2016年12月21日水曜日

カーナビ使用中に再生中の曲名を表示させたい

iPodで曲をシャッフル再生させているときに、時折「この曲何だっけ」と思うことがあります。カーナビ使用中でも一番上の行に再生中の曲名が表示されていればすぐにわかるのですが、現在のマツダコネクトはそのような仕様になっていないため、都度コマンダーノブの左上のボタンを押して音楽再生画面に切り替える必要があります。

画面を2分割して、一方をカーナビに、もう一方を音楽再生画面にすることはできますが、これだとカーナビの画面が半分になってしまいますし、再生中の曲名を知るだけのために画面の半分を使う必要を感じません。もう少しバランスの良い表示のしかたはないものでしょうか。

スマホスタンドをつけてそこにiPodを据え付けるようにすれば再生中の曲名を知ることができるのですが、それだと脇見を誘発しそうですので、乗り気になれません。

2016年12月17日土曜日

アクセラ15XDに試乗しました

入庫のついでにアクセラ15XDに試乗しました。当分車を買い替える予定がありませんので試乗したからといって即購入につながるわけではないのですが、毎年着々と良くなっていくことが見て取れれば買い替えるときが楽しみですので、アクセラ15XDもほとぼりが冷めた頃ということもあってやっと試乗した次第です。

【総評】

  • 街乗りではまったく不自由を感じません。
  • サスペンションの出来はやはりデミオやCX-3よりも上だと思います。
  • 癖が強く粗削りなDJ前期型デミオに比べてパワートレインの挙動が穏やかになり、扱いやすくなりました。
  • 運転のしやすさ、乗り心地ともに進歩しています。
  • 15Sのような軽快さは全くなく、やはりディーゼルエンジン車です。


【静粛性】
スタートボタンを押してびっくりしたのはアイドリング時のエンジン音がほとんど聞こえなかったことです。街乗りでもわずかにカラカラ音が聞こえた程度でした。車体の静粛性自体は向上していないようですので、ナチュラルサウンドスムーザーとかナチュラルサウンド周波数コントロールといったエンジン側の対策のたまものでしょうか。いかんせんパワーに余裕の無い車ですので、耳障りなエンジンが聞こえてくることで余裕が無いという印象を与えることを避けたという印象です。

15Sの場合はエンジンを回すことでパワーを絞り出すという考え方で、3000回転以上でのエンジン音はドライバーに聞かせることを意図したかのような高音成分主体の音ですが、ディーゼルエンジンではパワーを絞り出すためにエンジン回転数を上げる必要がありませんので、高音成分を抑制しているのではないでしょうか。

走行速度が低かったため、ロードノイズや風切り音を評価するに至らず。

【エンジン】
アクセルを踏めば素直に加速します。デミオディーゼルより2割重くてデミオディーゼルよりも最終減速比が2割大きいので、出足は同じくらいのはずですが、アクセラの方が高めのエンジン回転数を常用して常にターボが効いていることや、DE精密過給制御のおかげもあって、街乗りの出足で不満を感じることはありませんでした

中間加速でアクセルを踏み込んでも踏んだ分だけ加速します。これもDE精密過給制御のおかげでしょうか。パワーが無くても意図した通りに加速する限りは気にならないようです。DJ前期型デミオの初期EUCだと、アクセルを大きく踏み込んだときには「ガラガラガラガラ、ぶおん、がおー」みたいな奔放な加速のしかたで、乗る人を選ぶ癖のある車でしたが、アクセラ15XDではだいぶ従順になりました。2年間でエンジン制御は改善したようです。

ここまで街乗りで扱いやすくなれば、「街乗り主体ならガソリンエンジンの方が扱いやすい」ということもなく、むしろ低回転でトルクの太いディーゼルターボエンジンの方がトルクの不足を感じない分、扱いやすいかもしれません。しかし街乗り主体で扱いやすく燃費も良いのはハイブリッド車ですので、あくまでも「長距離巡航メインだけど街乗りでもストレスを感じない」という程度です。

高速道路を走行しなかったため、追い越し加速がどの程度かは評価できず。高速巡航には実はパワーは必要なくて、むしろサスペンションの性能とボディの剛性の方が効いてきますので、日本の公道の速度域でしたら別段問題ないのではないかと想像します。

【サスペンション】
18インチホイールの割には乗り心地がよかったです。デミオの15インチと16インチとでは乗り心地がかなり異なりますが、アクセラの16インチと18インチとの比較では、18インチだからといって乗り心地が悪く感じられません。一般的には小さいホイールの方が空気のクッションが効く分乗り心地が良いのですが、アクセラのサスペンションはタイヤの空気にあまり依存していないのかもしれません。

試乗コースの中に路面に凹凸のある個所があるのですが、アクセラ15XDで通過したときにはどこに凹凸があるのかわかりませんでした。後で同じ道をデミオディーゼルで通過した際には思い切り突き上げがありましたので、やはりアクセラの方がサスペンションはよくできているようです。ちなみに22XDでは凹凸に全く気づかず、15Sだと僅かにショックを感じる場所です。15XDの乗り心地は、15Sよりもむしろ22XDに近いです。価格差を考慮すれば22XDに近くなくては困るのですが。

交差点で曲がるときにも特にストレスなく、前後の重量バランスが平均的ですので扱いやすく感じました。頭の軽い1.5Lガソリンエンジン車の方が気持ちよく曲がるのかもしれませんが、普段乗っているデミオディーゼルが「コーナリング技術養成ギプス」のような車ですので、それに比べればどんな車でも曲がりやすく感じてしまいます。

【Gベクタリングコントロール】
普通に走っている限りはGベクタリングコントロールが効いていることを全く感じとることができませんでした。普通にまっすぐ走りますが、Gベクタリングコントロール導入に合わせてサスペンションセッティングも変えているとのことですので、どちらの影響なのかわかりません。

【他車種との比較】
《デミオディーゼル》
重量の増加に合わせてデミオよりもローギアですので日本の公道の速度域ではアクセラ15XDの方が穏やかで扱いやすいのではないかと感じます。もっとも、2016年秋以降のデミオディーゼルにはまだ乗ったことがありませんので本来ならそちらを試乗していみないと同じ条件での比較はできないのですが、デミオディーゼルだとトルクの太さをギアを高くする方向に振り向けているため、気持ちよく走れる速度域が高めで、速度を抑えて走るとバスのような乗り心地で退屈に感じます。

コーナリングについても、フロントヘビーなデミオディーゼルだと上手に曲がらないと気持ちよく曲がらなくて、下手なドライバーに優しくない車なのですが、アクセラ15XDはそこまでフロントヘビーではありませんので、曲がるたびに神経質にならなくて済むのは楽だと思います。

路面からの突き上げを受けるたびによく跳ねるデミオディーゼルと違って、アクセラの方が足がしなやかで従順です。

長距離を走るのでしたらデミオディーゼルよりもアクセラ15XDの方が疲れにくそうです。燃料コストでいえば車体の軽いデミオの方が有利ですが。

《CX-3》
アクセラの方がサスペンションの出来がよく、乗り心地が良く、それでいてアクセラの方が安いので、どうしてCX-3を買うのかよくわかりません。CX-3の方が取り回しが良いといっても、全幅はほぼ同じですし、最小回転半径はアクセラ、CX-3ともに5.3mです。差がつくとしたら絶対的なサイズが効いてくる車庫入れくらいではないでしょうか。

タイヤは太ければよいというものではないと考えていますので、個人的には乗用車に太いタイヤを履かせて立派そうに見せかける”SUV”ブームには疑問を感じます。CX-5以上のサイズになればSUVはFFまたはFFベースの4WDだから車内が広いというメリットがありますが、どのみちCセグメント以下でしたら普通の乗用車でもFFですし。そうはいっても実際には売れていますし自動車メーカーにとっても利幅が大きいので、売れる限りは作り続けるでしょうけど。

《アクセラ15S》
軽快な15Sと穏やかな15XDとでは乗り味が全く異なりますので、好みに基づいて決めるべきだと思います。一般道で楽しく運転するなら15S、楽に運転するなら15XDでしょうか。高速道路では15Sだと明らかにつらいので、おそらく15XDの方が楽だと思います。

【どうしてすぐに15XDが市販されなかったのか】
ここで気になるのは、これだけ問題なく走れるのだったらどうして市販されるまでに時間が掛かったのかです。たしかにDJ前期型デミオはパワートレイン、サスペンションともに癖があり、そのままで同じエンジンを車体の重いアクセラに乗せても満足のいく走りにならなかったのかもしれませんが、だとすれば市販するに至った技術的なブレイクスルーは何だったのでしょうか。

最も効いているのではないかと考えるのはDE精密過給制御です。パワーの乏しい車にとって「意図した通りに加速する」ということは重要だからです。次がナチュラルサウンドスムーザーとナチュラルサウンド周波数コントロールでしょうか。

2016年12月13日火曜日

地図データを2016年秋版に更新しました

かねてから、2016年12月13日に2016年秋版の地図がリリースされるとアナウンスされていましたので、早速地図データを更新しました。

地図データ更新ツールの最新バージョンは2.0.0で、2015年12月に地図データを更新したときからバージョンが新しくなっていましたので、予め最新の地図データ更新ツールをダウンロードして展開しておきました。

SDカードを挿して地図データ更新ツールを起動するとSDカード内のバージョンと最新バージョンとの比較がなされ、最新バージョンへの更新が促されます。更新を開始すればあとは最後まで自動で進みます。手順は以下の通りです。

  1. SDカード内の旧バージョンのデータをPC内にコピーする
  2. 新バージョンの地図データをダウンロードする
  3. ダウンロードされた地図データは7zip形式で約100MBづつ54個に分割されていますので、それを結合し地図データを展開
  4. SDカード内の旧バージョンを消去してから新バージョンをSDカードにコピー
  5. PC内の旧バージョンのバックアップと新バージョンのダウンロードデータの消去

所要時間は2時間強でした。作業中にバックアップやダウンロードデータのフォルダを覗いてみたところ、旧バージョンはMMM5M0JP0601600、新バージョンはMMM5M0JP0602800_1でした。また、新バージョンの方がファイルサイズが少し大きくなっていました。もっとも、SDカードの容量は16GBありますので、数年経過しても容量が不足することはないでしょう。

SDカードを車に挿して地図を開いてみたところ、新東名愛知区間や圏央道埼玉区間の開通は反映されていました。しかし2016年10月に開通した三陸自動車道三滝堂志津川間は反映されておらず、だいたい2016年夏くらいまでの開通が反映されているようです。それにしても日本全国の道路と地名・建物名が1枚のSDカードに格納されてルート計算までできてしまうなんて大したものです。

2016年12月4日日曜日

クルーズコントロールとハンドリング

クルーズコントロールをつけて運転していると、ハンドリングが安定しないような印象を受けます。アクセル操作をしないためにステアリング操作に気づきやすいというのもあるかもしれませんが、それだけでなく、本来アクセル操作とステアリング操作が一体にも関わらず、別々に操作することになるので、うまくかみ合わないのかもしれません。

Gベクタリングコントロールではステアリングとエンジンとの協調制御ですので、この辺りをうまく解決してクルーズコントロール使用時でもハンドリングが安定するのではないかと期待するのですが、なにぶんまだ実車に乗ったことがありませんので実際にどの程度効果があるのかわかりません。

2016年11月23日水曜日

DJデミオ純正エアフィルターの型番

走行距離がかさんでいますので、そろそろエアフィルターの交換が必要かと思って純正エアフィルターを通販サイトで探してきたのですが、なぜかデミオやCX-3用の純正エアフィルターが見つかりませんでしたので、現在装着されているエアフィルターを取り出して型番を確認しました。

本体上側中央にP501-133A0という型番が印字してありました。下側中央にはPP-TD30と印字されていますが、これはポリプロピレンの種類です。上側右にはK0422と印字されており、調べてみるとターボチャージャーの型番の一部に見えるのですが、DJデミオに採用されているターボチャージャーの型番を確認するに至りませんでした。

ともあれエアフィルターの型番がわかりましたので検索してみたところ、製造元は日本マイクロフィルター工業で、新製品案内のページを参照すると、同社での型番はWA8584であることがわかりました。対応車種はDJデミオ全車種に加え、アクセラ1.5Lガソリンエンジン車が含まれております。あいにく日本マイクロフィルター工業製品としての通販は見当たりませんでしたが、Amazonではアクセラ用の純正エアフィルターとして販売されており、これがDJデミオにも対応しています。


純正定価での販売ですが、Amazon.co.jpからの販売ですので送料がかかりませんので、他社から購入するより少し割安です。

2016年11月21日月曜日

カーナビの距離優先ルート

カーナビを使う際には大抵「推奨ルート」を選び、高速道路を使いたくないときに「一般道優先ルート」を使うくらいですが、時間に余裕があって道草したい場合には「距離優先ルート」を選ぶと意外な道を走れます。多少遠回りになっても走りやすい道を走るのが最も早いのですが、一切遠回りしないとなるとバイパスの代わりに旧道を選んだり、あるいは距離は短いけれども時間のかかる林道を経由したりしますので、いろいろな道を楽します。もちろん、楽しめるのは時間に余裕のあるときだけですが。

NNGのカーナビだと通行に支障するような極端に狭い道に誘導されることがありましたが、ミックウェアのカーナビではそこまでひどくありませんので、時間がかかることを除けば実害はありません。

2016年11月12日土曜日

雨と操縦安定性

トヨタの言うところの「車に帯電した静電気を放電すると操縦安定性が向上する」という理論がもし本当なら、静電気を放電しやすい雨の日には操縦安定性が向上するはずです。実際には雨の日にはタイヤのグリップ力が落ちたり路面の水たまりが走行抵抗になったり降雨そのものが走行抵抗になったりしますので晴れの日に比べて不利ですが、それでもステアリングフィールがどっしりとした感じになったりするはずです。

あいにく今まで雨の日に運転しやすいと実感したことはありませんが、トンネルの中は運転しやすいと感じます。トンネルは大抵まっすぐですし、新規に掘削したトンネルは高規格ですし、しかも横風や降雨や積雪の影響もありませんが、それだけでなくトンネル内は湿度が高いので、もしかしたらその影響もあるのかもしれません。

空気の湿度が影響するとしたら、湿度の高い夏には運転しやすくて空気の乾燥する冬の晴天時には運転しにくくなるのでしょうか。

アルミテープ+冬タイヤで走ってみました

走行距離の都合で一足早めに冬タイヤを装着してしまいましたので、早速冬タイヤとアルミテープの組み合わせを試すことができました。タイヤは2シーズン目のヨコハマiceGUARD iG50 Plusです。1シーズン目はアルミテープ無しで走りましたので、アルミテープを貼る前と後の比較ができます。

以下、ドライ路面とウェット路面のみの感想です。凍結路面で挙動にどのような違いが発生するかはまだわかりません。

【高速道路の山越え区間】
横剛性の劣るスタッドレスタイヤにとって高速コーナーは最も苦手な状況ですが、冬タイヤであることを意識せず夏タイヤと同じように運転できるようになりましたので、運転が楽になりました。

【山道】
これも同様に冬タイヤであることを意識せずに走れました。

夏タイヤよりも冬タイヤの方がアルミテープの効果を体感しやすそうです。

2016年11月6日日曜日

冬タイヤに交換しました

一足早めに冬タイヤに交換しました。もともと11月中旬くらいに交換するつもりでいたのですが、夏タイヤ購入から5000kmを越えてタイヤローテーションの時期が来たのと、標高1200mくらいでは既に冠雪しているからです。

除雪が入らないような狭い道では雪が降り始めたら冬季閉鎖ですので、実際に冬タイヤが必要になるのは里にも雪が降り始める11月末から12月初等くらいなのですが、山では突発的に雪が降ったり路面が凍結したりするリスクがありますので、備えておくに越したことはありません。冬タイヤでドライ路面を走ってもさほど害はありませんが、夏タイヤで凍結路面を走るのはリスクが大きすぎます。実際、積雪地帯ではこの時期になると高速道路上では早めの冬タイヤ装着を促すメッセージが出ています。

幸い、iceGUARD iG50 plusは横剛性が若干低いのを除けば夏タイヤと遜色なく走れますので、早めに冬タイヤに交換してもさほどデメリットはありません。もちろん、冬タイヤの構造上安定性が若干損なわれるのは否めないのですが、今シーズンはアルミテープを貼りましたので、どの程度改善するのか楽しみです。

2016年10月29日土曜日

デミオディーゼルにアルミテープを貼って長距離を走ってみました

街乗りだけではアルミテープの効果がわかりませんので、長距離を走ってみました。あいにく自動車メーカーがテストコースで走らせるのと違って計測機器を搭載して同じ条件で何度もデータを取得しているわけではありませんので、あくまでも主観でしかありませんが、いろいろな人の感想を集計してみれば何か見えてくるかもしれません。

【結論】

  • 運転しやすくなりました。
  • 中速域で風切り音が減少しました。
  • i-DMの点数が上がりました。
  • 燃費向上は体感できず。

【ステアリング】
修正舵が激減しました。高速コーナーでは安定感が増して走りやすくなりました。しかし、「ステアリングがどっしりと重くなる」とか「地面に吸い付くような走り」といった感覚は特にありません。デミオのXD Touringはもともとステアリングが重いですし、直進安定性も良好ですので、差が出にくいのかもしれません。むしろ、なんだかよくわからないけどなぜか運転が楽になったという感覚です。

【風切り音】
中速域では風切り音が減少してエンジン音が従来よりもよく聞こえるようになりました。一方、高速域ではもしかしたら風切り音が減少しているかもしれないものの、風切り音そのものは速度相応にありますので、あまり静かになった実感はありません。しかし、今まではBピラーから入ってきた騒音が耳障りだったのに対し、Bピラーから耳障りな音が入ってこなくなりました。

【i-DM】
アルミテープを貼ったらi-DMの点数が上がるなんてまさにオカルトですが、それでもなぜか点数が上がりました。運転技量が向上したわけではありませんので、今まで外気による攪乱で損をしていたのでしょう(同様に路面の凹凸による攪乱でも点数が下がります)。素直に加速が伸びるようになったのと、修正舵が減ったのが効いているのかもしれません。

【燃費】
無駄な空気抵抗が低減されるとしたら燃費に反映されるのではないかと期待したのですが、比較的燃費に有利な条件で走行したにもかかわらず、なぜか燃費は伸びませんでした。空力性能自体が向上しているわけではありませんので、空気抵抗が大きくなって燃費に効いてくるような速度域では車の本来の空力性能が効いてくるのかもしれません。

【車体後方の埃の巻き上げ】
まだ雨の日に走行していませんので、車体後部の汚れ方の違いを実感できていません。

まだいい加減にアルミテープを貼っているだけですので、効果を感じられない領域であってもアルミテープの貼り方を工夫すれば効果が出る可能性はあるものの、たった500円程度の設備投資で運転しやすくなっただけでも十分に効果を感じられます。

修正舵が減るとか直進安定性が増すとかはG-ベクタリングコントロールでも効果があるようですが、G-ベクタリングの効果がわかりにくいのに対し、アルミテープは素人が運転しても運転のしやすさに違いを感じることができます。マツダがエンジン制御ソフトウェアを作り込んでG-ベクタリングコントロールを実装したのに対し、トヨタはローテクで安価なアルミテープで似たような効果を実現しているのが興味深いです。しかし、G-ベクタリングコントロールが荷重移動をコントロールするのに対し、アルミテープは空力の改善をもたらすものですので、両方を併用すると相乗効果があるかもしれません。

今後は非導体への帯電を考慮した空力シミュレーションを導入できれば、より実際の走行条件に近い空力設計ができるのではないでしょうか。

2016年10月27日木曜日

デミオディーゼルにアルミテープを貼って走ってみました(第一印象)

せっかくアルミテープを貼りましたので、近所の買い物で少し走ってみました。時速30~40kmくらいでも効果がわかるとのことですので、少しは効果が見られたかもしれません。

どっしりとした安定感のある走りを期待してみたのですが、いざ走らせてみると、今までよりも車が少し前に出る感覚でした。本来の空力性能に近づいたのかもしれません。後方の乱気流は走行抵抗になりますので、それが無くなればたしかに同じように運転しても前に進みやすくなるのでしょう。一方、減速時には今までと同じタイミングでブレーキをかけるとわずかに停止位置が前にずれますので、停止時に衝動を出さないようにするのに苦労しました。

出足が滑らかになったせいか、i-DMの点数が上がりました。今まで空力性能のせいで損をしていたのでしょうか。

風切り音は全然聞こえませんでしたが、そもそも風切り音が気になるような速度域では走らせていませんので、どの程度効果があるのかはわかりません。

そもそもアルミテープは車がある程度帯電するときでないと効果を発揮しませんので、高速道路を使ってもう少し長距離長時間走ってみないとまだわかりません。

2016年10月26日水曜日

デミオディーゼルにアルミテープを貼ってみました

2016年9月にトヨタから「車体にアルミテープを貼ると帯電されていた電荷が放電されて車体周辺の空気が整流されて走りが良くなる」と発表されました。プロボックス等の商用車では既に製造時に目立たない所にアルミテープが貼られた状態で出荷されているとのことですので、必ずしも走り屋向けのオカルトとも言い切れないようです。

別に走り屋ではありませんし走り屋みたいに見られるのも嫌ですのでエアロパーツの類は一切つけていないのですが、外から見えない所にアルミテープを貼るだけで走りが良くなるならやってみる価値があろうと思って試してみました。やってみて効果が無くてもせいぜい500円程度の出費でしかありません。

動機は3つありました

  1. もともと車体後方の整流が悪いせいで車体後部が汚れやすいのに困っていました。リアウインドーが汚れると視界が悪くなり運転に支障します。かといってエアロパーツをつけるのは嫌ですので、ずっと我慢していました。
  2. 次は高速走行時の風切り音です。高速走行時はディーゼルエンジン特有のカラカラ音がしませんし、ロードノイズも速度相応ですが、風切り音が大きく、Bピラーから音が侵入してきますので耳元がうるさいのが気になっていました。デミオは限られたスペースにディーゼルエンジンを載せるために空力性能が若干犠牲になっているだろうかと思っていました。高速走行時に横風が吹くとリアが流されますし。
  3. もう1つは、新車装着タイヤのトーヨーProxes R39を履き潰してヨコハマブルーアース-Aに履き替えて以降、出足が少し良くなったり軽快に曲がるようになった反面、高速域でどっしりとした感じが損なわれて、高めの速度で曲線を通過する際の安定感が不足していると感じました。かといってG-ベクタリングコントロールを後付けするわけにもいかず、どうにかならないものかと思っていました。


スーパーに買い物に行ったついでにアルミテープを探していたのですがなかなか見つからず、最近になってやっと手に入りました。ホームセンターに行けばもっと簡単に手に入ることでしょう。

まず最初に貼ったのはステアリングコラムカバーの下です。ここなら目立ちませんし、直進安定性に絶大な効果があるとのことですので、貼らない手はありません。あとは目立たない場所ということでフロントバンパーの下とリアバンパーの裏側にも貼ってみました。さらに、サイドミラー下も目立たないし風切り音の発生源であることを思い出して、サイドミラーの下にも貼りました。

効果があるかどうかは実際に走ってみないとわかりませんので、特にギザギザに加工することもなく、割といい加減に貼りつけてしまいましたが、もし効果が出るならもっと丁寧に貼ってみようと思います。なにせ10mのアルミテープのうち、まだ1m弱しか使っていませんので、アルミテープの残りは十分にあります。ただ、なにぶん見えない場所に貼りますので、丁寧に作業するとなるとフロアジャッキのある場所で目視しながら作業したいものです。

どれくらい効果が感じられるかについては、実際に走ってみてから追ってお知らせしたいと思います。

2016年10月25日火曜日

マイナーチェンジ後のアクセラの実車を見ました

2016年7月にアクセラがマイナーチェンジされて以来、マイナーチェンジ後のアクセラの実車を見かける機会がほとんどなくて、最近になって1台か2台すれ違いざまに見かけた程度です。このたびやっと近くで実車を見る機会に恵まれました。

見ただけですのでエクステリアに関する感想しかないのですが、フロントグリルの形状が変更されたおかげで落ち着いた感じになりました。ヘッドライトのLED化に合わせてライト周りが変更になったことや、G-ベクタリングコントロールの導入によって落ち着いた乗り味になったことを受けての変更かもしれませんが、マイナーチェンジ前のフロントグリルに日本の白いナンバープレートをつけると出っ歯みたいに見えましたので、それを修正する狙いもあるのかもしれません。実際、マイナーチェンジ後はフロントグリルが五角形から台形に近づいたこともあり、あまり出っ歯のようには見えず、日本のナンバープレートをつけても違和感が無くなりました。むしろスバルの六角形フロントグリルに近い印象です。フロントグリル周りの印象はかなり変化しています。

見るだけでなく運転してみたいものですが、レンタカーに入るのはもうしばらく先でしょうから、ディーラーで試乗するくらいしか手段がありません。

2016年10月14日金曜日

デミオの年次改良(2016年秋)

2016年10月14日にデミオの商品改良が発表されました。アクセラから導入されたものが大半ですが、変更箇所は多岐に亘っています。このクラスの国産車では破格の装備ですが、それでいて値段は据え置きです。他の車種と共通化することでコストを抑えているものもありますが、追従型クルーズコントロールのようにコスト増要因もありますので、一体どこでコストを抑えたのでしょうか。

10月13日にはインプレッサのフルモデルチェンジが発表されました。ただでさえアクセラはインプレッサに競り負けているのに、これでさらにインプレッサに引き離されそうです。一方、水平対向エンジンを採用するスバルにはBセグメント車を作れませんので、Bセグメント車ならではの取り回しの良さをアピールしてダウンサイジングを狙う作戦なのかもしれません。

【パワートレーン】

  • G-ベクタリングコントロール
  • サスペンションセッティングの変更
  • 電動パワーステアリングセッティングの変更
  • ナチュラル・サウンド・周波数コントロール

アクセラから採用されたものです。どれも実際に乗ってみないとわからないものばかりです。

【運転席周り】

  • アクティブドライビングディスプレイの高精細化、高輝度化、カラー化
  • メーターの視認性向上
  • ステアリングホイールの形状変更

アクティブドライビングディスプレイは今まで輝度が低かったために速度計の視認性があまり良くなくて、結局タコメーター右下の速度計を見ていましたので、あまり恩恵がありませんでした。今回の改良でどの程度視認性が向上したかは、実際に運転してみないとわかりません。

ステアリングホイールの形状変更はエアバッグ小型化の産物で、ボタンを設置するスペースに余裕ができたためにそれに合わせた配置にしたようです。

【安全装備】

  • アダプティブ・LED・ヘッドライト
  • スマート・ブレーキ・サポート
  • マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール
  • スマート・シティ・ブレーキ・システム・リア
  • AWD車向けにリアフォグランプとヘッドランプウォッシャー

遂に念願の追従型クルーズコントロールがつきました。これで高速道路での運転がだいぶ楽になります。追従型クルーズコントロールはディーゼルエンジン車とガソリンエンジン車の上位車種(13S Touring以上)にメーカーオプションで搭載できますので、高速道路の走行車線をクルコン任せでのんびり走るなら、ガソリンエンジン車でも動力性能に不足はなく、となると13S Touringや13S Touring L-Packageは意外とお買い得かもしれません。街乗りではガソリンエンジン車の方が使い勝手がよいですし、コーナリングもフロントの軽いガソリンエンジン車の方が有利です。

アダプティブLEDヘッドライトはハイビームの必要ない地域では恩恵が無いかもしれませんが、ハイビームをつけないと前が見えないような田舎では必要な機能です。今までのハイビームコントロールだとハイビームになるべきときになかなかハイビームにならなくて前がよく見えずに不安なことがよくありましたので、結局ハイビームコントロールを無効にして手動でハイビームとロービームの切り替えをすることになってしまいました。この手の自動化装備は意図した通りに動作しないと結局使われなくなってしまい、かけたコストが無駄になってしまいます。

安全装備を求める人にとってはこのクラスの国産車では破格の装備で、ポロに追いついてきました。しかし実用に堪えるかどうかはまた別の問題です。

【エクステリアデザイン】

  • フロントグリルガーニッシュの塗色変更(ディーゼル車の赤ライン廃止)
  • LED化したフォグランプ周りにメッキの加飾
  • アルミホイールの塗装の変更

フォグランプ周りにメッキの加飾をしたのは、フォグランプがLED化して小さくなったために、何らかのアクセントをつけないとバランスが悪くなってしまうためでしょう。また、グレー塗装を増やしたためにアルミホイールの塗装もそれに合わせたものになったようです。

【塗色】
  • マシーングレー追加、メテオグレーマイカ廃止
  • エターナルブルー追加、ブルーリフレックスマイカ廃止
  • ソニックシルバーメタリック追加、アルミニウムメタリック廃止
  • ディープクリムゾンマイカ追加、スモーキーローズマイカ廃止
マツダのカタログ写真での見え方は実車での見え方と異なりますので、実車を見ない限り何とも言えません。

マシーングレーとエターナルブルーはアクセラから導入された色ですが、今回のデミオの商品改良で初めて導入されたのはディープクリムゾンマイカです。実車ではぎらぎらするソウルレッドに対してもっと落ち着いた色合いの赤があってもよいと思っていましたが、メディアで公開された写真では赤というよりもむしろ阪急電車のように見えます。写真で見る限りはミドルセダンのような落ち着いた色使いで、日産のブルーバードとかでありそうな塗色です。後日ディープクリムゾンマイカの実車を見る機会がありましたが、実車で見ても阪急電車でした。

スモーキーローズマイカは色単体ではきれいなのですが、かなり個性の強い色ですので、車の塗色としては定着しなかったようです。

ブルーリフレックスマイカが廃止になったのは単純に不人気だったからでしょう。青系の塗色は明るい順にダイナミックブルー、エターナルブルー、ディープクリスタルブルーマイカの3色ですが、エターナルブルーはダイナミックブルーほど鮮やかではなく、ディープクリスタルブルーマイカほど暗くもなく、中庸を狙っているように見えます。普段使いの車として目立ちすぎないようにということでしょうか。

【インテリア】

  • 白レザーがオフホワイトからピュアホワイトに
  • 黒革内装の新設
  • ファブリックシートから赤の差し色の廃止(黒革内装に準じた色使いに)
  • ダッシュボードやシフトノブ等の赤ステッチの廃止
赤の差し色が徹底的に排除されている印象ですが、どのような意図によるものなのか、デザイナーのコメントに興味があります。素人目には元気そうな感じから落ち着いた感じにシフトしているように見えますが、G-ベクタリングコントロールの導入で乗り味が変わったからでしょうか。あるいは追従型クルーズコントロールの導入で高速道路の走行車線をのんびり走るニーズが増えると踏んでのことでしょうか。

写真で見る限りは、他のコスト増加を相殺するために内装周りのコストを下げたように見えますが、実際のところどうなのかは、実車を見てみないと何とも言えません。内装の質感の高さを求める向きには特別仕様車を提供することでコスト重視の顧客と内装重視の顧客との棲み分けを図っているのかもしれません。

【後席周り】
  • 後席にアシストグリップ
  • リアヒーターダクト
  • リアドア開閉音の改善
  • リアゲートの遮音性の強化
実質2人乗りと割り切った車でしたが、想定以上に後席の利用が多かったのか、あるいはG-ベクタリングコントロールの導入で後席の乗り心地が改善して後席の利用が多くなると踏んだのか、後席の居住性が改善されています。今まで後ろ半分があまりにチャチで、まるでアクセラの前半分にDEデミオの後ろ半分を継ぎ足した印象でしたが、今回の改良でバランスが良くなっている印象です。しかし後席に人を乗せる前提で考えると後席の狭さが気になるのではないでしょうか。もともと2人乗りと割り切って後ろ半分のコストを切り詰めてその分前半分にお金をかけることで、前半分に乗る限りは車格の割に良い内装と良い走りを実現できていましたが、後ろ半分にもお金をかけられる余裕ができたのでしょうか。

【総評】
G-ベクタリングコントロールの採用で落ち着いた走りになったせいか、全般的に元気そうな感じが鳴りを潜めて落ち着いた雰囲気にシフトしています。また後席の居住性も改善しています。しかしミドルセダンをそのまま小さくしたような車にしてしまうと、小ささや後席の狭さが浮き彫りにならないか少し心配です。

2016年10月3日月曜日

16インチのBluEarth-Aで山道を走ってみました

2車線の普通の山道と舗装された酷道とダートの険道を走ってみました。コーナーでの踏ん張り自体はさほど悪くありません。コーナリングで青点灯するくらいの横Gであっても特に問題ありません。しかしi-DMではステアリングで白点灯が多く出て減点されるという結果になりました。コーナーで青点灯する場面も増えましたので、もっと点が良いかと思ったのですが、白点灯による減点が上回ったようです。

心当たりがあるとすれば、一つはダート、とりわけ礫が露出した凹凸の大きい路面で意図しない横Gを受け続けたということが挙げられますが、もう一つあるとすれば、タイヤの転がり抵抗が小さくなった結果ステアリングを切るときの手ごたえが小さくなってステアリングを切りにくくなったことが挙げられます。たしかにステアリングが軽い方が街乗りでは楽ですし、軽ければ軽いなりにステアリングを切れば切るほど手ごたえを感じられればよいのですが、ステアリングを切りすぎてしまってもさほど抵抗が発生しないと扱いにくいです。Proxes R39向けのパワーステアリングセッティングのもとでタイヤを変えたせいでバランスが崩れているようです。車速と舵角に応じてもっと重くした方が運転しやすいのではないでしょうか。

Proxes R39だとステアリングを切るときの抵抗が大きいため、車体の向きを変える際にはあたかも曲がりにくいかのように感じますが、曲がるときにはレールにはまったように気持ちよく曲がります。そのため、コーナー手前で十分に減速できるかどうかが鍵です。一方、BluEarth-Aの場合、たとえコーナー手前で十分に減速しても、ステアリングを切るときにどの程度ステアリングを切ればよいのか手ごたえを感じにくいため、コーナー通過中に安定感が得られません。Proxes R39だと、高速道路のランプウェイのような円曲線を通過するときに、緩和曲線でステアリングを切り増しているうちに、「ここ」というポイントで舵角一定で円曲線を通過できるものですが、転がり抵抗の小さいBluEarth-Aではその感覚が希薄です。

XDは最初から15インチのBluEarth-Aを履く前提でセットされていますので、高速道路を含めてコーナリングでも特に不具合を感じません。XD TouringもBluEarth-Aが新車装着タイヤであればそれに合わせたセッティングになるはずなのですが、せめてそういうメーカーオプションは無いものでしょうか。15インチだと高速道路であまり乗り心地が良くないので、16インチの選択肢が欲しいです。

なお、直進時にはセンター付近の遊びによってステアリングに手ごたえを感じることができますので、直進時にはとても楽に運転できますし、ワインディングでない普通の道でも同様です。Proxes R39だとセンター付近でも重すぎてセンター付近の遊びをほとんど感じることができないため、直進時に疲れます。

2016年10月1日土曜日

デミオXD TouringにヨコハマBluEarth-A 16インチを装着した感想

夏タイヤをBluEarth-Aに交換して初めてまとまった距離を走りましたので印象をご報告いたします。

【総評】

  • 燃費が改善(+2km/Lほど)
  • 中速域でロードノイズ激減
  • 低速域を中心に運転操作に対する車の挙動が素直になって運転が楽になった
  • 高速域でステアリングを通じて受ける抵抗が減少し、ステアリングフィールが希薄になった
  • 高速域で体感速度が低下し、慣れないうちは運転操作を誤りやすい
【燃費】
低燃費タイヤに履き替えたのですから燃費が良くならなければ困るのですが、期待通りの効果が出ています。そういえば燃費スペシャルモデルのXDは最初から15インチのBluEarth-Aを履いています。転がり抵抗の小ささが効いているのでしょう。

流れの良い都市高速道路を流れに乗って巡行するという燃費にとって理想的な条件で平均燃費24.8km/Lが出ました。平均燃費には他の区間も含まれますので、理想的な条件での平均燃費は容易に25km/Lを越えています。今まででしたら同じ条件でせいぜい22km/Lくらいでした。Proxes R39で25km/Lを出そうとすると高速道路でクルコンをつけて時速80kmで巡航するとか信号のない幹線国道で時速60kmくらいで走り続けるときくらいしか実現できませんでした。Proxes R39だと今までの最高記録が28.7km/Lくらいでしたので、同じ条件で30km/Lを越えるかどうか楽しみです。ちなみにXD TouringのAT車のJC08燃費は26.4km/Lです。

連続登り勾配を高速走行する際には今までは17km/Lくらいだったのが19km/Lくらいに向上しています。

【ロードノイズ】
全般的にProxes R39よりも低下しています。しかしBluEarth-Aでも程度の差こそあれ高速域ではロードノイズが発生しますし、一方、Proxes R39でも低速域ではロードノイズが気になりませんのでロードノイズの低下を最も体感しやすいのは中速域です。都市高速道路や一般国道で長距離を走る際にとても楽になりました。中速域のロードノイズが激減した結果エンジン音が聞こえやすくなりましたが、エンジンが温まっていないうちはディーゼルノック音が気になります(ナチュラルサウンドスムーザーのついた後期型なら問題ないかもしれませんが)。

【挙動の素直さ】
15インチほどでないにせよ16インチでもやや出足が軽くなっただけでなく、アクセル操作時の挙動が素直になり、運転しやすくなりました。特に街乗りでの運転が楽になりました。その理由を推測するに、タイヤの転がり抵抗が低下しただけでなくタイヤの重量も少し小さくなったことから、アクセルを踏み込んだときにエンジンから供給されるエネルギーがフライホイール効果に充当される割合が減って車を前進させるエネルギーの割合が増えたのかもしれません。とはいえ、ホイールは純正の重いホイールのままですので重量低下の効果は限定的なはずですが。

ステアリング操作時やブレーキ操作時も同様で、後述の通り体感速度の差にまだ適応できていないものの、体感速度と実速度との差異が無いときにはとても素直に曲がったり止まったりするようになり、i-DMで青点灯させやすくなりました。

【直進時】
センター付近の遊びが少し増えたおかげでまっすぐ走るのが楽になりました。

【中速域のコーナリング】
海辺のワインディングをのんびり走りましたが、これくらいの速度域だと素直に軽やかに曲がってくれてとても気持ち良いです。コーナー手前の減速でも軽くブレーキを踏むだけで曲がってくれます。

ショルダーの角ばったProxes R39からショルダーの丸いBluEarth-Aに履き替えてタイヤの接地面積が減少した結果、面圧が増大し、特に荷重の小さい後輪の接地が良くなったためではないかと推測します。前輪タイヤのグリップ力は低下したかもしれませんが、フロントヘビーなデミオディーゼルであっても、他の車よりも前広に運転操作すればタイヤのグリップ力に頼らなくても曲がってくれます。Proxes R39では前輪タイヤのグリップ力でねっとり曲がる感じだったのですが、BluEarth-Aでは車体が向きを変え始めてから後輪がしっかり支えてくれて車体全体で安定して曲がる感じです。

【高速域】
新車装着タイヤが敢えてロードノイズが大きく燃費もあまり良くないProxes R39を履いているのは、欧州の高速道路で安定して走るためではないかと推測しますが、BluEarth-Aでも日本の高速道路の速度域程度でしたら特に安定性が足りないとは感じません。コーナーでの踏ん張りにも特に問題ありません。ただし、Proxes R39のようなどっしりした感じではなくなります。重いProxes R39ほどにはフライホイール効果が発生しないためでしょうか。

また、同じBluEarth-Aでも15インチのようなふわふわした感じは全くなく、やはり高速道路を走るなら16インチの方が安定します。

一方、高速域ではステアリングホイールから受ける抵抗が小さくなり、ステアリングフィールが希薄でクイックになる傾向があります。Proxes R39に合わせたパワーステアリング設定ですので仕方ないのですが、後述の体感速度の低さもあいまって、高速コーナーの連続する高速道路の山越え区間ではやや走りにくいと感じました。

【体感速度】
Proxes R39は速度が高くなるにつれてうるさくなりますので、それで速度を体感していましたが、BluEarth-Aは15インチ16インチともに速度が高くなるほど体感速度が低くなる傾向があり、加速しているといつの間にか意外と速度が伸びています。転がり抵抗が減って加速が良くなっているのと、ロードノイズが減って速度を体感しにくくなっているためではないかと推測します。

体感速度の低下は快適性に寄与する一方で、体感速度は低ければよいというものでもなく、慣れないうちは運転操作をミスリードしやすいです。体感速度に基づいてブレーキをかけると実速度が高いために制動距離が意外と伸びて、ブレーキを踏み増したときにi-DMが白点灯したり、同様に体感速度に基づいてステアリングを切ると思いのほか曲がらなくてステアリングを切り増した際にi-DMが白点灯したりしたことが何度かありました。しかしこれは別にタイヤの性能のせいではなく単に運転が下手なだけだと思います。慣れればむしろ運転しやすくなるはずです。

ともあれ、今まで速度の体感のそれなりの割合を音に頼っていたことを改めて認識しました。

【総合的な快適性】
ロードノイズの低下と運転のしやすさのおかげで長距離の移動がとても楽になりました。のんびり走っているといつの間にか目的地に着いてしまい、目的地までの体感時間が短く感じられます。高速ツアラーとしてのデミオディーゼルが本来目指すものに近づいた感があります。

XD Touringの足回りのセッティングは欧州向けと同じとのことですが、アウトバーンの真ん中車線を安定して走れる性能は日本の公道では宝の持ち腐れなのですから、日本仕様を作り分けた方がよいのではないかと感じます。日本仕様でしたら敢えてロードノイズの大きいProxes R39にするまでもなくBluEarth-Aで十分に思えます。

2016年9月27日火曜日

夏タイヤを16インチのBluEarth-A交換しました

【背景】
夏タイヤがだいぶすり減ってきて、ドライ路面でも制動距離が増えてきましたので、新しいタイヤを購入しました。夏タイヤで2シーズン4万km乗って4mm減りましたので、タイヤの減るスピードは平均的だと思います。新車装着タイヤはトーヨーのProxes R39というタイヤで、走りには不満は無かったのですがいかんせんロードノイズが酷くて長時間運転していると耳が疲れてしまいます。また燃費もあまり良くありません。しかしこれは市販されていませんので、次のタイヤは市販タイヤの中から選ぶことになります。

【候補】
185/60R16という特殊なサイズのせいで事実上ヨコハマBluEarth-AかダンロップLe Mans 4くらいしか選択肢がありません。純正サイズにこだわらずに195/55R16とかにすれば選択肢が増えるものの、タイヤは太ければよいというわけではありませんので純正サイズを尊重することにしました。そもそも純正ホイールのリム幅は5.5Jですので太いタイヤを履こうとするとホイールもそれに合わせたものを買う必要があります。

【購入したもの】
お店でBluEarth-AとLe Mans 4の見積を取ったところ、なんとBluEarth-Aの方が安く、セールで1本8400円とのことでした。安いならばなおよいということでBluEarth-Aにしました。特殊なサイズゆえに店頭には在庫がなくメーカー取り寄せとなり、数日後にタイヤが届いた際に交換しました。

【今までのBluEarth-Aの印象】
15インチホイール車ではBluEarth-Aが採用されていて、レンタカーでデミオXDに乗ったときには15インチでしたので高速道路ではふわふわしたものの、操縦安定性はさほど悪くありませんでした。冬タイヤのiG50 Plusも冬タイヤならではの横剛性の弱さとパターンノイズの大きさを除けば夏タイヤと同様の使い勝手で、しかも冬タイヤなのに夏タイヤのProxes R39よりも静粛性も燃費もまさっています。

【第一印象】
まだタイヤが一皮むけていませんし、帰宅するまでの間に町中を少し走っただけですので、あくまでも限定的な印象に過ぎませんが、第一印象は以下の通りです。

  1. センター付近の遊びが増えた→直進時に楽なのでむしろ好都合
  2. 低速域でステアリングが軽くなった印象
  3. 15インチほど出足が軽いわけではないが、アクセルを踏んだときの挙動が素直でi-DMで青点灯させやすくなった→転がり抵抗減少によるもの?
  4. 中速域でのロードノイズが激減→これは一般道で長距離走るときに楽になりそうです
まだ高速道路で試せていませんので高速安定性がどうなのかはわかりませんし、ワインディングでのコーナリングの挙動もわかりませんが、少なくとも日本の公道での街乗りに関しては若干楽になりました。日本仕様の場合、時速150km以上での安定性は重視されませんので、欧州仕様と日本仕様とで作り分けた方がよいのではないかと感じます。

2016年9月24日土曜日

ディーゼルエンジンのリコールで入庫してきました

ディーゼルエンジンのリコールで入庫してきました。もっと早く入庫するつもりだったのですが、ディーラーが混雑していたのと、オイル交換のタイミングが近づいていたため、オイル交換と同時に行うことにしました。たまに長距離を走ってエンジンをしっかり回していれば問題ないようで、今まで特にエンジン周りのトラブルはなかったのですが、リコールとなれば入庫しないわけにいきません。

所要時間は1時間程度でした。せっかくでしたので少し走ってみましたが、ECU書き換えに伴う変化は実感できませんでした。燃費が少し良くなったような気がしましたが、オイル交換の効果やタイヤがすり減って軽くなった効果もありますので、ECU書き換えによるものかどうかわかりません。

アクセルを強く踏み込んだ際に燃料濃度が高すぎてそれが煤になるとのことで、燃料濃度が一定値を越えないようコントロールしているのかもしれません。心当たりがあるとすれば、アクセルを強く踏み込んだ際にターボラグでどっかんと加速するときですが、DE精密過給制御導入後の個体もリコール対象とのことで、どうやらそれだけではないようです。

2016年9月8日木曜日

短距離利用の人にデミオディーゼルは不向きか

短距離利用がメインの人にとっては、「トルクの太いディーゼルは魅力的だけど、短距離利用ばかりだとエンジンの負担がかかるし、オイル交換が面倒だし、価格も高い」ということで悩んでいらっしゃる方も見受けられるようです。

たしかに短距離利用しかしないのであればその通りだと思いますのでガソリンエンジン車の方が扱いやすいのではないかと思いますし、そもそも毎日数kmしか乗らないのであれば他にもっと安い車があるのではないかと思います。

しかしその一方で、一旦デミオディーゼルを買ってしまったら長距離を走りたくなって、結果的に週に1回くらいは遠出してエンジンを回すようになるから実は問題ないのではないかとも思えてきます。車を持つなら乗らなければ勿体ないです。

2016年8月13日土曜日

デミオディーゼルとCX-3の比較

両方を乗り比べる機会がありましたので、両者の違いを記してみます。まず、おおざっぱに比較してみると以下のような違いを感じます。

【CX-3】

  • 後席の乗り心地を重視したサスペンションセッティング(車体全体が上下動する)
  • 低速域で乗り心地が良い
  • 混雑する大都市近郊の道路で使い勝手が良い
  • 追従型クルコンあり
  • ゆったりしている
  • エンジン回転数は高め(アクセルを踏み込むとすぐにシフトダウンする)
  • 穏やかに走る
  • 窓の天地寸法が小さいため車格以上の囲まれ感がある
  • 着座位置が高めでその分重心も高め
  • 車体が重い
  • 見た目が立派
  • 車輪が大きそうに見える
  • タイヤが太い
  • 3ナンバー300万円クラス
  • かけられるコストに余裕がある


【デミオディーゼル】

  • 2人乗車向けに最適化されたサスペンションセッティング(前がどっしりしていて後ろが跳ねる)
  • 高速域で安定性が良い
  • 交通量の少ない良い地方の道路で使い勝手が良い
  • クルコンは速度設定のみ
  • どっしりしている
  • エンジン回転数は低め
  • 元気よく走る
  • 窓が大きく開放感があり、狭い路地でも見通しが良い
  • 着座位置が低め
  • 車体が軽い
  • 見た目はコンパクトカー
  • 車輪の見え方は実際の大きさ相応
  • タイヤの太さは車のサイズ相応
  • 5ナンバー200万円クラス
  • かけられるコストに余裕が無い

CX-3の売り文句としては以下が挙げられますが、CX-3の優位というよりも、CX-3の仕様上不利になった部分を補っているという印象を受けます。

  • 剛性の向上→車体が大きくなった分を補う?
  • 遮音性の向上→エンジン回転数が高くなった分を補う?
  • 前席を左右に寄せて後席を中央に寄せることで後席からの見通しを改善→窓の天地寸法が小さくなった分を補う?
  • リアサスペンションのダンパーにアクセラ用のものを使用→後席の乗り心地を重視するため?

ベースが同じであっても味付けを変えることで異なる方向性の車に仕上がっているという印象を受けます。

一方、CX-3とデミオディーゼルで共通する部分もあります。

  • ホイールベース
  • ギア比(CX-3の車輪径が大きい分は最終減速比で調整されている)
  • ナチュラルサウンドスムーザー
  • DE精密過給制御
  • フラットワイパー
  • シャークフィンアンテナ
  • 室内寸法
  • 内装の質感
ただ、これらのうち装備についてはデミオがCX-3のおさがりを活用した結果として共通になっているだけであって、CX-3の装備が見劣りしているわけではありません。内装の質感についてもデミオはアクセラのおさがりを活用しているためであり、プラスチックのダッシュボードを除けばCX-3の内装の質感が見劣りしているわけではありません。単にデミオディーゼルにお値打ち感があるだけです。


おそらくCX-3を買うのは以下のようなプロファイルの人ではないでしょうか。

  • 子育てが終わって生活に余裕が出てきた
  • 300万円3ナンバーの車を買える
  • 普段は子供が乗らないので大きな車は必要ない
  • しかし車格が落ちるのは嫌なので内装と乗り心地には相応のものを求める
  • 都市部で生活している

Bセグメントのくせに高いとかデミオと比べて割高というのは、比較すればたしかにそうかもしれませんし、車で見栄を張る必要の無い人にとってはそうかもしれませんが、予算ありきで車を選んでいる人にとっては安い車は眼中になく、高くて高そうな車であることに意味がありますので、そのような比較はあまり重要でないのではないでしょうか。同じ予算のCセグメント車と比較すればCセグメント車の方がお値打ち感があるように見えるものの、いまどきのCセグメント車は次第に大型化していて都市部での取り回しがあまり良くありませんし、見た目も車格相応です。

乗用車ベースの「SUV」ブームというのはつまるところ、車格以上に立派そうに見える車が欲しいということであり、同じ車格の乗用車よりも見劣りするミニバンが縮小傾向にあるのと表裏をなしているように思えます。アルファードは高価な車ですが、だからといってクラウン以上に立派に見えることはありません。たとえ偉そうなフロントグリルにしても却って下品なだけです。しかしハリアーはベースとなるカムリよりも立派に見えます。車格以上に立派な車は自動車メーカーにとってはコスト以上に高く売れる車であり、需要サイド供給サイド双方の利益になりますので、もうしばらくはSUVブームが続くのではないでしょうか。

2016年8月9日火曜日

レンタカーでCX-3に乗ってみました

今までCX-3に乗ったことがありませんでしたので一度は乗ってみたかったのですが、このたびレンタカーを借りたらCX-3をあてがわれました。

【個体】

  • 2016年6月登録で走行距離2899kmと、ほぼ新車。レンタカーの割に距離が伸びないのは料金が高くて借り手が少ないのかもしれません。
  • 年次改良後ですのでナチュラルサウンドスムーザーやDE精密過給制御がついています。
  • 駆動方式はFF。
  • グレードはレンタカーですので一番安いXDで、マツダコネクトやフルオートエアコンがついていますが、ヘッドアップディスプレイやパドルシフトはついていません。
  • シートはファブリック。
  • タイヤは215/60R16でブリジストンのTuranza T001。
  • 色はセラミックメタリック。


【結論】
  • 長距離移動ではすこぶる快適
  • 1.5Lでも動力性能に不足なし
  • 年次改良で導入された技術のうちDE精密過給制御は効果がありそう
  • サスペンションはいまいち
  • 車内はデミオとほぼ同じ

【動力性能】

  • デミオと同じくらいハイギアードでデミオよりも一回り重いので、おとなしめの走りかと思いきや、よく加速しました。
  • 対面通行道路での追越加速でも安心です。
  • ゆっくり発進する際には2000回転でシフトアップしてから1500回転まで落ちますが、少し多めにアクセルを踏み込むと3000回転でシフトアップして2000回転まで落ちます。
  • しかしそれでも最大出力の出る4000回転に達したことはほとんどありませんでした。
  • シフトアップを遅らせて回転数を増やしているのとデミオよりも過給圧が高いため、動力性能に不足はありません。
  • DE過給制御も効いているようで、青信号発進時も追越時も加速の不足を感じる場面はありませんでした。意図した通りに加速すれば加速感は良くなりますので、燃費と両立させるうえでもよくできた仕組みだと思います。
  • デミオディーゼルの場合、ある程度踏み込んでいくといきなりターボが効いてドッカンと異次元加速するのですが、今回乗ったCX-3は、DE精密過給制御のおかげか、あるいは最初からターボの効く回転数でエンジンを回しているのか、アクセルを踏んだら踏んだ分だけ加速します。1.5Lディーゼルエンジンは最初から高めの回転数で回す方が使いやすいのかもしれません。


DE精密過給制御は年次改良後のデミオにも採用されていますので、走りについては年次改良後のデミオディーゼルでも同様で、デミオの方が車体が軽い分エンジン回転数が少なめなのではないかと推測します。

【ノイズ】
ナチュラルサウンドスムーザーのおかげでディーゼルエンジン特有のカラカラ音はほとんどせず、ふた昔前のガソリンエンジンないしいまどきの3気筒エンジンのような感じです。もともとエンジン回転数が高めですので、一旦走り出してしまえば低い回転数のときの音は気になりません。スバルの水平対向エンジンも独自の音がしますので、エンジン音に関しては車ごとの個性と割り切ればさほど問題ないのではないでしょうか。たしかに好みの問題とはいえ、「ディーゼルエンジンの音がするから買わない」と決めつけるのは勿体ないと思います。

ロードノイズはデミオよりも静かに感じました。タイヤの違いによるものでしょうか。

【ステアリング】
年次改良により、センター付近で反応しやすくなりました。そのせいか、高い速度域で直進時にふらつきます。G-ベクタリングコントロールが導入されれば改善するかもしれません。

【サスペンション】
状態の良い舗装道路を低速で走る分には乗り心地が良いのですが、高い速度で荒れた路面を走ると路面に足を取られます。年次改良の結果、後ろだけが跳ねることはなくなったようですが、その代わり車体全体がふわふわ跳ねる感じです。動力性能に不足はなくても、サスペンションがついてこられない感じです。高い値段と高そうな雰囲気を持っていても、所詮はBセグメントなのだと思いました。高速道路を走るCX-3がどうして軒並みおとなしいのだろうと思っていたのですが、動力性能の問題ではなくサスペンションの問題のようです。

ネット上ではサスペンションを絶賛する声が多く、一体これはどういうことだろうかと思ったものの、たしかに低めの速度域での乗り心地は上々です。大都市近郊の高速道路や一般道なら車が多くてあまり速度が出ませんので、乗り心地の良い車だと思います。しかし街乗り中心なら1.5Lディーゼルエンジンよりも海外仕様にあるような2Lガソリンエンジンの方が扱いやすいのではないでしょうか。

コーナリングについては、デミオと前後の重量がさほど変わらないはずですが、特にフロントヘビーに感じることはありませんでした。これもサスペンションセッティングの影響でしょうか。エンジン重量が変わらないまま車体が一回り重くなっていますので、前後の重量バランスは若干改善しているのかもしれません。また、後述の通り太いタイヤを履いていますのでグリップ力が大きいというのもあるかもしれません。

【タイヤ・ホイール】
16インチホイールで扁平率60%というのはデミオと同様ですが、CX-3の方がタイヤが太い分、空気のクッションが多めです。デミオの16インチだと高速安定性は良好なのですが、CX-3の場合、16インチだとふわふわします。18インチだともっと安定するのかもしれませんが、街乗りで出足が悪くなったり乗り心地が悪くなったりする可能性もあり、乗ってみないとわかりません。

タイヤ幅は215mmと、この大きさ重さから導かれる最適なサイズよりも太目です。デミオは15インチ16インチともに185mm、アクセラは16インチホイールで205mm、18インチホイールで215mmです。タイヤが太いとグリップ力は増しますが、路面の僅かな凹凸にも反応して横方向のグリップ力が発生してしまいますので、直進安定性が損なわれます。タイヤ外径の大きさもあいまって、操縦安定性はあまりよくありません。転がり抵抗についてはタイヤの選択次第ですが、同じ条件での比較では不利に作用します。せめて16インチホイールの場合はタイヤ幅をアクセラと同じ205mmにした方がよいのではないでしょうか。太いタイヤの見栄えを重視する向きもあるようですが、CX-3の場合、タイヤは太ければよいというわけではないお手本に見えます。旋回性能重視のスポーツカーならまだしも、街乗りのための車に果たして太いタイヤが必要なのでしょうか。

【外観】

  • デミオとほぼ同じ大きさとは思えないほど迫力があります。
  • よく見るとホイールベースとホイールサイズはデミオと一緒で、タイヤ周囲の黒い縁取りでタイヤを大きく見せています。最近はこういう大きそうな車輪が流行なのでしょうか。
  • セラミックメタリックはよく似合っていると感じました。黒い縁取りとの相性の良い色なのでしょう。

【室内】
  • デミオXD Touringとほぼ同じです。CX-5の方が着座位置が5cm高いのですが、運転中にはほとんど違いを感じませんでした。運転中に目の前に見えるダッシュボードがプラスチックなのはデミオと同様です。
  • 窓の天地寸法が小さいせいか、デミオと同じ室内スペースながら落ち着いた印象を受けました。
  • 座面が高いおかげで乗降は楽でした。
  • 後ろの窓ガラスがアクセラ並に小さいです。その代わり、雨の日に走ってもデミオよりも車体後部が汚れにくいです。
  • 後席は天井が高くてデミオよりはましですが、大人が常用するスペースではありません。

【燃費】
いつも通り燃費のために我慢することは一切なく、高めの速度で走ったところ、平均燃費は20.0km/Lでした。流れの悪い幹線道路をゆっくり走っているときは24km/L強でした。デミオディーゼルで同じ道を走ってもおそらく同じくらいの燃費だと思います。デミオよりも車体が重い割には良い数字ではないでしょうか。

【他車との比較】
CX-3単体としてはおとなしく走る分にはすこぶる快適な車なのですが、同じ1.5Lディーゼルエンジンを積んでいるデミオやアクセラ15XDと比較すると、デミオの方がほぼ同じ質感で安いですし、16インチホイールなら高速安定性にすぐれているように感じます。アクセラ15XDですらCX-3よりも安く、それでいて後席は広いですし、サスペンションにもお金がかかっています。軽快さを取るならデミオXD TouringのAWD、車格なりの質感や足回りや広さを取るならアクセラ15XDを選びたくなります。

デミオディーゼルを出す前にCX-3を出していれば絶賛されたかもしれませんが、デミオディーゼルが同じエンジン、ほぼ同じ内装で先に出ましたので、デミオのお値打ち感が先立ってしまいます。デミオディーゼルのAWDでもCX-3のFFよりも安いです。

2016年7月25日月曜日

ルームミラーの振動

最近、ルームミラーで後ろの細かいものを見ようとすると振動で像がぶれるのが気になるようになりました。余計なものをつけると振動するようですが、純正のまま、何もつけていません。もちろん、後ろに車がいるかどうかを視認する程度でしたらさほど支障しませんので、もともとこれくらい振動していたけれども今まで気にしていなかったという可能性はあります。

2016年7月19日火曜日

コーナーの入口と出口

わかっている人にとっては何を今更な話でしかありませんが、コーナーの出口でGを移動させるのが比較的容易なのに対して、コーナーの入口で最適な減速度に持っていくのは難しくて、なかなかうまく行きません。

コーナーの出口では、コーナーでの遠心力に見合った加速度を与えてやればよいので、最終的にどれくらいの加速度を与えればよいかを体で覚えていて、その加速度に達するまで徐々にアクセルを踏み込んでやればよく、あとはいかにして横方向の加速度と前方向の加速度をきれいにつないでいくか次第です。コーナー中心から前へと運転を組み立てますので、比較的容易です。また、コーナーの出口では徐々に見通しがよくなっていきますので、線形を読みやすいです。今の技量では常に成功するわけではありませんが、それでもうまくいったときにはGが回っていくのを感じます。

一方、コーナーの入口では円曲線通過時のターゲットとなる横Gを想定し、そのGに見合った減速度を与えた上で、コーナーの手前でターゲットとなる横Gに見合った速度に合わせる必要があります。そのためには、まずコーナーを目視して、この線形ならこれくらいの速度で通過できそうだと当たりをつけ、コーナーの手前までにその速度まで減速しようと思い立ち、ターゲットとなる横Gに合わせた減速度で減速するために減速を開始する場所を決定する必要があります。コーナー中心から逆算して手前側へと運転を組み立てていくわけです。

これらの演算を瞬時に行ってその通りに運転するのはなかなか大変です。最初にブレーキをかけ始める時点で既に勝負がついています。タイミングが合わなければその先どうやってもうまく行きません(逆に言えば、うまくいかない場合にはブレーキをかけ始めるタイミングをいろいろ試してみればよいわけですが)。狙い通りにブレーキをかけることができなければコーナリング以前の問題に思えます。しかもブラインドコーナーではコーナーの後ろ半分は最初は目視できませんので、カーブが徐々にきつくなるようなコーナーでは線形の予測を誤ってステアリング操作が遅れる可能性も高いです。

ターゲットとなるGが大きいと難しいですが、ターゲットとなる横Gが小さければその分曲線通過速度が低くなりますし、早めに減速を開始することになりますので、比較的余裕を持って操作できます。また、コーナーの出口でアクセルを踏み込んで加速する以上、それに見合った減速をして十分に速度を落とさなければ、コーナリングのたびに際限なく速度が上がってしまいます。Gが小さければi-DMで青点灯しませんし、そうなると必然的に点数は4.5点以下になりますが、青点灯にせよ点数にせよ結果でしかなく、それ自体を目的にするのは本末転倒だと思います。

例えば高速道路の本線上で常識的な速度で走っている限り横Gはほとんど発生しませんので(巡航速度に見合ったカントもついていますし)、それに見合った減速度と加速度も低めになります。コーナー手前でアクセルを緩めて減速し、コーナー入口からコーナー出口にかけて徐々にアクセルを踏み込んでいけば比較的きれいに曲がれます。高速道路に限らず道路構造令に準拠した道路ではもともと設計速度を保ったまま巡航できるように設計されていますし、円曲線の前後にクロソイド緩和曲線もありますので、一定速度で巡航しても横方向にGが滑らかに移動するのですが、微小であるにせよGを回すともっと気持ちよく走れます。

ちなみにコーナリングで練習しやすいと感じるのは高速道路のランプウェイです。円曲線区間が長いため、等速で舵角一定の運転をしやすいですし、前後の緩和曲線も長いので、時間に余裕を持って操作できます。高速道路のランプウェイといえば、本線上では加減速せず、減速車線に入ってから減速し、加速車線にいる間に本線上の巡航速度まで加速するのが原則ですので、加速度や減速度は比較的大きめです。減速車線に入ってから徐々にブレーキを踏み込んでいって、緩和曲線を経て時速40km制限の円曲線へと進入していきます。本来ならばコーナーの入口は難しいのですが、高速道路では道路の設計通りに走れば滑らかにGが移動するように設計されていますので、一般道の普通のコーナーよりはやりやすく感じます。

高い横Gに対応するためにはタイヤのグリップ力が必要ですし、高い横Gに見合った加速度のためには動力性能やブレーキ性能が必要であるばかりでなく、ドライバーにも高い技量が求められますので、スポーツカーはそういう前提で作られているのでしょうが、デミオディーゼルはスポーツカーではなくツアラーですので、峠よりも高速道路の方が身近に感じられます。

高速道路以外では、酷道や林道が運転の練習に向いているのではないかと考えます。狭くて曲がりくねっていますので低めの速度でも横Gが高くなりGの動きを感じやすいですし、ブラインドコーナーで対向車を発見しても安全に停止できる速度で走るとなると必然的に速度も抑え気味になりますので、無理の無いGで運転することになります。それに、曲がりくねっているということはコーナーの数が多いということですので、コーナリングの練習回数も多くなります。低い速度で丁寧に運転する経験を積んでから普通の道路に出ると俄然走りやすく感じます。

2016年7月14日木曜日

ついに日本でもアクセラ1.5D発売

しばらく前から噂は出ていましたが、2016年7月14日についにマツダから正式に発表されました(「マツダ アクセラ」を大幅改良)。アクセラの重量だと1.5Lディーゼルエンジンではパワーが足らず、ストップアンドゴーの多い日本の道路では不利なのではないかと考えていました。その割に2Lガソリンエンジンよりもフロントが重くなりますし、ディーゼルエンジンは自然吸気ガソリンエンジンよりも高価ですので、2Lガソリンエンジン車よりも高くて重くて走らない曲がらない車でしたら市場に出す意味がありません。その課題をいかに解決して市場に出せるようにしたのか見ものです。パワーウェイトレシオ12.95kg/psの車が果たしてインプレッサ2Lと競合できるのでしょうか。

【仕様】
《エンジン》
CX-3と同様です。エンジン型式もデミオやCX-3と同じです。

《変速機》
デミオやCX-3と同じ中容量の変速機で、当然変速比も同じです。

《タイヤ・ホイール》
15XDでは16インチのみ、15XD Proactiveは16インチが標準でオプションで18インチ、15XD L Packageでは標準で18インチです。デミオディーゼルは16インチよりも15インチの方がホイールが軽い分だけ出足が軽いので、アクセラも出足の良さや低速域での乗り心地を重視するなら16インチの方が有利です。

《変速比・最終減速比》
UKやドイツのサイトでは開示されていなかった最終減速比が開示されました。4.056です。同じエンジン・同じ変速機を搭載しているデミオディーゼルとCX-3の最終減速比はそれぞれ3.389と3.591で、車輪外径の差を考慮するとデミオとCX-3とでほぼ同じ、アクセラ1.5DはデミオやCX-3よりも2割ほどローギアです。ATの制御にもよりますが、同じ速度ならエンジン回転数は25%増しで、デミオやCX-3が2000回転のときにアクセラ1.5では2500回転、1500回転のときに1800回転です。

マツダのAT車はだいたい2000回転まで上がったらシフトアップして1500回転に下がりますが、アクセラ1.5Dの場合、2500回転まで上がったらシフトアップして1800回転に下るのではないでしょうか。少し踏み込むとすぐに3000回転くらいになりそうです。

最高速度についてはデミオやCX-3が時速185kmくらいで、このときの6速でのエンジン回転数が3250回転くらいですので、アクセラ1.5Dだと約4000回転です。パワーのピークが4000回転ですので、最高速度は同じくらいではないでしょうか。しかし3000回転くらいならまだしも4000回転ですとエンジン音が相当大きくなりますので、あまり実用的ではありません。

最大トルクの発生する2500回転で6速のときの速度が時速120km弱ですので、日本の高速道路で常識的な速度で走る分には余裕を持って走れそうです。デミオのAT車ですと2500回転6速で時速145kmくらいですので、アウトバーンならともかく日本の高速道路では少々元気が良すぎるように思えます。

エンジン回転数が上がるとエンジンノイズが大きくなるものですが、ディーゼルエンジンは低回転域でカラカラ音がしますので、遮音さえしっかりしていればむしろもう少しエンジン回転数が高い方が気持よく走れるかもしれません。もともとアクセラのボディーの方がデミオのボディーよりもお金がかかっていますので、デミオ以降での遮音の技術が反映されていれば遮音の面は有利かもしれません。特にセダンは静粛性と車体剛性の面でハッチバックよりも有利ですし。

デミオと同じくらいハイギアードなCX-3はデミオよりも重量が1割大きいため、高速道路では軒並みおとなしめです。それに対してアクセラ1.5Dではローギアードにしてパワーを絞り出していますので、一般道ではデミオやCX-3よりも元気よく走りそうです。高速道路でもエンジン回転数を上げることでデミオと同じくらいには走りそうです。パワーに余裕のある2.2Dの方がエンジン回転数は低めですが、エンジン回転数が高いのが不快に感じられなければこれもありかもしれません。

デミオディーゼルは高速道路では元気よく走るのですが、一般道で巡航していると退屈な印象があります。アクセラ1.5Dの方が体感速度は高そうですので、速度を抑えて走るには好都合かもしれません。こればかりは実際に走ってみないとわかりませんので、ぜひ試乗してみたいです。

《重量》
AT車で1360kgです。これはデミオよりも2割重く、CX-3よりも7%重いことを意味します。その代わり重量増は主にマルチリンクサスペンションを搭載する後輪側ですので前輪への荷重が63%と、FF車としては標準的な数字で、アクセラ2.0Gとほぼ同じです。アクセラ2.0Gよりも前輪の荷重が50kg大きいですが、もともとの重量が大きいため、前後の荷重バランスにはあまり影響していません。

【今回導入された技術】
《DE精密過給制御》
街乗りでアクセルを踏み込んだ際の出足の鈍さに対処するためのものでしょう。ドライバーの意図した通りに加速すれば、出足の鈍さがあまり感じられなくなります。

《Gベクタリングコントロール》
2.0Gよりも頭が50kgほど重くなりますので、曲がりやすくするためのものでしょう。また、出足を良くするために16インチホイールを履くと高速安定性が若干低下しますので、それを補う意図もあるかもしれません。

《ナチュラルサウンドスムーザー》
アクセラ1.5Dは高めの回転数を常用するでしょうから、さほど効果は見込めないかもしれませんが、2.0Gと同等以上を標榜するのでしたら必要でしょう。

【燃費】
JC08モード燃費で21.6km/Lとのことです。これはデミオディーゼルAT車の燃費の6分の5に相当します。同じエンジン同じ変速機を積んだデミオディーゼルよりも重量が2割増ですので、同じように走れば単純計算では必要な運動エネルギーも2割増しになり、燃費は6分の1ほど悪化します。そのため、燃費の差はほぼ重量の差で説明できます。実燃費については、走らせ方に依存しますので、実際に運転してみないと何とも言えません。

他車との比較では、アクセラ1.5GのJC08モード燃費が20.6km/L、アクセラ2.0GのJC08モード燃費が19.0km/L、アクセラ2.2DのJC08モード燃費が19.6km/Lです。ディーゼルエンジン車の割には数字の差はさほど大きくありませんが、軽油価格の安さと高速巡航時の実燃費を考慮すると、燃料コストの面ではそれなりに有利そうです。しかし走行速度が高くなるとパワーに余裕のある2.2Dの方が実燃費が良いかもしれません。

【CO2排出量】
欧州仕様では99g/kmなのに対し、日本仕様では120g/kmです。計測方法が異なりますのでそのまま比較できる数字ではありませんが、日本では100g/kmを境に税金が違ってくるわけではありませんので、カンパニーカー向けの節税に振っている欧州仕様と異なり、日本仕様では走りに振っているであろうことが見て取れます。

【価格】
UK向けやドイツ向けでは2.0Gより高く2.2Dより安い価格でしたが、日本向けではなんと今までの2.0Gと同じ価格をつけてきました。「2.0Gよりも高くて重くて走らない曲がらない」を懸念しておりましたが、「高い」については問題なさそうです。たしかに1.5Dは同クラスのディーゼルエンジンの中では後処理装置が不要な分コスト競争力が高いものの、それでもターボやコモンレールインジェクタといった高価な補機がついていますので、自然吸気ガソリンエンジンよりもコストが高いはずです。どうやら、2.0Gが「ガソリンエンジン上位モデル」という位置づけで内装が良かったのに対し、1.5Dは「ディーゼルエンジン廉価モデル」ということで内装のコストを下げて値段を合わせたようです。

価格の面で直接競合するのはインプレッサ2Lですが、他にもカローラハイブリッドやホンダシャトルが同じくらいの価格です。

マツダの他社種との比較では、同じグレードで比較した場合の価格差はデミオディーゼル+50万円、アクセラ1.5G+35万円、CX-3-10万円、アクセラ2.2D-40万円くらいです。CX-3よりも安くて後席が広いので、後席重視ならよい選択かもしれません。一方、同じエンジンを積んでいるデミオディーゼルよりも50万円高いです。たしかに足回りはアクセラの方が良いですし、重量バランスも良いですし、重くて平べったい分だけ高速安定性も良好ですし、足回り以外も車格相応の差はありますが、軽いデミオの方が高速道路ではよく走りますので、実質2人乗りとして使うのでしたらデミオディーゼルの方がお値打ち感がありそうです。同じ予算でデミオディーゼルのAWDの最上級グレードを買ってもお釣りが来ます。さらに40万円プラスすれば2.2Dを買えてしまい、こちらは走りに関しては一切我慢不要ですし、全般的に装備も良いので、15XD L Packageを買うくらいでしたらあと10万円足して22XD Proactiveを買う方が魅力的に感じます。

【総評】
思い切ってローギアードにしたことで、たった105psのエンジンであっても実用的な速度域ではよく走るようになっているのではないでしょうか。CX-3よりも安く、CX-3よりも広く、CX-3よりも軽快に走り、CX-3よりも前後の重量バランスが良く、CX-3よりも足回りがしっかりしているという点では、CX-3よりも一般受けするのではないかと想像します。走りや乗り心地については試乗してみないとわかりませんが、高速道路でのパフォーマンスについては通常のディーラーでの試乗ではわかりませんので、ある程度時間をかけて乗ってみたいものです。レンタカーで乗れればよいのですが。

しかし高コストのディーゼルエンジンの宿命で内装のコストを切り詰めてもそれなりの価格になってしまい、2.2Dと比較した場合、内装の差を考慮した実質的な価格差がさほどありません。しかしそれでも2.2Dはアテンザ並に高級になってしまいましたので、「そこまでは必要ない」と考える方もいらっしゃることでしょう。

2016年7月13日水曜日

トヨタ86のGモニター

トヨタ86がマイナーチェンジで「Gモニター」を搭載するようになりました。Gモニターがどのようなものか、トヨタのプレスリリース(TOYOTA、86をマイナーチェンジ
-ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦などで得た知見をもとに、鍛え直した「走りの味」-)を見てみると、中央のタコメーターの右側にG-Bowlアプリのような画面が表示されています。同じ場所には「パワー・トルクカーブ」や「ストップウォッチ」等、走り屋にとって便利な情報が表示されるようで、スポーツカーらしい機能だと思います。

Gモニターの方がi-DMよりも情報量が多くて練習の足しになるのではないかと思います。i-DMが最初に搭載されたときには中央のスピードメーターの真ん中に大きな画面で表示されていましたが、それでは目障りだからということで、マツダコネクトが導入されたBMアクセラから、中央には小さいランプが点灯するだけでそれ以外の情報はマツダコネクトのディスプレイで表示させるようになりました。1st Stageから3rd Stageくらいでしたら色つきのランプが点灯するだけでも十分に情報価値がありますが、4thとか5thとかのエクストラステージになると判定の基準が厳しくなって、具体的にどこのどのような部分に課題があるのかわかりにくい感があります。単に「ヘタクソ」と言われるよりも何がどう下手なのかがGの移動によって可視化される方が改善の足しになります。それならばいっそのこと4thとか5thとかはやめてしまって、より上を目指す人向けにG-Bowlアプリと同様の情報を表示できるようにした方がよいのではないでしょうか。今でも運転技量の向上に真剣に取り組んでいる人はG-Bowlアプリをi-Phoneに入れてGの動きを可視化しているようですし。

もちろんマツダ車は広く一般に販売される市販車ですのであまり目立つ所に表示させると目障りかもしれませんが、マツダコネクトのディスプレイに表示するくらいはしてもよいのではないかと思います(今でもi-DMアプリを表示させながら走ることは可能です)。もともと加速度センサーによって加速度のデータは取得していますので、それを表示させるソフトウェアを作れば済むことですし、判定ロジックをかませて緑とか青とか白とかに変換するよりもGの生データをグラフに表示させる方がむしろ容易なはずです。

あと、これは既にいろいろな人が言っていることかもしれませんが、せっかく運転技量の改善を促すツールを搭載しているのですから、i-DMを活用した運転技術の参考書がマツダ監修で出版されればとてもありがたいのですが、そこまで手が回らないのか、あるいはテストドライバーにとってあまりに当たり前すぎるのか、未だに実現していません。例えば、車が曲がる原理なんて興味を持って調べるかあるいは人から教わったりしない限りなかなか直感的に理解できません。大抵は「ハンドルを切れば曲がる」くらいにしか考えていません。自分のようなド素人に噛んで含めるように説明するのは、わかっている人にとってはむしろ難しいかもしれませんが、そういうのが得意なテクニカルライターがいないものでしょうか。

それにしても今回の86の件で思ったのは、トヨタがマツダの持っている良いものを認めて本気を出したらマツダなんてひとたまりもないのではないかということです。

2016年7月11日月曜日

早くゆっくり

i-DMで5th Stageになってから、コーナリングで白点灯する場面が増えました。もともとコーナリングはあまり得意ではありませんのでそれが可視化されただけのことですが、それでも何とかした方がよかろうと思って、まずはコーナーの手前でブレーキをかけるタイミングを今までより少し早くしてみました。

ブレーキをかけ終わってからステアリングを切り始めるタイミングも少し早くなります。コーナー手前ですので大きくステアリングを切るわけにいかず、横方向のグリップ力が立ち上がるのを感じる程度に僅かにステアリングを切ります。そこからコーナーに入るにつれて徐々に切り増していくのですが、最初に発生させた慣性力でフロントが内側に動き続けますので、さほど切り増さなくても曲がれてしまいます。感覚的にはステアリングの舵角は数度なのですが、実際に見てみるとたしかに国道の緩いコーナーでは数度なのですが、普通の90度曲がるコーナーでは拳一つ分、15度くらいです。舵角が小さい上にゆっくり動かしますので、あまり動かした気がしません。その代わり、コーナー手前でブレーキを踏み、円曲線に入ってからはアクセルを踏み、コーナーの出口に近づくにつれてアクセルを踏み増しますので、右足はよく動いています。しかし同乗者にはドライバーの右足の動きは見えませんし、しかもオルガン式アクセルペダルでは踵の位置が固定されていて右足の膝もほとんど動きませんので、ステアリングはほとんど動いていないのになぜかどんどん曲がっていくように見えることでしょう。

運転がうまくなるのつれステアリングをあまり動かさなくなるということは、パワーステアリングはもっと重くてもよいということです。車を曲げるのに必要な慣性力を手で感じて、なるべくステアリングを回すのに負担のかからないように運転するのが車を効率的に曲げる運転のしかただからです。急ハンドル、急アクセル、急ブレーキが可能なのは、ステアリングやアクセルやブレーキがそれだけ軽いからです。

コーナーの目測を誤ってステアリングを切るのが遅れると白点灯します。走り屋みたいに同じ峠を何度も走りこんで練習することはせず、その反対に初見の道ばかり走っていますので、そういうことはよくあります。

それでもi-DMの平均点は上がりましたので、そこそこ効果はあったようです。むしろ混雑した道の方が急ブレーキを踏まされるたびに厳しく減点されます。Gを滑らかに変化させるよりも公道で大勢の他人の意思決定を読む方がはるかに難しいです。

運転の上手な方にとっては「何を今さら」という程度の話なのですが、実際に自分でやってみて効果を実感してみるとなるほどと思います。

もう一つなるほどと思ったのは、フロントヘビーなデミオディーゼルだからこそ早めの操作が効いてくるということです。車の向きを変えるためにはタイヤのグリップ力によって横方向の慣性力を発生させる必要がありますが、フロントが重い場合には横方向のグリップ力を大きくするか、力を加える時間を長くする必要があります。単にゆっくり動かすだけでは操作が遅れてしまいますので、操作開始を早める必要があります。重いものを動かすときに力をかけてゆっくり動かせば楽に動きますが、強い力で叩いても手が痛いだけであまり動きません。タイヤのグリップ力のみに頼らず負担のかからない効率的なコーナリングを目指すなら、フロントヘビーな車をいなす方が練習になります。

しかし早めに操作を開始するためには、先読み推量が必要になってきて、それはGをコントロールするのとはまた別の意味で難しいです。目視で確認できる範囲でしたらまだしも、ブラインドコーナーでは線形がわかりませんし、狭い道で対向車が来る可能性もあります(ですから最初からあまり速度を出せず、したがってコーナー通過時の横Gも小さめになります)。他人が介在するとさらに先読み推量が難しくなります。フロントヘビーなデミオディーゼルを曲げるのが難しいとしたら、フロントヘビーであることよりもむしろ、フロントの軽い車に比べてより多くの先読み推量が必要だからかもしれません。

2016年6月30日木曜日

i-DMと自動運転

自動運転は、周囲に攪乱要因だらけの実際の公道を普通の速度で運転できるようになるのはまだまだ先のように見受けられますが、それでも他に車や軽車両や歩行者のいない道路を定められた通りに正確に運転するのは得意です。もともと事前にプログラムされた通りに正確に動作するのは機械の得意分野で、手作業よりもNC旋盤や3Dプリンターの方が正確に加工できますし、データ処理を大量かつ高速かつ正確にこなすのも人間よりも機械の方が得意です。だとすると、Gの滑らかな移動といった運転操作の物理的な最適化は実は人間よりも機械の方が得意なのではないかという気がしてきます。

例えば、テストコースの線形データを入力し、車の性能やタイヤのグリップ力や重量といったデータも入力し、起点と終点の位置や加速度の上限を設定すると、それに応じてGが滑らかに移動するような加速度を計算することで、最適なアクセル・ブレーキ・ハンドルの操作を算出することができます。実際には操安設計の際に徹底したチューニングが必要かもしれませんが、それでも一旦作りこんでしまえばあとはプログラムした通りに正確に動作することでしょう。路面の細かい凹凸までは線形データとして入力しきれませんが、Gベクタリングコントロールのような微小領域での制御と併用することで補正が利くのではないでしょうか。そうすると常にi-DMで青点灯するような運転が実現しますので、5.0点しか取れなくなることでしょう。

自動運転というと、いかにして実際の複雑な道路で自動運転を実現するかという方向に発想しがちですが、わざわざ機械が苦手な分野に挑戦するよりも、定型処理を狙い通りに実現する方が機械には向いているのではないでしょうか。

絵画の歴史は写実的に描くための技術の歴史でもあって、大きな美術館に行って時代別の展示を順に見ていくと徐々に技術が向上して写実的になっていくのが見て取れます。しかし、絵画とは全く異質な方法で光を捉えてそのままフィルムに焼き付け、それを印画紙に転写する写真という破壊的イノベーションが出現したことで、そのような努力が一気に飛び越えられてしまいました。もちろん、だからといって人力で描く絵画が完全に無意味になってしまったわけではありませんし、人力で絵を描くには一定の技術が必要であることにも変わりありませんが、それでも写実的に描くということを目的とするならば、それは人間よりも機械の方が得意です。

機械によって最適な制御を実現できる時代に人間が機械に近づこうと努力するのは一つのチャレンジとしては面白いかもしれませんが、人間はむしろ機械にできないことに注力した方が適材適所なのではないかという気がします。大抵のドライバーはi-DMで青点灯させるような運転はできませんが、それでも攪乱要因だらけの公道であまり事故を起こすことなく普通の速度で走行できていて、それは現時点では機械には到底真似のできないことです。

2016年6月17日金曜日

i-DMとタイヤの摩耗

昨年は7000km走行時に点検でタイヤローテーションを実施してから冬タイヤに交換するまで15000kmほど走行してしまい、FF車かつフロントヘビーなため、前輪のタイヤが随分減ってしまいました。夏タイヤに戻す際にタイヤローテーションを実施して、それから8000kmほど走行し、前輪で合計15000km走行しました。同じ距離を走っていれば前後とも同じくらいタイヤが減っているはずなのですが、現在前輪につけているタイヤはあまり減っておらず、後輪のタイヤの溝の倍くらい溝が残っています。

同じ車、同じタイヤ、同じ走行距離、同じドライバーで、走る道も高速道路から林道までほぼ満遍なく走っていますので、この部分で違いが出ることはありません。心当たりがあるとすれば、運転技量の違いです。現在後輪につけているタイヤを前輪につけていたときにはi-DM 2nd Stageあたりをうろうろしていましたが、現在前輪につけているタイヤは主にi-DM 4th Stageのときに前輪で使っています。

i-DMによって滑らかな運転を意識するようになってから危険回避以外では急ブレーキをかけないようになりましたし、曲がるときもコーナー手前で減速して前輪に荷重を移動させてから少ない舵角で曲がるようになりました。円曲線では舵角一定で走るようになり、修正舵が減りました。これらの影響で、タイヤが減りにくくなったようです。

「新型プレマシー ダイナミックフィールの統一感」マツダ技報No.28 (2010) p.15に「山門らの研究⑷では,一般走行領域においてG-Gダイアグラムを円形にするエキスパートドライバの走りを車両運動力学的に解析した結果,これが各輪タイヤへの負荷が最小となるような運転ストラテジであることが明らかにされている。」とあり、参照元は(4)山門 誠:横運動に連係して加減速を制御する車両の横運動特性に関する検討,自動車技術会学術講演会前刷集 No.8-08,p9-14(2008)です。あいにく参照元論文は入手できていませんが、著者の山門氏は日立時代にG-ベクタリングコントロールの理論を日立評論に掲載されている方です(「安全走行を支援する新しい車両運動制御技術「G-Vectoring制御」」日立評論Vol.91 No.10 784-785)。

理屈としては前から知られていたものの、いざタイヤの溝という形で視覚化されると効果を実感します。i-DMには「無駄な動きが無くなって速くなる」という効果もあるようですが、前の車の速度に制約されることの多い日本の公道ではむしろ「疲れにくくなる」「安全運転を心がける」「タイヤが減りにくくなる」「タイヤのグリップ力に余裕が生じてスリップしにくくなる」というメリットの方がわかりやすいかもしれません。

2016年6月11日土曜日

アクセラ1.5Dの欧州での試乗動画を見てみました

欧州での発表からしばらく経過していますので、自動車評論家向けの広報車の試乗動画がいくつかYouTubeに上がっています。「Mazda 3 105」とか「Mazda 3 1.5」適当に検索してみると出てきます。単語は国ごとに異なりますが、数字は共通ですので見つけやすいです。

一番気になるのは「重い車体に105psのエンジンでまともに走るのか」や「ガソリンエンジン車と比較してどうなのか」なのですが、試乗動画では速くはないものの公道を普通に走っていましたし、直接他と比較できる材料もありませんし、コメントの音声も自分が聞き取って理解できる言語ではなかったので、よくわかりませんでした。自動車の試乗動画で話すような内容はだいたい決まりきっていますので、言葉がわからなくても表情や身振りを見ればだいたい何を言っているのかはなんとなくわかるのですが、正確に聞き取るのは難しいです。

一方、絵を見るだけでわかるものもあり、気づいた点は以下の通りです。

  • 欧州ですので広報車当然MT車ばかりですが、トルコの動画で1本だけAT車の試乗動画を見つけました。
  • MT車では加速時には3000回転くらい回していました。ドイツの動画だと4000回転くらいまで上げて変速して3000回転くらいでしたが、その割に加速は普通でした。MT車の方が高回転域を使ってパワーを絞り出しやすいので、ストップアンドゴーが少なくMT社会の欧州で先行して発売されたのでしょうか。
  • 回転数が高いとカラカラ音がしませんので、あまり不快な感じはしません。
  • ステアリングスイッチ類はデミオと同様。といってもアクセラがデミオ並なのではなく、デミオがアクセラのお下がりを使っているだけですが。
  • 広報車だと革(または合皮)シート。真ん中にはメッシュ入り。ヘッドアップディスプレイとの組み合わせでしたので上位グレードでしょうか。
  • 下位グレードのアナログスピードメーターは時速260kmまで表示。カタログ上の最高速度は時速185kmですので、随分盛っているなと感じましたが、ガソリンエンジン車用との共用のためでしょう。日本仕様だとリミッターに合わせて時速180kmまでの表示ですが、これだと欧州向けには少し足りません。
  • カーナビの画面はNNG製。欧州や北米では通りに沿ってアドレスが付されていますので、道路の線の組み合わせで足りてしまいます。
  • 上位グレードに標準装備の18インチのタイヤはミシュラン。
  • ソウルレッドに魂動デザインはイタリア人受けしそう。
  • UK版のみ右ハンドル車。もしかして、防府工場で先行して右ハンドルかつあまり数の出ないUK仕様の生産を開始してから、タイ工場で左ハンドル車の生産体制を構築して半年遅れて欧州大陸に導入となったのでしょうか。
車そのものはもうありますので、あとは日本市場にどのように導入するかですが、ストップアンドゴーの多い日本の道路向けのATの制御が鍵かもしれません。

2016年6月8日水曜日

欧州大陸でアクセラ1.5D発売

Responseで欧州マツダが5月にアクセラの2016年モデルの発表をしたとの後追い記事を掲載していましたので、ドイツのサイトを見てみました。ちなみにドイツでのプレスリリースはこちらの2016年5月10日付のものです。

【価格】
1.5Dを載せるなかで一番安いグレードのMTで付加価値税抜きで21250EUR(260万円弱)、付加価値税込で23750EUR(290万円弱)と、日本からの輸入車にしてはがんばっている価格でした。

ちなみに2.2D(150PS)のMTは付加価値税抜きで26150EUR(320万円弱)、付加価値税込で28650EUR(350万円弱)です。1.5Dの一番安いグレードとは約60万円の差ですが、1.5Dを2.2Dと同じグレードに揃えて比較すると、24450EUR(付加価値税込で26950EUR)となり、価格差は約20万円に縮小します。UK仕様と同じような値付けです。

同様に1.5G(100PS)との価格差は約65万円、2.0G(120PS)との価格差は約30万円です。

【仕様】
1.5Dの仕様を見てみると最高速度は時速185kmとあり、同じエンジンを積んでいるデミオやCX-3と同様です。変速機も最大トルク容量270Nmの中容量タイプですので、あとは重量の差が走りに直結しそうな感じです。出足は鈍そうですが、低いギアを使えばどうにかなりそうです。エンジン回転数が上がりますが、それを不快に感じなければなんとか実用に耐えそうです。

6速で巡航する高速道路では重量の分だけ加速が鈍くなりますが、その代わり高速安定性は良さそうです。追い越し加速をせずに走行車線を一定速度で巡航するような使い方でしたら乗り心地が良いかもしれません。アウトバーンの真ん中車線を走り続けるには良さそうですが、アウトバーンは混雑する大都市付近で速度制限があるほか、最近は工事による速度規制がいたるところにありますので、加速時には少々ストレスを感じるかもしれません。

1.5Dの仕様についてはUK版も含めある程度出揃ってきたようです。

2016年5月28日土曜日

デミオディーゼルでダートを走ってみました

ダートといってもダートトライアルのような競技とは無関係で、文字通り未舗装の林道を走ってみました。最近は林道ですら舗装されている道が大半で、ダートを走る機会がなかなかありません。

ダートといっても最初のうちは路面がさほど荒れていなかったこともあり、すこぶる快適でした。舗装路よりも路面の凹凸が大きいので常時細かい突き上げはあるものの、1回で収束しますので、不快な揺れはありません。舗装路よりも少し遅目の速度で走ればどうということもありません。

山を登るにつれて石が露出するようになり、路面の凹凸が大きくなってきました。路面からの衝撃が大きくなってきて、外力と連動してステアリングホイールが勝手に動くくらいになりましたので、時には時速15kmくらいまで速度を落とさざるを得ませんでした。また、アクセルペダルに乗せている踵に衝撃が加わることでアクセルペダルが動いてしまい、i-DMが白点灯したりしました。しかしそれでも車体の揺れは外力相応でしたし、ステアリングホイールに手を添えていればハンドルを取られることもなく、狙った通りのコースで走れましたので、不快ながらもゆっくり走ればどうにかなりました。

16インチホイールであっても扁平率は60%ですので、スポーツカーや格好つけて大径ホイールを履いた車に比べれば扁平率は高めですから、それが乗り心地に寄与しているのかもしれません。扁平タイヤで飛ばしたらタイヤバーストしそうですし、携帯電話の圏外ですので助けを呼ぶこともできません。あとは、背もたれにもウレタンが使われたシートが体をすっぽりと包み込んで衝撃を吸収しているというのもあるかもしれません。

同じ道を他の車と乗り比べてみなければDJデミオのサスペンションセッテイングを評価しようがありませんが、外力をいなすという点ではよくできているのではないかと感じました。昔のマツダ車のようなクイックなハンドリングだと、きれいな舗装路ならともかく荒れた路面では外力の影響が大きすぎて走りにくいのではないでしょうか。15インチホイールだったらもっと乗り心地が良いのではないかと想像しますが、操縦安定性を含めた全体のバランスがどうなのかは、実際に乗ってみないとわかりません。

デミオディーゼルは新東名からダートまであらゆる公道を快適に走ることができ、かつ小回りが効きますので、1人乗りまたは2人乗りと割り切ればこれ1台でどこでも走れます。

2016年5月26日木曜日

DJデミオの燃料タンク容量

DJデミオの燃料タンク容量は仕様上は44Lですが、先日「走行可能距離」の表示が1kmの状態で給油したところ、給油量は40L強でした。残り4Lは本当に燃料タンクが空にならないようにするための予備ではないかと推測します。20km/Lで走れば4Lで80km分の余裕になります。実際に80km余計に走って燃料タンクを空にするわけにはいかないものの、40kmくらいならどうにかなるのかもしれません。

実燃費は走行条件によるもののだいたい20km/Lから23km/Lくらいですので、実質燃料タンク容量が40Lであっても800kmは無給油で走行できる計算です。しかしそれでも走行可能距離が残り60kmから50kmくらいで給油ランプが点灯しますので、実質的には750kmから800kmくらいで給油が必要になります。

あとはどのタイミングで給油するか次第ですが、軽油価格はガソリン価格に比べて価格のばらつきが大きい上、ガソリンスタンドの店頭でも軽油の価格が表示されていないことがままあります。そのため、給油が必要になりそうな場所付近でガソリンスタンドの価格を事前に検索することにしています。iOS向けでしたらiGS、Android向けでしたらガススタ!が便利です。

2016年5月17日火曜日

i-DM点数と道路の安全性

i-DMはドライバーの運転技量を評価し向上を促すためのものですが、同じドライバーでも高い点数を取れる道路と低い点数しか取れない道路とがあり、余裕のある運転をできる道路ほど高い点数を取れることから、i-DMの点数から道路の安全性に関する傾向を見て取ることができます。大雑把に言えば、i-DMで高い点数を取りやすい道路ほど安全で、i-DMの点数が下がる道路は危険ということになります。

i-DMで最も高い点数を取りやすいのは混雑していない高速道路です。さほど運転技量が無くても簡単に5.0点を取れます。本線への合流や追い越しでの加速時にある程度アクセルを踏み込むために青点灯しやすいのと、ブレーキを踏む機会が少ないですし、減速するとしても遠方から余裕を持って減速できるために減速度一定で青点灯しやすいのと、常識的な速度で運転する限り強い横Gがかかるようなコーナーが存在しないためです。

次に高い点数を取りやすいのは、整備済みの空いている田舎の国道です。道路構造令に準拠していて線形が良好で、曲線を予測しやすいですし、緩和曲線がついていますので等速でレーンに沿ってハンドルを切るだけでGを滑らかに移動できます。人家の無いエリアでは比較的信号が少ないですし、空いていますので加速減速をコントロールしやすいです。

意外と点数が下がらないのは酷道や林道です。線形は劣悪ですが、線形に応じた速度で走行するだけでなく、ブラインドコーナーから対向車が来ることを想定しながら運転するためさらにゆっくり走らざるを得ません。それでいて横Gは大きいのでコーナリングで青点灯させやすいです。運転操作には集中が求められる一方で、他の車がいませんので、自分のペースで走れますし、他の車による撹乱もありません。ある意味運転操作の練習にはうってつけの環境です。

反対に最も点数が下がるのは市街地です。あまり車間距離を取れませんので前方の見通しが悪く、前の車が変なタイミングでブレーキを踏むと釣られてブレーキを踏まざるを得ません。信号が多いですし、他の車も多いので、左折の合図を出す前にいきなりブレーキを踏んでくる車とか、急に割り込んでくる車とか、撹乱要因だらけです。

サンデードライバーの多い大都市近郊の高速道路も走りにくいです。前の車についていくだけと思いきや、車列の速度ムラが大きくて、しかも車間距離不足の車が頻繁にブレーキを踏んだりしますので、変な所でブレーキを踏まされます。

i-DMの点数から判断する限り、道路交通における最大のリスクは人なのではないかと思えてきます。i-DMの白点灯をGPSの座標とひも付けたデータを蓄積すれば、道路交通において危険な箇所を定量的に抽出できたりしないでしょうか。

2016年5月15日日曜日

i-DM 5th Stageで走ってみました

i-DMで5th Stageに昇格してから早速走ってみました。結論から申し上げれば、評価は厳しくなるものの、本質的な部分は変わらないため、青点灯するときはします。

今日は酷道とよく整備された国道と混雑気味の幹線道路を走りました。整備済みの国道のコーナリングは比較的やりやすい一方で、県道のコーナリングでは車線が狭く緩和曲線も十分でないことから、白点灯を連発しました。また、混雑気味の幹線道路で前の車が変なタイミングでブレーキを踏むのに釣られてブレーキで白点灯を連発しました。それでも、加減速時や、円曲線での舵角一定等速走行や、S字コーナーで等速走行し横Gをサインカーブにしたとき(緩和曲線付の国道だと意外と簡単)等、今まで同様に青点灯させましたので、4.4点、4.6点、4.4点でした。5th Stageになったら2点台や3点台を連発するのかと思いきや、4th Stageのときより少し平均点が下がった程度で済みました。

青点灯する幅が狭くなって白点灯する幅が広くなったのではないかと感じましたが、やるべきことは同じですので、滑らかな運転を高い精度で実現できていれば引き続き青点灯させることができますし、理想の運転からのばらつきが大きければ青点灯が減って白点灯が増えます。

円曲線での舵角一定走行については、5th Stageの方が緑から青に変わる横Gのしきい値が若干高いのではないかと感じました。横Gを増やすためにはその分高い速度でコーナーを通過しなければならず、かといって白点灯させるわけにもいきませんので、より正確なハンドリングが求められるようになったような気がします。

交差点での右左折についても、4th Stageのときは青点灯しやすかったのですが、5th Stageになってからなかなか青点灯しなくなりました。今まで通りに曲がると緑点灯しますので、Gのしきい値が上がったのかもしれません。今まで以上にGのコントロールが求められるようです。

加速度一定で加速したり減速度一定で減速したりするのは、今までと同じくらいの頻度で青点灯します。

白点灯が増えるときというのはえてして余裕の無いときですので、5th Stageに昇格してからさらに余裕を持たせる運転を目指すようになりました。いい加減に走っても青点灯するステージだとつい調子に乗ってしまいますが、5th Stageだと自分の力量に見合った速度しか出さなくなりますので、ステージが上がるにつれ安全運転志向になるのではないでしょうか。

2016年5月14日土曜日

i-DMで5th Stageに昇格しました

ここのところi-DMの平均点が上がったなと思っているうちにあれよあれよという間に平均4.8点が続いて、いつの間にか5th Stageに昇格してしまいました。3rd Stageから4th Stageに昇格するまでは1ヶ月半ほどでしたが、4th Stageに昇格してからは4点台半ばをうろうろしていて、このまま4th Stageのままかと思いましたが、8ヶ月弱にして脱出できました。

ステージを上げることよりも運転技量を向上することの方が重要ですので、どのステージにおいてもステージを上げることだけを目的とした小細工は一切しておりません。4th Stageで心がけたのは、まずきれいに停止することです。昇格直後には停止直前に揺り戻しが出るたびに白点灯して減点されていました。いくらなんでもこれは厳しすぎるのではないかと思いましたが、それでも停止直前の車間距離に余裕を持たせ、減速度も控え目にすることで、白点灯をかなり減らすことができました。コーナリングにおいてはGの向きを回転させるように滑らかに移動することを目指しました。自分を引っ張る錘をゆっくりと回すイメージです。これはまだうまくできておりませんが、それでも昔に比べれば白点灯が減って青点灯が徐々に増えてきました。白点灯を減らすには全般的に余裕のある運転をするのが一番で、車間距離をきちんと取ることと、周辺の車の挙動を予測すること、そして速度を控え目にすることである程度対処できるようになります。

5th Stageは相当評価が厳しいようですので、どんな所で白点灯するのか見ものです。5th Stageでどのような評価になるのかについては、追ってご報告いたします。

2016年5月8日日曜日

デミオディーゼル(AT)で平均燃費28.9km/Lが出ました

給油して平均燃費をリセットしてから流れの良い幹線国道を流れに乗ってダラダラと走りだしたら平均燃費がぐんぐん上昇し、瞬間的に28.9km/Lが出ました。しかも今回はエアコン使用です。今までの最高は28.7km/Lでしたので僅かながら記録を更新しました。どちらも夏タイヤ装着時です。30km/Lまで到達できるかと期待してもっと燃費を伸ばそうとしたものの、それからは信号がに引っかかったり上り坂があったりして平均燃費が下がりました。

その次に給油した際には給油後まもなく高速道路を走行しましたので同様に燃費が伸びるかと期待したのですが、最高で28.1km/L止まりでした。高速道路で時速100kmで走行しているときに瞬間燃費を表示させてみると、19.8km/Lのまま安定していました。せっかく高速道路を走行するのだからと、久しぶりにクルーズコントロールを使いましたが(というか、こんなときくらいしか使い道がありません)、瞬間燃費も平均燃費も上昇しませんでした。一定速度で高速道路を巡航する際には本来ならもっと伸びるはずですので、もしかしたら緩い上り坂だったのかもしれません(川の上流方向に向かっていましたので)。

今までの経験からざっくりとした傾向を見てみると、時速60km巡航で平均燃費28km/Lくらい、時速80km巡航で平均燃費25km/Lくらい、時速100km巡航で平均燃費22km/Lくらいです。軽油はガソリンよりも税金がリッター当たり20円安いので、現在の燃料価格の相場でしたらガソリン価格の8割くらいです。そのため、ガソリン価格に換算すると燃費の数字は25%増しになります。高速巡航ではディーゼルエンジンの独擅場ですが、とりわけデミオディーゼルは車体が軽い分だけ燃料消費が少ないため、長距離移動時の燃料コストは他車にくらべると随分安いです。

本来なら同じエンジン回転数、同じエンジン負荷なら速度が高い方がリッター当たりの走行距離が増える分だけ燃費が良いはずですので、6速にシフトアップする時速80km以上の速度域の方が燃費が良いはずです。また、その程度の速度域でしたらまだ空気抵抗はさほど大きくないはずなのです。一方、その速度域まで加速する分の燃料消費がありますので、瞬間燃費はともかくとして平均燃費は若干相殺されるようです。あるいは荒れた路面を高速で走行すると転がり抵抗が増大しているのかもしれません。

とはいえ、もともとの燃料コストが十分に低いので、燃料代よりも時間の機会費用の方が効いてきそうです。400kmを時速80kmで巡航する場合と時速100kmで巡航する場合とを比較すると、前者の燃料コストは1280円、後者の燃料コストは1455円です。一方、時速100kmで巡航すれば所要時間を1時間短縮できますので、時間当たりの人件費を考慮すれば早く目的地に到着してしまう方が有利です。同乗者の人数が増えればなおさらです。エコのために我慢すると、人間という最も環境負荷の高いリソースを浪費することになります。

高速巡航での燃費が意外と良くない印象ですが、田舎の3桁国道で整備の行き届いた道でしたら、若干の勾配や起伏があっても、普通に加減速して曲線の手前でブレーキを踏んで曲線の出口付近からアクセルを踏み込む運転で、22km/Lくらいは出ます。人口の少ない地域では信号が少ないというのが効いているのかもしれません。我慢しないで安全な範囲で走りたいように走るのが良さそうです。

2016年5月6日金曜日

Gベクタリングコントロール

マツダからの正式な発表はまだありませんが、メディア向けにGベクタリングコントロールの試乗会が行われ、いろいろな記事になっています。元になる技術の解説は開発元の日立の技術論文(安全走行を支援する新しい車両運動制御技術「G-Vectoring制御」日立評論Vol.91 No.10 784-785)に記載があり、Gの滑らかの移動を実現すべくエンジンのトルクを増減させる技術とのことです。「ハンドル操作によって車両に発生する横方向の加加速
度(ジャーク:加速度の時間変化)に基づいて前後加減速を制御」するとあります。理論は2009年の論文発表時に確立していたものの、緻密に前後加減速を制御するためには5ミリ秒単位、0.05G単位といった微小な単位でコントロールできるレスポンスの良いエンジンが必要なため、そこでマツダのSkyactiv-GやSkyactiv-Dに白羽の矢が立ったようです。

期待される効果は以下の通りです。
  1. 下手な人が運転してもGの移動が滑らかになるので、上手な人と同じような運転に近づくことができる。
  2. 同じ速度で曲線を通過する場合であっても走行安定性が向上する結果、曲線通過速度が高くなる。
  3. 路面の細かい凹凸による修正舵が不要になり、疲労が軽減される。
1.と2.については上手な人の運転を再現する技術のため、下手な人にはかなり効果がある反面、既に上手な人には効果は限定的なようです。とはいえ、車に乗り慣れた自動車評論家が運転しても効果を体感できるようですので、一般のドライバーにとってはかなりの効果を期待できそうです。また、i-DMが車を買ってくれたお客を「ヘタクソ」呼ばわりしてドライバーを調教するよりも短期間かつ確実に効果を出すことができるのは画期的だと思います。エンジントルクを制御する技術ですので、コーナー進入前にアクセルを離したりブレーキをかけたりしているときにはエンジンが介入する余地はありませんが、曲線に進入してまもなくアクセルを踏んでからや、ブレーキをかけるまでもない緩いコーナーでは効果がありそうです。

3.については人間よりも緻密な制御が可能で、ダート走行時にGベクタリングコントロールを有効にする前と有効にした後を比較している動画を見てみると修正舵が激減しているのが容易に見て取れます。あいにく4輪車が走行できるような日本の公道からはダートがほとんど姿を消してしまいましたが、それでも路面の細かい凹凸はいたるところにあり、そのような道路を平滑な路面と同じように運転できればさぞかし快適ではないかと想像します。

そこで、デミオディーゼルを運転する際にどの程度修正舵を当てているのか注意してみましたが、あいにくフロントヘビーで直線安定性の良いデミオディーゼルではもともと修正舵があまり必要ないことがわかりました。動画ではアクセラ1.5LのMT車が用いられていますが、これはマツダのFF車の中ではもっとも頭の軽い車ですので曲がりやすく、かつあまりパワーの無いエンジンですのでアクセルを踏みっぱなしで運転することになりますので、Gベクタリングコントロールの効果が最もわかりやすい車だといえます。アクセラ1.5Lほどでないにせよ、デミオXDは15インチホイールですし、ステアリングホイールも細いため、16インチホイールでどっしりした XD TouringよりもGベクタリングコントロールの効果を期待できそうです。あるいは横剛性の低いスタッドレスタイヤを装着しているときには効果を実感できるのでしょうか。

あるいは、FF車よりもFR車の方が効果を実感しやすいのかもしれません。仮にCセグメント以上をFFからFRに切り替えるとしたら、FF車と同等以上の直進安定性が求められるでしょうから、GベクタリングコントロールがあればFR化する上で有利でしょう。

長距離運転時の疲労が軽減されるとなれば、長距離運転と相性の良いディーゼルエンジン車でどのような効果が出るのか興味があります。ディーゼルエンジン車はまっすぐ走るのは得意な反面、曲がるのはあまり得意ではありませんので、Gベクタリングコントロールのおかげで曲がりやすくなればディーゼルエンジン車の弱点が解消されることになります。ただ、ガソリンエンジンならともかく、ディーゼルエンジンのレスポンスがそこまで良好なのか、普段運転していて実感がありません。環境対策のために敢えて緩慢な動きをするよう制御されているだけで、実際にはレスポンスが良好なのかもしれませんが、これについては実車を運転してみないとわかりません。

2016年4月10日日曜日

Proxes R39の燃費

冬タイヤから夏タイヤに戻してから、高速道路を含めて少し走らせました。夏タイヤの方が剛性が高い分、高速域で安定して走れますし、曲線でも安心して曲がれます。一方、燃費は冬タイヤよりも悪化しました。ヨコハマiceGuard iG50plusが冬タイヤの割に転がり抵抗が小さいというのもあるかもしれませんが、それにしてもProxes R39は燃費が良くないです。低燃費タイヤのブルーアースAよりもショルダーが角ばっていて、その分グリップ力はあるのかもしれませんし、タイヤとホイールの重量が大きくて高速安定性が良い代わりにバネ下重量が大きくなっているというのもあるのでしょうか。しかし、アウトバーンならまだしも日本の公道の速度域ではもう少し燃費に振ってもよいかもしれません。

どのみちProxes R39の溝を使い切ったら市販のタイヤに付け替える必要があって、185/60R16という特殊なサイズ故にダンロップLe Mans 4かヨコハマBluEarth-Aくらいしかサイズがありませんので、タイヤを付け替えれば燃費は向上することでしょう。ちなみにRegnoはまだ185/60R16のサイズはありません。

2016年4月3日日曜日

Bluetooth接続機器の切替

マツダコネクトでは複数台のBluetooth機器を登録できますが、電話と音楽再生とでそれぞれ1台しか接続できません。したがって、同時に接続できるのは2台までとなります。それはある意味当然なのですが、問題は機器の切替に手間がかかることです。ホームボタンを押して設定画面に入り、通信>Bluetoothまで到達して初めて電話・音楽再生のそれぞれの接続機器を選ぶことができます。

典型的な使い方はおそらく仕事用のスマホで通話できるようにしておいて私物のスマホで音楽再生するといったような感じでしょうが、運転中に私物のスマホで着信したときに常識的な時間内に通話対象機器を切り替えることは事実上不可能です。平日は仕事用のスマホで着信できるようにしておいて休日は私物のスマホで着信できるようにする程度でしたら出発前に設定すれば済むことですが。

しかし、ではどうすれば迅速に切り替えられる仕様にできるか考えてみても、各種のソフトウェア機能が限られたボタンを奪い合っている状況でボタンを数回押すだけでできる操作にはあらかた機能が割り当てられており、割り込む余地をなかなか見出せません。発信ボタンを押して電話発信画面になったところで選曲ボタンを押してBluetooth接続機器を選択できればよいのではないかと思うものの、これだと発信時には使える反面、着信時にはすぐに対応できません。

マツダコネクトのラジオ

現在のマツダコネクトのラジオは、周波数指定のみできる方式で、放送局が表示されませんので、事前にどの周波数がどの放送局かわからなければ放送局で選ぶことができません。さながら、昔ながらのダイヤル式ラジオで選局するようなものです。適当に選局して気に入った局を聴くというのもラジオの楽しみではありますが、できればどんな放送局があるかわかった上で決められる方がありがたいです。

特にDJデミオは長距離の移動が楽ですので、あちこち遠出する機会が多く、そうすると現地で地元のラジオを聴きたくなります。あいにくradikoのようなIPサイマルラジオでも放送エリアと異なるエリアへの配信はできない仕様になっています(月額350円のradikoプレミアムのみエリアフリー配信可)。これは本来の放送エリア内で使用する前提で権利者の承諾を得ているコンテンツを放送エリア外でも使用できるようにするために権利者の承諾を得るのに膨大な手間がかかるためその費用の一部を転嫁しているとのことで、現状そうであるが故に地元のラジオを聴くことが旅の醍醐味になるわけです。

なぜ現状の仕様になっているか推測するに、周波数と放送局とが1対1で紐づくわけではないので、放送局データを持ちにくいというのがあるかもしれません。同じ周波数であっても地域によって別の放送局だったりします。となると周波数データと位置データと放送局データの紐付けが必要になりますが、そうなると地図データのように各国固有のカスタマイズが必要になりますので、OS本体に格納するのが難しくなります。日本独自仕様のカーナビでしたらその辺りの作りこみもできますが、マツダコネクトは全世界共通仕様ですので、共通部分と各国固有部分との切り分けが重要です(しかしその一方でTVチューナーでは県別の放送局データを格納しているわけで、どうしてテレビにできることがラジオにできないのか疑問です)。

とにかく現状はローテクな手段で対処せざるを得ないわけで、まず選局の際にはAMラジオまたはFMラジオを選んだ状態でステアリングスイッチの選曲ボタン(左上についている次の曲のボタンと前の曲のボタン)をピーという音がするまで長押しことで、自動的にスキャンされますので、気に入った局が出るまでスキャンし続けることになります。気に入った局が出てきたらコマンダーノブの左下にある☆ボタンをピーという音がするまで長押しすることでお気に入り登録できます。一旦お気に入り登録してしまえば、あとは選曲ボタンを長押しではなく普通に押すだけでお気に入り登録された周波数を行き来できます。

どの周波数がどの放送局なのかについては、行き先が決まっている場合には事前に予習するしかなさそうです。そこまでしなくてもラジオの場合には一定間隔でコールサインが放送されますのでそれまで待っていればよいのですが

しかし、様々な地域の放送局の周波数をお気に入り登録すると、今度は選曲ボタンで周波数をあわせる際に地元以外の地域のラジオ局の周波数にも飛んでしまいますので、手間がかかります。お気に入りボタンを押してその中から選ぶこともできますが、それも同様に手間がかかります。せめてお気に入り登録した周波数だけでも手入力で放送局名を登録できればよいのですが。

マツダコネクトにAndroidスマホをUSB接続してみました

マツダコネクトはiPodやiPhoneとの相性が良い一方で、Androidスマホ向けの作りこみはされていませんので、わざわざAndroidスマホをUSB接続するくらいなら最初からiPod touchでも使っている方が楽ですが、せっかくですのでUSB接続したらどうなるか試してみました。

マツダコネクト関連のFAQを見るとAndroidデバイスをUSBで接続すると単なるUSBメディアとして認識されるようで、最初に接続したときには読み込みに時間がかかりました。一旦読み込みが完了すればあとはマツダコネクト側で音源を読み込んで再生しますので、USBメモリからの音楽再生と同じです。しかし、車を降りてAndroidスマホを持ち出してからエンジン始動前に再度AndroidスマホをUSB接続してみるとまたもや読み込みに時間がかかって、音楽再生開始に至りませんでした。

もちろんBluetooth接続ならiOSだろうとAndroidだろうと問題なく音楽再生できますので、わざわざUSB接続するまでもありません。それに、いちいちケーブルを挿すまでもなく、車に乗ったらすぐに持ち歩いている携帯電話から音楽再生できるのは便利です。ただし、Bluetooth接続の場合には再生音量が本体側の音量設定に依存しますので、音量が不足する場合には本体側をいじる必要があって、それだけは不便です。イヤホンを使っているときには音量を絞っていますので、ノイズの多い車の中だと音量が不足しがちです。

2016年3月26日土曜日

夏タイヤに戻しました

そろそろ雪もなくなってくる時期ですので、夏タイヤに戻しました。

夏タイヤ4本を車の近くまで持ってきて、1本づつジャッキアップしながら付け替えて、空気圧を長生し、冬タイヤ4本を持ち帰れば完了です。今回は1時間ほどで完了しました。タイヤ交換のついでに夏タイヤのローテーションを実施しました。納車後7000km走ってからタイヤローテーションを実施し、その後で15000kmそのまま走り続けてしまいましたので、冬タイヤへの交換前は前輪の溝が減ってブレーキの効きが悪くなりましたが、あまりすり減っていない後輪のタイヤを前輪につけることで、前輪タイヤの溝が増えました。また、純正ホイールに戻ることで、やっと本来のエクステリアデザインに戻りました。ホイールのデザインには特にこだわりはありませんが、しかしそれでもデザイナーが意図した通りのものだと全体のバランスが良くなります。

今までつけていた冬タイヤのヨコハマiceGuard iG50 Plusを振り返ってみると、凍結路面で安心して走れたこともさることながら、ドライ路面での使い勝手が夏タイヤと遜色なく、あまり冬タイヤであることを意識せずに走ることができました。敢えて16インチの純正サイズにしたため、値段が高く選択肢も限られましたが、走りの面では満足できました。燃費については、エンジンの冷える冬場であっても普通に走っていれば22km/Lくらいはコンスタントに出ましたので、むしろ夏タイヤよりも少し燃費が良くなりました。同じ時期に夏タイヤで走ったときの燃費は18km/Lくらいでした。ロードノイズにしても、もともとトーヨーのProxes R39がロードノイズの大きいタイヤのため、冬タイヤだからといって特にロードノイズが大きいとは感じず、むしろ少し静かになったと感じました。しいて言えば、平滑な路面でスタッドレスタイヤならではの高音のパターンノイズが気になったくらいです。ステアリングフィールも良好です。唯一、コーナーを高めの速度で通過するときのみ横方向の剛性が不足すると感じたくらいです。常時積雪しているような寒冷地ではブリジストンのブリザックが定番のようですが、ドライ路面がメインでたまに凍結路面を走る場合にはヨコハマiceGuard iG50 Plusの方が使い勝手がよいかもしれません。

冬タイヤでもあまり影響ないのは操安設計のたまもののようですが、しかしそれでも15インチホイール+スタッドレスタイヤの組み合わせだと高速道路でふらふらするようですので、ある程度はホイールサイズやタイヤによるものではないかと思います。

ここまで書くと、「iG50 Plusの出来が良いのはわかるけど、もしかしてProxes R39って大したことがないのでは?」という気がしてくるかもしれませんが、夏タイヤに交換してみると、たしかに剛性は向上していますし、走りが滑らかで曲がりやすいですし、やはり夏タイヤなりのものはあります。夏タイヤのローテーションを実施して前輪の溝が増えたからというのもあるかもしれませんが、冬タイヤに交換する前の出足の悪さも気になりません。パターンノイズが減ったのはむろんのこと、一般道の速度域ではロードノイズも若干低減したように感じます。

2016年3月13日日曜日

iPhoneからBluetooth接続で音楽再生するときの音量

表題の通り、iPhoneからBluetooth接続して音楽再生したのですが、最初は音が全く聞こえず、何かの動作不良かと思って次の曲に進めてみたりしたものの効果が無く、もしやと思って音量をかなり上げてみて初めて音が鳴り出しました。しかもノイズが入っています。普段はマツダコネクトの音量を20に設定していて、通常の音源なら問題なく聞こえます。たまにロードノイズが大きい際に音量を25まで上げるくらいです。しかし今回は音量を50くらいまで上げて初めて音が聞こえました。

iPhoneを他のBluetoothスピーカーに接続する際には音量が不足する問題は全くなく、スピーカーのボリュームと本体のボリュームが連動していますので、音量が不足してもスピーカー側で音量を上げれば常識的な音量で解決します。Bluetoothの本来の仕様に準拠していればマツダコネクトでも問題ないはずのものですから、マツダコネクト側の問題であることは明白です。

帰宅後に調べてみるとBluetooth接続時の音量が不足するのは既知の不具合で、マツダコネクトのバージョンとiOSのバージョンとの相性にも左右されるとありました。どうして今まで気が付かなかったかといえば、いつもUSB接続で音楽再生していましたし、Bluetooth接続でのハンズフリー通話も順調でしたので、よもやBluetooth接続での音楽再生に問題があるとは思いもよりませんでした。そもそもBluetooth接続よりもUSB接続でデジタルデータをマツダコネクトに送信する方が音質が良いので、通常ならばUSB接続すれば済む話です。しかし、ちょい乗りの際にいちいちUSBケーブルを接続するのも面倒です。

そう思って今度はUSBで接続したものの、音量が不足しました。それならばと思って本体の音量を上げたらやっとまともな音量になりました。通常のBluetoothスピーカーやBluetoothイヤホンの音量調整ボタンは本体のリモコン扱いになっていて、それ故に本体の音量調整と連動しているのですが、マツダコネクトがなぜ通常でない仕様にしているのか理解に苦しみます。iOSのバージョンとマツダコネクトとの相性の問題なのかもしれませんが、同じバージョンのiOSを搭載するiPod touchを接続する際には全く問題ありません。iPod touchが余ったら車載専用にするのが一番楽なのかもしれません。

その後、iPhoneをBluetooth接続したら今度は普通の音量で聞こえました。支障が無ければ別に構わないのですが、どうして最初にまともに音が鳴らなかったのか謎です。

マツダコネクトの音声入力(試用編)

マツダコネクトの音声入力コマンドを一通り予習した上で、早速試しに使ってみました。結論から申し上げると、ごく一部のコマンド以外は実用的ではありません。最大の原因はテンポが遅すぎることです。

  • ステアリングスイッチの音声入力ボタンを押す
  • 音声入力が立ち上がる
  • 「コマンドを言ってください」
  • ピッ
  • (音声入力コマンド)
というステップが必要で、音声入力ボタンを押してからコマンドを言えるようになるまで数秒かかります。簡単な操作でしたらコマンダーノブやステアリングスイッチで操作する方が早いです。

いろいろ試してみたところ、音源の選択についてはそこそこ機能します。カーナビのコマンドについては「自宅へ帰る」と「ルートをキャンセル」のみは実用に耐えますが、目的地入力は「履歴」「お気に入り」「自宅」のどれかに登録のある目的地しか選ぶことができず、全く新規の目的地を入力するのは音声ではできません。まず、音声で「履歴」「お気に入り」「自宅」のどれかを言うと、それぞれの一覧が行番号つきで表示されますので、行番号を言うと、それが選択されます。行数が少なければ問題ありませんが、行数が多い場合には結局スクロールして探しだす必要がありますので、「自宅」や直近の履歴といったごく限られたものにしか使えません。この仕様から推測するに、「プレイリストを再生」「アーティストを再生」「アルバムを再生」「ジャンルを再生」「フォルダを再生」を選んだときも、一覧の行番号が付されて、その行番号を言う方式でしょう。せめてアーティスト名やアルバム名を直接音声入力できれば便利なのですが。

iPodで音楽再生中に「一時停止|停止」と言っても一時停止させることはできませんでした。マツダコネクトの仕様外のものは音声入力であっても受け付けてくれないようです。どうしてこの音声入力コマンドがあるのか理解に苦しみます。「住所」や「アプリケーション」のように言っても無視されるコマンドもあります。

とはいえ、マイクで音を拾う部分と音声を認識する部分は正常に機能しており、音声入力コマンドがあまり役に立たない主な原因は音声入力によるUI設計の不備にあります。

2016年3月12日土曜日

マツダコネクトの音声入力(準備編)

ステアリングスイッチに謎の顔ボタンがついていて、一体何だろうと思っていましたが、つい最近になってそれが音声入力ボタンだということに気が付きました。

今までマツダコネクトで音声入力を全く使ったことがなかったのですが、せっかくですので使い物になるかどうかの見極めくらいはしてみようと思って試しに使ってみようと思いました。普段は、SiriはおろかGoogleの音声入力も使ったことがありません。スマホの音声入力は周りに気兼ねするからですが、車の中でしたら周りに気兼ねありませんし、コマンダーノブでは数ステップ必要な動作であっても音声入力でしたら一発でできる場合もあります。運転中でもハンズフリー通話がきちんと機能しますので、マイクで音声を拾うところまでは問題ないことが確認できています。

コマンダーノブの操作は直感的ですのでさほどマニュアルに頼る必要が無いのですが、音声入力の場合にはどのようなコマンドが受け付けられるかを予め知っておく必要がありますので、音声コマンド一覧をダウンロードしました。

音声コマンド一覧を見る限り、まず最も便利そうなのが音源の選択です。コマンダーノブを使う場合には左側のエンターテイメントボタンを押してからダイヤルを回して音源を選択する必要がありますし、反応に時間がかかりますので、運転中に操作しようとすると気が散ります。しかもその間にはナビ画面が表示されません。音声入力なら「FM」「Aha」「Bluetooth」「USB」等、音源を音声で入力するだけで切り替えられます。ラジオの場合には、FM/AMに続いて周波数を指定することができます(例:FM 80.0[に合わせる])。

マツダコネクトは音源一覧の上から順に探して、あるものを再生しますので、例えば一旦iPodを取り外した状態でエンジンを始動するとFMラジオになってしまいます。後からiPodを接続した場合には、いちいち音源を選び直す必要があります。

次に便利そうなのは「リダイヤル」「コールバック」といった電話関連のコマンドで、受話器を上げるだけでしたらボタンで可能ですが、そこから先は面倒ですので、頻度の高い動作は音声入力の方が便利そうです。同様に、ナビの「自宅へ帰る」「ルートをキャンセル」コマンドも音声入力の方が便利でしょう。使用頻度が高く、単純で、かつコマンダーノブの操作だと2ステップほど必要です。

意外なのは「再生|再開」と「一時停止|停止」で、これはステアリングスイッチでは操作できません。音楽を止める場合には大きなダイヤルの手前の小さなダイヤルを下に押して消音するくらいしかできませんが、音楽は再生されたままです。

あまり意味が無いと思ったのは、ボタンを1回押すだけでできる動作で、例えば「ホーム画面[に移動]」「次へ」「前へ」といったものです。音声入力の場合には実際に音声で入力する前にステアリングスイッチの音声入力ボタンを押す必要がありますので、却って煩雑です。

あったら便利そうだと思ったものの現在実装されていないコマンド/機能は以下のものです。

  • 再生中の曲名を音声で返す機能(日本語だと難しいかもしれませんが)
  • 曲をリシャッフル(現状ではまだUSBメモリで再生中の曲のレジュームが機能しないケースが多いため)
  • FM/AMラジオの自動選局の開始と決定(長距離を移動する場合には遠方のラジオ曲まで把握しきれません)
  • 放送局名による音声入力(これはマツダコネクト自体が周波数と放送局との紐付けデータを持っていませんので、仕様上不可能です。「NHKラジオ第1」とか「NHK FM」とか入力できるだけでも結構便利なのですが)
  • 交通情報(音源の選択のコマンドに含まれていませんので、「AM 1620」等と音声入力する必要があります)
  • 「平均燃費」「走行可能距離」といったInfoボタンの内容を照会する入力を受け付けて音声で返す機能
  • 同様に「A」「B」「ODO」のそれぞれの走行距離を音声で返す機能
  • AT車でDレンジの際に現在のギアを音声で返す機能(画面にも表示されませんので、難しいのかもしれませんが)
  • i-DMの点数を音声で返す機能(コマンダーノブだと複数ステップ必要ですが、運転中にそこまでするほどのものではありません)
だいたいの状況は把握できましたので、次は実地で使う番です。

デミオのハイビームコントロール

デミオにはメーカーセットオプションで「ハイビームコントロール」というのをつけることができます。ライトをAUTOの位置にして、レバーを奥に倒してハイビームの位置にしておくと、オートライトに加えて、状況に応じてハイビームとロービームとを自動で切り替えるもので、うまく機能していればとても便利なものです。

問題は、これがあまりうまく機能していないことで、ハイビームが欲しい場面であってもなかなかハイビームに切り替わりません。自動でハイビームに切り替わらないのは以下の状況です。

  1. 対向車がいる
  2. 先行車がいる
  3. 明るい市街地
  4. 時速30km未満
どれもハイビームには適さない状況ですので一般論としては正しいのですが、1.と2.は光源を検知して制御する方式ですので、画像処理の精度が高くないと人間の直感に反した動作をします。それで、ハイビームが必要な状況でハイビームにならない場面が出てくるわけです。逆にハイビームが適切でない状況でハイビームになることはありません。おそらく、光を検知した際に、実際の光源によらず対向車や先行車によるものと判断しているのではないでしょうか。

法律上は夜間は原則ハイビーム点灯で、すれ違いの際にはロービームのみにするよう規定されていますので、ロービームが義務付けられているときのみ自動でロービームに切り替えるのが法律上正しい動作のはずなのですが、マツダのハイビームコントロールは「疑わしきはハイビームにしない」という動作ですので、法律に即していません。

法律以前にそもそも街路灯の無い田舎の道ではハイビームを点灯しなければまともに前も見えず、危険ですし目も疲れます。高速道路や国道には反射板がついていて、ハイビーム点灯時には反射板が明るくなって進路を示してくれますし、標識にも光が当たるのですが、ハイビームコントロールがこの反射光を対向車の光と誤認してロービームにしてしまうと、せっかくの反射板が機能せず、前が見えなくなってしまいます。

では手動でハイビームを有効にしようと思うと、UIの不備に直面します。ハイビームコントロールを有効にしている際にはAUTOの位置でレバーを奥に倒しているのですが、手動でハイビームを有効にするためには、レバー先端のダイヤルをねじらなければなりません。しかし、このダイヤルをねじるという動作は運転中に正確に行うことが難しい動作で、しかも夜間には手元が暗いのでダイヤルの印字もよく見えません、ダイヤルにLED照明を仕込んでおいて夜間には光るようにするというギミックがあれば少しは操作しやすくなるでしょうが、それでも運転中に視線が移動するのは危険です。手動でのハイビームから自動に戻す際にも同様にダイヤルをねじる必要があり、誤動作を誘発します。UIに気を使っているはずのマツダらしからぬ詰めの甘さです。これが通常のハイビーム/ロービームの切替でしたらレバーを奥に倒すだけで済みますので運転中でも確実に動作させることができます。

一方、オートライトを有効にしたまま、ハイビームコントロールを当てにせずに手動でハイビーム/ロービームの切替をしようとすると、ハイビームが必要な場面でレバーを奥に倒すものの、その時点でハイビームコントロールが有効になってしまい、ハイビームが必要にもかかわらずハイビームが点灯しないという状況が発生します。結局上記のようにダイヤルをねじる必要が生じるのですが、「ハイビームの必要性を認識する」「レバーを奥に倒す」「ハイビームにならない」「やむなくダイヤルをねじって手動でハイビームを点灯させる」という一連の動作が必要になり、ハイビームが点灯するまで時間がかかりますし、その間に運転への集中が削がれます。

その結果どうなるかというと、普段はオートライトを有効にしつつ、ハイビームが必要な道路を走行するたびにダイヤルをねじってオートライトを無効にして、それから手動でハイビーム/ロービームの切替をして、到着時にオートライトに戻すという動作が必要になり、結局オートライトもハイビームコントロールも満足に機能しない状況になるわけです。

次善の策としてオートライトを活かしつつハイビーム/ロービームの切替のみ手動で行うためには、ハイビームコントロールを無効にすればよくて、マツダコネクトで「設定」>「車両装備」>「照明」と辿って行くと「ハイビームコントロール」の項目がありますので、そこのチェックを外すとハイビームコントロールが無効になります。この設定をするためにはエンジンが回っている状態にする必要があります。

おろらくハイビームコントロールのあるべき姿は、原則ハイビーム点灯にし、明らかにロービームにすべきときのみ自動でロービームに切り替えるというものでしょう。この場合、ハイビームが適切でない状況で手動でロービームに切り替えるためには、レバーを手前に倒してロービームの位置にするだけですし、自動に戻すときもレバーを奥に倒すだけです。これなら通常のハイビーム/ロービームの切替と同じですので直感的に操作できます。

2015年12月の年次改良で改善することを期待していたのですが、まだ実現していないところを見ると、画像処理による光源の判定ロジックがまだ成熟しておらず、「明らかにロービームにすべき状況」をうまく判断できていないのかもしれません。素人でも気がつく程度のことなら当然開発時に社内でも議論になっているはずで、にも関わらず技術的な壁を突破できないがゆえにやむを得ず現在の仕様になっていると考えるのが自然です。

2016年2月24日水曜日

i-DMの点数を手っ取り早く上げる方法

i-DMの点数を上げることだけを目的にしたテクニックもあるようですが、そういう枝葉末節ではなくもっと簡単なことがあります。それは速度を出し過ぎないことです。昔から警察や教習所から口うるさく言われていて語り尽くされたことではありますが、

  1. 速度が高いと単位時間当たりの車の動きが大きくなるので、それだけコントロールが難しくなる
  2. 速度が低い方が、認知・判断・操作のサイクルに時間的余裕がある
の2点により、速度が低い方が余裕のある運転ができます。急ハンドル・急アクセル・急ブレーキはすべて余裕の無さから生じるものですので、余裕のある運転をすれば白点灯を回避できます。白点灯させずに緑点灯だけだと4.5点のままですのでステージが上がることはありませんが、i-DMにある程度慣れ親しんでくれば青点灯させることはさほど難しくありませんので、あとは白点灯させずに青点灯の加点を積み重ねるだけで5.0点になります。速度が低くても加速度一定、減速度一定、横G一定ならそれぞれ青点灯します。

白点灯させずに走らせることのできる速度が自分の実力であり、実力に見合った速度で走りましょう、ヘタクソは飛ばすなということに尽きます。警察が設定する制限速度は安全に走れる速度である道路構造令上の設計速度に比べて低すぎるのではないかと思うのですが、それは日本のドライバーにはとんでもない運転をする輩が多いということの裏返しなのかもしれません。新東名の設計速度が時速140kmであっても車の性能やドライバーの技量がついてこられなければ、そちらに制約されるというのが警察の見解のようです。

高齢化に伴って遅い車が増えてきましたが、高齢化すると状況判断の能力も衰えるようで、自分を先頭に渋滞ができているのに自覚が無かったり、仮に自覚があっても安全な場所で左に寄せて道を譲るだけの判断ができなくなっていたりして、遅いからといって適切な状況判断がなされるとは限らないのは困ったものです。

2016年2月23日火曜日

USBメモリ上の曲をマツダコネクトで「お気に入り」に登録したい

言わんとしていることは表題で尽きているわけですが、順を追って説明します。マツダコネクトではラジオの周波数と連絡先と目的地をお気に入り登録できるのですが、なぜか再生中の曲をお気に入り登録する機能がありません。その理由を推測するに、周波数や連絡先や目的地のデータはマツダコネクト上に格納可能で、お気に入りの中から選べば必ず該当するものを選び出すことができるのに対し、音楽の音源はマツダコネクトの外部にありますので、お気に入りの中から選んだとしても、必ずしもその曲を再生できるとは限らないためではないでしょうか。

ではなぜ曲をお気に入り登録したいかといえば、要は膨大な曲の中から簡単に頭出ししたいということに尽きます。数千曲ある中で、本当に気に入る曲というのは数えるほどしかありません。そして、なぜ一部の曲を簡単に頭出ししたいかといえば、USBメモリ上の曲のシャッフル再生で時折不具合が出るからです。たとえ1曲目が同じ曲であっても、2曲目以降でランダムに再生されれば、すぐに2曲目以降に移ってしまえば実害がないのですが、マツダコネクトの場合、最初の曲に戻ってしまったら、そこからシャッフル再生するとなぜかいつも同じ順番で曲が再生されてしまいます。そういうときには数曲進めて、それからおもむろにシャッフル再生に切り替えることにしています。しかしそういうのは実に面倒ですし、しかも運転中にそんな操作をするのは危険ですので、シャッフル再生が落ち着くまで出発できません。そのため、お気に入りを10曲くらい決めておいて、その中からどれか1曲を選んでそこからシャッフル再生を始めれば多少は楽になるかなと思った次第です。

曲のお気に入り登録はできない仕様ですが、その代わりプレイリストを作成することは可能です。iTunesのプレイリストと同じフォーマットですので、一旦iTunes上でプレイリストを作成し、それをテキストファイルにエクスポートし、各曲の先頭のディレクトリだけ書き換えて保存し、それをUSBメモリにコピーすれば完成です。しかしこの場合、そのプレイリストの中でしかシャッフル再生できませんので、シャッフル再生の起点とするためのお気に入り登録の代わりにはなりません。

こんな面倒な思いをしながらUSBメモリを使うくらいだったらiPodを使う方がはるかに楽ですので、もしiPodが余っていればそれを車載専用にすればよいわけです。バッテリーがヘタっていて屋外に持ち出すことができないようなiPodであっても、USBで接続して使う分には常に給電されますので問題ありません。アクセラの場合は肘掛けの下が小物入れになっていて、その中にUSB端子がありますので、iPodを繋いだ状態で放り込んでおけばよいのですが、一方デミオの場合はUSB端子がシフトレバーの前にありますし、蓋のついた小物入れがありませんので、iPodを置きっぱなしにしにくいです。USBメモリを挿しっぱなしにする方がまだ目立ちません。

2016年2月21日日曜日

UKでのMazda 3の1.5Dのレビュー記事

欧州で一足早くMazda 3の1.5Dモデルが発売されたUKで、レビュー記事がいくつか出ています。

【レビュー記事】
http://www.chroniclelive.co.uk/news/motoring/car-reviews/car-review-2016-mazda-3-10837571
http://www.whatcar.com/car-news/mazda/3/2016-mazda-3-15d-review/1367271
http://www.autoexpress.co.uk/mazda/3/94143/new-mazda-3-diesel-review

カンパニーカーに適用される税金がCO2排出量100g/kmを境に大きく異なることから、カンパニーカー向けにCO2排出量が少ないのが売りとあります(2.2Dだと107g/kmなのでクリアできない)。一方、高速域でアクセルを踏んでから意図した加速度に到達するのに時間がかかるのは出力相応とか、街乗りならMTでもあまりシフトダウンしないで走れるので楽とか、エンジン以外はアクセラそのものとか、いろいろ書いてありますので、ぜひ原文を読んでみてください。UKではエクステリアデザインに対する評価が高いようです。他車との比較では、(後処理装置が無いために)排気量当たりの出力は低いが、日本車特有の車体の軽さで補っているみたいな記述もあります。

CO2規制に特化した車という扱いのようですが、規制というのは常に人為的に変更されるものですので、現在はCO2排出量ベースの規制が適用されていても、NOx排出量まで規制されてしまったらディーゼルエンジンの立場が逆転してしまいます。マツダのディーゼルエンジンは現在の規制には適合しているようですが、実走行時のNOx排出量と規制値との乖離が他社のディーゼルエンジン車よりも大きいという数字も出ており、NOx排出量規制が厳しくなった場合の対応は大変そうです。2.2Dならともかく、技術面でもコストの面でも難しい小型クリーンディーゼルエンジンならなおさらです。そのような将来のリスクもあって、1.5Dの開発費用を回収するために、現在は税制上のメリットのある欧州向けに積極的に売りに行くことにしたのではないかと邪推します。1.5Dのエンジン自体は1年以上前からあって、しかもその時点でも欧州では税制上のメリットのあるCO2排出量であったにもかかわらず、アクセラには欧州向けを含めて1.5Dを載せないと判断していたわけですから、1年間で何らかの情勢の変化があったと捉えるのが自然です(Skyactiv-1.5Dは当初は最大トルク220Nmで設計されたものの、CX-3向けに過給圧が上げられ、変速機のトルク容量の上限である270Nmまで最大トルクが引き上げられたとかもあるかもしれませんが)。

日本にはカンパニーカーの制度がありませんし、日本でこのクラスの社用車といえばプロボックス/サクシードが定番で、わざわざアクセラを買うのは想像がつきません。自営業者が経費が買うにしても、日本で税制上のメリットがあるのは税制上の優遇措置のある電気自動車やプラグインハイブリッド車だったり、あるいは減価償却狙いの値崩れしにくい中古の輸入車だったりしますので、税制上の理由で小型ディーゼルエンジン車を買うという選択肢はありません(クリーンディーゼル補助金なんて微々たるものですし)。個人が自腹で買うとなれば純粋に値段と走りですが、2.0Gよりも高くて重くて走りが鈍重ですので、あまり魅力を感じません。結局、欧州の税制に特化したグレードとなりそうです。

【価格】
モデルごとの価格の一覧がわかりやすくまとまっています。
http://www.carbuyer.co.uk/reviews/mazda/mazda3/hatchback/variants

これを見ると、2.0Gよりも高く2.2Dよりは安いのは順当でしょう。2.0Gより高くても税制上のメリットがありますし、新車価格が高くてもその分減価償却費も大きくなりますので、法人名義でしたらさほど問題ありません。しかしよく見ると、1.5Dと2.2Dの価格差がさほどありません。UKの価格で850GBPの差ですが、UKの物価を考慮すれば日本では10数万円の差でしかありません。しかも、2.2DのMTの方が1.5DのATよりも安いです。自腹で買う場合、価格差と走りの差を考えれば2.2Dになびきそうな気がします。

日本仕様の2.2Dは究極のアクセラという位置づけで世界で唯一175ps(他の国では150ps)かつ装備全部盛りだったりしますが、日本で1.5Dを売るつもりが無いのでしたら、日本でも150ps版でもう少し安い2.2Dを出してほしいものです。

【仕様】
Mazda UKのサイトに、さほど詳細でないものの仕様が公開されています。
http://www.mazda.co.uk/cars/mazda3-hatchback/specs-and-prices/

1.5DのMT車の重量はドライバーの重量を除いた分で1345kg、AT車だと同様に1370kgと、105psの1.5Lエンジンで動かすには重いです(2.2DだとAT車で1450kgですので、150ps仕様であってもこちらの方がはるかに余裕があります)。しかしそれでも日本車は欧州車よりも軽いので、パワーウェイトレシオについては欧州の同じクラスのディーゼルエンジン車と大差ないようです。また、1.5Dはおろか2.2Dでも標準では16インチホイールを履いているとか(さすがにオプションで18インチにするでしょうけど)、国ごとに売り方が異なっていて興味深いです。

本当は変速比と最終減速比を知りたかったのですが、直接は開示されておらず、MT車でも最大トルクが270Nmであることから、CX-3と同様に中容量の変速比を採用しているとか、最高速度が115mph(185km/h)とデミオディーゼルと同じであることから、動力性能についてはデミオと同じくらいで、車体が重い分、ターボが効かない低回転域や最大出力に近い高速域ではデミオよりもさらに不利ではないかと推測できる程度です(UKでは高速道路の制限速度が低めですので、高速域での影響はあまり無いはずですが)。低速域での出足が鈍そうな感じですが、もしかしてデミオとCX-3の年次改良で導入されたDE精密過給制御というのはアクセラ1.5D向けに開発されたものなのでしょうか。

MT車の場合は低めのギアで引っ張ればよいとして、ATの進段の制御がどうなっているか気になります。レビュー記事だとシフトダウンは早いがシフトアップが遅いとあり、低めのギアでパワーを絞り出す制御なのではないかと推測します。

燃費については、1.5Dが欧州複合燃費で74.3MPG(26.3km/L)、2.2Dが68.9MPG(24.4km/L)とさほど差がありません。ちなみに郊外と都市部の燃費もそれぞれ開示されていて、1.5Dの場合80.7MPG(28.6km/L)と65.7MPG(23.3km/L)です。都市部の燃費だと日本の実態に近いです。欧州にせよ米国にせよ、実態に則した燃費が開示されていますので参考になります。

2016年2月14日日曜日

デミオディーゼルのコーナリング

デミオのディーゼルエンジン車はガソリンエンジン車に比べてエンジン重量が100kg大きいため、きついコーナーを曲がる際にはガソリンエンジン車ほど簡単に曲がってくれません。緩いコーナーを曲がる際や速度が十分に低い際にはむしろ狙った通りにきれいに曲がってくれますので、曲がれる速度に落とさないのが悪いと言われてしまいそうですが、曲がりくねった道を走る際に速度を落とすことだけで対処しようとすると他の車よりも遅くなってしまいます。安全かつ滑らかに曲がれる速度が自分の実力とはいうものの、もう少しどうにかならないものだろうかと思います。

運動方程式ma=Fの示す通り、質量mが大きくなった場合、加速度aを一定に保つためにはFをmに比例して大きくする必要がありますし、力Fが一定なら加速度aは質量mに反比例して小さくなります。

Fは左右のタイヤのグリップ力の差で、前輪への荷重が所与のときにはグリップ力はタイヤの性能によって制約されます。実際にはエンジンが重くなればその分前輪への荷重も大きくなりますので、タイヤのグリップ力が荷重に比例する領域ではエンジンが重くなることで慣性力が大きくなる効果とタイヤのグリップ力が増す効果とが相殺するはずで、実際、速度が低い時や、速度が高くても曲率が低いような余裕のあるコーナリングではそうなっているようなのですが、どうやらきついコーナーではタイヤのグリップ力がリニアに増大しないようです。

グリップ力を増やすための一番簡単な方法は、スポーツカーのように太くてハイグリップなタイヤに履き替えることなのでしょうが、そうすると僅かな入力に鋭敏に反応するようになり扱いにくくなりますし、摩擦抵抗が大きくなる分、燃費も悪くなります。長距離をゆったりと走れるディーゼルエンジンの持ち味が損なわれますので、わざわざ高価なディーゼルエンジンを載せる意味がなくなってしまい、もしそういう使い方をしたければ最初からガソリンエンジンのスポーツカーを買えば済むことです。

もう一つのやり方は加速度aが小さくなることをよしとすることであり、重いものを動かすときにはゆっくりと動かせばよいということになります。ある時点で狙った通りの位置に持っていくためには、動かすのに時間がかかる分、早めに動かし始めて勢いをつければよいということになります。コーナーの手前で早めに減速し、早めにステアリングを切れば最終的には狙った通りの位置に曲げることができるはずなのですが、なにぶん曲線の先を見ながらステアリングを切るよりも早めの動作が求められるため、どの程度早めにステアリングを切ればよいのかをつかむためには、ある程度試行錯誤が必要です。

コーナーの手前からステアリングを切ったら車線からはみ出してしまうのではないかと不安になりますが、慣性力が大きければステアリングを切った通りに曲がるわけではありませんので、最初は少しだけステアリングを切ってみながら徐々に慣れていくとよいでしょう。少しステアリングを切ったときの左右方向のグリップ力の立ち上がりと、僅かに発生する横方向の加速度と僅かな車体のロールを感じ取るとよいと思います。

また、速い車についていく際には、前の車と同じように曲がろうとすると間に合わず、慌てて曲がろうとして白点灯させてしまいますので、前の車がノーブレーキで曲がったからといって同じようにするのではなく、原理原則通りにコーナーの手前で減速して前輪の荷重を増やしたりする工夫が必要です。コーナー手前で減速した分は、コーナー出口で加速する分で取り戻せます。

現状どこまで実践できているかというと、最近は曲がりくねった道では青点灯時々白点灯で、4th Stageで4.5点くらいで安定しています。最近になってやっと、曲がりくねった道でも普通の道と同じくらいの点数になりました。とはいえ、白点灯させてしまうせいで青点灯での加点が帳消しになってしまっています。白点灯させないようにするためにはもう少し練習が必要なようです。

2016年2月11日木曜日

停止時の揺り戻し

納車から9ヶ月ほど経過した頃から、停止時の揺り戻しが気になるようになりました。ちょうどその頃i-DMが4th Stageになって判定が厳しくなったというのもあるかもしれませんが、納車直後にはきれいに止まれる車だと感心していましたので、やはり車の側に何らかの変化があったのではないかと考えています。

車の側の変化としてすぐに思い当たるのはタイヤがすり減ったことと、サスペンションがなじんできてよく動くようになったことです。まずタイヤに関しては、タイヤを交換した直後や、タイヤローテーションの直後は比較的止まりやすいのですが、しばらくすると停止時に白点灯しやすくなります。タイヤがすり減ることで主に前輪の制動力が落ちるためではないかと推測するものの、あいにくそれがどのようなメカニズムによって揺り戻しに結びつくのかについての知見を持ち合わせていません。もし前輪の制動力の低下によって前のめりになるとしたら、前輪の制動力に合わせてブレーキを踏むことで後輪がロックしているときではないかと考えるのですが、しかし果たして市販のFF車の標準的なセッティングにおいて後輪がそんなに簡単にロックするものなのか疑問です。

次にサスペンションについてですが、たしかに納車直後はサスペンションがあまり動かず、突き上げが強かったです。4000kmを越えた辺りから次第にサスペンションが馴染んできて乗り心地が良くなりました。外から停止時の状態を見てみると、一旦車体が数cmほど前のめりになってから元の位置に戻るのがはっきりと見て取れます。人間の感覚からすれば結構大きな動きです。本当にこのサスペンションセッテイングでよいのか疑問です。停止時の揺り戻しもさることながら、本来減速時には前輪にかかっていなければならない荷重が前方に抜けているわけで、それだと前輪のグリップ力が減少して曲がりにくくなります。

サスペンションについてはほとんど全く知見を持ちあわせていませんので、素人のいい加減な想像でしかないのですが、引張荷重に対してフロントサスペンションの減衰力が弱すぎるのではないでしょうか。前方向への車体の慣性力を下方向への前輪への荷重に変換するためには、ピッチングの回転中心が本来はかなり前方の地面に無ければならないはずなのに、フロントの減衰力が過小になることでフロントとリアの減衰力のバランスが崩れて、回転中心が後ろにずれているのではないでしょうか。最初からそのようなセッティングにしているはずはありませんので、開発時に想定されなかったダンパーの経年変化によるものなのか、あるいは前述のように前輪タイヤの摩耗によるものでしょうか。

サスペンションについては素人が悩んでもどうしようもありませんので、まずはきちんと5000kmおきにタイヤローテーションを実施して前後のタイヤの摩耗を均一化した上で、当座は運転で対処するしかないのですが、だいぶましになったとはいえ、まだ白点灯させてしまうときがあります。

一番簡単なのは停止時の減速度を下げることです。最初は軽くブレーキを踏んでそれから徐々にブレーキを強めていって数m手前で止まるつもりで強めにブレーキをかけて、速度が下がったら徐々にブレーキを緩めて減速度を落とし、車が自然に停止するように持ち込むと比較的きれいに止まりやすいですし、減速時にi-DMが青点灯しやすいです。加速時にアクセルを徐々に踏み込んでいくのと逆の動作をするわけです。

常にきれいに止まれると言い切れないのは、まだ完全にコントロールしきれていないからです。あまりゆっくりとブレーキを抜いていると時折停止直前にアイドリングストップでエンジンが停止してしまい、一瞬だけ減速度が増大して白点灯します(DPF再生中やエンジン温度が低い場合にはアイドリングストップがかかりませんので、止まりやすくなります)。かといってブレーキを抜きすぎるとなかなか止まりません。アイドリングストップがかかるブレーキの踏み込み量がもう少し大きくなると楽なのですが。

また、制動距離が不足すると、いざブレーキを緩めようとした際に前車との間隔が不足してそれ以上前に出られなくなって、白点灯します。制動距離が不足するのは、ブレーキの踏み始めが遅いか、途中でのブレーキの踏み込みが甘いときです。停止時に白点灯させてしまうケースの大半がこれです。

2016年2月10日水曜日

マツダコネクトをバージョンアップしてきました(56.00.220→56.00.401)

2016年2月3日にマツダコネクトのバージョンアップがアナウンスされましたので、急遽ディーラーに入庫してバージョンアップしてきました。メジャーバージョン番号が上がっていないことからも見て取れる通り、カーナビと音楽再生周りの細かい不具合の改善です。詳細はhttps://www.fastcloud.jp/mazda/web/faq/faq/724/1/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88_%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0Ver.56.00.401.pdfご参照。マツダコネクトの場合、新機能を追加するよりも既存の不具合を修復することの方が先決ですので、こういう修正アップデートは歓迎です。

【音楽再生】
USBメモリで音楽再生するときに、エンジン始動後に最初の曲に戻ってしまうのが不満で、ほぼそれだけのためにわざわざ入庫しました。ランダム再生しているときに最初の曲に戻ってしまうと、同じ曲ばかり聴くことになっててしまい、ランダム再生の意味がなくなってしまうためです。2015年9月にバージョン56になったときにも上記の問題が解決したとされていましたが、実際に使ってみると完全には解決しておらず、結局USBメモリを使わずiPod touchを使ってきました。バージョンアップ後にUSBメモリを挿して使ってみると、最初にエンジンを再始動した際には無事に停止したところから再開できました。まだ予断を許しませんが、その後数回始動した限りでは、無事にレジュームできています。

停止時にアイドリングストップに入ったことに気づかずにエンジンを止めようとしてブレーキを踏みながらスタートボタンを押したら逆にエンジンが始動してしまうことがたまにあるのですが、エンジン始動後にすぐにエンジンを停止させて、次に再始動させたときには最初の曲に戻ってしまいました。しかしそれ以外の場面では今のところレジュームできています。

アルバムアートワークが表示されないバグが修復されたとありますが、常時カーナビ画面にしていますので、今までも別に不自由していませんでした。むしろ、カーナビ画面でも一番上の行に曲名が表示される方がありがたいです。ランダム再生していると次にどの曲が再生されるか予見できませんし、かといって運転中にいちいち音楽再生の画面に切り替えるわけにもいきませんので。2画面表示にすれば再生されている曲が常時表示されるものの、それだとカーナビ画面の大きさが半分になってしまいますし、運転中に簡単に2画面表示に切り替えられるわけでもありません。

あとは、エンジンを始動してからマツダコネクトが完全に立ち上がるまでの時間が短くなり、音楽再生が始まるまでの時間が短くなれば申し分ありません。

【カーナビ】
カーナビにはあまり不満はなく、運転中に不便を感じたのは、タワーパーキングを出てからGPSで現在位置を正しく捕捉できるまで少々時間がかかったことと、高速道路を走行中にカーナビが一般道を走行していると認識することが時折あったことくらいです。

《お気に入り登録》
お気に入り登録した場所が施設名ではなく地名で登録されてしまうので、お気に入りで登録された場所を見てもどこの場所なのかわからないのが不便でしたが、頻繁に訪問する場所でしたら必ず直近に履歴が残るという理由で代わりに履歴入力を使っていましたので、あまり影響がありませんでした。影響があるとすれば、お気に入りから削除したいときにどれを削除すればよいのかわからなかったことくらいでしょうか。今回のバージョンアップで、無事余計なお気に入り登録を削除することができました。

《高速道路の入口と出口の設定》
高速道路利用時の入口と出口の設定については、今回のバージョンでも最寄りのインターチェンジの周辺から選択する方式で、まだ任意のインターチェンジを選択できるようになっていませんので、途中まで一般道を走ってから高速道路に乗るといったときに不便です。経由地を指定する場合であっても、経由地の手前では一般道優先、経由地の後では推奨ルートというように別々に設定することができません。改善するに越したことはありませんが、改善するためにはプログラムを複雑にしたり参照するデータを増やしたりしなければなりませんので、仮にやるとしても既存のバグの修復がある程度落ち着いてからにした方がよいのかもしれません。

《平均速度設定》
おそらく今回のバージョンアップによるものではなく、バージョン56になったときに追加された機能でしょうが、所要時間を計算する際のベースとなる平均速度は、従来は一般道時速30km、高速道路時速60kmに設定されており、この設定変更できませんでしたが、現在は一般道時速30km、有料道路時速60km、高速道路時速80kmで初期設定されており、かつ平均速度を調整可能になっていますので、より現実的な所要時間計算ができるようになりました。一口に一般道路といっても信号の多い市街地を走るのと流れの良い国道を走るのとでは当然速度が異なりますし、高速道路も同様に、空いていて4車線の高速道路と対面通行区間とでは速度が異なります。平均速度をどの程度に設定すれば正確なのかまではよくわかりませんが、Google Mapの所要時間計算が比較的正確ですので、それに合わせるとよいかもしれません。長距離を移動する際にはもともとGoogle Mapで下調べしていましたので、今までもカーナビで表示される到着予定時間をあまり参考にしていませんでした。

《運転中は操作不可能に》
細かい変更としては、運転中にカーナビを操作できない仕様に変更されましたが、これが本来あるべき姿であり、別段不自由を感じません。

もうしばらく使ってみて何か気づいたことがあれば、追ってご報告したいと思います。

2016年2月7日日曜日

冬タイヤのローテーションをやりました

前回の法定12ヶ月点検でタイヤローテーションを実施してから5000km走行しましたので、タイヤローテーションを実施しました。手順は以下の通りです。

  1. スペアタイヤとして保管中の夏タイヤ1本とホイールナットを持参する
  2. ジャッキアップするタイヤの対角線上に車止めを当てる
  3. 車載のジャッキでジャッキアップして1本目のタイヤを外し、スペアタイヤとして持参した夏タイヤを装着しジャッキダウンする
  4. 以下、ローテーション先で同様のことを繰り返す
  5. 最後に夏タイヤを外す
  6. タイヤの前後が入れ替わったので車載の空気入れで空気圧を調整する

必要な工具は車載のジャッキと車載の空気入れに加え、追加で購入したトルクレンチと車止めだけです。所要時間は1時間程度で、夏タイヤから冬タイヤに交換したときの半分くらいの時間でできました。あとは、しばらく走行した後でホイールナットを締め増すだけです。

夏タイヤをつけていたときには、タイヤローテーションから17000kmほどそのままで走ってしまい、前輪がかなりすり減ってしまいましたので、その反省を踏まえ、真面目に5000kmおきにタイヤローテーションをやることにしています。FF車は前輪がすり減りやすい上、デミオディーゼルは前輪への荷重がさらに大きいので、こまめにタイヤローテーションしないと前輪のブレーキの効きが悪くなってしまいます。

長距離の移動が楽なデミオディーゼルは走行距離が伸びやすいので、保守の周期に気をつける必要があります。定期点検は6ヶ月おきで、パックdeメンテに加入していればこのタイミングでオイル交換してもらえます。オイル交換の周期は5000kmから10000kmですので、半年で10000kmを越える場合には、定期点検の合間に有償でオイル交換が必要です。すると3ヶ月おきに5000kmから10000kmでオイル交換をすることになりますので、3ヶ月で10000kmを越えないように走行距離を調整する必要があります。2ヶ月おきにオイル交換すれば2ヶ月で10000kmまで走れますがさすがに年間6万kmは乗りませんので、3ヶ月で10000km以内、1ヶ月半で5000km以内のペースに抑えています。冬タイヤを装着するのが11月中旬から3月下旬までですので、冬タイヤで15000km、夏タイヤで25000kmくらいのペースです。3月下旬まであと5000km乗ったら夏タイヤに交換となりそうです。

2016年2月4日木曜日

アクセラ1.5Lのリアサスペンションがトーションビームだったらという妄想

アクセラ1.5Lは決して速くはありませんが、日本の公道で街乗りする分には走りに特に不満はなく、むしろ重量と排気量の割には意外と走る印象があり、しかも同じ車格の他の車よりも割安感があります。そのためかどうか知りませんが、日本では先代に引き続き1.5Lが売れ筋のようです。どうせ日本の公道で速い車に乗っても他の車が邪魔に感じるだけですので、それならばむしろ他の車と同じくらいゆっくり走る方が幸せなのではないかという気すらします。しかし巷では非力だという評価が支配的なようです。

だったら軽くすればもっとよく走るのではないかということで、リアサスペンションをマルチリンクからトーションビームに変更して100kgほど軽量化したらどうなるだろうかという妄想です。今やゴルフの廉価グレードはトーションビームですし、マツダはCX-3開発時にトーションビームサスペンションの入念なチューニングをしましたので、必ずしもトーションビームだからどうとかマルチリンクだからどうとかいうわけでもなく、できの良いトーションビームはできの悪いマルチリンクよりも乗り心地が良いのではないかという気もします。

まず数字を拾ってみると、アクセラ1.5Lの前輪への荷重は760kg、後輪への荷重は500kgですので、後輪への荷重が100kg軽くなると400kgになります。合計で1160kgであり、デミオディーゼルよりも少し重い程度、デミオガソリンエンジン車の4WDと同じくらいの重さです。若干フロントヘビーな印象がありますが、前輪の荷重は65.5%とアクセラXDと同じくらいで、デミオディーゼルほどフロントヘビーではありません。パワーウェイトレシオは1260kg/111ps=11.35kg/psから1160kg/111ps=10.45kg/psまで改善します。デミオディーゼルよりも良い数字で、アクセラハイブリッドと同じ位の数字です。

ではこの100kg軽くなったアクセラ1.5Lをどういう用途で使うのかと考えてみると、現状の問題点は主にローギアードであるがゆえの高速道路でのエンジン回転数の高さではないかと思います。高速道路で追い越そうとすると絶望的に加速しません。非力だといってもシフトダウンしてエンジン回転数を上げれば日本の公道を走るのに支障ない程度のパワーを絞り出すことはできます。ただそういう走り方は短時間なら楽しめる反面、長距離を走ると疲れます。そこで最終減速比を少し下げれば、日本の高速道路の速度域くらいでしたら楽に走れそうです。街乗りだけでなく高速道路を法定速度で走る程度なら特にストレスなく走れる車であれば、日本の公道を普通に走る分には十分でしょう。

そもそもアクセラにあってデミオやCX-3に無いものは何かといえば、広いとまではいかないもののさりとて狭くもない後席と荷室だと思います。となると後席や荷室に荷重がかかる前提で考えれば良くて、大人2人と荷物の荷重(約100kg程度)が後輪にかかれば、さほどフロントヘビーにならず、リアサスペンションに適度に荷重がかかることで乗り心地も良くなるのではないでしょうか。

リアサスペンションがトーションビームになることの影響については、アクセラ1.5Lはもともとそんなに激しく走ることが想定された車ではなく、日常の足としての用途が主ですので、左右非対称の大きな凹凸を越える場面はあまりありませんし、日本の公道は規格が低いとはいってもそれは勾配や曲線が多いとか見通しが悪いとか車線が狭いとか生活道路と幹線道路の分離が徹底していないとか軽車両や歩行者との分離が徹底していないとか右左折レーンが少なくて詰まりやすいといった設計上の制約のことであって、道路の大半は舗装されていますし、路面もさほど荒れていませんので、時速100kmくらいまでならあまり問題にならないのではないかという気がします(今のアクセラ1.5Lだと普通の国産コンパクトカーと同様に時速80kmを越えるとつらくて、高速道路ではDJデミオのガソリンエンジン車に負けています)。

リアサスペンションの変更に伴い多少乗り心地が悪化することがあっても、全体のバランスは改善するのではないかと思えます。では自分が乗りたいかと問われるとあまり自信がありませんし、まだ実在しない車のことを想像するのは難しいですが、カローラ以上インプレッサ未満で、もし普段使いで乗り心地に不満が無ければこれはこれでありかなという気はします。軽くなればその分燃費も良くなりますし。コストが下がる分、今より少し安くなって乗り出し200万円を切ればお買い得だと思います。

リアサスペンションを軽くした分とコストが下がった分の余裕を1.5Lディーゼルエンジン搭載に振り向けると、ちょうどCX-3と同じくらいの重量になりますので、パワーは小さめですしフロントヘビーではあるものの、CX-3と同じくらいには走る車になりそうです。CX-3よりもアクセラの方が後席と荷室が広いので、ファミリーカーとしてはむしろ実用的ではないでしょうか。

【追記】
なんと4代目アクセラはトーションビームになるようです。アテンザ以上がFR化するという噂がある中、FF車はトーションビームに一本化するのでしょうか。

2016年1月15日金曜日

i-DMのデメリット

i-DMのメリットを列挙してみたものの、それだけでは公平でありませんので、せっかくですのでi-DMのデメリットについても思いつくままに書いてみたいと思います。

  1. 当然のことながら「ヘタクソ」と連呼されれば気分が悪い
  2. 車の不出来のせいで「ヘタクソ」呼ばわりされるともっと気分が悪い
  3. 走る・曲がる・止まるの基本のできている車かどうか明るみに出てしまう
まず、1.については初期状態では1st Stageですので、普通に運転していれば緑点灯して当然、時折青点灯させていればいつの間にか2nd Stageに昇格していますので、よほどのことが無い限り、いきなり「ヘタクソ」と連呼されることはありません。白点灯が気になってくるのは2nd Stageで点数が上がってきて、3rd Stageに進めそうでなかなか進めないあたりからでしょうか。ある程度慣れ親しんでくれば「なぜ白点灯させてしまったのか」を考えて改善するようになりますが、i-DMの考え方を理解し、その考え方に沿った運転を目指そうとしない限りは単に「ヘタクソ」と連呼されて気分が悪いだけだと思います。

2.については結構腹が立ちます。今の乗っているデミオディーゼルですと、停止時の揺り戻しを無くすのがなかなか難しくて、最初から減速度を低めにすることで対処しています。しかし、もう少しのところで早めにエンジンが止まってカックンとなったりすると白点灯します。もっとも、停止時の挙動に対する評価が厳しくなったのはあ4th Stageからですので、普通に乗っている分にはあまり影響ないでしょう。あるいは、トルクが足りないなと感じてアクセルを踏み増したら白点灯とかもあります。「それは車のトルクや変速機の制御が良くないからではないか」という気がするのですが、白点灯させるのもしゃくですので、いろいろ工夫せざるを得ません。車の癖を理解した上でなだめすかすことも大切なのかもしれませんが、それ自体はあまり運転の楽しさに直結しないのではないかと感じます。

3.については、加速・減速・舵を意図した通りにコントロールできなければそもそも滑らかな運転になりようがなくて、例えば少しアクセルを踏み込んだら急加速する車で「急加速するな」と言われても、「それは車の側の問題なのではないか」と思いますし、同様に少しブレーキを踏んだだけでカックンとブレーキが効き過ぎる車に対しては「まずそのブレーキを何とかしろ」と言いたくなります。同様に、ステアリングフィールが希薄で、どれだけハンドルを切ったらどれだけ曲がるのかわからないような車で「ちゃんとハンドルを切れ」と言われても、「だったらそれに必要な情報をよこせ」と言いたくなります。i-DMによってドライバーが運転操作を気にするようになれば、ドライバーが意図した通りにリニアに反応する車かどうかが明るみに出てしまいます。

車の出来に自信のあるメーカーでしたらi-DMを導入できるでしょうが、そうでないメーカーはi-DMによってドライバーを刺激したくないと考えるかもしれません。マツダがi-DMを導入した際にそこまで自信があったのかよくわかりませんが、数百万円払って車を買ったお客様をヘタクソ呼ばわりするだけでなく、自分の所の車の出来不出来についても容赦無い批判を浴びせられる可能性のあるシステムをよく導入できたものだと思います。

普通のドライバーだって車の出来不出来に関してはそれなりに感じるところがあって、単にいちいち口に出さないだけですが、i-DMなんて導入しようものなら、普通のドライバーも公然と車の出来不出来について口に出すようになるのではないでしょうか。特に車のネガティブな部分が拡散しやすくなると思います。日本の自動車メーカーがそれを乗り越えれば日本のクルマづくりが大きく変わる可能性がありますが、どうなるのでしょう。

2016年1月14日木曜日

i-DMのメリット

i-DMのメリットを思いつく限りで並べてみると、以下の通りです。

  1. 無駄な動作が減ることで、結果的に燃費が良くなりかつ速くもなる
  2. Gの変化が滑らかになることで、ドライバーや同乗者にかかるGも滑らかになり、長時間運転しても疲れにくくなる
  3. 急な運転動作を回避するために、車間距離を取って周囲の状況に注意して先読み推量するようになるので、安全運転になる
  4. 白点灯が多いのはその速度で走るための実力が伴っていないということなので、実力に見合った速度に落とすようになり、安全運転になる
  5. 上達すれば車にかかるGを自在にコントロールできるようになり、運転が楽しくなる
  6. そのために、車に乗る機会が増え走行距離が伸び、運転経験が蓄積する
ここで重要なのは、実力の裏付けなく小手先のテクニックで点数を上げたりステージを上げたりするだけでは上記のメリットが実現しないことです。点数やステージは結果に過ぎませんので、何のために滑らかな運転をするのかを意識しないと本末転倒です。

最初からバスドライバー並のドラテクの持ち主でしたらi-DMのおかげで上達する要素はあまり無いかもしれませんが、自分を含めて下手な人がi-DMに叱咤激励されながら上達していくと違いを実感できます。自分の場合、あいにく5.の境地には達していませんが、1.2.3.4.6.は実感します。メーカーにとっては6.は新車販売の増加要因になりそうです。5年で20万kmとか乗ったらさすがに買い換えるでしょうから。3.と4.は交通安全にとても重要な要素です。すべての車にi-DMがつけば安全かつ円滑な交通に寄与するのではないかと思うものの、あいにくマツダのシェアではあまり影響力がありません。トヨタにi-DMの技術を供与したら日本の道路状況が激変するのではないかと期待します。また、多くのドライバーが自分の運転の仕方を自覚するようになり、車の走る・曲がる・止まるという基本性能を気にするようになることで、日本の自動車市場も変わってくるのではないかと期待します。

よくSkyactivのマツダ車に乗ると車に乗る機会が増えると言われますが、車自体の出来もさることながら、車の性能を引き出すためにはドライバーの技量も必要です。せっかく出来の良い車であっても下手な運転をしたら車が可哀想です。我が身を振り返ってみると、下手なドライバーの特徴はまず自分が下手だという自覚が無いことです。次に、「どういう運転をしたいか」という方向性が欠如していることです。

i-DMはまず下手な運転に対して「ヘタクソ」と言い切ることで、下手なドライバーに対して下手であるという自覚を促し、それから何がどう下手なのかをランプの色で示し、さらに、「急アクセル・急ブレーキ・急ハンドルを控えて、Gの変化が滑らかな運転をする」という明確な指針を示します。あとは、どうすれば急アクセル・急ブレーキ・急ハンドルをしなくて済むのかを考えながら運転し、理想の運転に近づくべく努力を続ければ、徐々に上達していきます。走り慣れた道を空いているときに走れば青点灯させることは容易ですが、先読み推量の難しい混雑する道や初見の道であっても青点灯させるためにはそれなりの練習が不可欠です。

i-DM以前の自分の運転とi-DM以後の自分の運転とを比較すると、もしi-DM付の車に乗らなかったらきっと上達するのはかなり難しかったのではないかと想像します。i-DMの無い時代に上達した人は一体どうやって上達したのでしょうか。サーキットや峠で速く走りたいという動機があればまだしも、車を足として使っている人が公道で普通に走るだけで、どうやって理想の運転を思い描けばよいのでしょう。

滑らかな運転というのは一見これといった特徴を見出しにくいため、何がどう上手なのかよくわかりにくいですが、いざ自分が同じようにやってみようとしてもなかなか思い通りにならないことに気づいて、そこに彼我の差を見出すわけです。本当に上手な人ほど難しいことをさも簡単そうにやってのけてしまうものです。

また、普段i-DM付の車を運転しない人にi-DM付の車を運転してもらうと、運転経験豊富であっても結構白点灯させるものです(上手な人でしたら勘所さえわかればすぐに適応しますが)。自己流でそこそこうまいと思っていても、Gの変化を可視化してみると意外とそうでもなかったりします。

そういう意味ではi-DMというのは画期的なシステムだと思うのですが、短期的には白点灯するたびに気分を害しますので、それを乗り越えた先にあるものを知ってもらうことが普及の鍵になるのではないかと思います。

2016年1月11日月曜日

i-DMの点数が下がりました

i-DMが4th Stageに昇格して以来ずっと4点台半ばをうろうろしていて一向に進歩しないのですが、先日高速道路を使って移動した際にi-DMの点数が下がりました。たしかに混雑していて走りにくい道だったとはいえ、3.0点とか出たり、平均点が4点を下回ったりすると、随分下手になったものだと感じました。いつの間にか5th Stageにでも昇格していれば点数が下がるでしょうが、むろん昇格するほどの高得点を取ったことはなく、まぎれもなく4th Stageのままでした。

大幅に減点されるのは主にアクセルを踏みすぎているときです。急ハンドルや急ブレーキは一瞬ですが、急アクセルは長時間持続するためです。普通にアクセルを踏み込んで加速しているはずなのになぜか長時間白点灯することがあり、その割に急加速した形跡もなく、一体どうしたのだろうか、センサーがおかしくなったのだろうかと感じました。一つ心当たりがあって、右足の踵の位置がアクセルペダルの根本よりも少し左にずれていました。この位置でいつもと同じ調子でアクセルペダルを踏み込むと、どうやら踏みすぎてしまうようです。踵の位置をアクセルペダルの根本に置くと、急アクセルでの減点は激減しました。この踵の位置でブレーキを踏むと右足の先を内側にひねることになり、ブレーキを踏む頻度が高いと膝に負担がかかるのですが、アクセルを踏むときとブレーキを踏む時とで明らかに足の向きが違うため、これなら踏み間違えることはなさそうです。

しかし、上り坂でパワーが足りないなと思って少しアクセルを踏み込むと、急アクセルで白点灯することが何度かありました。Skyactiv-Driveは下り坂でアクセルペダルを離すと下り勾配を検知して自動でシフトダウンしてエンジンブレーキをかけるのですが、上り坂を検知してもアクセルペダルを踏み込まない限りシフトダウンしません。車のパワーが足りないせいでヘタクソ呼ばわりされるのは気分が良くないですが、きっと車をなだめすかすことも実力のうちなのだろうと思っておもむろにシフトダウンすると、今度は加速はしたものの急加速で白点灯しました。それならばということで、少しアクセルを緩めてシフトダウンして徐々に踏み込んだら、やっと白点灯しないようになりました。トルクが太いはずのディーゼルエンジン車なのにどうしてこんな面倒なことをしなければならないのかよくわかりませんが、そういうときには3速固定とか2速固定とかにすると走りやすくなります(高低差の無い渓谷沿いのワインディングでも同様)。

なお、帰りは道が空いていて走りやすかったこともあり、久しぶりに5.0点が出ました。アクセルで青点灯の時間を確保できればハンドルやブレーキで多少減点されても容易に取り返せるからですが、ハンドルやブレーキで減点されている限りまだ実力が伴っているとはいえません。

2016年1月8日金曜日

欧州市場におけるSkyactiv-Gエンジン

欧州でのデミオの販売価格を見たついでにアクセラの販売価格も見てみたのですが、日本での売り方と随分違うことが見て取れました。最も顕著なのは出力別に価格をつけていることです。

日本では自動車税のかねあいもあり1.5Lエンジンとか2Lエンジンといった売り方をしていますが、ダウンサイジングターボ全盛の欧州では排気量は全く重視されておらず、120psに設定されたエンジンならSkyactiv-G 120、100psに設定されたエンジンならSkyactiv-G 100といった分類になっています。2Lエンジンを減格した120psエンジンと1.5Lエンジンが本気を出す120psエンジンとでは低回転域でのトルク・出力特性が全然違うのに、そんな大雑把な売り方で大丈夫なのだろうか心配になりますが、とにかく、そのような市場になっているようです。

同じエンジンでも制御ソフトウェアの設定を変えて減格することで複数の出力のエンジンを提供できますので、少ない種類のエンジンで多様な商品を提供することができ、生産効率が良いです。排気量が重視されないおかげでマツダのように頑なに自然吸気式ガソリンエンジンを作り続けているメーカーであっても、出力さえ減格すれば低排気量の車と同じように売ることができます。

2LエンジンはRON95のガソリンのもとで本気を出せば165psまで出せるのですが、通常仕様では120psに減格されています。1.5Lエンジンは100psが主流で、RON91の圧縮比13でも115ps出せる割には控えめです(ちなみにゴルフの廉価版の1.2Lターボは86psと105ps、中位グレードの1.4Lターボで122psと140ps)。デミオ用の1.5Lエンジンはさらに90psと75psで売られています(ちなみにポロの1.2Lターボも廉価版では90ps、1L3気筒ターボで95ps)。ストップアンドゴーが少なければ低回転域でのトルクが太ければ十分で、公道では俊敏さは必要ないため、そのような減格が可能なのでしょう。本来の最大出力を出すグレードは贅沢品のスポーツグレードという位置づけです。欧州でディーゼルエンジン車のシェアが高いのも、道路との相性だけでなく税制上の理由があるのかもしれません。それに対して排気量や重量で税額が決まる日本では出力が大きくても税額に影響が無いため、エンジンが出せる最大出力に設定しているようです。

もし日本でも欧州と同様の売り方ができれば、同じエンジンを使って「1.5Lエンジンを100psに減格して1.3Lエンジンのクラスで売る」とか「2Lエンジンを120psに減格して1.6Lクラスで売る」みたいなことができるのかもしれません(日本には自動車税の壁があるせいで0.5L刻みの区分を越えるのは難しいですが)。高価なターボやディーゼルエンジンを使わなくても容易に低回転域のトルクを太くすることができますし、自然吸気エンジンですのでレスポンスも良好です。日本でもハイブリッド車の普及に伴い、必ずしも排気量が車格を表すわけではありませんし、また、ハイブリッド車に搭載されるガソリンエンジンは排気量の割に出力が小さめですので、もはや排気量だけを見ても実際の出力はわかりません。もっとも、「1.5Lで約100psで低回転域でトルクの太いエンジンが欲しい」なんて言おうものなら、「だったらディーゼルを買ってください。お買い得ですよ」と言われそうですが。

2016年1月2日土曜日

デミオ15S Touringは可能か

デミオ13S Touringの発売が発表されましたが、高速道路メインならパワーに余裕のある1.5Lエンジンの方が、同じパワーやトルクを出すのに必要なエンジン回転数が少ない分だけ走りやすいのではないかと思いました。日本仕様には1.5Lガソリンエンジン車がありませんが、海外向けには1.5Lガソリンエンジン車がありますし(しかも欧州仕様だとRON95のガソリンに合わせて圧縮比14)、日本向けでも15MBならありますので、1.5Lガソリンエンジンを積むこと自体は物理的には可能です。1.3Lエンジンと同じ重量ですし、製造コストもほぼ同じです。

1.5Lガソリンエンジンを積むことで期待されるメリットは以下の通りです。

  • 最終減速比を下げて高速域でのエンジン回転数を落として静粛性を向上することができる(15MBは逆に13SのMT車よりも最終減速比を上げてスポーツ走行向きになっています。そのため15MBのJC08モード燃費は13SのMT車よりも1割ほど悪化していますが、反対に最終減速比を下げれば燃費はさほど悪化しないのではないかと推測します)
  • パワーの余裕を活かして16インチホイールを履いて高速安定性を高めることができる
  • 同じ1.5Lエンジンを搭載するアクセラよりも200kg軽量なので俊敏に走る(前-50kg、後-150kgくらい?)
  • 1.5Lディーゼルエンジン車よりもフロントが軽いので曲がりやすい(15MBと13Sは同じ重量なので、ディーゼルエンジン車よりも前輪への荷重が100kg軽い)
  • 1.5Lディーゼルエンジン車よりもエンジンの特性上俊敏に動くので街乗りでも快適
  • 1.5Lディーゼルエンジン車のような圧倒的なトルクは無いものの、高速巡航のみに特化したXD Touringに比べて日本の公道の広い範囲で素直で扱いやすい
DEデミオ時代には1.5Lエンジン車は全然売れませんでしたが、DJデミオはDEデミオの4ATに対して6ATですので高速域で余裕がありますし、内装や静粛性も向上していますので、高速域向けのグレードがあってもよいのではないかという気もします。

しかし、本体カタログ価格ベースで13Cが1,350,000円、同じ装備で1.5Lエンジンの15MBが1,501,200円(1.5Lエンジンで+15万円)、13Sが1,458,000円、13S Touringが1,684,800円(装備の差で+20万円)、XDが1,782,000円(ディーゼルエンジンで+30万円)、XD Touringが1,965,600円という値付けになっており、1.3Lエンジンと1.5Lエンジンとの間の価格差は15万円に設定されています。今のマツダは正価販売を旨としており、1.3Lエンジンの値段で1.5Lエンジン車を売ったりしないでしょうから、15S Touringの価格を13S Touringよりも15万円高い183万円に設定したとすると、
  • 同じ装備で1.3Lエンジンでもよしとすれば15万円安い。15万円の差を感じるほどの走りの差なのか。1.3Lエンジンでも公道で流れに乗って走ることは可能。性能曲線を見比べてみても1.5Lだと1.3Lよりもパワーとトルクが10%増しで相似拡大したような特性。
  • 装備を減らせばXDをもっと安く買うことができて、走りはもっと良く、特に高速巡航では快適。XDは15インチホイールなので出足が軽く街乗りでも快適。
  • あと15万円足せば同じ装備でXD Touringを買えて、高速道路ならこちらの方がはるかに楽。
という意思決定に直面します。このような状況で15S Touringを買う人がいるかといえば、たしかに難しいかもしれません。デミオのガソリンエンジン車は素直でバランスが良いのが長所ですが、ディーゼルエンジン車の圧倒的なトルクのような際立ったものが無いために、他車との比較において抜きん出ることが難しいです。アクセラ1.5Lと比べても淡白な味付けになっています。

しいていえば、ディーゼルエンジン車でも4WD車なら前後の重量バランスが良いですが、2WD車よりも20万円高くなりますので、15S TouringとXD Touring 4WDとの価格差は35万円です。しかし4WD車を必要とするような寒冷地に住んでいればガソリンエンジン車の4WDとの比較になりますので、価格差が縮小します。

それにしても、1.5L自然吸気ガソリンエンジンと1.5Lディーゼルターボエンジンとの価格差が15万円となると、実はディーゼルエンジンの価格競争力はなかなかのものではないかと思います。後処理装置が不要なSkyactiv-Dならではでしょう。一方、排気量は同じ、圧縮比もほぼ同じで、両方ともアルミブロックですので、ターボ等の補機を除いた部分の重量はほぼ同じのはずなのですが、実際にはディーゼルエンジンの方が100kg重く、どの部分が重量増に効いているのか気になります。

1.3Lガソリンエンジン車はヴィッツやフィットに合わせた価格設定ですし、ディーゼルエンジン車はアクアやフィットハイブリッドに合わせた価格設定で、かつマツダのマーケットシェアのもとでこれらの相場に影響を及ぼすことは難しいでしょうから、与件とせざるを得ません。他に比較対象があるクラスですと、経済的に折り合いそうにありません。

他社との比較でいえば1.5Lクラスに属しますが、カローラはおろか日産ノートのスーパーチャージャー付と比べても室内や荷室が狭く、しかもノートの最上位車種メダリストよりも高いです(値引きを考慮すればもっと価格差がつくことでしょう)。では走りだけでどこまで勝負できるかというと、たしかにアクセラ1.5Lに比べれば重量が小さい分だけパワーに余裕がありますが、ガソリンエンジン車だと他車と比べて圧倒的な差があるわけでもなく、しかも同じ1.5Lクラスにデミオディーゼルがありますので、走りに圧倒的な差を求める人はディーゼルエンジン車を求めることでしょう。結局、ディーゼルエンジン車には無い俊敏さや曲がりやすさを活かせる用途というと15MBのようなスポーツ走行向けということになってしまいそうです。

せっかくですのでUKのサイトを見てみたところ、115psモデルは日本の15MBに相当するMTの"Sport"のみで15995ポンド。90psのMTの"Sport"は14995ポンドですので、価格差は約18万円。90psのATの上級グレードとディーゼル(AT)の価格はそれぞれ16595ポンドと17395ポンドで、価格差は約14万円。Apple to appleで比較すると、ディーゼルエンジンはなかなかお買い得ですし、場合によっては1.5Lガソリンエンジンよりも安いです。1.5Lの上級グレードが難しいのは日本の市場だけではなさそうです。

UKも日本と同様に公道の速度域が低いので、ではアウトバーンのあるドイツならどうかと思って見てみました。すると、上級モデルのExclusive-Lineの6MTで105psのディーゼルが17490ユーロ、115psの1.5Lガソリンエンジンが18890ユーロと、なんとガソリンエンジンの方が18万円ほど高いです。なお、90psの1.5Lエンジン車は15390ユーロ、75psに減格したモデルだと12890ユーロです。欧州ではエンジン出力に応じて税金や保険料が決まるため、節税のために高回転域の最高出力のみ減格している車が売れ筋で、高出力の車は高い税金や保険料を払える人向けに本体価格も高く設定される傾向があり、結果的にディーゼルエンジンよりも高出力の1.5Lガソリンエンジンの方が高くなっているようです。115psのガソリンエンジン車はドイツでもスポーツグレード扱いのようです。ドイツでは日本と同様にガソリンよりも軽油の方が安いため、ディーゼルエンジン車はお買い得です。

ドイツといえばPoloはどうかと思って見てみると、HighlineのMTの場合、105psの1.4Lディーゼルで19400ユーロ、110psの1.2Lターボで17925ユーロ、同じく110psの1L3気筒ターボで18075ユーロとなっています(なぜか1L3気筒の方が高い)。90psの1.2Lターボだと16850ユーロです。さすがにこちらはディーゼルエンジン車の方が高いです。後処理装置を含めた補機類の多いディーゼルエンジンの方が高価なのが普通で、後処理装置不要のマツダのディーゼルエンジンのコスト競争力の高さが伺えます。