2021年11月3日水曜日

ゆるツアラーとしてのMazda 3 20S

1年半以上Mazda 3 20Sに乗り続けてみて、だんだんこの車に合った乗り方がわかってきました。基本的にこの車は、少なくとも日本の公道の速度域では、飛ばすよりも低回転でゆっくり走った方が気持ち良いです。マツダの「カーラインナップ」ではMazda 3ファストバックは「5ドアスポーツ」と標榜していますが、全然スポーツ走行できていませんので、もしかしてマツダの想定する顧客ではないのではないかと思ってしまいます。

自然吸気ガソリンエンジン車かつ6ATですので高速道路では回転数が上がりがちで、あまり落ち着きません。クルーズコントロールをつけていれば車が巡航速度に応じてエンジンを回してくれますのでエンジン回転数はあまり気になりませんし、必要に応じて追い越し加速するときには、踏めばそれなりに加速してくれますが、やはり高速道路では低回転でトルクの太いディーゼルエンジン車が一番楽だと思います。

一方、信号のない一般国道を巡航する際にはエンジン回転数が1300回転くらいまで下がりますのでとても静かです。車内で音楽を聴くにはうってつけの環境です。路面に追随する固めの足も、この速度域でしたら道路を走っている実感があって楽しめます。ディーゼルエンジン車がこの速度域で巡航すると、エンジンへの負荷が低すぎてアイドリング時のようにカラカラとしてあまり気持ちよくありません。

ノーズが軽いので曲がるのは比較的得意な方だと思いますが、ワインディングでもガツガツ走る気にはならず、コーナー手前でエンジンブレーキで減速すれば曲がれる程度の速度で走りたくなります。ワインディングでメリハリをつけて走りたかったら1.5Lの方が楽しいと思います。

エンジンを回してゆっくり走りたかったら1.5L、一般道でエンジンを回さずにゆっくり走りたかったら2L、高速道路でエンジンを回さずに快適に走りたかったらディーゼルというところまではわかりますが、速く走りたかったら何に乗ればよいのでしょうね。Xは乗ったことがありませんのでわかりません。Xといえどもそんなにパワーがあるわけではありませんので、わかりやすいハイパフォーマンスカーに乗りたかったらシビックの方が向いているのでしょうか。

しかし、「一般道でゆっくり走りたかったらマツダがいいですよ」なんて広告を打ってもあまり人の心には訴えかけそうな気がしません。普通の人なら「ゆっくり走るだけなら軽で十分では」と思うことでしょうから、新規の顧客を獲得できそうな気がしません。広告を打って伝わりそうなのはエクステリアやインテリアといったデザインくらいで、そういう意味ではたとえ見掛け倒しと言われようともデザインに力を入れるのはありかもしれません。