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2025年9月6日土曜日

高圧縮比エンジンのMazda 2は好きになれない

先日北海道でレンタカーのMazda 2に乗りました。顔が変わる前ですが高圧縮比エンジンを積んだモデルです。その前にMazda 2に乗ったときにも思いましたが、圧縮比を高くした代償でエンジンフィールが良くなくて運転して気持ちよくありません。太いトルクを活かしてなるべくエンジン回転数を落とそうとするのですが、そうはいってもガソリンエンジン車ですので低回転ではトルクが足りずに速度が出にくいです。そこまで我慢して燃費が良くなったのかといえば、別に良くなった実感もありません。正直何のための高圧縮比エンジンなのだかよくわかりません。Bセグメント車なら20km/hを超えて当然ですし、AWDであっても北海道の道路でしたら内地並かそれ以上の燃費が出るはずなのですが、どんなに頑張っても19km/hが精一杯でした。あいにく今のMazda 2にはこのエンジンしかありません。

Mazda 3では印象が全然違って、1.5Lエンジンでも一般道では普通に走れますし、Cセグメント車のくせにBセグメント車並かそれ以上に燃費が良いです。AWDであっても同様です。どうしてこんなに燃費が良いのかこれも謎です。レンタカーでMazda 3の1.5Lエンジン車に乗ると、レンタカーでこんなに良い車に乗れるのかと感激します。タイムズカーレンタルのC2クラスで車種指定すると手頃な値段で乗れます。

Mazda 2とMazda 3とでは当然値段が異なりますが、Mazda 3のレンタカーグレードの15Cだとかなり安くて、Mazda 2より少し高い程度です。こちらの方が圧倒的にコストパフォーマンスが良く見えます。だいたいMazda 2の上位グレートとMazda 3の下位グレードが同じくらいの値段ですが、内外装の質感、動的質感、燃費性能、いすれもMazda 3の下位グレードの方がすぐれていますので、同じ予算で買うならMazda 3かなという気がします。

2025年7月20日日曜日

レンタカーで2023年9月商品改良後のMazda 2に乗りました

ここのところタイムズカーレンタルのC1クラスとC2クラスとの価格差が小さかったためC2クラスばかり選んでおり、直近ではMazda 3が続きましたが、久しぶりにC1クラスとC2クラスとの価格差が大きかったのと、どうせそんなに長距離を走らないだろうと想定してC1クラスにしたところ久しぶりにMazda 2に当たりました。

2024年6月登録で走行距離1万km強。レンタカーにしては走行距離が控えめです。2023年9月の商品改良以降ですので、バイオプラスチックを多用して外装が変化したタイプです。先に後ろ姿を見ましたが、その時点では新しい外装に気づかず。車を降りて前を見たときに初めて気が付きました。遠目に見ると形はMazda 2そのものですので、写真での見た目ほどには変化を感じません。レンタカーグレードだったからか、屋根はプラスチックではなく普通の鉄板でした。

フロントグリルだったところに樹脂パーツがあてがわれていて、その見た目自体はさほど気になりませんでしたが、フロントグリルだったところを横から見たときに後ろが空洞になっていて樹脂製の板が出っ歯のようになっていたのを見て、そこが違うのかと気が付きました。樹脂パーツで塞いだ時点でフロントグリルではありませんし、Mazda 2のエンジンの給気口はフロントグリルの上側の開口部だけで、もともと下は単なる飾りですので、別にそこから空気を取り入れる必要はないのですが、随分割り切ったデザインにしたものだと感じました。まるでナンバープレートの台座としてしか機能していないような感じです。樹脂パーツの下の開口部の先にラジエーターがありますので、樹脂パーツで塞がれた分を補うべくラジエーターに風が当たりやすくしているのかもしれません。ラジエーターの正面に風があまり当たらないようになっていますので、もしかしたら多少は空力性能の足しになっているのでしょうか。

ホイールキャップは樹脂製で、近くで見ればデザインが変わったことに気が付きますが、普段そんなにまじまじとホイールキャップを見つめることがありませんので、乗るだけでしたら意識しません。

内装については、ダッシュボード下に樹脂パーツがありますが、この樹脂パーツ自体はもっと前のモデルから採用されていますので、内装の変化は感じません。マツダコネクトも相変わらず第1世代のままです。おかげでタッチパネルが使えますので目的地入力は楽です。コマンダーノブは第2世代のものの方が繊細な印象があり、久しぶりに第1世代のコマンダーノブを使ってみると、目が粗い印象を受けました。

パワートレインに大きな違いを感じました。もともとしばらく前から圧縮比14のエンジンを採用しているのですが、現行モデルではさらにその特徴が出たように感じました。高圧縮比エンジンらしく重低音が響きます。低負荷ではややディーゼルエンジン寄りの音ですが、もちろんディーゼルエンジンほどトルクが太いわけではありませんので、いまいち加速が足りないなと思ってアクセルを踏み込むと、重低音が大きくなるばかりで気持ちよく吹け上がるわけではありませんし、しっかり加速するでもありません。上り坂で速度が落ちているときにアクセルを踏み込んでもなかなか加速しません。見づらいデジタルタコメーターを見ると、一応回転数は上がっているようですが、回転数が上がったような音に聞こえません。もともとSkyactiv-G 1.5は小型で高回転で気持ちよく回るエンジンという印象でしたが、圧縮比を上げたことで、気持ちよく回るという部分が損なわれたように感じます。

レンタカーグレードのためクルーズコントロールがついておらず、高速道路では人力で速度をコントロールしていましたが、上り坂で速度が落ちやすいですし、アクセルを踏んでもあまり加速しませんので、高速道路では扱いにくいです。クルーズコントロールがついていればもっとまともに走るのでしょうか。一方、流れの良い一般国道で60km/hでダラダラ走り続けるような使い方では気持ちよく運転できます。

Mazda 3の1.5Lエンジンは圧縮比13のままですが、たしかに圧縮比14に引き上げることで鈍重な走りになってしまうのでしたらそのままではMazda 3には採用できないと思いました。Mazda 3の1.5Lエンジンは回転数高めで使いますので。

Mazda 3の2Lエンジンもあまり回転数を上げない使い方ですが、それでも高速道路での追い越し加速の際にアクセルを踏み込むとパワー相応にしっかり加速します(その代わりそういう使い方をするとたちどころに燃費が悪くなりますが)。2Lエンジンの156psに対して1.5Lエンジンは110psしかなく、排気量が75%なのにパワーは70%しかありません。重量差よりもパワーの差の方が大きいので、やはりパワー相応という印象を受けます。1.5Lディーゼルエンジンをやめてしまいましたので仕方ありませんが、一体いつまでMazda 2を引っ張り続けるのでしょうか。廃盤にするくらいならとりあえず今のモデルを残してくれた方がありがたいですが。

そこまでして燃費が良くなったかというと、そこまでの燃費の改善は感じませんでした。高速道路から酷道まで走り、大半は流れのよい平坦な一般国道を走り、ときおり坂道も走りましたが、それで21L/km弱。国産Bセグメント車なのですから、自然吸気ガソリンエンジンで20km/Lを超えるのは珍しいことではありませんし、Bセグメントならそれくらいは出ないと困ります。Mazda 3の1.5Lエンジン車も、有利な条件では20km/Lを超えますので、一回り軽いMazda 2ならもっと燃費性能が出てほしいものです。というか、Mazda 3の1.5Lエンジン車の燃費は重量を考えれば自然吸気エンジン車の燃費としては驚異的です。どうやってそんな燃費を弾き出しているのでしょう。

パワートレインに癖を感じましたが、それ以外は素直で扱いやすい車ですので、特に免許を取りたての人には乗りやすい車だと思います。Bセグメントにしては内装が良いのも相変わらずです。

2024年12月8日日曜日

代車でMazda 2に乗りました

代車では普段乗れない車に乗れますのでいつも楽しみにしています。今回の車検の代車で新型プリウスやインプレッサに乗れればいいなと楽しみにしていましたが、Mazda 2でした。これはこれで勝手知ったる車で扱いやすいですが。

車検証を見たら2021年登録でレンタカーグレードですので圧縮比12の従来型です。マツダのガソリンエンジンは冷温始動時には音がうるさいです、Mazda 3は遮音がしっかりしていますのでそんなにうるさくないのですが、Mazda 2や先代のBMアクセラのエンジン音はうるさいです。マツダコネクトは第1世代のもので、今となっては解像度が低く画面の中の情報量が少なく感じますが、唯一の利点はタッチパネルが使えるため文字の入力が楽なことです。Mazda 3のマツダコネクトのディスプレイは運転者の側を向いていますが、第一世代のマツダコネクトのディスプレイはまっすぐ向いていますので、運転席から見ると少し見づらいです。同乗者にはこちらの方が見やすいですが。

1.5Lエンジンですのでパワーに余裕があるはずですが、発進時にもたついてアクセルを強く踏むと急に飛び出しました。ブレーキペダルは少し踏んだだけで強く効くカックンブレーキと感じましたが、Mazda 2はもともとそんな車ではなく、単に普段乗っているMazda 3のブレーキがある程度踏力をかけないと効かないブレーキですので、それと比べると踏みはじめで効きすぎると感じるだけです。ステアリングはセンター付近で引っかかるような感触でした。電動パワステの制御が良くないのでしょうか。Mazda 3以降の第7世代車が出てからは第6世代車の粗が目立ちます。

高速道路ではパワーに余裕があり、追越加速も問題なし。クルーズコントロールのついていないレンタカーグレードでしたので高速道路も手動運転でしたが速度のコントロールは特に苦にならず。高速道路で楽に走れるならMazda 2でもいいかなという気になってきます。Mazda 2に乗ると高速道路で楽に走れるときと高速道路で厳しいときとがあるのですが個体差でしょうか。

乗り心地は比較的良いですが、15インチホイールだからか車体がフワフワします。デミオの頃から15インチホイール車で高速道路を走るとフワフワしますので、もともとそういう車なのですが。街乗りならバネ下重量が小さくて出足の軽い15インチホイールの方が有利ですが、高速道路で長距離走るなら16インチホイールの方が有利だと思います。

小さい車は座席と座席との間の空間が狭いですが、運転席のシートの大きさは他の車と変わりありませんし、Mazda 2のシートは座り心地も良好です。マツダ車は小さくてもドライビングポジションに無理がありませんので一人で乗るなら小さくてもよいかなという気がします。

燃費については、高速道路を走り続けているうちに23km/Lを超えましたが、渋滞があったり一般道でゆっくり走ったりしていましたので全体としては20km/L程度。さすが軽い車体と1.5Lエンジンとの組み合わせだけあって、ガソリンエンジン車であっても燃費は良いです。

多少のことに目をつぶれるならMazda 2でもよいかなと思って代車を返却してMazda 3を引き取ったのですが、いざ乗ってみると動的質感が全然違います。内外装の質感の違いや静粛性の違いは車格相応ですが、むしろMazda 2を運転していて気になった部分がMazda 3では気になりません。Mazda 3は1.5Lエンジン車でも同様ですので、Mazda 3の1.5Lエンジン車はコストパフォーマンスが良いと思います。その代わり昔に比べて高くなりましたが。

Mazda 2の前身であるDJデミオが出たときにはコンパクトカーの常識を打破するということを標榜しており、たしかに当時の国産Bセグメント車の中では内装も走りに質感も良く、1年先に出たBMアクセラを食いに行く勢いでしたが、Mazda 3が出たときにMazda 2を引き離した一方で、Mazda 2はモデルチェンジしていませんので、差がついたままです。できればMazda 3の良さを取り込んだうえでMazda 2のサイズにしたものを出してほしいところですが、今のマツダの体力で利幅の薄いBセグメント車を開発するのは厳しそうです。欧州向けMazda 2と同様にヤリスハイブリッドに相乗りして顔だけ変えるのが現実的なのかもしれません。日本でもディーゼルエンジン車がなくなりましたので、その穴を埋めるべく日本でもヤリスハイブリッドのマツダ版を出してほしいところですが、日本でヤリスハイブリッドを欲しがる顧客は最初からトヨタディーラーで買うでしょうから、日本でヤリスハイブリッドのOEM版を出す動機が乏しいのかもしれません。

2023年9月28日木曜日

ヤリスハイブリッドOEMのMazda 2がほしい

ヤリスハイブリッドは、卓越した燃費性能で有名ですが、それだけでなくパワートレインもシャシーもすぐれていますので、正直国産Bセグメント車はヤリスハイブリッド圧勝状態です。そのため燃費性能確保が急務である欧州ではヤリスハイブリッドをそのままMazda 2ハイブリッドとして販売しています。

どうせなら日本でも販売してくれたらいいのにと思いますが、バッジ以外全部ヤリスハイブリッドと同じなら、わざわざマツダディーラーで買うまでもなく、トヨタディーラーで買えば済むことです。とはいえ、トヨタディーラーでルーミーを購入するよりも同じクルマをダイハツディーラーやスバルディーラーで購入する方が安いようですので、マツダOEMの方が安いのでしたらそれも検討しますが。

上記の通りヤリスハイブリッドは素晴らしい車ですが、マツダ車を知っていると、エクステリアとインテリアはマツダにならないものかと思います。ヤリスハイブリッドに手を加えれば、手を加えた分の開発費がかかりますが、それでもヤリスのパワートレインとシャシーを踏襲するのでしたらその部分では開発費がかからないのですから、浮いた費用をエクステリアとインテリアに振り向けられないものかと思います。

まずはアクセルペダルから。最近のトヨタ車のアクセルペダルは吊り下げ式であっても使い勝手が良いですが、それでもトヨタはプリウスではオルガン式を採用しました。ヤリスのベース車がオルガンペダルを採用するならそれに越したことはありませんが、そうでなければMazda 2向けに手を入れてほしいものです。オルガン式アクセルペダルを踏むときの操作と吊り下げ式のブレーキを踏むときの操作とでは全然違いますので、アクセルペダルとブレーキペダルの文間違えも起きにくくなるのではないでしょうか。

次はシート。BMアクセラ、DJデミオ、BP Mazda 3と優れたシートを導入しているのですから、ヤリスハイブリッドベースであってもMazda 3ベースのシートを入れてほしいものです。ヤリスの下位グレードについているヘッドレスト一体型のシートは、ある程度背もたれを倒さないとヘッドレストが当たって運転しにくいです。

トヨタ車のディスプレイオーディオをマツダコネクトに入れ替えるのは現実的ではありませんが、それでもマツダコネクトのうちコマンダーノブは秀逸ですので、なるべく採用してほしいものです。そこまで手を加えるとしたら、むしろトヨタのヤリスにも反映されそうですが。

ドライビングポジションに手を入れるためには前輪の位置を前にずらす必要がありますが、シャシーを所与としたらそれは難しいでしょう。とはいえ、今のヤリスにそこまで不満があるわけでもありません。

エクステリアについてはバンパー部分をマツダ顔にするくらいしかやりようがないのが実態でしょうが、塗色でチャレンジすることはできないものかと思います。塗料は製造ラインにあるものですので、マツダの塗料をトヨタの工場に持ち込むのはさすがに現実的ではないだろうと思いますが、何か工夫の余地はないものでしょうか。

テールランプをいじるのは難しそうですが、マツダのテールランプになると見た目の印象がだいぶマツダ車に近づくと思います。

装備については載せ替えるのは現実的ではありませんが、トヨタ車に無くてマツダ車にあるのはアダプティブLEDヘッドライト。単なるハイビームコントロールよりもよくできてると思います。

マツダから提供できる技術を反映させて共同開発という形にすれば、単なるOEM調達よりも安価に調達できる可能性があります。

クルーズコントロールやレーンキープアシストについては今はトヨタ車の方が出来が良いので、これはトヨタ車のをそのまま踏襲したいです。というか、既存のマツダ車にもトヨタ製のを入れた方がましなのではないでしょうか。

2023年6月10日土曜日

レンタカーで斜め渦燃焼エンジンのMazda 2に乗りました

タイムズカーレンタルのC1クラスを予約したところ、幸運にもMazda 2に当たりました。しっとりとしたステアリングフィールがいい車感を出しています。BluEarth-GTとの相性もあるのでしょうか。普段乗っているMazda 3だと低速域でハンドルが重いように感じるのですが、ホイールの大きさやタイヤの太さとのバランスもあるのでしょう。ATの制御がこなれてきたのか、加速時にもたつく感じがなく、扱いやすく感じました。Mazda 2も捨てたものではないし、もうMazda 2でもよいのではないかとさえ思えました。

車検証を見たら2023年3月登録とあり、そういえば斜め渦燃焼の圧縮比14のエンジン車に乗るのは初めてだということを思い出しました。 エンジン音を聞いてみると、低回転域では低音の太い音が聞こえてきます。圧縮比が高くなったためでしょうか。しっかり回すともともとの1.5Lエンジンのように軽快に回ります。巡航時には1000回転くらいまで落ちますが、その割にはトルクはさほど落ち込まず、コントロールしやすいです。普段使いならやはり低回転でトルクが太い方が扱いやすいです。自然吸気エンジンでもここまでできるものなのかと感心しました。

圧縮比が高い割には燃費は期待したほどではなく、山道を走ったというのもありますが、20km/Lに達するのが精一杯でした。従来のエンジンを積んだ車と同じ条件で走ればもっと燃費が良くなるのかもしれませんが、走りやすくなったことで、しっかりと加速して燃料噴射量が増えたのかもしれません。

今回は安いレンタカー仕様でしたが、マイナーチェンジ後の廉価版のBDも上位グレードと同じエンジン同じ走りですので、見た目に反して随分お買い得な車ではないでしょうか。

2023年1月28日土曜日

Mazda 2商品改良

2023年1月27日にMazda 2の商品改良が発表されました。まず見た目の変化にびっくりしました。パワートレインやシャシー等は全く変わっていませんので、もはやガワをいじるくらいしかやることがないのかと思いました。樹脂パーツが多用されていることについては、次期モデルが電動化で高くなるので現行モデルを廉価版として残すためのコストダウンだろうかと思いました。廉価グレードでは電子装備が退化していますし。

しかし調べてみると、バイオエンジニアリングプラスチックを塗装不要なレベルで成形することによって部品自体のCO2発生量を削減するとともに、塗装を省略することでCO2やエネルギー消費を削減していることがわかりました。あいにく走行時のCO2発生量は同じですし、カタログには生産工程でのCO2発生量の数値が記載されていませんので商品改良前の数値と比較することができませんが(数値を公表しないのは製造する場所や時期によって数値が変動するためでしょうか)、環境負荷低減のために生産技術を含めて努力していることが見て取れました。

とはいえ、環境負荷を重視する欧州で果たしてガソリンエンジンやディーゼルエンジンのMazda 2の販売を継続できるのか疑問です。だからこそ中身をいじらずにガワだけいじっているのでしょうけど。バイオエンジニアリングプラスチック自体はMazda 3から採用されており、従来のデザインコンセプトと両立するものですが、日本向けに販売するなら、まずは見た目から入ってもらうということでカラーバリエーションを増やしたのでしょう。一見在庫管理が難しそうに見えますが、結局はありものの組み合わせでしかありませんので、それなら選択の幅が広い方がいろいろ遊べます。

マツダ車の良さは運転すればわかるのですが運転しなければわかりませんので、運転に興味のない人にも興味を持ってもらうことでマツダ車の間口を広げようとしているように見えます。Mazda 2は特に免許を取り立ての人が初めて乗る車としてはとてもよくできています。コストダウンは軽自動車とのマッチングでしょうか。N-BOXと同じ値段で見た目と走りが良ければもしかしたら興味を持ってくれる人がいるかもしれません。従来のブランドデザインとは異質ですが、そちらはマツダ車のメインストリームで踏襲されるでしょうし、メインストリームから外れたMazda 2ではいろいろ遊べるのでしょう。どうせ今までの上品路線では売れませんでしたので、失うものはありません。顔だけきれいにしても骨格はデミオ時代のままですので、それならDJデミオが本来持つ元気さを表現する方がよいかもしれません。

デザインコンセプトの変化で気になったのは、従来はプロのデザイナーが市販車のデザインをコントロールしていたのに対して、今回はユーザーに選択権を与えたことです。Mazda 2はデミオ時代から期間限定の特別仕様車をいろいろ出していて、万人受けしなくても一部の人に興味を持ってもらえそうなデザインをプロのデザイナーが提供していました。ユーザーが選択権を持つということは、プロからみて「これはありえない」と思うような組み合わせでも可能になってしまうことを意味します。一応、プロのおすすめがパッケージとして販売されていますので、迷うが嫌ならそういうものを買ってしまうという手もありますが、それだけでなく、マツダのデザイナーから「私が選ぶ組み合わせ」みたいなのを発信してみるのもよいかもしれません。

見た目で遊ぶのでしたらCX-3でやればもっと面白いのではないかと思いますが、そういえばCX-3はどうなってしまうのでしょう。

2022年9月8日木曜日

久しぶりにレンタカーでMazda 2に乗りました

だいぶ前にMazda 2に乗ったことがありましたが、そのときは一般道しか走りませんでした。今回は高速道路も走りました。

小さな車体に1.5Lエンジンですからパワーに余裕があるはずなのですが、いざ乗ってみるとエンジン回転音の大きさが気になりました。Mazda 3の2Lエンジン車と同じくらいのパワーウェイトレシオですし、デミオ1.5Lと違って比較的低いギアを使って加速しますので、動力性能自体には特に不満がありませんでしたが、エンジン回転音が大きいせいか、パワーに余裕がなさそうな印象を受けました。山道を走る分には楽しそうですが、長距離を走ると疲れそうです。

もっとも普段乗っているのがMazda 3ですので車内の静粛性が全然違うのでしょう。Mazda 3は2Lエンジンはむろんのこと、1.5Lエンジンをぶん回しても遠くで鳴っているような感じです。この辺りは車格相応の差なのでしょうが、Mazda 2がフルモデルチェンジしたらどうなるか楽しみです(そもそもMazda 2が出るのかどうかもわかりませんが)。

上り坂ではシフトダウンしてエンジン回転数が上がりますが、坂の上まで来て勾配がゆるくなるとシフトアップして回転数が下がりました。アクセルを緩めたわけでもないのに自動で回転数が下がりましたが、一体どういう制御をしているのでしょう。勾配に応じた制御をしているのでしょうか。

レンタカー用の廉価版ですし、走行距離からして圧縮比12の従来型のエンジンのようでした。2022年1月の商品改良からはすべてのグレードで圧縮比14のエンジンを積むようになりましたので、もしそちらに乗っていればもっとトルクに余裕が感じられたかもしれません。いずれレンタカーでも圧縮比14のエンジンを積んだMazda 2が出回るでしょうから、いつか乗ってみたいものです。ヤリス1.5Lくらいのパワー感を期待します。

レンタカーでしたのでクルーズコントロールがついていませんでしたが、やはり高速道路ではクルーズコントロールが欲しいですね。

燃費は車載燃費計でも満タン給油でも18km/L程度。そんなに飛ばしたわけではないのですが。Bセグメントのガソリンエンジン車なら20km/Lには届いてほしいものです。

2022年8月7日日曜日

日本仕様のMazda 2にマイルドハイブリッドは搭載されるか

日本仕様のMazda 3の2Lエンジン車へのマイルドハイブリッド搭載が発表されたばかりですが、Mazda 3でできるならMazda 2でもできないものかと思います。マイルドハイブリッドを搭載することで1km/Lほど燃費を向上できるのでしたら、日本国内で売れ筋のMazda 2のガソリンエンジン車に搭載すれば企業平均燃費への効果を期待できそうに見えます。

とはいえ、現状Mazda 2にマイルドハイブリッドが搭載されているのは欧州向けMT車のみで、日本で主流のAT車にマイルドハイブリッドを搭載しようとしたら追加の開発が必要になります。開発リソースはラージプラットフォーム向けのSkyactiv-Xやスモールプラットフォーム向けのマルチ電動化ソリューションに重点的に配分されているでしょうから、先の長くない自然吸気ガソリンエンジンのために開発リソースを割く余裕がないのかもしれません。

よしんば開発リソースが割かれたとして費用対効果があるのかといえば、これも厳しそうです。Mazda 3の諸元データを見た限りでは、マイルドハイブリッドは市街地モードでは意外と効果が無くて郊外モードや高速道路モードの方が数字の伸びが良いです。BセグメントのMazda 2、とりわけガソリンエンジン車は街乗りの比重が大きいでしょうから、だとすると環境面ではさほど効果を期待できないのかもしれません。街乗りで効くのは低回転域のトルクですので、すでに導入済の斜め渦燃焼エンジンの方が効果を期待できるということなのでしょう。

そもそもBセグメントの自然吸気ガソリンエンジン車は登録車のボトムラインですのであまりコストを掛けると価格競争力を失ってしまいますし、小さい車ほど利幅が小さいので、たとえ売れても利益が出ません。マイルドハイブリッドには補機がつきますのでコストが上がりますが、ハイブリッド車の売れている日本市場でフルハイブリッド車との価格差が小さくなれば、だったらフルハイブリッドでいいやということになります。

では自然吸気ガソリンエンジンの他社の車との比較ではどうかというと、やはり国産Bセグメント車はレベルが高いですね。

ヤリスの1Lエンジン車とほぼ同等。ヤリスの1.5Lエンジンとの燃費差は平均で1km/Lくらい、とりわけ高速道路モードでは1.8km/Lも差がついています。廉価版ならヤリス1Lエンジン車とマッチできれば十分ですが、上位グレードならヤリス1.5Lエンジン車と同等のレベルを目指してほしいものです。

フィットの1.3Lガソリンエンジン車とほぼ同等ですが、郊外モードや高速道路モードの数字は劣ります。Bセグメント車で高速道路を走ることはあまりないでしょうから実走行ベースでの平均燃費にはあまり影響ないかもしれませんが、マツダの6ATの課題が浮き彫りになっています。

スイフトの1.2Lガソリンエンジン車よりも燃費性能が優れているのは、重量の差を考慮すれば大したものです。それでも高速道路モードの数字は僅差で負けています。スイフトにはマイルドハイブリッド車もあり、ほぼ同じ条件で燃費を比較できますが、平均で1km/Lくらいの差で、特に市街地モードでは2.2km/Lも差があるのに対し、高速道路モードでは0.3km/Lの差しかありません。Mazda 3のマイルドハイブリッドでは市街地モードよりも郊外モードの方が効果がありましたが、同じマイルドハイブリッドでどうしてこんなに違うのでしょう。モーターアシストをどこで使うかについての考え方の違いによるものでしょうか。

こうして見ると、Mazda 2のガソリンエンジン車は現状でもヤリス1.5L以外には負けておらず、国産Bセグメントのガソリンエンジン車としては平均的なレベルにあるようです。ヤリスの方が少し軽いですし、3気筒エンジンやCVTの方が燃費に有利とはいえ、ヤリス1.5Lの出来の良さが際立っています。できればヤリス1.5Lと同水準を目指したいものの、開発リソースと費用対効果の面で踏み切れないといったところでしょうか。

2022年2月7日月曜日

Skyactiv-Xの3気筒1.5L版は作られるのだろうか

かねてからSkyactiv-Xの4気筒2L版から1気筒を取り去った3気筒1.5L版が噂されていますが、今後のスモールプラットフォームのラインナップを予想すると、居場所が見当たりません。

スモールプラットフォームのうち、Cセグメント車向けにはSkyactiv-Xの4気筒2L版があり、1.8Lディーゼルエンジンがあり、2Lガソリンエンジンがあります。Skyactiv-Xはエンジン単体の熱効率を高めていますし、補機が多くてディーゼルエンジンよりも重くてかさばりますので、そこにさらに発電機やモーターや蓄電池を乗せる余地は無さそうに見えます。せいぜいマイルドハイブリッド止まりでしょう。Skyactiv-Gは欧州ではマイルドハイブリッドですが日本ではマイルドハイブリッド無しとなっており、いずれにせよCセグメント車向けの廉価版という位置付けのようです。Skyactiv-Xが3気筒1.5LになってもSkyactiv-Gの2Lよりも製造コストが高いでしょうし、パワーもトルクも劣ります。

電気モーターで走る車については、発電用ロータリーエンジンとバッテリーとの組み合わせが公表されており、さらに、2022年秋にMX-30に搭載される予定であることまでは公表されています。最もコストの安いシリーズハイブリッドであってもSkyactiv-Xを含むエンジンを動力とする車よりも燃費が良いのではないでしょうか。そうでなければ存在意義がありません。どうせコストをかけるのでしたら環境性能の良い方を選ぶのではないでしょうか。

Skyactiv-X 1.5Lの本命はBセグメント向けでしょうが、このクラスは電動化を進めるべきでしょうし、廉価版なら旧来のガソリンエンジン車を継続することでまかなえそうです。もし3気筒化しても振動が増えないように設計できるのでしたら、その技術でSkyactiv-G 1.5Lを3気筒化すれば、トヨタのヤリス用の1.5Lエンジンと同様になり、燃焼室容積が500mlと効率の良い領域になりますので、安価に燃費を改善できるのではないでしょうか。これを廉価版に積むのはありかもしれません。また、4気筒から3気筒にすることで大きさも少し小さくなります。もしこれをSkyactiv-Xで実現しようとしたらコスト次第ではないでしょうか。

2021年11月7日日曜日

次期Bセグメント車を妄想する

マツダのプレスリリースでは 「2022年前半よりロータリーエンジンを発電機として活用するマルチ電動化技術を搭載したモデルの導入を進める」とあり、あと数ヶ月すれば2022年前半ですので、いずれ何か発表されるのではないかと推測しますが、「こんなのが出たらいいな」という願望混じりに次期Bセグメント車のあり方を予想してみます。

1. シリーズハイブリッド車とプラグインハイブリッド車

Bセグメント車の本命はこれでしょう。床下に蓄電池を搭載することから、MX-30をスケールダウンして軽量化したSUVタイプではないでしょうか。名前は順当に行けばCX-20でしょうが、新機軸をアピールするためにMX-20を名乗る可能性もあります。Bセグメント車の価格帯に合わせるため、蓄電池搭載量を減らしてロータリーエンジンと発電機で代替して、Bセグメントの高級タイプとしそうです。ホイールベースを短くすると床下の蓄電池搭載量が減りますが、プラグインハイブリッド車に必要な蓄電池くらいは積むことができそうです。

エクステリアがMX-30風になるのかCX-30風になるのかわかりませんが、タウンユースの車でしたらMX-30風もありだと思います。その際、ホイールベースが短いと観音開き扉を設置するまでもなくなりますので、3ドアハッチバックになるのではないでしょうか。3ドアにすることで車体を軽量化できます。ただ、欧州向けなら3ドアでよいとしても日本のように3ドア車が嫌われる国もありますので、広く売るならCX-30風の5ドアハッチバックでしょうか。

蓄電池搭載量が多くて高価なプラグインハイブリッド車が上級グレード、蓄電池搭載量の少ないシリーズハイブリッド車がエントリーグレードでしょうか。どちらも電気モーターならではの低回転での太いトルクと精緻な姿勢制御によってMX-30EVと同じような上質な乗り味を期待できそうです。

シリーズハイブリッドには、単純にモーターを発電機として使用する日産方式と、高速域でエンジンをクラッチで車軸につないで直接駆動するホンダ方式とがあり、ロータリーエンジンを発電専用に用いるのでしたら日産方式の方が有利なのですが、それだと欧州の燃費規制に適合できずエンジンによる直接駆動も必要になったとのことですので、だとすればホンダ方式でしょうか。

シリーズハイブリッドといえども、日産ノートのWLTC燃費は28.4km/L、ホンダフィットのWLTC燃費は27.4km/L前後ですので、これくらいは出せないと商品力が劣りますが、果たして燃費に不利なロータリーエンジンでどこまでの燃費を達成できるか見ものです。最も効率的な領域ではレシプロエンジンに劣らないとは言われていますが、高速域でエンジン直結になれば最も効率的な領域から外れる可能性もあります。デミオEVのレンジエクステンダーは20km/Lくらいでしたが、Bセグメントでこの程度の燃費なら普通のガソリンエンジンでも達成できます。燃費で劣る分をロータリーエンジンの振動の少なさや軽さで補うこともできるかもしれませんが、それでも25km/Lを超えないとハイブリッド車としての魅力がありません。充放電制御を向上して電力回生率を高めれば燃費改善の余地がありそうです。また、デミオEVの頃よりもモーターが小型高出力化していますし、インバータも小型化されていますし、バッテリーの性能も良くなっていますので、これらの積み重ねでどこまで燃費を改善できるものでしょうか。

価格はノートやフィットハイブリッドのエントリーグレードの本体価格が200万円台前半ですが、マツダ車が標準装備が充実していることから、シリーズハイブリッド車はCX-3のディーゼルエンジン車と同じくらいの本体価格250万円くらい、蓄電池搭載量の多いプラグインハイブリッド車はCX-30のディーゼルエンジン車と同水準の本体価格300万円くらいでしょうか。

2. 当面はMazda 2ガソリンエンジン車を併売

1.5Lガソリンエンジンは2021年に改良型を投入したばかりですし、このクラスには安価な車両のニーズもあることから、ガソリンエンジンだけで走る車としてMazda 2のガソリンエンジン車をもうしばらく販売するのではないかと予想します。

たしかに、電動化を前提としたプラットフォームにガソリンエンジンだけを載せることは可能で、現にMX-30にもガソリンエンジン車はありますが、電動化を前提としたプラットフォームは床下に蓄電池を搭載することを前提としており、床が高くなっていますし、蓄電池を搭載すべき場所に蓄電池を搭載しないと車体の剛性が劣ります。車体が大きくなればその分重くなります。エンジンしか積まない車両にとっては設計上の無駄が多いように思われます。

もうしばらく販売するならマツダコネクトを第2世代にしてほしいですし、アダプティブクルーズコントロールを全車速対応にするためにも電動パーキングブレーキを導入してほしいところですが、安さを優先させるなら敢えて現状のままという選択肢もありえます。どのみち2025年までにはフェードアウトしますし。

ディーゼルエンジンがどうなるか気になるところです。本来ならば燃費が良くてCO2排出量が少ないことから、企業平均燃費の足しになるはずなのですが、ディーゼルエンジンには窒素酸化物等の排出量規制もあり、規制の厳しい欧州では販売されていないことから、企業平均燃費規制のために1.5Lディーゼルエンジン車の販売を継続する動機を見出しにくいです。ディーゼルエンジン車が販売されているのは日本くらいで、しかも直近の販売比率は30%程度です。しかもMazda 3やCX-30では1.8Lエンジンに移行している中で、Mazda 2だけは1.5Lのままです。たしかに既にあるものをそのまま積むことはできますが、そもそも安価なラインナップを残すことが目的でしたら高価なディーゼルエンジン車を残す意味がありません。低回転でトルクが太いのは電気モーターでも同様ですので、シリーズハイブリッド車で代替できます。

3. 一部地域ではCX-3のガソリンエンジン車も併売?

欧州ではCX-3の販売が終了したようですが、日本では1.5Lガソリンエンジン車のみ残っています。これも、ガソリンエンジン車としてなら床下に蓄電池を搭載することを前提としたプラットフォームは不要ですので、ガソリンエンジン車のみ安価なCX-3をMazda 2のSUV版として残すことはあり得ます。

4. まさかのAセグメント車は?

マツダは軽自動車から撤退して久しいですが、蓄電池を搭載する自動車は軽ければ軽いほど蓄電池搭載量が少なくて済みますのでコスト面で有利ですし、もちろん環境にも良いです。Aセグメント車向けのエンジンを新規に開発するのは現実的ではありませんが、電気モーターのサイズをひと回り小さくするのはさほど難しくありません。しかも小型軽量のロータリーエンジンならAセグメント車のエンジンルームにも収まるかもしれません。これは他社にない差別化要因です。シリーズハイブリッド車で本体価格を200万円未満に収めれば、日本の軽自動車の市場を取りに行ける可能性があります。軽自動車の売れ筋はN-BOXに代表されるトールハイトワゴンで、車両価格は200万円くらいしますので決して安くはありません。また、田舎ではガソリンスタンドが急速に減少しており給油が不便ですので、夜間に自宅で充電できる電気自動車は魅力的です。

とはいえ、プラグインハイブリッドにすると蓄電池搭載量が増えて割高になりますので、現在の蓄電池のコストのもとでは電気自動車として販売するのは難しそうです。それでも2025年にエンジンだけで走る自動車がフェードアウトする頃までには蓄電池のコストが下がってきて、価格面でMazda 2を代替する車に育つ可能性があります。

すでにダイハツロッキー/トヨタライズではシリーズハイブリッド車が出ていて、WLTC燃費は28.0km/L、本体価格は2,116,000円〜です。ガソリンエンジン車よりも30万円高い程度です。たしかにAセグメント車としては結構な値段ですが、ロッキー/ライズがもともと高く売れる車だからこそできたことでしょう。

2021年8月19日木曜日

レンタカーでMazda 2の1.5Lガソリンエンジン車に乗りました

タイムズカーレンタルのクラス指定で予約しましたので、デミオ1.5Lかなと思っていたところ、なんとMazda 2に当たりました。中身はほぼ同じですので、違う分のみ記載します。

まず、ATの制御ソフトウェアが改善されてまともに加速するようになりました。デミオ1.5LのAT制御ソフトウェアはどういうわけかディーゼルエンジン車の制御ソフトウェアの流用だったようで、ギアが高すぎてトルクが不足してキックダウンが必要になる場面がありました。そのため、巡行時には快適だった半面、それなりの加速度で加速しようとするときにはストレスを感じました。

それに対してMazda 2では制御ソフトウェアがまともになったようで、特にトルクの不足を感じることなく普通に加速するようになりました。パワー感としてはMazda 3の2Lガソリンエンジン車と同じくらいでしょうか。Bセグメントで1.5Lエンジンですので、エンジン本来のトルクの余裕が感じられるようになりました。低い回転数で走れますので長距離の移動はとても楽です。車自体の遮音は車格相応ですが、エンジン音は静かです。

次に、シートがMazda 3と同様に骨盤を立てるシートになったようで、腿の裏に圧を感じる一方で骨盤の下に隙間があるような感じです。Mazda 3のシートと異なり、シートの左右の出っ張りから圧迫感を感じます。シートのフレームは旧来のまま(といってもBMアクセラと共通のフレームですが)とのことですので、もしかしたらそのせいかもしれません。

レンタカーの一番下のクラスで乗れる車としてはおそらくこれがベストではないでしょうか。ヤリス1.5Lに乗ったことがありませんのでまだ比較できませんが、トヨタレンタカーで一番安いクラスはヴィッツ1Lかせいぜいヤリス1Lです。フィットは街乗りでは快適ですが1.3Lエンジンですので高速道路ではつらいです。新型ノートはe-Powerしかありませんので、レンタカーの安いクラスでは乗れません。

2021年8月3日火曜日

UK版のMazda 2の諸元表を見てみました

UKでも改良版1.5Lエンジンを積んだMazda 2が発売されましたので、諸元表を見てみました。Mazda 2にはディーゼルエンジンもSkyactiv-Xもありませんので、もうしばらくSkyactiv-G 1.5で頑張らなければならないのでしょうが、この期に及んでSkyactiv-Gの改良をしているということは、Skyactiv-Xの1.5L版が出るまでもうしばらくかかるのでしょうか。

まず圧縮比は13から15に向上。15というのは改良版Skyactiv-Xの圧縮比と同じです。これに伴い低回転でのトルクが向上しています。トルクのピークも4000回転から3500回転に下がっています。0-62mphに要する時間はMT車では僅かに短縮されていますが、AT車では却って微増。低回転でのトルクが太くなった分、燃費のために早めにシフトアップしているのでしょうか。車両重量が10kg前後重くなっているのはなぜでしょう。今回の改良でマイルドハイブリッドをつけなくなった75psモデルですら重量が増えていますので、4-2-1排気管導入によるものでしょうか。

燃費はだいたい1割ほど向上しています。実燃費でこれだけ出れば大したものです。燃料タンクの大きさが同じで燃費が1割向上すれば、満タン給油での航続距離も1割伸びます。もともと欧州での燃費規制に対応するのが目的ですので、燃費重視であるのは順当です。しかしSkyactiv-Gでも燃費がここまで良くなってしまったら、果たしてSkyactiv-Xは必要なのでしょうか。それともXだとさらに燃費が良くなるのでしょうか。

燃費が最も良いのは売れ筋であろう90psMTモデル。次が今回の改良でマイルドハイブリッドが無くなった廉価版の75psMTモデル。追加された115psMTモデルはそれよりも劣り、90psATモデルはさらに劣ります。意外なのは75psモデルの方が燃費が劣ること。燃料噴射を絞っている分、加速に時間がかかるのでしょうか。低出力仕様は税金や保険料が安いために欧州で好まれていますが、燃費規制が厳しくなってくると税金や保険料よりも燃費を重視するようになるかもしれません。

ATモデルには改良前からもマイルドハイブリッドもついていませんが、どうせ売れないのだから企業平均燃費には影響しないと割り切っているのでしょうか。それともマイルドハイブリッドは燃費向上にはあまり効いていなくて、単にシフトショックが軽減されるくらいの効果しかないのでしょうか。ATモデルがいろいろな意味で重視されていないのが見て取れます。

しばらく廃盤になっていた115psモデルが復活したのはなぜでしょうか。たしかに90psモデルよりも速いですが、税金や保険料や燃費を犠牲にするほど魅力的なパワーなのか疑問です。そもそも贅沢品として買うのでしたらもっと上のクラスの車を買うのではないでしょうか。実際には売れることは全然期待していなくて、今回の燃費向上で企業平均燃費に少し余裕が出たのでカタログ映えするモデルを載せられるようになったということでしょうか。「本気を出せばくれくらい走れる」というのが無いと車本来の性能がわかりませんから。

2021年6月24日木曜日

Mazda 2の改良型エンジンの燃費比較

まずは同じ圧縮比14でハイオク指定の15MBとの比較から。

WLTCモードの全体、市街地、郊外、高速道路の順(以下同様)で

15S Proactive MT(レギュラーガソリン 1060kg):20.2, 16.7, 20.5, 22.0

15MB MT(ハイオク 1040kg):20.2, 16.3, 20.7, 22.1

平均燃費は同じですが、市街地モードではレギュラーガソリン仕様が有利、郊外と高速道路ではハイオク仕様が有利です。ちなみにパワーもトルクもハイオク指定の15MBの方が上です。15MBの方が若干ローギアードな割に、高速道路では15MBの方が燃費が良いです。高速道路ではパワーに余裕がある方が有利なのでしょうか。

次はトヨタヤリスとホンダフィットとの比較です。なるべく重量が近いものやホイールサイズが同じものと比較するようにしました。新型ノートはシリーズハイブリッド車しかないため、比較の対象に含めません。

Mazda 2 6AT 1090kg:20.3, 16.5, 20.4, 22.5

ヤリス 1.5L CVT 1020kg:21.6, 16.1, 22.9, 24.3

ヤリス 1L CVT 940kg:20.2, 15.3, 21.8, 22.4

フィット 1.3L CVT 1090kg:20.2, 15.5, 21.0, 22.6

Mazda 2 は今回の燃費向上でやっと旧来のエンジンを採用しているヤリス1Lやフィットに追いつきました。150kg軽いヤリス1Lと同等の燃費なのは大したものです。しかしダイナミックフォースエンジンを積んでいるヤリス1.5Lとの比較では、70kgほどの重量差を考慮してもまだ劣ります。Mazda 2は市街地モードの燃費では健闘しているのですが、比較的速度域の高い郊外モードや高速道路モードの燃費で負けているために平均値ではヤリス1.5Lに差をつけられています。ヤリス1.5LはエンジンだけでなくCVTも1Lモデルよりも新しい発進用ギア付のものを積んでいますので、そこでも差がついているのかもしれません。

Mazda 2はエンジン単体の熱効率では負けていないように見えますが、変速機のレシオカバレッジが劣るせいで高速燃費で負けているように見えます。高速域でエンジン回転数が上がる一方の6ATでは機械損失が増大して燃費が悪化します。実際、Mazda 2の6MTとダイナミックフォースエンジンを積んだヤリス1.5Lの6MTとの比較は以下の通りです。

Mazda 2 Proactive 6MT 1060kg:20.2, 16.7, 20.5, 22.0

ヤリス1.5L 6MT 990kg:19.6, 14.7, 20.3, 22.3

低速域での燃費はMazda 2の方が圧倒的に良いですし、高速域の燃費もほとんど見劣りしません。重量差を考慮すればむしろ健闘しているともいえます。エンジン単体でダイナミックフォースエンジンに負けていないとしたら、やはりCVTで差をつけられています。

高速域・高回転域の燃費を改善しようとしたら、低速域でのモーターアシストを前提に最終減速比を下げてハイギアードにするか、トルクバンドのピークが広くなるのに合わせてギアをワイドにするか、あるいは気筒休止で高回転域でのポンピングロスを低減するかが必要でしょう。もっとも、街乗り主体でたまにしか高速道路に乗らないBセグメント車でそこまでして高速燃費を改善する動機がないというのもあるかもしれません。市街地モードで燃費が良ければトータルの燃料コストでは有利なはずです。

Mazda 2のエンジン改良(答え合わせ2)

諸元データが更新されました。

ガソリンエンジン車のうち、下位グレードのみ圧縮比12の従来型で、Proactive以上が圧縮比14の改良型です。グレードによって圧縮比が異なるのは欧州仕様と同様です。

改良型の諸元は以下の通り。

出力:110ps/6000回転(圧縮比12のエンジンから据え置き)

トルク:142Nm/3500回転(Mazda 3の圧縮比13のエンジンと同等)

WLTCモード燃費:20.3km/L(←圧縮比12の場合19.0km/L)

市街地モード:16.5km/L(←15.2km/L)

郊外モード:20.4km/L(←19.4km/L)

高速道路モード:22.5km/L(←20.9km/L)

市街地モードだけでなく、低負荷で巡行する高速道路モードでも燃費が向上しています。郊外モードでの伸びが限られていますが、もともと低負荷で、圧縮比12でもそこそこ燃費が良いのでしょう。また、性能は従来の4-2-1排気管付の圧縮比13のエンジンと同等に据え置かれており、燃焼効率向上分が燃費に振り向けられているのが見て取れます。変速比や最終減速比には変化なし。低回転から中回転にかけてのトルクが太くなった分、早めにシフトアップしてエンジン回転数を落として燃費を稼いでいるのでしょう。アクセルを踏み込んだ際にキックダウンする頻度が下がるでしょうから、静かで楽に走れそうです。

ディーゼルエンジンとの比較では、それぞれのモードで1.5km/Lほど劣りますが、ガソリンエンジンなのにその程度の差で済んでいるのは大したものです。

仮にMazda 3にこの技術を応用するとしたら、パワーやトルクの向上はあまり期待できないものの、特に燃費の悪い2Lエンジンの燃費向上に期待できそうです。非力な1.5Lエンジンではむしろトルクやパワーの向上に期待したいところですが、燃費規制対応が喫緊の課題である以上、燃費よりもパワーを優先させるセッティングは難しいかもしれません。

Mazda 2のエンジン改良(答え合わせ)

2021年6月24日にエンジン改良を伴うMazda 2の特別仕様車が発表されました。

圧縮比を上げるところまでは合っていましたが、レギュラーガソリン仕様で圧縮比14というのは予想できませんでした。斜め渦燃焼によって圧縮比を高め、WLTC燃費を最大6.8%向上させたとのことです。WLTC燃費のどのモードで6.8%向上したのかわかりませんが、仮に平均19.0km/Lから6.8%したとすると、20.3km/Lに向上しますのでかなりの効果です。市街地モードの15.2km/Lから6.8%向上すると16.2km/Lになりますので、これでも燃費の向上を実感できそうです。

プレスリリースでは、4-2-1排気管の有無については言及がありませんが、もし4-2-1排気管無しで圧縮比14を実現できたら大したものです。諸元データはまだ更新されておりませんので、出力やトルクや燃費の詳細はわかりません。

これに加えて、「e-SKYACTIV X(イー・スカイアクティブ エックス)の開発で培ったエンジン制御技術を採用し、アクセル操作に対するクルマの応答性とコントロール性が向上」とあります。

気になるのは、斜め渦燃焼がソフトウェアの更新のみによって実装可能なのか、あるいはハードウェアから異なるかです。もしソフトウェアの更新のみによって実装可能でしたら、有償でもよいので既存のSkyactiv-Gのアップグレードにも期待したいところです。今まで日本のレギュラーガソリン仕様では圧縮比13でしたが、これが欧州仕様と同じく圧縮比14にまで上げることができれば、燃費もさることながら走りも良くなりそうです。エンジン制御技術はソフトウェアでしょうから、こちらもアップグレードしたいものです。

2021年6月22日火曜日

Mazda 2のエンジン改良の予想

ディーラーのチラシによると「さらに気持ちのいい軽快な走りへと進化」するそうです。具体的な中身がわかりませんので、いい加減に予想してみました。

順当に行けば、Mazda 3と同様に4-2-1排気管をつけて圧縮比を13に引き上げることでしょうか。現行Mazda 2の1.5Lエンジンは4-1排気管付きの圧縮比12で出力が110ps/6000、トルクが141Nm/4000ですが、Mazda 3の1.5Lエンジンでは出力が111ps/6000、トルクが146Nm/3500となり、低回転から中回転にかけてのトルクが太くなっていることが見て取れます。重いMazda 3で乗っても街乗りでは意外とトルクが感じられます(その代わり、パワーは排気量なりでしかなく、踏んでもさほど加速しませんが)。軽いMazda 2でしたらMazda 3の2Lエンジン車とほぼ同等の加速感でしょうか。

Mazda 2でも15MBはすでに4-2-1排気管付きのハイオク指定で圧縮比14ですので、現行Mazda 2でも4-2-1排気管を搭載することは可能です。欧州では、4-1排気管で圧縮比12の75ps版と4-2-1排気管で圧縮比14(欧州レギュラーガソリン仕様)の90ps版とがあります。日本では今まで費用対効果を勘案して廉価版の4-1排気管仕様だったまでのことです。すでにあるものを積むだけでしたら開発費がかかりません。

仮にコストを増大させてまでこのような改良が行われるとしたら、その狙いは何でしょうか。おそらくエンジン回転数を落とすことで機械損失を低減して実燃費の向上を目指すのではないでしょうか。近年は実燃費に近い燃費計測方式が採用される傾向があり、実燃費を向上させることが燃費規制に適合することにつながります。ラージプラットフォームで3Lエンジンが採用されるのも同様の発想で、排気量を大きくして回転数を落とせば機械損失が減って燃費が良くなるというものです。

6ATでは6速に入ってしまうとあとは速度に比例してエンジン回転数が上がりますので、いまどきのCVT車よりも高速燃費が悪いのですが(WLTCによって高速道路モードでの燃費が他社よりも劣ることが可視化されました)、多段ATを開発するよりもエンジン回転数を落とす方が簡単です。ただ、高速巡航時にエンジン回転数を落とそうとしたら最終減速比を下げてハイギアードにする必要があり、そうすると出足が鈍くなります。最終減速比をどこに設定するのか見ものです。

エンジンのトルクを太くし、トルクバンドのピークを広げれば、変速機をワイドレシオにでき、低速域の出足と高速域の低回転とを両立できます。しかしそのためには小容量型ATの変速比に手を加える必要があります。小容量型ATはほぼ1.5Lガソリンエンジン専用で、1.5LガソリンエンジンはほぼMazda 2専用ですので、Mazda 2に合わせて手を加えて最適化することはできないこともありません。しかしその場合、Mazda 3の1.5Lエンジン車も影響を受けます。

もう一つ狙いがあるとしたら、ディーゼルエンジンを廃盤にすることでしょうか。Mazda 3やCX-30やCX-3のディーゼルエンジンがすでに1.8Lに移行している中、Mazda 2だけのために1.5Lディーゼルエンジンの生産を続けるのは効率が悪そうです。しかも最もディーゼルエンジンが好まれるはずの欧州でもディーゼルエンジンが廃盤になっており、ほぼ日本向けにしか搭載されておりませんし、DJデミオ登場当初のような目新しさもありませんので、ほとんど数が出ていないのではないでしょうか。ガソリンエンジンのトルクを太くすることでディーゼルエンジン廃盤の埋め合わせをするのでしたら理解できます。

ガソリンエンジンに24Vマイルドハイブリッドシステムをつける可能性もありますが、コストがかかる割に燃費向上効果が限られており、欧州のように燃費規制の厳しい地域でなければ割に合いそうにありません。それに、マイルドハイブリッドによって「さらに気持ちのいい軽快な走り」が実現するようにも見えません。マイルドハイブリッドをつけるよりも4-2-1排気管をつける方がコストが安く、かつトルク向上に寄与するのではないでしょうか。

高回転での燃費を向上しようとしたら気筒休止にも効果がありますが、直列4気筒エンジンで気筒休止を採用したのはVWが最初で、マツダも最近になって2.5Lエンジンで気筒休止を採用しましたが、まだ技術的に成熟していないのか、細かい不具合が出ているようです。すぐに1.5Lエンジンに採用できる状況にはなさそうです。気筒休止で高回転域での燃費を改善するよりもエンジン回転数を落とす方が技術的には容易なのでしょう。

Skyactiv-Xを積むとなると型式認定が必要ですので、年次改良程度ではやらないのではないかと予想します。

2021年3月30日火曜日

BluEarth-GTにデミオ用の185/60R16登場

デミオ用の185/60R16のタイヤは特殊なサイズで選択肢が乏しくて、BluEarth-GTも長らくサイズがなかったのですが、いつの間にか185/60R16が出ていました。調べてみたものの、いつから登場したのかは判明せず。BluEarth-Aの在庫がやっと無くなったのでしょうか。

2020年11月6日金曜日

トーションビームサスペンションにおけるトーインとネガティブキャンバー

「福野礼一郎のクルマ論評5」でMazda 3に触れられていますので購入しました。同書38ページ目に「TBAの欠点は横力トーアウト傾向が強いことだが、資料を読むとイニシャルでトーインとネガキャンをつけたのに加え」という記述がありましたので、実車で前輪と後輪とを比較して確かめてみたところ、たしかに後輪にはトーインとネガティブキャンバーがついていました。今まで後輪を眺めても全く気が付きませんでした。

ではデミオではどうなのだろうと思って同じく前輪と後輪とを見比べてみたところ、こちらも後輪にトーインとネガティブキャンバーがついていました。ビームの形状が変わったのはMazda 3からですが、後輪にトーインとネガティブキャンバーをつけるのは、もともとデミオでやっていたもののようです。たしかにデミオに乗っていたときには、左右非対称な凹凸を超えるときにはさすがに車体後部が揺さぶられましたが、曲がるときには後輪の接地が良かった印象があります。

2020年5月30日土曜日

Mazda 2 Smart Edition

販売のてこ入れか、Mazda 2にSmart Editionという特別仕様車が出ました。これは、15Sや15S Proactiveというガソリンエンジンの下位・中位グレードに、ディーゼルエンジン車と同様の装備をつけたものです。15S Proactive Smart Editionでは以下が標準でついています。

  • MRCC(全車速対応追従型クルーズコントロール)
  • ALH(アダプティブLEDヘッドライト)
  • レーンキープアシスト
  • 交通標識認識システム(TSR)
  • 360℃ビューモニター+フロントパーキングセンサー
  • ステアリングシフトスイッチ
長距離乗らないけれども普段使いで快適な装備が欲しいという人向けには15S Smart Editionがあって、以下が標準でついています。
  • 360°ビューモニターフロントパーキングセンサー
  • スーパーUVカットガラス
  • IRカットガラス
  • ダークリンテッドガラス
アルミホイールや16インチホイールやレザーシートにこだわらない人にとってはこれで十分ではないでしょうか。最新のヤリスやフィットに比べてMazda 2は設計が古く燃費もいまいちという中で、古い分だけ実質的に値下げし、併せてデザインに加えて長距離向けの装備も売りにしたいという意図でしょうか。コンパクトカーでディーゼルエンジンというのはMazda 2の唯一無二の価値ですが、日常的に高速道路で長距離走る人以外にとってはディーゼルエンジンは扱いにくいですし。それに、クルーズコントロールをつけて高速道路を巡航するなら、そんなに太いトルクは必要ありません。

もしやと思ってヤリスの安全装備を調べてみたら、以下が標準装備でした。わかりやすくするためにマツダの用語に置き換えています。

  • レーンキープアシスト
  • レーダークルーズコントロール
  • HBC(ハイビームコントロール)
  • 交通標識認識システム(TSR)
  • UVカット機能付プライバシーガラス
  • ステアリングシフトスイッチ
さらに以下はオプションです。
  • ブラインドスポットモニタリング(BSM)
  • 360°ビューモニター
たしかに、既にあるものくらいは気前よくつけないとヤリスに対して明らかに見劣りします。安いグレードがベースで内外装が簡略化されているのは、内外装についてはヤリスに対してまだ優位にあるとの判断でしょうか。

うれしいことに、ついにTVチューナーとCD/DVDプレイヤーの強制抱き合わせが無くなりました。さすがに今や音楽再生も動画もスマホの時代ですのでやっと時代に追いついたかと思いきや、ヤリスではオプションですので、つけないことも可能で、結局これもヤリスへの追従でしょうか。

ネット見積で乗り出し価格をはじいてみると、従来のグレードよりも20万円くらい割安になっています。長距離向け装備のためにディーゼルエンジン車を買う必要がなくなりましたので、それも含めれば50万円くらい安くなっています。

できれば、これと同じようなSmart EditionをMazda 3の15Sや15S Touringにも導入してほしいものです(といっても既にMazda 3を買ってしまった人は直接恩恵を受けることはできませんが)。1.5Lエンジン車は2Lエンジン車に比べて明らかに非力で遅いですが、その代わり燃費が良く免許にやさしいです。

2020年5月27日水曜日

Mazda 2ガソリンエンジン車とヤリス1.5Lガソリンエンジン車の燃費の比較

ヤリス1.5Lは新型のダイナミックフォースエンジンと発進段付きのダイレクトシフトCVTを積んでいますので、WLTC燃費が優れているのではないかと思ってMazda 2のWLTC燃費と比較してみました。対象はFFのAT車です。

【Mazda 2 15S】
1060kg
平均:19.0km/L
市街地:15.2km/L
郊外:19.4km/L
高速道路:20.9km/L

【ヤリス 1.5L G】
1000kg
平均:21.4km/L
市街地:15.7km/L
郊外:22.6km/L
高速道路:24.1km/L

こうして数字を見比べてみるとヤリスの燃費の良さが際立ちます。Mazda 3とカローラツーリングとの燃費を比較したときと同様に、市街地モードではさほど差がありませんが、郊外や高速道路では差がついています。

車体の軽さもさることながらCVTの効率とエンジンの熱効率が効いているようです。CVTは高速域で動力伝達効率が悪いと言われていますが、実際にはCVTの方が6ATよりもレシオカバレッジが広い分だけ高速域でエンジン回転数を落とすことのできる効果の方がまさっているようです。コストや重量を考えるとこのクラスでは6ATで精いっぱいなのかもしれませんが、高速道路巡航中にエンジン回転数が高いのはどうにかならないものでしょうか。

エンジンについてはSkyactiv-Gの熱効率が38%に対してダイナミックフォースでは41%とのこと。特殊な仕掛けがあるわけではなく、普通の自然吸気エンジンなのにSkyactiv-Xに匹敵する熱効率なのは大したものです。ダイナミックフォースエンジンは熱効率重視の超ロングストロークエンジンですが、高回転まで回ることで出力を稼いでいるようです。3気筒で熱効率で有利ということもあってトルクもMazda 2のエンジンよりも少しまさります。また、Mazda 2のタイヤが185/65R15なのに対してヤリスのタイヤは175/70R14タイヤと細くてホイールが軽い、すなわちばね下重量が軽いというのも効いているのではないでしょうか。見た目のためにホイールをいたずらに大きくするのはいい加減やめにしてほしいものです。

Mazda 2の燃費を良くしようとしたら4-2-1排気管をつけて圧縮比を13に上げるくらいでしょうか。あとは燃費やパワー感以外の魅力を訴求できるかでしょうね。将来的にはSkyactiv-Xの性能とコストがこなれてきて、普通の値段で1.5LのSkyactiv-XをMazda 2に積めればよいのですが、その頃にはトヨタのパワートレーンももっと先へ行っているでしょう。

ちなみに旧来のCVTとエンジンを積んでいるヤリスの1Lエンジン車はというと、

【ヤリス 1L G】
970kg
平均:20.2km/L
市街地:15.3km/L
郊外:21.8km/L
高速道路:22.4km/L

市街地の燃費はMazda 2とほぼ同じですが、旧型のCVTを積んでいてローギアードで高速道路で不利な割には、郊外や高速道路でなかなか健闘しています。車体の軽さが効いているのでしょうか。ヤリスの1.5Lエンジン車よりも劣るのはパワートレーンが古かったり低速向けのセッティングだったりしますから仕方ありません。街乗り限定なら燃費の差はさほどありませんし、何よりも車両価格が安いので、近所の買い物用の車としてならこれでもよいのかもしれません。

もちろん実燃費はまた別の話ですが、それは乗ってみないとわかりません。機会があればレンタカーでヤリスに乗ってみたいものです。