりません。

前輪側の軽いデミオのガソリンエンジン車ではそのようなことがありませんし、後輪のバネ下重量の大きいアクセラでもそのようなことがありませんので、もしかしたら重量バランスやサスペンションの特性によるものなのかもしれません。前輪側が重いために、運動エネルギーが位置エネルギーに変換されるのが車体後方に集中しているのでしょうか。

マツダのFacebookの記事で、デミオのサスペンションに関する記述がありました。サスペンションの取り付け位置を高くすることで、路面の凹凸からの衝撃を後方に逃がしているとのことです。たしかに乗り心地は良くなりますし、直進している際には問題ないのかと思いますが、緩い曲線を比較的高い速度で通過する際に後輪が突起を越えると、後輪の接地が弱くなることで横滑りしやすくなるのかもしれません。


2015年4月18日土曜日

デミオのスマホ置き場

デミオのスマホ置き場はシフトレバーの前方にありますが、USBケーブルを接続するとケーブルが邪魔になって収まりが悪く、シフトレバーの操作の邪魔になります。アクセラのようにアームレストの中にUSB端子やシガーソケットがあれば、こまごましたものをすべてアームレストの中に押し込むことができますのですっきりするのですが、アクセラよりも車幅が狭いにも関わらずアクセラと同じ大きさの座席を設置しているデミオではスペースのしわ寄せが中央部に来ていて、アームレストを設置するスペースがありません。

次善の策として、前方のシガーソケットからUSB充電器をドリンクホルダーの後ろの小物入れまで引っ張ってきて、そこにスマホを置いてUSB充電器に挿すようにしています。運転中には見えない場所ですので邪魔になりません。後席から見ればうっとうしいかもしれませんが、デミオで後席に人を乗せることなど滅多にありません。

クラクションを鳴らしてみました

普段、相手に危険を知らせる機会がなかなかなくて、自分が我慢すればどうにかなるような状況ばかりですので、クラクションを鳴らす機会がなかなか無いのですが、山の中でクラクション鳴らせの標識がありましたので、道交法に即して鳴らしました。「ぷー」というか「ぽえー」というか、間抜けな電子音でした。こんなしょぼい音でしたら鳴らす気になれませんので、余計に鳴らすことがなくてよいかもしれません。

大型車のようにエアブレーキを装備していれば圧縮空気でホーンを鳴らすのが効率的なのでしょうが、乗用車には圧縮空気がありませんし、特にスペースに制約のあるコンパクトカーの場合は小型軽量化が優先されますので、クラクションのためにスペースや重量を割くわけにはいかないのでしょう。そもそもむやみに鳴らすものではありませんし。

「マツダコネクト及びナビゲーションの商品性向上」に関するお知らせが届きました

かねてから噂のあったマツダコネクトの無償交換の手紙がマツダからディーラー経由で届きました。手紙の内容自体は既に届いている人のと同一です。4月20日にはマツダのオーナーサポートのページにも同じ文面が掲載されました。

変更は5月下旬からとありますが、順次ディーラーから案内があるとのことで、自分がどのタイミングに該当するのかはこの手紙からはわかりません。SDカードの交換はすぐにできるとしても、マツダコネクトのシステムがまだ世の中では珍しいものであり、ディーラーもまださほど慣れていないでしょうから、ソフトウェアの書き換えには時間がかかりそうです。まとまった時間を確保する必要があるなら、入庫のスケジュールが早めにわかる方が助かります。

アクセラとデミオのマツダコネクトのソフトウェアとナビゲーションシステムがマイナーチェンジ後のアテンザやCX-5のものと同じものになるとのことです。ソフトウェアは一旦作ってしまえばハードウェアに比べて複製のコストは低く、動作確認やソフトウェアの書き換えの工賃が発生する一方で、日本国内販売車のソフトウェアを統一することでディーラーが車種ごとに異なるソフトウェアに対応する手間が省けますし、古いバージョンのSDカードの在庫を管理する必要も無くなりますので、顧客満足も含めて、より良い方に統一した方が得策との判断があったのでしょう。だったら全世界で新しい方に統一すればよいのではないかという気がしないでもないですが、そこは費用と便益との兼ね合いなのかもしれません。日本国外ではMazda 2の販売はこれからですので、既に販売してしまった分のMazda 3のソフトウェア書き換えの工賃次第でしょう。

とかく評判の悪いNNG製のナビシステムですが、実際の自分で使う際には実は特に不安がなかったりします。NNG製のカーナビは国産ナビに比べて情報量が少ないのですが、あまりたくさんの情報を表示されてもドライバーの処理能力が追いつきませんので、必要な情報を必要なタイミングで端的に示してくれる方がありがたいです。

カーナビについては、ハードウェアや中で走っているシステムは変わりませんので、どの程度改善できるかわかりませんが、地図データの圧縮率下げることでシステムの負荷を減らして処理能力を捻出することはできるかもしれません。いまどきSDカードは大容量のものでも安いので、無理して4GBに押し込む必要などありません。

カーナビで改善してほしい点があるとしたら、レーン情報でしょうか。道路の中には左車線が突然左折専用レーンになったり、反対に右車線が突然右折専用レーンになったりする所がままありますので、それを事前に知らせてくれる機能があると知らない道でも走りやすくなります。また、首都高速のように分岐の多い路線では「右車線に移る」とか「左車線に移る」みたいな音声案内があると安心して走れます(今でも一応ディスプレイには表示されます)。

「商品性の向上」はナビシステムの正確さと使い勝手の向上に加えて、「USB/ブルートゥース接続等のエンターテイメントやコミュニケーション機能の動作安定性を向上」とあります。カーナビよりもむしろUSBメモリで音楽再生するときの使い勝手の向上に期待しています。シャッフル再生をまともにできるようにするとか、前回再生時の情報を保持するといったことは最低限できてくれないと困ります。iPodを挿して音楽再生する際には特に問題ありませんので、USBメモリを挿すときでもiPodを挿すときと同じ使い勝手が実現してほしいものです。あとは、選択する音源の優先順位を自由に設定できてその設定を保存できれば申し分ありません(例えばUSB1が最優先で、次がFMとか)。

そういえば、世の中ではCarPlay対応の自動車やAndroid Auto対応の自動車が徐々に世の中に出回りつつありますが、マツダコネクトは今後そのようなものに対応できるのでしょうか。下手にカーナビをいじるくらいだったらむしろスマホのGoogle Map等に任せてしまった方が簡単に高性能のカーナビを搭載できそうな気がします。今回のバージョンでは採用されていないようですが、マツダはCarPlayやAndroid Autoにも参加していますので、いずれ実装されてほしいものです。

他に欲しい機能があるとすれば、燃費モニターやi-DMの履歴を過去にさかのぼって検索して表示できる機能は欲しいです。さらに、それをUSBメモリにエクスポートする機能があれば管理しやすくて便利です。クラウドと同期できればさらに便利なのですが、そのためには車に通信機能が必要ですので、すぐには実現しそうにありません。i-DMの得点とカーナビの位置データとをリンクさせてクラウドに送信すると、どういう場所で運転が荒くなりやすいのかをビッグデータから分析でき、さらにそれをATの制御に反映させることができそうですが、技術もさることながらプライバシーとの兼ね合いもあり、これはなかなかむずかしそうです。信号や制限速度の情報を車内に取り込めると鉄道のATCみたいに保安度が上がりますし、赤信号の手前で加速するような無駄を無くすことができますが、これについては情報を送信する側のインフラが必要です。