2018年2月19日月曜日

走行距離が10万kmを超えました

納車から3年強を経てやっと走行距離が10万kmを超えました。本来ならもっと早いペースで10万kmを超えているはずだったのですが、途中でペースダウンしたため、当初予想よりも長くかかりました。長距離乗っても苦にならないというのはこの走行距離の示す通りです。

10万kmを超えるとメーカー特別保証が効きませんし、過走行車として下取りは全く当てになりませんが、かといって車を買って乗らないのが一番無駄だろうということで、今までかかった費用をもとにkm当たりの単価を計算してみました。

まず固定費用としての車両価格と点検費用と税金と保険と駐車場代ですが、全部合わせて350万円くらいです。10万で割るとkm当たり35円です。ここでは仮に下取り0とします。次は変動費用で燃料代はkm当たり約5円、高速道路料金は区間によって異なるものの、標準でkm当たり約25円です。実際には1回利用ごとにターミナルチャージ150円がかかったり大都市近郊区間では割り増し料金があったりするのですが、走行距離の大半が高速道路走行とはいえ一般道の走行もありますし、大都市近郊区間以外では休日割引もありますので、おおざっぱに均すとだいたい25円/kmくらいになります。限界費用は30円/kmくらいです。固定費用と限界費用の合計で65円/kmくらいです。こうしてみると改めて高速代の高さを実感します。高い車を買っても普通車である限り高速代は同じですので、長距離走るならもっと高い車でもkm当たり単価への影響はあまりないのかもしれません。車は高い買い物ですが、高速道路はそれ以上に高い買物のようです。

では、標準的なケースである年間走行距離1万kmで3年後の下取り価格が100万円であるケースでkm当たり単価を計算してみるとどうなるでしょうか。まず固定費用は350万円から下取り分を差し引いて250万円。3万kmで割ると80円強です。これに燃料代と高速代を加えるとkm当たり110円くらいになります。短距離走行だと平均燃費が悪くなりますので、km当たり燃料コストがやや増大するものの、せいぜい5円/kmが7円/kmに増える程度ですので、固定費用や高速代に埋もれてしまいます。また、短距離走行がメインだと高速代もあまりかかりませんので、実際には90円~100円/kmくらいでしょうか。下取りを考慮してもやはりたくさん乗った方が単価が安くなりますので、どうせ買うなら過走行を恐れずに乗るのがよさそうです。

次に、買ってもほとんど乗らないケース、3年で1万kmくらいしか走らない場合に同様にkm単価を出してみると、固定費用は同様に250万円として距離で割ると250円/km。短距離利用の場合には高速代がほとんどかかりませんので、260円~270円/kmくらいでしょうか。下取り価格がもっと高ければ200円/kmくらいまで下がるかもしれませんが、それでも固定費がかさみますので高くつきます。ほとんど乗らないならカーシェアリングの方が安くて、普通に乗っても月1万円くらいしかかからず、3年乗って36万円です。km単価にしてもせいぜい50円くらいです。

ちなみに公共交通機関との比較では、新幹線は500kmで1万円~1万5千円くらいですので20円~30円/kmとさすがに長距離乗る分には安いです。飛行機でもJALやANAの特定便割引運賃のkm単価は同じくらいです。安い飛行機ではさらにkm単価が下がり、東京札幌間1000kmで1万円と10円/kmにまで下がりますので、長距離移動では飛行機以外の選択肢を思いつきません。高速バスはだいたい100kmにつき1000円くらいですので10円/kmとさらに安いです。在来線特急の運賃料金はだいたい高速バスの1.5倍から2倍くらいで、15円~20円/kmです。

しかし、すでに車を保有しているなら限界費用との比較になり、これは車の走行距離に依存しません。一方、公共交通機関の運賃は人数に比例しますので、4人で乗れば100円/kmくらいかかります。複数乗車、特に子供連れでしたら当然のことながら車の方が安いです。さらに、公共交通機関利用であっても現地の足が必要となるとレンタカー代がかかり、だいたい1日乗ると燃料代込みで1万円くらいかかりますので、仮に200km走行で1万円ですと50円/km加算することになり、さらに高くなります。

2018年2月18日日曜日

走行可能距離表示

長距離を走ると燃料の残が気になります。走行可能距離が0になった時点で給油すると40L給油できますので4L分(60~100km)の余裕はあるものの、これも使い切ると燃料ポンプに空気が入り込んでエンジンが始動しなくなりますので、やはり走行可能距離の表示は気になります。

カーナビに表示される目的地までの距離と走行可能距離の表示とを見比べて十分に余裕があればよいのですが、ギリギリを狙うと途中でDPF再生が始まったときにみるみるうちに走行可能距離が減少していって、結局燃料が足りなくなります。途中で渋滞に巻き込まれる場合にも燃費が悪化して走行可能距離が減少します。また、カーナビ推奨ルートよりも走りやすいルートの方が距離が長い場合には、当初の推奨ルートから離脱した時点で目的地までの距離が増えます。DPF再生や不慮の燃料消費を考慮するといつも100kmくらい余裕を持たせることにしています。

燃料が微妙に足りない場合には途中で給油しますが、1000円分入れれば200km分くらいの余裕が出ます。8Lくらいですので、L単価が数円高くてもせいぜい数十円の差でしかありませんから、無理して安いスタンドを探す必要もありません。

2018年2月10日土曜日

エンジン制御プログラム更新後に高速道路を走ってみました

エンジン制御プログラムが更新され、出かけるのが楽しみと思っていた矢先、早速高速道路を走ることになりました。DE精密過給制御が導入されても街乗りでの加速が楽になるのが主で、高速道路では追越加速が楽になる程度かと思っていましたが、意外と高速道路でも乗りやすくなりました。

1.直進安定性

冬タイヤを履いていることもあり、あまり速度を出すつもりになれないのですが、なぜか直進安定性が向上して高速巡航が楽になりました。

直進安定性の向上の原因として真っ先に思い浮かぶのはG-ベクタリング・コントロールですが、サービスキャンペーンではDE精密過給制御とナチュラル・サウンド・周波数コントロールの記載しかありませんし、G-ベクタリング・コントロール向けにサスペンションセッティングの最適化も必要なはずです。Gモニターを見てみるとGの細かい変動が前よりも少なくなったのではないかと思えてきたものの、Gの細かい振動が皆無になったわけではありませんので、きちんと計測してみないとわかりません。

ナチュラル・サウンド・周波数コントロールは騒音低減だけでなく、騒音の元になる振動を相殺していますので、エンジン由来の振動は減少しているのかもしれません。

2.高速コーナー

タイヤの横剛性が低いと安定して通過できないのですが、従来よりも走りやすくなったような気がします。今のところ気のせいでしかありませんが、これは曲線通過速度を計測するとわかりますので、引き続き注視してみようと思います。

3.追越加速時の速度の伸び

従来よりも速度が伸びるようになりました。アクセルを踏んでから加速度が立ち上がるまでの時間が短くなったにせよ、加速度自体は向上していませんのでエンジンの性能によるものではないのではないかと推測します。むしろ、ナチュラル・サウンド・周波数コントロールの影響でエンジン音の低音成分が減少したことで、エンジン音を基準にした体感速度が低下したためにいつの間にか高い速度に到達してしまうのではないかと推測します。

4.燃費

同じような道を同じように走っているだけなのに、なぜか燃費が良くなりました。従来24km/Lくらいだった道で26km/Lを超えました。これはエンジンの煤を飛ばして燃焼効率が良くなったためでしょうか。あるいは、DE精密過給制御はアクセルの踏み込み速度が低いときにはあまり燃料を吹きませんので、高速巡航時には燃料を節約できているのでしょうか。

その後も燃費は好調で高速道路走行時に自己ベスト2位の平均燃費29.7km/Lを出したり、ある程度まとまった距離を走っても27km/Lくらいで走れています。

2018年2月7日水曜日

G-ベクタリング・コントロールは何が効いているのか

今までの経験上、G-ベクタリング・コントロール付の車に乗ると高めの速度でコーナーに突っ込んでも意外と曲がれてしまいます。本来、遠心力は走行速度と曲線半径によって一意に決まるもので、遠心力がタイヤのグリップ力を超過すれば当然曲がれませんので、G-ベクタリング・コントロールがあろうが無かろうが曲がれる速度は同じであるはずです。

しかし実際には車内には0.01Gから0.05G程度の微小な揺れが常に発生していて、それはG-Bottleを置いてみたりGモニターを表示させたりすれば可視化できます。路面の細かい凹凸によって振動が発生しますので、震動による揺れ自体を無くすことはできません。その揺れは直進時にも曲線通過時にも発生していて、曲線通過時には遠心力による横Gに加えて、揺れによる横Gも発生しています。路面の凹凸は左右の前輪に前後方向の力を加えるだけでなく、左右の前輪にかかる荷重が変化すればタイヤのグリップ力も変化しますので、左右のタイヤのグリップ力の差異によってコーナリングフォースが発生します。これが横Gになるわけです。揺れによる横Gが加わった状態で限界を越えないのが曲がれる速度になりますので、揺れのせいでコーナリング性能を無駄にしていることになります。曲線通過時の横Gが0.2Gの場合と0.25Gの場合とでは体感速度がかなり違います。

しかも、遠心力による横Gはコーナーに入るにつれて徐々に大きくなるものですから同乗者にも予測しやすく身構えやすいのにに対し、常に発生する揺れを個々の振動レベルで予測して身構えることは不可能です。同乗者が揺すられなくなるのはこの余計な揺れが無くなるためでしょう。実際、G-ベクタリング・コントロールでコントロールしている加速度は通常は0.01G、最大でも0.05Gとのことで、何を打ち消そうとしているかが見て取れます。

尚、コーナー手前で減速してコーナー出口で加速するというマクロレベルのコーナリングについては、そもそも減速時にはアクセルオフですのでエンジントルクの制御によってコントロールすることは不可能です。コーナリングで最も難しいのは減速のタイミングですので、ここを制御できないということはマクロレベルのコーナリングをエンジントルクによって制御することはできないということです。

ところで素朴な疑問なのですが、G-ベクタリング・コントロールは車速とステアリング切り角のみから最適なエンジントルクを計算しているとありますが、どういうロジックで計算しているのでしょう。車速を時間で微分すれば加速度を計算できますし、それをさらに時間で微分すれば躍度を計算できます。また、ステアリング切り角を時間で微分すれば変化率を計算できます。また、車速とステアリング切り角から本来発生すべき横Gを計算できます(ステアリング切り角が0のときには横Gが0であるべき)。市販車は弱アンダーステアですので、曲線内側に逸脱している場合にはエンジントルクを増やして車体を曲線外側に向ける必要がありますし、逆に曲線外側に逸脱している場合にはエンジントルクを絞って車体を曲線内側に向ける必要があります。しかしこの際、前後方向の速度データだけではどちらの方向に逸脱しているかわからないように思えるのですが、どうやって識別しているのでしょう。

曲線が内側に寄れば直進方向のベクトルが僅かに短くなり、逆に曲線が外側に寄れば直進方向のベクトルが僅かに長くなることから、これを車速の変化として識別しているのではないかと推測します。では直進時にはどうかというと、そもそも実際の道路には完全な直線というものはほとんど存在しませんし、たとえ完全な直線であってもステアリング切り角が厳密に0ということはありえなくて、直進しているときですら小さな修正舵を当てることで半径の大きな左カーブと右カーブを交互に走っていることになります。となれば車は常に曲線上を走っていることになります。

前後方向の揺れについては簡単で、曲線での左右方向の逸脱を補正してもなお本来あるべき位置よりも前に出ていればエンジントルクを絞り込んで後ろに下げればよいですし、逆に本来あるべき位置よりも後ろに下がっていればエンジントルクを増やして前に出せばよいことになります。実際には左右方向の揺れと前後方向の揺れがありますので、それぞれ合算して最適なベクトルを算出するのでしょう。だからこそベクタリング・コントロールとなるのではないかと想像します。

2018年2月4日日曜日

リコール対応でエンジン制御プログラムを更新しました

リコールがありましたので入庫してきました。エンジンそのものに特に不具合は感じていなかったのですが、リコール対応の副産物としてエンジン制御プログラムが最新になるのに際して、初期型でもDE精密過給制御とナチュラル・サウンド・周波数コントロールが利用できるようになることが同時発表のサービスキャンペーンにより判明しました。

DE精密過給制御とナチュラル・サウンド・周波数コントロールは代車で体験していましたので、制御プログラムで対応できるものなら初期型にも反映してほしいとかねてから思っていました。あいにく型式に係るものは国土交通省の許認可が必要で、単独での変更では手間がかかりますが、リコール対応するとなればどのみち国土交通省との協議が必要で、どうせエンジン制御プログラムに手を加えるなら古いプログラムに手を加えるよりも最新のプログラムに統一した方が工数が少なくて済みますし、ユーザーの利益にもなるということではないかと推測します。

しかし、サービスキャンペーンにはG-ベクタリング・コントロールが実装されたという記述はありませんので、実際にはG-ベクタリング・コントロール有りと無しの2種類があるものと思われます。G-ベクタリング・コントロールを実装するにあたってはサスペンションセッティングも変更したとのことですので、エンジン制御プログラムの変更だけではG-ベクタリング・コントロールを実装できません。

あとはナチュラル・サウンド・スムーザーがつけば申し分ないものの、こちらはエンジンを分解しないと取り付けられませんし、リコールのついでというわけにもいかないでしょうから、初期型につけるのは現実的ではありません。その結果、ナチュラル・サウンド・スムーザーはついていないけれどもナチュラル・サウンド・周波数コントロールのついている個体が発生することになります。

入庫予約の際に「作業時間は1時間半ほど」と言われました。制御プログラムの書き換えだけでしたらそんなに時間がかかることはないでしょうが、エンジンを回して煤を飛ばす作業があるためでしょう。

実際の入庫は1時間半強でした。ディーラーでの説明によると、冷温始動時に煤が出やすいことから、燃焼室内の温度に応じて燃料噴射の設定を変えるようにした由。また、ディーラーで見せていただいた資料によると、交差点での右左折時の加速(徐行時からの加速)でもたつくことに対処したという記述に加え、コーナーからの脱出時のステアリングを戻しながらの加速(時速50km程度)でもたつくのにも対処したとのことでした。

【第一印象】
低速での出足が激変。単にDE精密過給制御付のデミオと同じになっただけのはずなのですが、初期型の個体で出足が変わるとその変化に驚きます。街乗りでは随分扱いやすくなりました。感覚的には15インチホイールXDの初期型よりも出足が軽いです。ただし、今までのエンジン制御に合わせたアクセルの踏み方をしていましたので、慣れないうちは踏みすぎてしまいました。しばらくして慣れてくると加速時にi-DMで青点灯させやすくなりました。

【コーナリング時】
今までもさほど不便を感じていなかったので、果たして効果があるのかと疑っていました。いざ走ってみるとコーナーの出口であまりアクセルを踏まなくても微小なアクセルコントロールをしやすくなったような印象を受けました。i-DMで青点灯しやすくなりました。

【高速道路での追越加速】
今までもさほど不自由していなかったのですが、これもアクセルを踏んでから加速を開始するまでのわずかなタイムラグが解消したような印象を受けました。加速度自体には差はありません。

【エンジン音】
ナチュラル・サウンド・スムーザーがついていませんので、カラカラ音については従来のままですが、低い音が小さくなったように感じました。高速巡航時にはもともと車内にカラカラ音が入ってきませんので、ひと昔前のガソリンエンジン車の音に近づいてきました(さすがにいまどきのガソリンエンジン車と同等というわけにはいきません)。高速巡航時にはエンジン音があまり気にならなくなった反面、ロードノイズや風切り音が気になるようになりました。

【ノッキング音】
従来は低回転で高負荷をかけると「ココココココ」とノッキング音がしましたが、入庫時にエンジンを空ぶかしして煤を飛ばしたせいか、ノッキング音がしなくなりました。たまにはエンジンをしっかり回した方が良さそうです。

【燃費】
正確に計測したわけではありませんが、燃費自体は今まで通りに見えます。加速するまでの間が短くなっただけで、加速度自体が変化しているわけではありませんので。

【総評】
アクセルを踏んだときに一瞬もたつく感じがしなくなったおかげで、ぬるぬる加速するようになりました。アクセルペダルの物理的な反力には何ら違いはありませんが、従来はアクセルペダルを踏んでから加速に反映されるまでの間があたかもアクセルペダルの反力を大きいかのように感じさせていました。2016年1月モデル以降はこれが当たり前ですが、やっと初期型もまともに加速するようになりました。今回の入庫は初期型ユーザーにはかなり効果がありますのでおすすめです。