2023年9月14日で日本向けのMX-30 Rotery-EVの予約受注が開始された旨のプレスリリースが出ました。併せて諸元表が出ましたので目を通してみました。
まずはWLTC燃費のハイブリッドモードから。平均15.4km/L、市街地モードで11.1km/L、郊外モードで18.5km/L、高速道路モードで16.4km/Lと、2Lガソリンエンジン車とほぼ同じ数字です。さすがにこの数字のままシリーズハイブリッド車として出すのは無理でしょうね。また、回生電力を吸収できるはずのシリーズハイブリッドなのにストップアンドゴーの多い市街地での燃費が悪く、ダラダラ走り続けることのできる郊外モードで燃費が良いのが謎です。一般にシリーズハイブリッド車は加速時にはトルクの太いモーターで加速できますので、エンジンにさほど負担がかからず、しかも回生電力を吸収できることから燃費はさほど落ちないものです。逆に郊外路で時速60km程度で走り続けるならエンジンの熱効率の良い領域を使えますのでエンジン単独で走ってもそこそこ燃費が良いはずです。MX-30の燃費の数字を見る限り、シリーズハイブリッド車の長所を見いだせない一方で、ガソリンエンジンのような特性です。もしかしてロータリーエンジンはハイブリッド車のような間欠運転には向かないのでしょうか。
重量が1780kgもあり、Mazda 2の1.7倍くらい、Mazda 3の1.3倍くらいの重量ですから、重量当たりの燃費でいえば、Mazda 3の2Lエンジン車の1.3倍ほど燃費が良いともいえます。今回はPHEVですので蓄電池搭載量が多いですが、蓄電池搭載量を減らしたシリーズハイブリッド車にしたときにどれくらいの重量になるか次第に見えます。自重が2割減れば燃費の数字もも2割ほど良くなる可能性はまだあります。15.4km/Lの数字が2割良くなったとしたら18.5km/Lですので、日産ノート等のBセグメント車に比べれば大幅に見劣りしますが、Cセグメントのカローラツーリングハイブリッドの実燃費からすればもう一息とも言えます。BセグメントのMazda 2をシリーズハイブリッド車にしたら、自重1200kgくらいで22.8km/Lくらいになりますので、ノートやフィットよりも劣るものの、実燃費ベースではそこまで大きな差ではありません。しかし、Bセグメント車で22.8km/Lというと1.5Lガソリンエンジン車と変わらないようにも見えます。ロータリーエンジンでその燃費を達成することは技術的にはすごいことなのでしょうが、安価なガソリンエンジン車と同じことができてもコスト競争力がありません。