2015年2月11日水曜日

iTunesの音楽ファイルをUSBメモリに移してみました

最近は64GBはおろか128GBのUSBメモリまで安く手に入るようになったため、iTunesの音楽ファイルがすべてUSBメモリに入るようになりました。そこで安くなったUSBメモリを購入し、音楽ファイルをUSBに移してみました。これならいちいちiPodを持ち込むまでもなくUSBメモリを挿しっぱなしにできて楽ですし、USBメモリはiPodよりもかさばらないため、スマホ置き場を有効に活用できますし、ケーブルが邪魔になることもありません。

手順は簡単で、iTunesの音楽ライブラリの中の全アーティストのフォルダをUSBメモリにコピーするだけです。最近はUSB3.0のおかげでだいぶ書き込み速度が速くなり、1時間もすればすべてコピーが完了します。プレイリストのコピーについては、「マツダコネクトのUSBプレイヤーでプレイリストを作成するには」を参考にしたところ、特に問題なくマツダコネクトからプレイリストを参照することができました。

最初にUSBメモリを挿す際に、マツダコネクトがUSBメモリ内の情報を読み込みますので、全曲が認識されるまでしばらく時間がかかります。最初のうちは、再生している曲のリストを記憶できずに、一番最初の曲に戻ってしまうのですが、ある程度落ち着いてくると、エンジン始動時にエンジン停止時の状態から再開できるようになります。

マツダコネクトはiPodには完全に対応しているようで、USBメモリからiTunesの音楽ライブラリを読み込んでもAACファイルは問題なく再生できますし、アルバムアートワークも表示されます。使い勝手はiPod接続時とほぼ同様です。音楽プレイヤーとしての機能はマツダコネクト側にあり、iPodを接続しても音楽データを読み込んでいるだけですので、それならばiPodを接続するまでもなく、USBメモリから音楽データを読み込めが済んでしまいます。膨大な量の音楽が指先ほどのUSBメモリの中に収まってしまうのですから、世の中便利になったものです。

ただし、シャッフル再生の際、一旦エンジンを止めてから再起動するとシャッフルが無効になってしまいます。どうやらこれは仕様のようで、始動時に再びシャッフルのボタンを押し直すことで対処していますが、出発時に余計な動作が増えるのは不便です。iPodを接続する場合には全く問題ないのですが。(→これについてはマツダコネクト交換後に解決されています)

シャッフルを諦めてアルバム単位でリピート再生するだけでしたら特に問題ありません。ただし、最初にアルバムを選ぶときだけは少々手間がかかります。

2015年2月7日土曜日

CX-3とMini Crossover

当ブログでは基本的には実車に則した感想しか書かないつもりでいるのですが、そうはいってもやはりCX-3のことは気になります。CX-3のエクステリアを見て真っ先に思い浮かぶのはMini Crossoverです。Mini Crossoverならたまに乗っていましたし、近所でもよく見かけます。

Mini CrossoverはMiniのSUV版のように見えますが、実際には高速道路での移動も楽なファミリーカーとして使われている、なんちゃってSUVというかSUVもどきというか、SUVとは似て非なるものです。普通のMiniと比べて5ドアで後席が広くてかつ天井も高いので後席に人を乗せやすいですし、着座位置が高いので高速走行でも運転が楽ですし、車体が重いので高速道路でも安定して走ります。BセグメントのMiniがベースでありながら、車体が大きくて重くて値段も高いので、実質的にはCセグメント相当です。

Mini Crossoverの中で一番安いMini Crossover Oneの場合、エンジンは自然吸気1.6Lですが、車体が重いため、パワーには余裕がありません。エンジンを回せばよく走るのですが、高速走行ではおのずと回転数が高くなりますので、あまり静かではありません。もちろん、剛性感の高さや、速度が乗ってくるにつれて乗り心地が良くなるところはさすがドイツ車だと思いますが。

MiniのATはアイシンAW製の6ATで、DCTと違って低速域でも滑らかです。Dレンジでシフトレバーを倒すとマニュアルモードになるのはSkyactiv-Driveと同様です。シフトレバーを手前に引くとシフトアップし、前に倒すとシフトダウンするのもSkyactiv-Driveと一緒です。どんなに小さいサイズでもアクセルペダルはオルガン式であるのもマツダと同じです。

Mini Crossoverの上位モデルでは2Lのディーゼルエンジンを搭載したモデルもあって、それなら高速道路でも快適そうですが、あいにく実車に乗ったことはありません。たまに近所でBMW X1を見かけますが、ディーゼルエンジンのカラカラ音は昔ながらのものです。

そのようなことを念頭に置いてCX-3を見ると、様々な面でMini Crossoverに似ています。サイズやパッケージングはむろんのこと、なんちゃってSUVであることとか、ベルトラインが高いこととか、CピラーとDピラーが黒くて連続窓風になっていることとか、ホイール回りが黒いこととか、ホイールが大きいこととか、Bセグメント車がベースでありながら大きさや重さや値段がCセグメントに匹敵していることとか、小さいけれども良い車をアピールしようとしていることとか、敢えてMiniの中で売れ筋のMini Crossoverにぶつけてきているのではないかという気がします。

数字を比較してみると、Mini Crossover Cooper Dのエンジンの最大トルクは1500回転から2500回転まで270NmでCX-3と同じです。出力は112ps/4000rpmで、CX-3の105ps/4000rpmよりも少し大きいです。MiniのディーゼルエンジンもCX-3のディーゼルエンジンと同様の可変ジオメトリのシングルターボです。排気量はMiniの2Lに対してCX-3は1.5Lです。排気量は違うものの、出力特性の数字は似ています。JC08燃費はMini Crossover Cooper Dの16.3km/Lに対し、CX-3では20~25km/L程度と予想されており、排気量の差と後述の車体重量の差が燃費の差に結びついているようです。

車体の大きさはMini Crossoverの4105x1790x1550に対してCX-3では4275×1765×1550と似通っている上に、全高を合わせています。ホイールベースはMini Crossoverの2595mmに対し、CX-3はデミオと同じく2570mmです。トレッドはMini Crossoverが1535mm/1560mmに対して、CX-3は1525mm/1520mmです。ほぼ同じサイズですが、Mini Crossoverの方が若干ホイールベースが長く、オーバーハングが短いので、高速走行では有利そうです。

重量はMini Crossover Cooper Dが1410kgに対してCX-3が1260kgとなんと150kgもの差があり、2Lエンジンと1.5Lエンジンとの重量の違いもありますが、車体重量の差も効いているようです。出力特性がほぼ同じですので、数字を見る限りでは走りについてはより軽量なCX-3の方が有利そうに見えますが、実際の走りについては実車に乗って比較しない限りわかりません。Mini Crossoverの1.6Lガソリンエンジン車は1350kgで、これでもCX-3よりも90kg重いです。CX-3のリアサスペンションがトーションビームに対してMiniは一番小さい3ドアのでもマルチリンクですので、サスペンションの重量差も効いているのかもしれません。

本体価格はMini Crossover Oneが275万円、Mini Crossover Cooper Dが341万円で、CX-3の本体価格は240万円~300万円くらいの範囲と予想されていますが、輸入車の価格が国産車の価格の1.5倍であることを考慮すると、日本での40万円の価格差はさほど大きく感じられません。ちなみにデミオディーゼルと普通のMiniの本体価格の差は70万円~150万円ほどあり、同じ予算での比較対象にはなりませんが、Miniの本体価格を1.5で割って国産車価格に換算するとほぼ同じになります。

CX-3がMini Crossoverと一線を画そうとしているように見えるのは、ディーゼルエンジンで静粛性を追求しているところです。BMWのディーゼルエンジンが苦手な部分を突いてきている印象があって、それはデミオが微速域での滑らかさを追求することでポロが得意でない部分を突いてきているのに似ています。CX-3にはアイドリングストップがついていますが、Miniのディーゼルエンジンにはアイドリングストップがありませんので、停止時の静粛性については圧倒的な差があります。

Miniが独特なのは、どんなサイズであってもどんなカテゴリーであってもどんなパッケージであってもMiniにしか見えないことで、「でかいミニ」という矛盾した存在までいます。Miniのデザインにすると必然的にクラスレスになり、どのカテゴリーにも属さない、Miniとしか言いようのないものになってしまいます。CX-3の広報で「クラスレスでどのカテゴリーにも属さない車にする」というのを聞いたとき、クラスレスでどのカテゴリーにも属さないMiniを思い出さずにいられませんでした。