【CX-3】
- 後席の乗り心地を重視したサスペンションセッティング(車体全体が上下動する)
- 低速域で乗り心地が良い
- 混雑する大都市近郊の道路で使い勝手が良い
- 追従型クルコンあり
- ゆったりしている
- エンジン回転数は高め(アクセルを踏み込むとすぐにシフトダウンする)
- 穏やかに走る
- 窓の天地寸法が小さいため車格以上の囲まれ感がある
- 着座位置が高めでその分重心も高め
- 車体が重い
- 見た目が立派
- 車輪が大きそうに見える
- タイヤが太い
- 3ナンバー300万円クラス
- かけられるコストに余裕がある
【デミオディーゼル】
- 2人乗車向けに最適化されたサスペンションセッティング(前がどっしりしていて後ろが跳ねる)
- 高速域で安定性が良い
- 交通量の少ない良い地方の道路で使い勝手が良い
- クルコンは速度設定のみ
- どっしりしている
- エンジン回転数は低め
- 元気よく走る
- 窓が大きく開放感があり、狭い路地でも見通しが良い
- 着座位置が低め
- 車体が軽い
- 見た目はコンパクトカー
- 車輪の見え方は実際の大きさ相応
- タイヤの太さは車のサイズ相応
- 5ナンバー200万円クラス
- かけられるコストに余裕が無い
CX-3の売り文句としては以下が挙げられますが、CX-3の優位というよりも、CX-3の仕様上不利になった部分を補っているという印象を受けます。
- 剛性の向上→車体が大きくなった分を補う?
- 遮音性の向上→エンジン回転数が高くなった分を補う?
- 前席を左右に寄せて後席を中央に寄せることで後席からの見通しを改善→窓の天地寸法が小さくなった分を補う?
- リアサスペンションのダンパーにアクセラ用のものを使用→後席の乗り心地を重視するため?
ベースが同じであっても味付けを変えることで異なる方向性の車に仕上がっているという印象を受けます。
一方、CX-3とデミオディーゼルで共通する部分もあります。
- ホイールベース
- ギア比(CX-3の車輪径が大きい分は最終減速比で調整されている)
- ナチュラルサウンドスムーザー
- DE精密過給制御
- フラットワイパー
- シャークフィンアンテナ
- 室内寸法
- 内装の質感
ただ、これらのうち装備についてはデミオがCX-3のおさがりを活用した結果として共通になっているだけであって、CX-3の装備が見劣りしているわけではありません。内装の質感についてもデミオはアクセラのおさがりを活用しているためであり、プラスチックのダッシュボードを除けばCX-3の内装の質感が見劣りしているわけではありません。単にデミオディーゼルにお値打ち感があるだけです。
おそらくCX-3を買うのは以下のようなプロファイルの人ではないでしょうか。
- 子育てが終わって生活に余裕が出てきた
- 300万円3ナンバーの車を買える
- 普段は子供が乗らないので大きな車は必要ない
- しかし車格が落ちるのは嫌なので内装と乗り心地には相応のものを求める
- 都市部で生活している
Bセグメントのくせに高いとかデミオと比べて割高というのは、比較すればたしかにそうかもしれませんし、車で見栄を張る必要の無い人にとってはそうかもしれませんが、予算ありきで車を選んでいる人にとっては安い車は眼中になく、高くて高そうな車であることに意味がありますので、そのような比較はあまり重要でないのではないでしょうか。同じ予算のCセグメント車と比較すればCセグメント車の方がお値打ち感があるように見えるものの、いまどきのCセグメント車は次第に大型化していて都市部での取り回しがあまり良くありませんし、見た目も車格相応です。
乗用車ベースの「SUV」ブームというのはつまるところ、車格以上に立派そうに見える車が欲しいということであり、同じ車格の乗用車よりも見劣りするミニバンが縮小傾向にあるのと表裏をなしているように思えます。アルファードは高価な車ですが、だからといってクラウン以上に立派に見えることはありません。たとえ偉そうなフロントグリルにしても却って下品なだけです。しかしハリアーはベースとなるカムリよりも立派に見えます。車格以上に立派な車は自動車メーカーにとってはコスト以上に高く売れる車であり、需要サイド供給サイド双方の利益になりますので、もうしばらくはSUVブームが続くのではないでしょうか。