代車では普段乗れない車に乗れますのでいつも楽しみにしています。今回の車検の代車で新型プリウスやインプレッサに乗れればいいなと楽しみにしていましたが、Mazda 2でした。これはこれで勝手知ったる車で扱いやすいですが。
車検証を見たら2021年登録でレンタカーグレードですので圧縮比12の従来型です。マツダのガソリンエンジンは冷温始動時には音がうるさいです、Mazda 3は遮音がしっかりしていますのでそんなにうるさくないのですが、Mazda 2や先代のBMアクセラのエンジン音はうるさいです。マツダコネクトは第1世代のもので、今となっては解像度が低く画面の中の情報量が少なく感じますが、唯一の利点はタッチパネルが使えるため文字の入力が楽なことです。Mazda 3のマツダコネクトのディスプレイは運転者の側を向いていますが、第一世代のマツダコネクトのディスプレイはまっすぐ向いていますので、運転席から見ると少し見づらいです。同乗者にはこちらの方が見やすいですが。
1.5Lエンジンですのでパワーに余裕があるはずですが、発進時にもたついてアクセルを強く踏むと急に飛び出しました。ブレーキペダルは少し踏んだだけで強く効くカックンブレーキと感じましたが、Mazda 2はもともとそんな車ではなく、単に普段乗っているMazda 3のブレーキがある程度踏力をかけないと効かないブレーキですので、それと比べると踏みはじめで効きすぎると感じるだけです。ステアリングはセンター付近で引っかかるような感触でした。電動パワステの制御が良くないのでしょうか。Mazda 3以降の第7世代車が出てからは第6世代車の粗が目立ちます。
高速道路ではパワーに余裕があり、追越加速も問題なし。クルーズコントロールのついていないレンタカーグレードでしたので高速道路も手動運転でしたが速度のコントロールは特に苦にならず。高速道路で楽に走れるならMazda 2でもいいかなという気になってきます。Mazda 2に乗ると高速道路で楽に走れるときと高速道路で厳しいときとがあるのですが個体差でしょうか。
乗り心地は比較的良いですが、15インチホイールだからか車体がフワフワします。デミオの頃から15インチホイール車で高速道路を走るとフワフワしますので、もともとそういう車なのですが。街乗りならバネ下重量が小さくて出足の軽い15インチホイールの方が有利ですが、高速道路で長距離走るなら16インチホイールの方が有利だと思います。
小さい車は座席と座席との間の空間が狭いですが、運転席のシートの大きさは他の車と変わりありませんし、Mazda 2のシートは座り心地も良好です。マツダ車は小さくてもドライビングポジションに無理がありませんので一人で乗るなら小さくてもよいかなという気がします。
燃費については、高速道路を走り続けているうちに23km/Lを超えましたが、渋滞があったり一般道でゆっくり走ったりしていましたので全体としては20km/L程度。さすが軽い車体と1.5Lエンジンとの組み合わせだけあって、ガソリンエンジン車であっても燃費は良いです。
多少のことに目をつぶれるならMazda 2でもよいかなと思って代車を返却してMazda 3を引き取ったのですが、いざ乗ってみると動的質感が全然違います。内外装の質感の違いや静粛性の違いは車格相応ですが、むしろMazda 2を運転していて気になった部分がMazda 3では気になりません。Mazda 3は1.5Lエンジン車でも同様ですので、Mazda 3の1.5Lエンジン車はコストパフォーマンスが良いと思います。その代わり昔に比べて高くなりましたが。
Mazda 2の前身であるDJデミオが出たときにはコンパクトカーの常識を打破するということを標榜しており、たしかに当時の国産Bセグメント車の中では内装も走りに質感も良く、1年先に出たBMアクセラを食いに行く勢いでしたが、Mazda 3が出たときにMazda 2を引き離した一方で、Mazda 2はモデルチェンジしていませんので、差がついたままです。できればMazda 3の良さを取り込んだうえでMazda 2のサイズにしたものを出してほしいところですが、今のマツダの体力で利幅の薄いBセグメント車を開発するのは厳しそうです。欧州向けMazda 2と同様にヤリスハイブリッドに相乗りして顔だけ変えるのが現実的なのかもしれません。日本でもディーゼルエンジン車がなくなりましたので、その穴を埋めるべく日本でもヤリスハイブリッドのマツダ版を出してほしいところですが、日本でヤリスハイブリッドを欲しがる顧客は最初からトヨタディーラーで買うでしょうから、日本でヤリスハイブリッドのOEM版を出す動機が乏しいのかもしれません。