2023年1月28日土曜日

Mazda 2商品改良

2023年1月27日にMazda 2の商品改良が発表されました。まず見た目の変化にびっくりしました。パワートレインやシャシー等は全く変わっていませんので、もはやガワをいじるくらいしかやることがないのかと思いました。樹脂パーツが多用されていることについては、次期モデルが電動化で高くなるので現行モデルを廉価版として残すためのコストダウンだろうかと思いました。廉価グレードでは電子装備が退化していますし。

しかし調べてみると、バイオエンジニアリングプラスチックを塗装不要なレベルで成形することによって部品自体のCO2発生量を削減するとともに、塗装を省略することでCO2やエネルギー消費を削減していることがわかりました。あいにく走行時のCO2発生量は同じですし、カタログには生産工程でのCO2発生量の数値が記載されていませんので商品改良前の数値と比較することができませんが(数値を公表しないのは製造する場所や時期によって数値が変動するためでしょうか)、環境負荷低減のために生産技術を含めて努力していることが見て取れました。

とはいえ、環境負荷を重視する欧州で果たしてガソリンエンジンやディーゼルエンジンのMazda 2の販売を継続できるのか疑問です。だからこそ中身をいじらずにガワだけいじっているのでしょうけど。バイオエンジニアリングプラスチック自体はMazda 3から採用されており、従来のデザインコンセプトと両立するものですが、日本向けに販売するなら、まずは見た目から入ってもらうということでカラーバリエーションを増やしたのでしょう。一見在庫管理が難しそうに見えますが、結局はありものの組み合わせでしかありませんので、それなら選択の幅が広い方がいろいろ遊べます。

マツダ車の良さは運転すればわかるのですが運転しなければわかりませんので、運転に興味のない人にも興味を持ってもらうことでマツダ車の間口を広げようとしているように見えます。Mazda 2は特に免許を取り立ての人が初めて乗る車としてはとてもよくできています。コストダウンは軽自動車とのマッチングでしょうか。N-BOXと同じ値段で見た目と走りが良ければもしかしたら興味を持ってくれる人がいるかもしれません。従来のブランドデザインとは異質ですが、そちらはマツダ車のメインストリームで踏襲されるでしょうし、メインストリームから外れたMazda 2ではいろいろ遊べるのでしょう。どうせ今までの上品路線では売れませんでしたので、失うものはありません。顔だけきれいにしても骨格はデミオ時代のままですので、それならDJデミオが本来持つ元気さを表現する方がよいかもしれません。

デザインコンセプトの変化で気になったのは、従来はプロのデザイナーが市販車のデザインをコントロールしていたのに対して、今回はユーザーに選択権を与えたことです。Mazda 2はデミオ時代から期間限定の特別仕様車をいろいろ出していて、万人受けしなくても一部の人に興味を持ってもらえそうなデザインをプロのデザイナーが提供していました。ユーザーが選択権を持つということは、プロからみて「これはありえない」と思うような組み合わせでも可能になってしまうことを意味します。一応、プロのおすすめがパッケージとして販売されていますので、迷うが嫌ならそういうものを買ってしまうという手もありますが、それだけでなく、マツダのデザイナーから「私が選ぶ組み合わせ」みたいなのを発信してみるのもよいかもしれません。

見た目で遊ぶのでしたらCX-3でやればもっと面白いのではないかと思いますが、そういえばCX-3はどうなってしまうのでしょう。

2023年1月22日日曜日

Skyactiv-Gはスモールプラットフォーム向けのシリーズハイブリット車のエンジンルームに入らない?

インタビュー記事で、MX-30 R-EVでロータリーエンジンが採用された理由に言及されていました。その中で、Skyactiv-Gの方がコストが安いが、エンジンルームに入らなかったとありました。そこだけ聞くとそういうものかという気になりますが、その一方で、ホンダと日産はレシプロエンジンでシリーズハイブリッド車を製造していますし、トヨタはレシプロエンジンでストロングハイブリッド車を製造しています。フィットもノートもヤリスもBセグメント車です。

強いて言えば、ノート用のエンジンは1.2L3気筒エンジンなのに対し、マツダが持っている中で最も小さいエンジンは1.3L4気筒エンジンです。しかし、ヤリスのエンジンは1.5L3気筒エンジンですし、フィットハイブリッドのエンジンは1.5L4気筒エンジンです。フィットハイブリッドはシリーズハイブリッドですが高速域ではエンジン直結ですので、普通のシリーズハイブリッドよりも仕組みが複雑で場所を取ります。それでも1.5L4気筒エンジンを積んでいます。

もっとも、フィットもノートもエンジンルームが厚ぼったくて、おそらくシリーズハイブリッドシステムを入れるためにそうせざるを得なかったのではないかと推測します。さらにホンダはセンタータンクレイアウトの特許を持っていますので、パッケージングでは有利です。マツダがそのような厚ぼったいパッケージングを良しとせず、マツダが納得するデザインではレシプロエンジンが入らないということでしょうか。しかしヤリスハイブリッドやアクアはそのような厚ぼったいエンジンルームではありません。

現行Mazda 2は魂動デザインでありながら補機類の多い1.5L4気筒ディーゼルエンジンを積めています。そのエンジンルームに1.3Lガソリンエンジンを積むとエンジンルームがスカスカです。本当にそこに発電機とモーターが入らないのでしょうか。そもそもシリーズハイブリッドにはATやCVTといった大きくて重い機器が不要ですし、モーターやインバータは年々小型化が進んでいます。単なるシリーズハイブリッドでしたら蓄電池搭載量は少なくて済み、後席下に収まることでしょう。その代わり燃料タンクをトランク下に設置する必要がありますが、燃費が良くなれば燃料タンク容量を小さくできます。

ロータリーエンジンは機器類の多いPHEV車に置いて省スペースのエンジンである利点がある反面、やはりエンジン単体の燃費はレシプロエンジンに及びません。Bセグメント向けに安価なシリーズハイブリッド車を作ろうとしたら、ロータリーエンジンはコストと燃費の両方で不利ですので、競争力のある製品にするのが難しいのではないでしょうか。

2023年1月21日土曜日

新型プリウスとRX-Vision

RX-Visionの写真を見た際に、何かに似ていると思いました。タイヤが大きくて窓が低くてAピラーが寝ていてノーズ先端の高さも低くて、なんだか新型プリウスがそんな感じだったようなと思ったものの、そもそもデザインの考え方が全然異なりますし、そもそもノーズの長さが全然違います。RX-VisionはFRですのでノーズが長いだけでなくフロントドアと前輪との間の間隔も長いです。しかしフロントドアと前輪との間の分を切り詰めると、なんとなくそれらしき形に見えてきます。

新型プリウスの全高は1430mm。今どきの市販車にしては低い方ですし、Mazda 3よりも低いですが、Mazda 3の全高は1440mmですので、低いといっても10mmしか違いません。それでも低く見えるのは窓の天地寸法を短くしているからです。窓の天地寸法を短くするとその分窓の下のボディが厚ぼったく見えるもので、実際4代目までのプリウスでは厚ぼったく見えました。そこでタイヤを大きく見せかけることでボディを薄く、全高を低く、窓の天地寸法も実際よりも短く見せているように思えます。ノーズの先端を低くしてAピラーと一体としているのも、Aピラー付け根の高さを高く感じさせないための技法でしょうか。

4代目プリウスがなぜかっこ悪く見えるのかといえば、居住性重視で客室部分がぷっくりと膨らんでいるためで、従来と同様のパッケージでこの膨らみ感を無くそうとしたら窓の高さを低く見せかけるしかありません。全体のバランスを取ろうとしたら結果的にスポーツカーのようなエクステリアデザインになってしまったのだろうかと思います。

2023年1月14日土曜日

Apple CarPlayを使っているとマツダコネクトの音声入力が使えない

iPhoneをUSBで接続してApple CarPlayを使用中に音声入力ボタンを押すと、CarPlayのSiriが立ち上がります。Appleの地図での目的地入力を音声で行う方法をまだ知りませんので、Siriに目的地を告げてもうまく認識してくれません。CarPlayは邪魔ですのでマツダコネクトナビの音声入力を使いたいところです。当座の対応策として、マツダコネクトナビで音声入力するときのみ、iPhoneを接続しているUSBケーブルを抜いています。これだとCarPlayが無効になりますので、通常通りマツダコネクトの音声入力ができます。

2023年1月13日金曜日

MX-30 R-EV発表

2023年1月13日のプレスリリースでMX-30 R-EVが発表されました。発表された内容から仕様を拾ってみると、まず蓄電池容量は17.8kWhとEVモデルの蓄電池容量の半分。この蓄電池容量で85km走行可能としています。エンジンはロータリーエンジンで発電専用。燃料タンク容量は50L。発表された数字はここまでです。

発表されていない数字は、50Lのガソリンとロータリーエンジンから発電される電力が何kWh分なのか、それによって走行可能な距離はどれだけかです。17.8kWhで85kmという数字が出ていますので、ひとまず蓄電池容量に換算すればそこから航続距離や燃費を算出できるはずなのですが、発電される電力量が公表されていませんので、ロータリーエンジンの燃費性能がよくわかりません。シリーズハイブリッドですので実燃費ベースで25km/L出れば御の字ですがデミオEVのロータリーレンジエクステンダーの燃費が20km/L、MX-30はデミオEVよりも二回りくらい重いので下は15km/L、上は20km/Lくらいでしょうか。15km/LというとMazda 3の2Lエンジン車の実燃費相当、20km/LというとMazda 2の1.5Lエンジン車の実燃費相当です。

もうひとつわからないのが車両の重量です。蓄電池容量が半分に減りましたし、ロータリーエンジンは小型軽量ですので、MX-30の2Lマイルドハイブリッド車とEVの中間くらいの重量でしょうか。エンジン重量がレシプロエンジンよりもある程度軽くなるのでしたらロータリーエンジンの存在意義が出るでしょうが、実際のところどの程度の重量なのでしょう。

ユーザーにとってはさほど重要ではありませんが、ロータリーエンジンの排気量がどの程度なのかには興味があります。ノートやセレナのe-Powerのレシプロエンジンが1.2L。ロータリーエンジンは同じ排気量で燃焼サイクルが2倍ですので、330mLx2ローターの660mLくらいでしょうか。それとも、比較的蓄電池容量の大きいPHEV車は常時発電機を回しつつ不足する電力を蓄電池からまかなう前提で1ローターの330mLにするのでしょうか。排気量が小さければ触媒の容量が少なくて済み、また、始動時に触媒を加温するための電力も少なくて済みそうです。

環境規制の厳しい欧州向けにはCX-60と同様にPHEV中心に販売せざるを得ないでしょうが、日本向けには蓄電池容量を切り詰めたより安価なシリーズハイブリッド車がほしいところです。しかしシリーズハイブリッド車は既にノートe-PowerやFIT等があり、燃費に不利なロータリーエンジンでどう競争するのか気がかりです。そもそも発電用エンジンとしてSkyactiv-G 1.3を用いるのに対してどのような優位性があるのでしょうか。ロータリーエンジンならMazda 2のエンジンルームにも収まるということでしたら意義がありそうですが。

車全体として合理的なパッケージであれば十分で、ロータリーエンジンはそのための手段の一つでしかありませんので、どう仕立て上げたのか楽しみです。

2023年1月7日土曜日

暖房をつけても寒い

車の暖房の熱源はエンジンの排熱ですので、エンジン始動直後にはエンジン排熱が得られず暖房が効きません。それを補うべくシートヒーターやステアリングヒーターがあって、とりあえず人間が直接触れる所が暖かければ暖かく感じます。しかしこれらの熱源は電力ですので、エンジンが温まってきたらエンジン排熱による暖房に切り替えます。

しかし、エンジンが暖まってきても車内がなんとなく冷えます。メーターパーネルの温度計は0℃前後を表示していて、たしかに寒いですが、暖房が効かないほど極端に寒いわけでもありません。水温計はいつも通り真ん中より少し下を指していますので、エンジンが暖まっていないわけではありせん。

一つ思い当たるのは外気循環にしていて常時冷たい外気が入っていることですが、外気を取り入れるにしても暖房をつけているときにはエンジン排熱で加熱された状態で入ってきていないだろうかとか、そもそも暖房をつけているときには寒くて当然なのだから外気を補ってあまりある暖房を効かせて然るべきではないかとか素朴な疑問があります。

エンジン排熱なんてタダなのですからもったいぶる理由がわかりません。たしかにいまどきのエンジンは昔のエンジンよりも熱効率が良いので同じように走られていても昔のエンジンほどには排熱が出ないのかもしれません。しかしSkyactiv-G 2.0の燃費を見る限り、そこまで排熱の出ないエンジンには見えません。しいていえば、ストップアンドゴーが多くて燃費の悪い街乗りの際にはあまり寒く感じず、信号のない国道を一定速度で走り続けているときのように比較的燃費の良い状態で寒く感じることがあります。

設定温度を思いっきり上げてみたところ、やっと温風が出ました。暖房の故障ではなく、どうやら車の温度センサーの場所が温かい所にあるようで、エアコンの設定温度によらず「寒いと感じたらダイヤルを回す、暑いと感じたらダイヤルを回す」という原始的なやり方が有効なようです。

2023年1月4日水曜日

マツダコネクトの動作が時おり非常に重くなることがある

第2世代マツダコネクトは初代に比べて大幅に改善されており、普段使う分には特に不自由ないのですが、今まで何度か動作が極端に重くなったことがあります。ボタンを押してから反応するまで数秒以上かかり、耐えられない重さになります。地図の拡大縮小や移動に極端に時間がかかりますので、使い物になりません。運転中にカーナビが反応しないのは非常に困ります。

今まで動作が重くなったのは共通して夕方4時前後でした。もしかしてこの時間帯に車が自動で何かダウンロードしてインストールしているのでしょうか。

一旦エンジンを停止してエンジンを再度始動すると直ります。であればどこか安全な場所に停車してエンジンを再始動させるのがよいのかもしれません。

一般道でCTSを使ってみました

一般道で遅い車の後について走る際には、自分にとって微妙に走りにくい速度を維持しつつ前の車との車間を調整しなければなりませんので、運転していて疲れます。それならばもっと楽をしようと思ってCTSを使ってみました。CTSは本来渋滞時や高速道路で使うべきもので、普通の一般道で使うことは推奨されていません。しかし、信号の少ない田舎の国道でかつカーブ手前で減速する必要のない状況では単に前車に追従するだけですので、それならばCTSも機能するのではないかと思った次第です。

いざ使ってみると、前車に追従するだけでしたらそこそこ便利です。赤信号での停止については、前車が緩慢に減速している限りは前車に追従して停止してくれます。しかし停止直前できれいに止まってくれませんので、人力でブレーキをかけたくなります。しかし一旦ブレーキをかけるとCTSがキャンセルされてしまい。出発時にレジュームする必要があります。

CTSはカーブ手前で減速して前輪に荷重を乗せるといったことをしませんので、そういう状況では人力で運転した方がましです。一応、カーブ手前でキャンセルしてカーブ出口でレジュームするといった形でカーブ手前で減速して出口で再加速することもできるのですが、曲がるたびにそんな面倒なことをするくらいなら自分で運転した方がましです。

CTSで最も耐え難いのは、一般道でのステアリングアシストが不自然で、曲がるときにハンドルを切るタイミングが遅すぎて大きすぎます。少し早めにステアリングを小さく切って徐々にコーナリングフォースを立ち上げる方が滑らかに曲がれるのですが、CTSにはそこまでできません。

そこでCTSではなく、ステアリングアシスト機能の無いクルーズコントロールに切り替えてみると、前車追従を機械任せにしつつ、ステアリング操作は自分でできますので、比較的楽です。前車追従が不要になったらキャンセルして、再び前車に追いついて追従が必要になったらレジュームすれば、人力と機械を使い分けることができます。