2023年2月27日月曜日

カローラスポーツの2Lガソリンエンジン車

2022年10月にカローラスポーツを含むカローラシリーズがマイナーチェンジして、カローラスポーツのガソリンエンジンが1.2Lターボエンジンから2L自然吸気エンジンになり、Mazda 3の2Lエンジン車に近くなりました。セダンとツーリングはヤリス用の1.5Lガソリンエンジンを積んでいて、こちらはMazda 3の1.5Lエンジンに近いです。

2Lエンジン車はカローラスポーツもMazda 3も自重1380kg。Mazda 3はマイルドハイブリッド付ですが、カローラスポーツにはマイルドハイブリッドがついていません。さらにカローラのエンジンの方が一回りパワーが大きいです。それにも関わらずWLTC平均燃費はMazda 3が16.4km/Lに対してカローラスポーツは17.4km/L。市街地、郊外、高速道路ともにカローラスポーツの数字の方がMazda 3の数字よりも少し良いです。しかもMazda 3の2Lエンジン車の実燃費はカタログ燃費よりも更に劣ります。たしかにSkyactiv-Gよりもダイナミックフォースエンジンの方が後発ですし、6ATよりもCVTの方が高速道路での燃費は有利です。Mazda 3はマイルドハイブリッドがついて変速時のトルクの抜けが補われているものの、エンジンの世代の差は否めません。

ついでに1.5Lクラスの数字を比較してみると、Mazda 3の1340kgに対してカローラは1280kgと少し軽いです。こちらもMazda 3の111psに対してカローラは120psと、1.5Lの割にはなかなか健闘しています。WLTC平均燃費はMazda 3の16.6km/Lに対してカローラは上位グレードでも18.1km/L、売れ筋の真ん中のグレードで19.4km/L。どういうわけか市街地モードの燃費はMazda 3の数字の方が良いですが、郊外と高速道路の数字は結構差がついています。とはいえMazda 3の1.5Lエンジン車は条件次第ではWLTC燃費よりも実燃費の方が良かったりしますので、数字だけを見てMazda 3の方が燃費が劣るとも言い切れません。

2023年2月26日日曜日

レンタカーでMazda 3の1.5Lエンジン車に乗りました

タイムズカーレンタルでC2クラス指定で予約したら初めてMazda 3に当たりました。レンタカーですので1.5Lですが、ディーラーで試乗したきり乗ったことのない1.5Lにまとまった時間乗れたのは幸運でした。

個体は4万km近く走行したもので、サスペンションの当たりが取れています。タイヤはグッドイヤーのICE NAVIというスタッドレスタイヤ。レンタカーなのに360°ビューモニターがついていました。アダプティブクルーズコントロールやマツダコネクトは標準装備です。内装はレンタカー向けに若干簡略化されているものの、それでも1.5Lクラスのレンタカーとしては破格の装備と内装です。タイムズカーレンタルのC2クラスは比較的安いので、長距離乗るのでしたら車種指定してでも乗る価値があります。

【パワートレイン】

1340kgの車に116psの1.5L自然吸気エンジンですので、どう見てもアンダーパワーのはずなのですが、1人乗車で日本の公道を走ると意外と走れてしまうのが不思議です。エンジン回転数が高いため、最大トルクに近いトルクが出るためか、実際の加速が鈍くてもさほどストレスを感じません。低速域の加速重視でローギアードですが、その代わり時速60kmくらいで6速1250回転くらいですので、巡航中は意外と静かです。高速道路ではクルーズコントロールをつけて走行車線を走る分には不自由なし。時速100kmで2200回転くらいですので、ローギアードだからといって取り立て回転数が多いわけではありません。追い越し加速はだめかと思いきや、前広に加速すれば意外とどうにかなります。

とはいっても、もともとパワーのない車ですのでじんわりとアクセルを踏めばさほど加速しません。アクセルを踏み込めば加速しますが、一気に踏み込むとi-DMが白点灯しますので、パワーなりの加速を心がける必要があります。

【シャシー】

16インチホイールですし走行距離もありますので乗り心地が良いことを期待しましたが、思いの外ばたつく感じ。普段2Lエンジン車(18インチホイール)に乗っているときの、ぬるーんとした乗り心地ではありません。冬タイヤを履いていますのでタイヤとの相性でしょうか。16インチだからといって乗り心地が良いわけではないということは、裏返せば18インチなのに乗り心地が悪くならないとも言えます。

シートとドライビングポジションが良いだけでなく、シャシー性能が良いため、長距離を走っても疲れません。1日に500km走っても平気です(これは2Lエンジン車も同様)。パワーがなくて遅いだけの車なら他にいくらでもありますが、それに加えて長距離運転しても疲れないという要件を入れると、該当する車種が限られます。

【燃費】

普通に走って18km/L。信号のほとんどない国道を走り続けて22km/L超え。山越えや市街地が高速道路を含めても20km/Lを超えるのは驚異的です。WLTCモード燃費よりも良い数字です。1340kgの車を自然吸気ガソリンエンジンで動かしているのに、下手なBセグメントのガソリンエンジン車よりも燃費が良いです。長距離巡航ならCセグメントのハイブリッド車やディーゼルエンジン車に匹敵します(ハイブリッド車は特に高速道路が苦手ですので)。不思議なのはBMアクセラよりも60kg重くなっているのにむしろ燃費が良くなっているように見えること。リアサスペンションがトーションビームになってバネ下重量が軽くなっているのが効いているのでしょうか。

1.5Lエンジンでここまでできるのに、どうして2Lエンジンの燃費が悪いのか謎です。重量差は20kgしかありませんし、1.5L同様リアサスペンションがトーションビームでBMアクセラよりもバネ下重量が軽いにも関わらず、どうしてこんなに実燃費に差があるのでしょう(WLTCモード燃費の差はさほどありません)。

【BMアクセラとの比較】

ボディーの剛性、静粛性、質感ともに向上していて、それでいて1.5Lエンジンとの相性も良くて、申し分ないです。BMアクセラの方がやや軽快な印象なのに対し、Mazda 3は1.5Lでも落ち着いた感じ。

2023年2月19日日曜日

珍しく荷物をたっぷり積みました

珍しく荷物を50kgほど積みました。デミオディーゼルでは後輪に荷重がかかっているときの方が明らかに乗り心地が良かったですが、Mazda 3でも後輪に荷重がかかると乗り心地が良くなります。もちろん運転していると動きが重くなり、後ろが重くなり、加速時に後ろに引っ張られる力を感じますし、おそらく加速も鈍くなっているのでしょうが、2Lエンジンのゆったりとした乗り方とマッチしているように感じます。どのみち日本の公道の速度域では動力性能はさほど必要ありませんので、少し性能を落としても全体のバランスを追求する方が気持ちよく運転できるのではないかと感じました。

Mazda 3のファストバックはもともと多人数乗車を想定していないのですから、後ろが軽い状態で全体のバランスが取れるようにしてほしいところなのですが、それは難しいのでしょうか。

2023年2月8日水曜日

マツダ車はブレーキが甘い?

マツダ車はブレーキが甘いと思っている人がそこそこいるようです。たしかにMazda 3に初めて試乗したときには、それまでのデミオディーゼルの感覚でブレーキペダルを踏んだら思いの外効きませんでした。デミオディーゼルはブレーキの効きがかなり良かったので強く踏むと急ブレーキになってしまうためです。しかし、踏力でコントロールするブレーキであることを理解してそのように操作すればちゃんとブレーキが効きます。

ブレーキに関する誤解にはいくつか理由が思い当たります。

1.日本車の大半はブレーキペダルのストロークでコントロールするタイプであるため、ストロークが飽和した状態で最大のブレーキ力だと誤解しがち。踏力でコントロールするブレーキが効くのはそこからです。

2.昔のトヨタ車のように安物の車はブレーキペダルの踏み始めでブレーキが強くかかり、それ以上踏んでもブレーキが効きませんでした。その感覚でおっかなびっくり踏んだら拍子抜けすることでしょう。踏力でコントロールするブレーキが効くのはそこからなのですが、それ以上踏んでも効かないと学習してしまった人はさらにブレーキを踏むという発想がないのかもしれません。これは車の問題です。

3.そのそもストロークとか踏力とかいった高尚な話以前に、日本のドライバーにはアクセルペダルやブレーキペダルをスイッチのOn/Offのような感覚で操作する人が少なからずいそうに見えます。CVT車はむしろそのようにアクセルペダルを踏んだ方が意図した通りに加速しますし、ブレーキランプがついたり消えたりしてブレーキを踏む時間によって速度をコントロールしていて一段停止できない車もよく見かけます。これはドライバーの問題です。

4.踏力でコントロールするブレーキにおいては踏力がかからないとブレーキが効きませんが、踏力をかけるには筋力や体重も必要ですし、正しいドライビングポジションでなければ踏力をかけられません。西洋人の体格や筋力に合わせてブレーキを設計すると小柄な日本人女性には踏力が不足するかもしれません。小柄な人が運転しても自分でかけられる踏力に応じて制動力をコントロールできなければ、本当の意味で踏力でコントロールするブレーキになりえません。これはマツダの車作りの問題ですが、これは各国の市場向けにブレーキ力を調整してほしいですし、事後でも乗る人に合わせて調整できるようにしてほしいものです。ブレーキ力の大半は実はブレーキ倍力装置(ガソリンエンジン車ではエンジンの負圧、ディーゼルエンジン車では真空ポンプ)によって提供されていますので、ブレーキ倍力装置の力の出方の調整が必要に見えます。

ということを踏まえたうえで、ディーラーの営業担当は試乗しにきてくれた貴重な顧客候補に対してブレーキの扱いについてきちんと説明したのでしょうか。マツダ車からマツダ車への乗り換えであっても初めて踏力コントロール型の車に乗るときには慣れが必要ですし、他社からの乗り換えを検討している貴重な顧客を逃すのはもったいないです。