2024年6月3日月曜日
ロータリーエンジンの時代になったらRRもありなのではないか
2024年6月2日日曜日
小型化されたロータリー発電ユニット
2024年5月28日にトヨタ、スバル、マツダの共同で三者三様にエンジン開発をする旨が発表されました。その中でマツダが発表したのはロータリー発電ユニットをさらに小型化したものと、FR車向け2ローターのロータリーエンジンユニットでした。注目を受けたのは後者ですが、前者も意外と重要だと思いました。
ロータリーエンジンは原理的にレシプロエンジンよりも熱効率が悪いので、もしロータリーエンジンで燃費性能を確保しようとしたら車両重量を減らすしかありません。軽くするためには車体を小さくするのが一番です。室内スペースを犠牲にせずに車体を小さくしようとしたらエンジンルームを小さくするしかありません。そうすれば小型軽量なロータリーエンジンの長所を活かすことができます。ロータリー発電ユニットの小型化にはそのような問題意識が背景にあるのではないかと推測します。
そこで気になるのが魂動デザインとの整合性です。マツダは今までロングノーズショートデッキのエクステリアデザインを好んできました。エンジンルームを小さくすればその分ノーズが短くなります。だからこそコンパクトカーのデザインは難しいわけですが、マツダのデザイナーはどのように解決するのでしょうか。
2024年5月26日日曜日
マツダ独自のハイブリッドとは
CX-5のフルモデルチェンジの際にマツダ独自のハイブリッドを搭載することが発表されました。自社技術の中身が発表されていませんので、様々な憶測を呼んでいます。せっかくなので正式に発表される前に予想してみようと思います。
まずわかるのはトヨタのハイブリッドシステムではないということ。すなわち、2モーターで遊星歯車を介してエンジン動力を駆動力と発電とに任意に配分するシステムではないということです。トヨタのハイブリッドシステム自体はトヨタが他社にも無料で開放しており、やろうと思えばやれないこともないのですが、なにぶん制御が難しく、その一番難しい制御の部分を自社で開発するのは困難ということでマツダはだいぶ前にこの方式の自社開発を諦めてトヨタのハイブリッドシステムをOEM導入することを決めました。燃費性能は世界最高レベルですし、モーターやインバータの小型軽量化が進みコストも下がった結果、コスト面でも重量面でも普通のガソリンエンジン車との差が小さくなっています。
現在マツダが持っている技術は、ラージプラットフォーム向けのPHEVとMX-30で採用されたロータリーエンジンで発電するタイプのEVです。しかしどちらもそのままCX-5に移植することができませんので、CX-5向けの独自開発が必要です。まだ詳細が発表されていないのはそのためでしょうか。
前者は、エンジン自体はマツダでありふれた2.5Lガソリンエンジンですが、縦置きエンジンのFR向けのプラットフォームですので横置きエンジンのFF車であるCX-5にそのまま移植することができません。後者はCセグメントのMX-30向けのシステムで、一回り大きいCX-5に移植するにはエンジンのパワーが足りません。そもそもロータリーエンジンは小型軽量という利点はあっても、エンジン自体の燃費は原理的にレシプロエンジンに劣ります。そこでMX-30用のロータリーエンジンでは燃費に特化した結果、ロータリーエンジンの燃費としては驚異的に改善しましたが、それでも日産やホンダのレシプロエンジンベースのシリーズハイブリッド車の燃費にまだ及びません。
サイズの大きいCX-5なら敢えて小型軽量のロータリーエンジンを採用するまでもなく、既存の1.5Lガソリンエンジンや2Lガソリンエンジンを発電専用に調整したものを使う方がはるかに簡単ではないでしょうか。Mazda 3での燃費を比較する限り、2Lエンジンを低回転で使うよりも1.5Lエンジンを高回転で使う方が燃費が良さそうです。これなら日産のe-Powerくらいの燃費は達成きます。
シリーズハイブリッドは120km/h以上の高速域の燃費が悪いのが弱点ですが、北米のインターステート・ハイウェイの最高速度は時速70マイル(112km)かつ速度取り締まりが厳しいので、120km/h以上での燃費の悪さが顕在化しません(だからこそハリアーみたいな鈍重な車が売れるわけです)。日本でも公道での最高速度は120km/hです。速度域の高い欧州向けを諦めて、高収益の北米向けに特化すればシリーズハイブリッドでもやれないこともなさそうです。欧州といっても、アウトバーン以外の高速道路の最高速度は130km/hですので、モーターと推進軸の間に小容量の歯車を介せばできないこともないかもしれません。どのみち電気モーターは低回転で大トルクを出しますので、ディーゼルエンジン同様に若干ハイギアードにしても加速できます。また、モーターの出力軸がそのまま推進軸にならないのでしたら、どのみちどこかで歯車を介すことになりますので、そこで歯車比を調整して増速すればよいでしょう。
CX-5は車高の高いSUVですので、床下にバッテリーを積むスペースがあります。バッテリーの搭載量に応じて電気モーターだけで走れる距離を調整できます。レシプロエンジンによるシリーズハイブリッドの充放電制御は、ラージプラットフォーム向けのPHEVの充放電制御とほぼ同じですので、ハードウェアはともかくソフトウェアについては既存の技術を流用しやすいでしょう。
レシプロエンジンベースのシリーズハイブリッドでは、Mazda 3やMazda 2のような小さいサイズの車には展開できないかもしれませんが、CX-5は単体で数が出る車ですので、CX-5だけのための技術があっても、安価な技術なら開発費を回収できそうです。少なくともロータリーエンジンの燃費をさらに改善して2ローターにしてCX-5に積むよりは安くつくのではないでしょうか。
2024年3月24日日曜日
ロードスターのポールアンテナ
ロードスターは幌屋根で屋根上にアンテナを設置できないため、車体後方にポールアンテナが立っています。どうせポールアンテナを立てるのだったら左前方につければヘタクソポールを兼ねるのではないでしょうか。格好悪いですし、NDロードスターはもともと前輪の上のボンネットがせり上がっていて位置をつかみやすいため、そもそもヘタクソポールをさほど必要としませんから、どうせやらないでしょうけど。
昔の車はAピーラー運転席側に伸びるアンテナがついていて、あれならオープンカーにもつけられそうですが、ロードスターではそうせずに敢えて車体後方にポールアンテナをつけているのはなぜなのでしょう。いまどきのアンテナはFMラジオのアンテナだけでなくテレビのアンテナも兼ねていますので、昔よりも機構が複雑になっているためでしょうか。
Mazda 3ではセダン・ハッチバックともにリアガラスアンテナが採用されており屋根がすっきりしていますが、リアガラスのないロードスターにはつけられません。小さいながら後ろにガラスのあるロードスターRFならリアガラスアンテナをつけられるのでしょうか。Mazda 3はせっかくリアガラスアンテナなのに、わざわざ社外品のシャークフィンアンテナをつける人もいるようで、人の好みはそれぞれですので、そういうカスタムもあるのかもしれません。だったらヘタクソポールアンテナのカスタムも誰かがやってもよさそうですが。
2024年3月18日月曜日
MX-30の車高の低いのがほしい
MX-30は他のマツダ車とは異なる比較的緩いエクステリアが魅力ですが、過去にEVに試乗した際には、天井が高くてアップライトな姿勢で座っているとまるで軽自動車のトールハイトバンを運転しているかのような気分でした(もちろん走りやドライビングポジションは全然違いますが)。車体の嵩上げをなくし、車体下部の樹脂パーツの縁取りをなくせばMiniみたいになりそうです。1人か2人で乗るならMX-30ほどの大きさの車は不要ですし、観音開き扉は車体を重くしますので、Bセグメントサイズの3ドアハッチバックにして、次期Mazda 2のシリーズハイブリッド車にならないものでしょうか。
2024年1月16日火曜日
ディーゼルエンジンによるシリーズハイブリッドは可能か
ハイブリッド車は、電力回生のみならず、エンジンだけではトルクの不足する領域でモーターアシストをするものです。それに対してディーゼルエンジンは低回転でトルクが太いのでモーターアシストは不要と考えられています(トラックにはディーゼルハイブリッドもありますが)。それに、ディーゼルエンジンはターボチャージャーやインタークーラーや、ブレーキサーボ用の真空ポンプや、環境対策のためのDPFフィルターといった補機類を既に多く積んでいますので、そこからさらにモーターや発電機や蓄電池といった補機を増やすのは冗長に見えます。
しかしそれはトヨタのTHS2のようなパラレルハイブリッド車の話であって、エンジンを発電専用に用いるシリーズハイブリッドでは、エンジンの効率の良い領域のみを使うことができることが効率性の源泉です。低回転での太いトルクは電気モーターによって実現しています。それはガソリンエンジンだろうとディーゼルエンジンだろうと、はたまたロータリーエンジンであっても同様です。もしディーゼルエンジンを発電専用に用いるなら、熱効率の良い領域だけで使うことができますので、駆動用ディーゼルエンジンに積むような補機類を省略したりできないものでしょうか。ディーゼルエンジンは窒素酸化物対策と煤対策が難しいですが、熱効率の良い領域でしか使わないなら、環境対策も容易になりそうです。
ディーゼルエンジンは自然吸気では同じ排気量の自然吸気ガソリンエンジンよりもパワーが低いですが、ガソリンエンジンよりも低温で燃焼できますので、排気量を増やすことで発電用エンジンとして十分な容量を確保できれば、効率の良い発電用エンジンにならないものでしょうか。1.5L自然吸気ディーゼルエンジンで、1.2L自然吸気ガソリンエンジンや800ml自然吸気ロータリーエンジンと同じくらいのパワーが出るなら、これら3つの中では最も熱効率が良かったりしないものでしょうか。駆動用エンジンの補機と変速機(これも結構重い)の代わりに発電機とモーターと蓄電池を積むなら、重量を同じくらいかあるいは少し軽くできそうです。
800mlロータリーエンジンもRX-7の頃のエンジンに比べればかなり燃費が良くなっていて、1200kgくらいのBセグメントのシリーズハイブリッド車なら23km/Lくらいは目指せそうですが、ロータリーエンジンは原理的にレシプロガソリンエンジンよりも熱効率が悪いです。熱効率の勝負であれば補機類を省略した自然吸気ディーゼルエンジンにも可能性がないものでしょうか。レシプロガソリンエンジンを積んだ日産ノートe-Powerで実燃費25km/Lくらい、ロータリーエンジンを積んだシリーズハイブリッドで23km/Lくらい出せるなら、自然吸気ディーゼルエンジンで30km/Lを超えることができないものでしょうか。軽油で30km/L超えならヤリスハイブリッドと並んで世界最高水準の燃費性能になりえます。
さらにいえば、ディーゼルエンジンではバイオディーゼル燃料を使うこともできます。持続可能な燃料が使えるならエンジンを残すことができます。ロータリーエンジンも雑食性と言われていますが、液体水素は技術的なハードルが高いですし、ガソリンエンジン向けの持続可能な燃料というとバイオエタノールくらいしかありませんが、バイオエタノールは食と競合します。