2018年4月30日月曜日

予見性リコールの後でまとまった距離を走ってみました

インジェクターとバルブスプリングが交換され、ついでにオイルも交換されてエンジンの調子が良くなったことを期待して、まとまった距離を走ってみました。代車やレンタカーでガソリンエンジン車に乗った後に再びディーゼルエンジン車に乗ると高速道路や長距離巡航で楽なことを実感します。

エンジンの調子は概ね良好なのですが、気になったのは時速60km程度の中速域での巡航時、少しアクセルを踏み込んだときに「ココココココ」というノッキング音が聞こえてくることです。リコール前には急な上り坂や高速道路の追越加速時といった低回転高負荷時にノッキング音が聞こえてきましたが、これは本来燃焼されるべき燃料が失火して煤になったせいではないかと推測します。しかし中速域での巡航時といえば最も負荷が低い状態のはずです。巡航時であればエンジンも十分に温まっています。過給圧が不足しているのでしょうか。ターボの不具合でなければよいのですが。

ディーゼルエンジンは低速域での加減速が苦手ですので、それで煤が出るのは有り得るとしても、長距離巡航はディーゼルエンジンが最も得意としているはずで、それで燃焼に不具合が出るのは困ります。

もう一つ気になったのは燃費です。以前なら22km/Lくらい簡単に出るはずの状況で20km/Lくらいしか出ません。煤ができにくくなったのなら燃料を無駄にしない分だけ燃費が良くなっているはずなのですが(実際、2月のリコール入庫の直後には短期間だけ燃費が改善しました)、対策品のインジェクターのパフォーマンスの問題でしょうか。

2018年4月24日火曜日

デミオのガソリンエンジンの新車とアクセラ1.5L前期型の中古とどっちが買いか

デミオのガソリンエンジン車の新しいのに乗ってみたら前期型と比べて随分良くなっていていることに感心しました。1人乗りまたは2人乗りという制約はあるものの、街乗りから日本の高速道路までオールラウンドにこなせるのではないかと思います。一方、非力で高速道路で全然加速しないことに目をつぶればアクセラ1.5Lも捨てがたくて、非力とはいえ1.5Lエンジンは出来がよいですし、アテンザと同じシャーシーを使っているだけあって、シャーシーの性能とそこから得られる乗り味には車格相応の差があります。静音材の量にも車格相応の差があるように見受けられます。

もちろん新車価格にもまた車格相応の差がありますので、デミオにすれば浮いたお金で他に何ができるかと考えてしまうのですが、そういえばアクセラの前期型は後期型が出てから中古価格が下がっているし、アクセラ1.5Lに乗るなら軽快な前期型の方が楽しいということを思い出して中古価格を調べてみたら、前期型なら120万円~150万円で買えることがわかりました。これならデミオのガソリンエンジン車の安いグレードの新車価格と同じくらいです。だとすると同じ予算でどちらにするかと悩む余地があります。

比較の対象はデミオのガソリンエンジンの新車とアクセラ1.5L前期型の中古です。デミオはG-ベクタリングコントロールのついた2016年秋モデル以降がよくて、さらに2017年秋モデルなら安全装備が標準で装備されていますので、買うなら新車だと思います。一方、アクセラ1.5Lは本来は軽快な乗り味が身上ですが、G-ベクタリングコントロールがついてからはエンジンが非力なのに重厚な乗り味になってしまって物足りなく感じます。前期型となれば必然的に中古になります。幸い、2016年夏にG-ベクタリングコントロール付の後期型が投入されてから前期型の中古価格が下がりましたので、デミオの新車と同じ予算で比較できるようになりました。

道具としての扱いやすさを求めるならデミオの新車だと思います。際立った長所が無い代わりに際立った短所もありません。街乗りから日本の高速道路までそつなくこなします。パワーの余裕は全くありませんが、アクセルを踏んでエンジンを回せば一応走ります。一方、アクセラ1.5Lは近所に買い物に行くだけでも気持ちよく、海岸沿いのような平坦地のワインディングで運転すれば楽しいです。FF車にしてはノーズが軽い方ですのでよく曲がります。パワーが無いため必然的にエンジン回転数を上げて走らせることになり、低めの速度でもエンジン音が高らかで体感速度が高めで、ゴーカートのように遊びで乗る分には楽しい車です。その反面、パワーが乏しい分ギアが低めですので高速道路では全然加速しません。もっとも、巡航速度に乗ってしまえばあとはパワーは必要ありませんので、クルーズコントロールを活用して一定速度を維持すれば高速道路を走れないこともありません。後席はデミオよりも広いですが、大人4人で乗ると全然加速しませんので、デミオと同様に実質2人乗りです。長所短所がはっきりしているため、用途に合えば楽しい車ですが、合わなければ使い勝手が悪いです。

安全装備についてはデミオの新車の方が充実しています。しかし安全装備が有用なのは周りに車が多い環境であって、車の密度が低い場所では安全装備が少なくてもさほど問題ありません。車体が小さいデミオは取り回しが楽で、特に駐車スペースが制約されている場所では小さいデミオの方が楽です。全般的に都市部の足車向きでしょう。アクセラ1.5LはCセグメント車の中では全長全幅ともに大き目ですが、意図した通りにコントロールしやすいため、狭い道でも意外と苦になりません。車の少ない田舎、とりわけ標高差の小さい海沿いや平野で乗るならアクセラ1.5Lの安全装備の乏しさやパワーの乏しさはさほど問題にならず、むしろデミオよりも車を運転する楽しさを感じやすいでしょう。

2018年4月22日日曜日

予見性リコールでインジェクターとバルブスプリングを交換しました

高速道路を走行中に突然エンジン警告灯が点灯しました。車の取り扱い説明書を見ても予見性リコールの内容を見てもディーラーに連絡して入庫しろとしか書いてありませんし、エラーコードを吐き出すわけでもありませんので、原因究明のためにも、念のため入庫予約しました。

異常な振動や異音といったわかりやすい症状が無いため、おそらく煤ではないかと予想して、マニュアルモードにして低いギアでエンジン回転数を上げて走っていると、半日くらいしてエンジン警告灯が消えました。やはり煤だったかと思ったものの、ディーラーで診断プログラムを走らせてみないとエンジン警告灯が点灯した原因がわかりませんので、予約した通りに入庫することにしました。

診断プログラムを走らせてみると、一部の気筒の失火が記録されていました。そういえば高速道路の追越加速や急な上り坂のように回転数の割に負荷がかかる状況では「ココココココ」というノッキング音が聞こえていましたので、やはり失火によるものだったようです。アクセルを踏み込めば公道で必要な加速度は確保できていましたので、加速力の不足に気づきませんでした。こうなると予見性リコールの対象となりインジェクターとバルブスプリングの交換になりますので、代車をあてがわれて即入院となりました。エンジンを取り出して整備できる整備ラインが空くまで日数を要するとのことでしたので、長くかかることになりました。

2月にリコールで入庫したときには不具合が記録されておらず、煤を飛ばしただけで終わりました。その直後はエンジンの調子も良く、短距離走行を繰り返していたわけでもないのにたった2か月でエンジン警告灯が出るほど煤が貯まる理由が思い当たりません。

車を引き取りに行くと、インジェクターとバルブスプリングが交換されていました。インジェクターは煤のつきにくい新製品、バルブスプリングは強めのものとのこと。エンジンをばらしての作業ですのでオイルも交換されていました。ECUを書き換えた際のカリブレーションが良くなかったようだとのことです。予見性リコールが発表された後ですから自己負担無しですが、そうでなければ走行距離10万kmを超えていてメーカー特別保証が切れていますので、インジェクターのような高価な部品を交換するとなると高額の負担が発生するところでした。

久しぶりに乗ってみるとエンジンが軽やかに回ってすっと前に出る印象を受けましたが、それまでガソリンエンジンの代車に乗っていましたので、そのせいかもしれません。あるいはオイル交換の効果もあるかもしれません。ガソリンエンジン車だと意識的にアクセルを踏んでエンジンを回す必要がありますが、ディーゼルエンジンだと少しアクセルを踏むだけでぐいぐい走っていきますので、やはり長距離乗るならディーゼルの方が楽です。

2018年4月21日土曜日

マツダコネクトナビで「スマートIC考慮」でルート検索したい

マツダコネクトナビで検索すると、標準ではスマートICを使わないルートで検索されます。スマートICを使うルートに設定するためには、変更画面を呼び出して「スマートIC考慮」のボタンを押した上で再度検索する必要があります。

たしかに、スマートICはETC専用なのでETC車載器の無い車をスマートICに誘導しないよう、標準ではスマートICを使わないルートで検索するというのもわからないでもありません。しかし、車にはETC車載器がついているかついていないかのどちらかであり、ETC車載器がついているならスマートICを使うことに何ら問題ありませんので、事前の検索条件設定画面で「スマートIC考慮」を有効にするかどうかを設定できるようにすべきです。

もちろん、ETC車載器がついていてもETCカードを挿していなかったり、あるいはETCカードの有効期限が切れているという可能性もあります。しかしそのような場合には通常のインターチェンジを利用する場合であってもETC専用レーンに入ってしまったら通過できないわけですから、ETCカードの有無は検索条件に影響するようなものではないのではないかと考えます。

2018年4月15日日曜日

G-ベクタリングコントロール付のデミオガソリンエンジン車に乗りました

デミオのガソリンエンジン車の代車をあてがわれましたので、最新のデミオガソリンエンジン車に乗ることができました。タコメーターがついていませんし、最新モデルにも関わらずトサカアンテナではなくツノアンテナですので、一番安い13Cにメーカーセットオプションをつけて13Sに近づけたものでした。ツノアンテナを見て最初は初期型かと思いましたが、車検証を見たら最新モデルでした。わざわざ13Cだけツノアンテナにするあたり、やはりツノアンテナの方がコストが安いのでしょうね。レンタカー屋は見栄えを気にしないでしょうし。

【安全装備】
2017年12月モデルですので、サポカーS・ワイドの安全装備が全車標準で装備されています。おかげでレンタカー用の一番安いグレードでも安全装備が充実していて助かります。DJデミオ初期型にはないリアパーキングセンサーまでついています。初期型ではXD Touring以上の上位グレードでメーカーオプションで装備したようなものが標準装備されているにも拘わらず価格はほぼ同じですので、実質値下げといえます(メーカーオプションで安全装備をつけるとDVDプレイヤーやTVチューナーを抱き合わせで買わされますのでそれなりの金額になります)。

ハイビームコントロールはなかなかハイビームに入らないため意外と使えないのですが、アダプティブLEDヘッドライトを実装するためにはその前提としてLEDヘッドライトが必要ですので、安価なハロゲンヘッドライトではハイビームコントロールしか選択肢がありません。それでも、ハイビームコントロールにはオートライトが必要ですので、一番安いグレードでもオートライトがついています(オートワイパーも)

【装備】
13Cであってもメーカーセットオプションのコネクティビティパッケージをつけるとだいぶ使い物になります(「大仏買物になります」ではない)。コネクティビティパッケージをつけると以下が使えます。カーナビと音楽と電話が使えると実用上差し支えないレベルになります。
  • マツダコネクトナビ
  • Bluetooth
  • USB+AUX接続端子
  • ハンズフリーマイク
  • 6スピーカー
  • i-DM(スコア&アドバイス)

それでもレンタカー用の安いグレードですので、以下のものがありません。
  • LEDヘッドライト
  • フォグランプ
  • フロントグリルのピアノブラック塗装
  • フルオートエアコン
  • タコメーター
  • ヘッドアップディスプレイ
  • パドルシフト
  • クルーズコントロール
クルーズコントロールはあるに越したことはないものの、どのみち高速道路でしか使わないものですので、街乗り主体のグレードなら無くても困りません。パドルシフトはエンジンブレーキをかけるときに楽なのですが、これも街乗り主体でしたら山道を走ることがあまりないでしょうから、無ければ無いなりにどうにかできます。13C以外ではショップオプションでパドルシフトをつけられるようです。ヘッドアップディスプレイはクルーズコントロールのモードを表示させる上では必要ですが、速度を読み取るなら普通のアナログメーターの方が視認性が良いです。

タコメーターが無いのは物足りませんが、所詮AT車ですし、安いグレードについているデジタルタコメーターは視認性が悪いため、つけないというのも一種の割り切りに思えます。さすがにMT車の一番安いグレードにタコメーターがついていないのはいかがなものかと思いますが。

エアコンはローテクなマニュアルエアコンの方が直感的に操作できます。暑いと感じたら設定気温の低い方にノブ回し、寒いと感じたら設定気温の高い方にノブを回すだけで済みます。正直、フルオートエアコンの存在意義がよくわかりません。装備されているマニュアルエアコンは見た目がなんとも安っぽいですが、エアコンは見た目よりも中身です。

LEDヘッドライトはカバーを含めたユニットになっており、壊れるとユニットまるまる交換で、1個10万円くらいします。普通のハロゲンヘッドライトでしたらカバーを交換するだけで済みます。また、LEDヘッドライトは明るい反面、光が広がりにくいです。アダプティブLEDヘッドライトが必須でなければハロゲンヘッドライトの方がいろいろ便利です。

ワイパーは見た目よりも中身の方が大切ですのでアンテナと同様にコストの安いものをつけているかと思いきや、CX-3用のと同じものが標準装備されていて、13Cのくせに立派です。突起が少なくなることで風切音や空気抵抗が少なくなるのでしょうか。

【内装】
DJデミオは内装にお金をかけている車ですので安いグレードであっても見た目は似ているのですが、いたるところでプラスチックを多用しており、上位グレードと比較すると安っぽいです。ではそれで何が問題かというと、別に思い当たりません。どのみち運転中は前方を注視していますので内装をしげしげと眺めている場合ではありません。

【街乗り】
まずは町中で移動してみると、アクセラ15Sよりも車体が軽い分パワーに余裕があるため、青信号発進時でもエンジン音が気になりません。ただ、非力で遅い車にありがちですが、アクセルペダルが重く感じられます。アクセラ15Sは非力なりに踏めば意外と加速しますし、アクセルペダルが重く感じることもありませんでした。

低排気量ガソリンエンジン車に乗る際にはしっかりアクセルを踏むのがコツで、パワーが無いと言う前に、まずはしっかりエンジンを回して本来のパワーを絞り出してみるとよいでしょう。幸い、マツダのガソリンエンジンは踏んでも燃費が悪くなりません。ディーゼルエンジン車に比べて体感速度が高めですので、しっかりアクセルを踏んで思いっきり加速しても大した速度にはなりません。

G-ベクタリングコントロールのおかげでディーゼルエンジン車のようなどっしりとした乗り味です。さすがにG-ベクタリングコントロール付のアクセラ15Sと同等というわけにはいきませんが、それでもG-ベクタリングコントロールがつく前のアクセラ15Sには近づきました。デミオディーゼルはもともとどっしりしているためG-ベクタリングコントロール有無の違いを感じにくいのですが、デミオのガソリンエンジン車やアクセラの1.5Lガソリンエンジン車だと直進時に違いがわかりやすいです。軽くてパワーの無い車の方が効果を体感しやすいのかもしれません。

G-ベクタリングコントロール導入前のガソリンエンジン車は先代のDEデミオ同様に国産コンパクトカーなりの乗り心地で、よく言えば軽快、悪く言えば安っぽくて、アクセラに比べて車格相応の差がありましたが、デミオも随分偉くなったものだなと感じます。デミオのガソリンエンジンの一番安いグレードといえばマツダ車の中でも最も安い車ですが、それでこの乗り味というのはなかなかお買い得です。高速道路や山道をあまり走らないのでしたらディーゼルでなくても13S Touringでも十分かもしれません。

当たり前ですが街乗りではガソリンエンジンの方が騒音も振動も少なく、どうして都市住民向けのCX-3が当初ディーゼルエンジンのみで発売されたのか疑問です。アイドリングストップからの復帰が滑らかですし、DPF再生のような面倒なものもありません。ガソリンエンジンも直噴ですので、多少は煤がつくのかもしれませんが、1.5Lディーゼルエンジンに比べれば煤に関するトラブルも少ないです。街乗り主体でしたらガソリンエンジンの方が乗りやすいと思います。13S Touringでしたら装備や内装もディーゼルエンジン車に見劣りしませんし。

【アイドリングストップ】
信号待ちで停止時にアイドリングストップを効かせようとしてブレーキペダルを普段通りに踏み込んでもアイドリングストップに入りません。かなり深くブレーキペダルを踏み込んで初めてアイドリングストップに入ります。初期型だとアイドリングストップに入りたくない場合には意識的に浅めにブレーキペダルを踏む必要があり却って疲れましたが、それが不評だったのか、意識的に深めにブレーキペダルを踏み込んで初めてアイドリングストップに入るセッティングに変更になったようです。ブレーキペダルを強い力で踏み続けていると疲れますので、アイドリングストップを効かせたかったらギアをNレンジに入れる方が楽でしょう。

【高速道路】
G-ベクタリングコントロールがつく前のデミオのガソリンエンジン車にレンタカーで乗った際には、時速80kmを超えたあたりから国産コンパクトカーなりの騒音振動になって、所詮デミオかと落胆し、それがディーゼル購入の決め手になりました。そのイメージがありましたのでG-ベクタリングコントロール付のデミオのガソリンエンジン車はどうなったろうかと気になっていたのですが、実際に乗ってみると高速道路を走るのが苦にならず、高速道路で長距離乗っても全然疲れませんでした。G-ベクタリングコントロールは小さくて軽い車が高速走行する際には効果があるように思えます。

日本の高速道路で常識的な速度で走る分には全く不足がありません。もちろんディーゼルエンジン車ほどの余裕はありませんので追越加速時にはアクセルを目一杯踏む必要がありますが、さらに踏み込んでキックダウンスイッチのお世話になる必要はありません。比較の対象が古いですが、感覚的にはSkyactivの2Lエンジンを積んだプレマシーと同じくらいでしょうか。また、巡航速度域でアクセルの踏み込み量を調節すると必要に応じてシフトダウンしたりシフトアップしたりしますが、変速がスムースで、意図した通りの力が出ます。パワーが乏しいので追越加速は厳しいものの、一旦巡航速度に達すればあとは快適に走ります。

15インチタイヤかつ純正のBluEarth-Aですので高速コーナーでタイヤの横剛性が不足するかと懸念しましたが、いざ走ってみるとG-ベクタリングコントロールのおかげか特に問題なく走れました。

嬉しいのは、これが15インチタイヤで実現できていることです。16インチタイヤに比べるとかっちりした感じは薄れますが、乗り心地は特に問題ありません。16インチだと185/60R16という特殊なサイズのため、タイヤの選択肢がBluEarth-AかLE MANS Vくらいしかありませんが、標準的な185/65R15ならTURANZAやREGNOやADVAN dBもあります。

アクセラ15Sとの比較は微妙で、パワーについては明らかにデミオの方が余裕があります。一方、アクセラの方がホイールベースもトレッドも一回り大きくて高速安定性が良いですし、シャーシもアテンザと同じものを使っていますので、高速安定性についてはやはりアクセラに一日の長があります。遮音についてもアクセラの方がお金をかけています。それでも、買うとしたらどちらにするかと問われれば値段が全然違いますのでデミオ13Cの方がお買い得かもしれません(ただしBMアクセラ前期型中古だと同じくらいの値段)。もちろん、後席に人を乗せる前提でしたらデミオはありえませんが、さりとてアクセラ15Sも非力ですので快適に走れるのは2人乗りまでです。

【山道】
スポーツモードにすれば楽に登れます。緩い坂でしたらスポーツモードも不要です。楽に走れますが、楽しいというほどではありません。全般的にデミオのガソリンエンジン車は癖がなく、実用の道具に徹している感があります。

【燃費】
さすがにディーゼルエンジン車よりも燃費が劣ります。高速道路で長距離乗って、街乗り分と合わせて平均19.0km/Lでした。JC08モード燃費の約8割です。ディーゼルですと平均22.0km/Lくらいは簡単に出せますし、レギュラーガソリンと軽油との価格差を考慮すると燃料コストの差がさらに開きます。しかもディーゼルエンジンの場合、高速道路での実燃費がモード燃費よりも良好ですので高速道路を走る距離が長ければ長いほど燃費に差がつきます。

燃費もさることながら、満タン給油での走行可能距離が600kmくらいですので長距離乗ると給油の頻度が増えるのがやや不便です。ディーゼルエンジン車だと燃費が悪くても700kmくらいは確実に走ります。燃費が良ければ無給油で900kmくらい走れます。走行可能距離0kmで給油するわけではなく、実際には残り100kmくらい余裕を持たせて給油しますので、満タン給油からの走行距離500kmと700kmとの比較になります。

他の条件を同じにして比較するとガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車との価格差は30万円、ガソリンエンジン車の燃料コストが約7円/km、ディーゼルエンジン車の燃料コストが約4.5円ですのでkm当たりの燃料コストの差は約2.5円。5年で12万km走れば燃料代の差でディーゼル有利です。逆にそれ以下であれば多少燃料代が高くついてもガソリンエンジン車の方が安くつきます。

【塗色】
レンタカーの定番はシルバーですので、ソニックシルバーでした。トヨタ車のシルバーと見比べてみると、アルミフレークが少なめなのか艶やかな感じで、光の当たり具合によってはセラミックメタリックに似たような色合いに見えます。少し青が入っているのでしょうか。

【価格】
今回乗ったのは13Cにメーカーセットオプションでコネクティビティパッケージをつけ、ディーラーオプションでETCをつけただけのものです。本体価格が税込み1,393,200円、コネクティビティパッケージが税込み54,000円、ETCは27,340円、マツダコネクトナビSDカードプラスが48,600円合計で1,523,410円、諸経費込みで乗り出し1,716,650円です。いまどきの軽自動車の新車価格と同じくらいです。N-BOX等のトールハイトワゴンでいろいろオプションをつけると200万円近くになる時世です。予算に余裕があれば装備の充実した13S Touringにしてもさほど高くありませんが、走りは一緒です。

軽自動車並の値段で街乗りから高速道路までそつなくこなせて、サポカーS・ワイドの安全装備が標準装備されていて、しかも万一追突された場合の後席の安全性も高い車ですので、実にお買い得だと思います。マツダの藤原専務へのインタビュー記事では「デミオのガソリン、一番安いのがおすすめ」とありますが、実際に乗ってみると確かにその通りだと思います。

【総評】
これならディーゼルエンジン車でなくても長距離の移動もこなせてしまいそうです。13S Touringにでもして浮いたお金を他の楽しいことに使えば、人生もっと楽しくなりそうです。といっても長距離乗ると燃料代だけで元が取れてしまいますので、結局ディーゼルにするかもしれませんが。

2018年4月14日土曜日

2.2Lディーゼルエンジン初期型にもサービスキャンペーン

2018年4月13日付で2.2Lディーゼルエンジン車の初期型に対してエンジン制御プログラムを最新のものに書き換えるサービスキャンペーンが発表されました。1.5Lディーゼルエンジン初期車でもサービスキャンペーンでDE精密過給制御やナチュラルサウンド周波数コントロール等が実装されましたので、2.2Lディーゼルエンジン初期車でも同様にしないと高価な2.2Lエンジン初期型のユーザーが取り残されてしまいます。また、これから中古市場に出るであろう車の商品価値を高めることは、中古価格の向上、下取り価格の向上、ひいては新車販売価格の引き上げに貢献しますので、営業政策上も必要なことなのでしょう。

どのみちエンジン制御ソフトウェアは最新のものに統一してしまった方が管理は楽で、あとはエンジン制御ソフトウェアのリコールで国土交通省と協議するついでに協議してしまうのが手間がかかりませんが、同日に発表された2.2Lディーゼルエンジン車のリコールはエンジン制御ソフトウェアとは関係ないものです。もしかして1.5Lディーゼルエンジン車のエンジン制御ソフトウェアのサービスキャンペーンの協議を踏まえて2.2Lディーゼルエンジンでも同様のサービスキャンペーンを実施することにしたのでしょうか。

内容は1.5Lディーゼルエンジン車のものと同様なのですが、唯一異なるのが改善の内容の中に「AT車はトランスミッション制御プログラムも最新プログラムに更新します。」という文が含まれていることです。DE精密過給制御にATの制御プログラムの変更が果たして必要なのか疑問ですが、2.2Lディーゼルエンジンはもともとシーケンシャルターボでターボラグが小さめですし、パワーにも余裕がありますので、加速しすぎないようにギアを高めにするのでしょうか。

2018年4月11日水曜日

CX-3向け1.8Lディーゼルエンジン

CX-3用に1.8Lのディーゼルエンジンが搭載されることになり、ディーラーではそれに基づいて商談が行われているようです。最大出力は116ps(4000回転)、最大トルクは270Nm(1600-2600回転)とのこと。

最大トルクが1.5Lディーゼルエンジンと同じなのは中容量変速機のトルク容量270Nmの制約に合わせて過給圧を調整したのではないかと推測します。最大トルクの出る回転数が1600回転から2600回転となり、性能曲線上でトルクが頭打ちになっている回転域が拡大していますので、エンジンの素性としては出力の向上分に見合った性能向上があるのではないでしょうか。トルク自体は1.5Lディーゼルエンジンでも十二分にありますが、出力=トルクx回転数である以上、低回転域での出力は現状の変速機のトルク容量に制約されることになります。僅かな性能向上のために大容量変速機を採用したり6速のまま中容量変速機のトルク容量を拡大するのはあまり現実的ではないのでしょう。

最大出力116psが出る回転数は4000回転のままですので、4000回転のときのトルクが10%増えたことになります。排気量が1.5Lから20%増えた割に出力は10%しか増えておらず、残りの10%は煤対策(吸気側に貯まった煤の吸出し?)なり燃費なりに振り向けられているのかもしれません。エンジンについて知見がありませんので、どのようにすれば煤対策ができるのか見当がつきませんが、排気量が20%増えて最大トルクが同じということは燃料の濃度は下がるはずです。

CX-3ユーザーは短距離走行の多い都市住民が多いでしょうから、煤対策のために暫定スペックで1.8Lディーゼルエンジンを導入したのでしょうか。デミオよりも1割重いCX-3ならこの出力向上で十分かもしれませんが、デミオよりも2割重いアクセラではまだ物足りません。

一方、デミオではAT車の最大トルクが250Nm、MT車の最大トルクが220Nm(小容量ATのトルク容量)に抑えられており、排気量に対する燃料噴射が抑制されていますので、排気量に余裕を持たせる必要はあまり無いかもしれません。

仮に出力が20%向上したとしても、依然として2500回転まではトルクも回転数も同じで、トルクのピークが3000回転くらいまで広がるくらいでしょうか。6速で走る高速道路での追越加速は向上するかもしれませんが、MTならまだしもATでトルクバンドのピークを拡大してもあまり効果がありません。低い速度域ではこれ以上エンジントルクを向上させるよりも変速機にお金をかけて例えば8ATを導入し、併せて1.8Lディーゼルエンジンに合わせて設計を最適化しトルク容量を拡大できれば動力性能を向上できるでしょう。

もしアクセラに1.8Lディーゼルエンジンを積むとしたら、1.5Lディーゼルエンジンのときと同じようにギアを下げてエンジン回転数を上げるでしょうから、3000回転くらいまでは常用しそうです。となると現状のトルク容量のままでも1.8Lディーゼルエンジンが本来の性能を発揮できれば実用回転域での性能向上に寄与するかもしれません。アクセラはフルモデルチェンジを間近に控えていますので、もし1.8Lディーゼルエンジンが搭載されるとしたらこちらが本命かもしれません。

→と期待していたのですが、CX-3の商品改良時に発表資料によると1.8Lディーゼルエンジンは270NmまでEGRが効くことを目的に開発されたエンジンとのことで、だとすると変速機のトルク容量以前に環境基準に適合するためには270Nmまでしか出せないということになります。その代わり、高回転域でのトルクがだいぶ太くなっていますので、3000回転あたりを常用するアクセラ1.5Lディーゼルではこのままでも性能向上に寄与するかもしれません。これが2.2Lディーゼルエンジン車を代替できるかどうかわかりませんが。

ディーゼルエンジンに煤飛ばしモードは可能か

DPFに煤が貯まったら自動的にDPF再生モードに入ってDPFに貯まった煤を焼きますが、同様にエンジンの吸気系に煤が貯まったら自動で煤飛ばしモードに入ることはできないものでしょうか。

DPF再生モードはエンジン制御ソフトウェアだけで可能ですが、煤飛ばしモードを実装するためにはATの制御ソフトウェアをいじって低いギアで高いエンジン回転数を維持することになるのではないかと想像します。エンジンとATとの協調制御はとっくに実現していますので、あとはソフトウェアの作り込み次第でしょう。原理は簡単ですが、そのままだと運転感覚が著しく変わりますので、燃料噴射を工夫することで極力運転感覚に違和感を与えないようにするのが鍵ではないかと想像します。

本質的な対策はEGRも含めて吸気系の設計を改善することではないかと思うものの、既に1.5Lディーゼルエンジンが市場に出回っている以上、既存のエンジンがなるべく不具合を起こさないようにする手立ては必要ではないでしょうか。