ラベル 燃費 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 燃費 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024年1月16日火曜日

ディーゼルエンジンによるシリーズハイブリッドは可能か

ハイブリッド車は、電力回生のみならず、エンジンだけではトルクの不足する領域でモーターアシストをするものです。それに対してディーゼルエンジンは低回転でトルクが太いのでモーターアシストは不要と考えられています(トラックにはディーゼルハイブリッドもありますが)。それに、ディーゼルエンジンはターボチャージャーやインタークーラーや、ブレーキサーボ用の真空ポンプや、環境対策のためのDPFフィルターといった補機類を既に多く積んでいますので、そこからさらにモーターや発電機や蓄電池といった補機を増やすのは冗長に見えます。

しかしそれはトヨタのTHS2のようなパラレルハイブリッド車の話であって、エンジンを発電専用に用いるシリーズハイブリッドでは、エンジンの効率の良い領域のみを使うことができることが効率性の源泉です。低回転での太いトルクは電気モーターによって実現しています。それはガソリンエンジンだろうとディーゼルエンジンだろうと、はたまたロータリーエンジンであっても同様です。もしディーゼルエンジンを発電専用に用いるなら、熱効率の良い領域だけで使うことができますので、駆動用ディーゼルエンジンに積むような補機類を省略したりできないものでしょうか。ディーゼルエンジンは窒素酸化物対策と煤対策が難しいですが、熱効率の良い領域でしか使わないなら、環境対策も容易になりそうです。

ディーゼルエンジンは自然吸気では同じ排気量の自然吸気ガソリンエンジンよりもパワーが低いですが、ガソリンエンジンよりも低温で燃焼できますので、排気量を増やすことで発電用エンジンとして十分な容量を確保できれば、効率の良い発電用エンジンにならないものでしょうか。1.5L自然吸気ディーゼルエンジンで、1.2L自然吸気ガソリンエンジンや800ml自然吸気ロータリーエンジンと同じくらいのパワーが出るなら、これら3つの中では最も熱効率が良かったりしないものでしょうか。駆動用エンジンの補機と変速機(これも結構重い)の代わりに発電機とモーターと蓄電池を積むなら、重量を同じくらいかあるいは少し軽くできそうです。

800mlロータリーエンジンもRX-7の頃のエンジンに比べればかなり燃費が良くなっていて、1200kgくらいのBセグメントのシリーズハイブリッド車なら23km/Lくらいは目指せそうですが、ロータリーエンジンは原理的にレシプロガソリンエンジンよりも熱効率が悪いです。熱効率の勝負であれば補機類を省略した自然吸気ディーゼルエンジンにも可能性がないものでしょうか。レシプロガソリンエンジンを積んだ日産ノートe-Powerで実燃費25km/Lくらい、ロータリーエンジンを積んだシリーズハイブリッドで23km/Lくらい出せるなら、自然吸気ディーゼルエンジンで30km/Lを超えることができないものでしょうか。軽油で30km/L超えならヤリスハイブリッドと並んで世界最高水準の燃費性能になりえます。

さらにいえば、ディーゼルエンジンではバイオディーゼル燃料を使うこともできます。持続可能な燃料が使えるならエンジンを残すことができます。ロータリーエンジンも雑食性と言われていますが、液体水素は技術的なハードルが高いですし、ガソリンエンジン向けの持続可能な燃料というとバイオエタノールくらいしかありませんが、バイオエタノールは食と競合します。

2023年10月29日日曜日

Mazda 3は良くも悪くも4人乗りロードスター(その3)

常日頃からMazda 2の2Lエンジン車の燃費の悪さをあげつらっていますが、ロードスターの燃費はどうなのだろうと思って調べてみたら、1000kgと軽いのに17km/Lしか出ないのですね。同じサイズのMazda 2なら20km/Lを超えますので、スポーツカーとして燃費よりもパワーや走る楽しみを重視するセッティングなのでしょう。Mazda 3の方が一回り重いので、ロードスターよりも一回り燃費が落ちるのは別におかしくないともいえます。だったら86/BRZはどうなのだろうと思って調べてみたら、こちらはMazda 3やインプレッサよりも一回り軽くて12km/L弱。ちなみにインプレッサのマイルドハイブリッド無しは14km/L弱。インプレッサ用のエンジンがベースですので、スポーツカーというのはそもそもそういうものなのかもしれません。Mazda 3の2Lエンジン車は燃費性能だけは一人前にスポーツカー並なのだと思うと、よくぞここまでロードスターに合わせたものだと思います。

よくわからないのがMazda 3の1.5Lエンジン車で、ロードスターよりも3割以上重いのにロードスターと遜色ない燃費ですし、しかも信号の少ない道での実燃費はBセグメント並の20km/Lを出せますので(同じ道を2Lエンジン車で走ると18km/L)、同じMazda 3でもこちらはかなり燃費が良いです。その代わりアンダーパワーでエンジンをしっかり回してもあまり加速しません。もしかして、加速性能を落とせば燃費を良くすることができるということでしょうか。だとすれば、2Lエンジンの排気量をパワーではなく燃費に振り向ければもっと燃費を良くすることができるということでしょうか。エンジンの制御で調整できるのでしたら、トヨタのハイブリッド車のようにエコモードとかパワーモードとかを選べるようにしてくれるとありがたいです。一応スポーツモードというのもありますが、デフォルトの燃費性能がスポーツカー並ですので、敢えてスポーツモードを使おうという気になれません。

2023年5月24日水曜日

新型インプレッサの燃費

まだ試乗していませんので諸元データだけですが、WLTC燃費を見て驚きました。スバルといえば燃費に不利な水平対向エンジンで、かつe-Boxerという少し容量の大きいマイルドハイブリッドを積んでいるだけですので、燃費には全く期待していなかったのですが、よく見るとFF、AWDともにMazda 3のマイルドハイブリッド付の2Lエンジン車のFFやAWDよりも燃費が良いです。インプレッサの方が100kgほど重いにもかかわらずです。さすがにSkyactiv-Xはインプレッサよりも僅かに燃費が良いものの、こちらはハイオクですし本体価格も高いです。スバルよりも燃費の悪いマツダとは…Skyactivとは…と思いました。

インプレッサもe-Boxer無しの下位グレードはMazda 3のマイルドハイブリッド無しよりも燃費が悪いので、e-Boxerと組み合わせたときのセッティングが良いのでしょう。特に市街地モードで効果が顕著です。

ステアリングアシストはアイサイトの方がよくできていますので高速道路での運転が楽そうですし、インプレッサの方が車内が広く視界が良いですし、あとはCVTの運転感覚に慣れるかどうか次第のように思えます。Mazda 3購入前にレンタカーでインプレッサの1.6Lに乗りましたが、そのときはよくできた車だとは思いましたが、CVTの運転感覚が好きになれませんでした。

2023年2月27日月曜日

カローラスポーツの2Lガソリンエンジン車

2022年10月にカローラスポーツを含むカローラシリーズがマイナーチェンジして、カローラスポーツのガソリンエンジンが1.2Lターボエンジンから2L自然吸気エンジンになり、Mazda 3の2Lエンジン車に近くなりました。セダンとツーリングはヤリス用の1.5Lガソリンエンジンを積んでいて、こちらはMazda 3の1.5Lエンジンに近いです。

2Lエンジン車はカローラスポーツもMazda 3も自重1380kg。Mazda 3はマイルドハイブリッド付ですが、カローラスポーツにはマイルドハイブリッドがついていません。さらにカローラのエンジンの方が一回りパワーが大きいです。それにも関わらずWLTC平均燃費はMazda 3が16.4km/Lに対してカローラスポーツは17.4km/L。市街地、郊外、高速道路ともにカローラスポーツの数字の方がMazda 3の数字よりも少し良いです。しかもMazda 3の2Lエンジン車の実燃費はカタログ燃費よりも更に劣ります。たしかにSkyactiv-Gよりもダイナミックフォースエンジンの方が後発ですし、6ATよりもCVTの方が高速道路での燃費は有利です。Mazda 3はマイルドハイブリッドがついて変速時のトルクの抜けが補われているものの、エンジンの世代の差は否めません。

ついでに1.5Lクラスの数字を比較してみると、Mazda 3の1340kgに対してカローラは1280kgと少し軽いです。こちらもMazda 3の111psに対してカローラは120psと、1.5Lの割にはなかなか健闘しています。WLTC平均燃費はMazda 3の16.6km/Lに対してカローラは上位グレードでも18.1km/L、売れ筋の真ん中のグレードで19.4km/L。どういうわけか市街地モードの燃費はMazda 3の数字の方が良いですが、郊外と高速道路の数字は結構差がついています。とはいえMazda 3の1.5Lエンジン車は条件次第ではWLTC燃費よりも実燃費の方が良かったりしますので、数字だけを見てMazda 3の方が燃費が劣るとも言い切れません。

2022年8月7日日曜日

日本仕様のMazda 2にマイルドハイブリッドは搭載されるか

日本仕様のMazda 3の2Lエンジン車へのマイルドハイブリッド搭載が発表されたばかりですが、Mazda 3でできるならMazda 2でもできないものかと思います。マイルドハイブリッドを搭載することで1km/Lほど燃費を向上できるのでしたら、日本国内で売れ筋のMazda 2のガソリンエンジン車に搭載すれば企業平均燃費への効果を期待できそうに見えます。

とはいえ、現状Mazda 2にマイルドハイブリッドが搭載されているのは欧州向けMT車のみで、日本で主流のAT車にマイルドハイブリッドを搭載しようとしたら追加の開発が必要になります。開発リソースはラージプラットフォーム向けのSkyactiv-Xやスモールプラットフォーム向けのマルチ電動化ソリューションに重点的に配分されているでしょうから、先の長くない自然吸気ガソリンエンジンのために開発リソースを割く余裕がないのかもしれません。

よしんば開発リソースが割かれたとして費用対効果があるのかといえば、これも厳しそうです。Mazda 3の諸元データを見た限りでは、マイルドハイブリッドは市街地モードでは意外と効果が無くて郊外モードや高速道路モードの方が数字の伸びが良いです。BセグメントのMazda 2、とりわけガソリンエンジン車は街乗りの比重が大きいでしょうから、だとすると環境面ではさほど効果を期待できないのかもしれません。街乗りで効くのは低回転域のトルクですので、すでに導入済の斜め渦燃焼エンジンの方が効果を期待できるということなのでしょう。

そもそもBセグメントの自然吸気ガソリンエンジン車は登録車のボトムラインですのであまりコストを掛けると価格競争力を失ってしまいますし、小さい車ほど利幅が小さいので、たとえ売れても利益が出ません。マイルドハイブリッドには補機がつきますのでコストが上がりますが、ハイブリッド車の売れている日本市場でフルハイブリッド車との価格差が小さくなれば、だったらフルハイブリッドでいいやということになります。

では自然吸気ガソリンエンジンの他社の車との比較ではどうかというと、やはり国産Bセグメント車はレベルが高いですね。

ヤリスの1Lエンジン車とほぼ同等。ヤリスの1.5Lエンジンとの燃費差は平均で1km/Lくらい、とりわけ高速道路モードでは1.8km/Lも差がついています。廉価版ならヤリス1Lエンジン車とマッチできれば十分ですが、上位グレードならヤリス1.5Lエンジン車と同等のレベルを目指してほしいものです。

フィットの1.3Lガソリンエンジン車とほぼ同等ですが、郊外モードや高速道路モードの数字は劣ります。Bセグメント車で高速道路を走ることはあまりないでしょうから実走行ベースでの平均燃費にはあまり影響ないかもしれませんが、マツダの6ATの課題が浮き彫りになっています。

スイフトの1.2Lガソリンエンジン車よりも燃費性能が優れているのは、重量の差を考慮すれば大したものです。それでも高速道路モードの数字は僅差で負けています。スイフトにはマイルドハイブリッド車もあり、ほぼ同じ条件で燃費を比較できますが、平均で1km/Lくらいの差で、特に市街地モードでは2.2km/Lも差があるのに対し、高速道路モードでは0.3km/Lの差しかありません。Mazda 3のマイルドハイブリッドでは市街地モードよりも郊外モードの方が効果がありましたが、同じマイルドハイブリッドでどうしてこんなに違うのでしょう。モーターアシストをどこで使うかについての考え方の違いによるものでしょうか。

こうして見ると、Mazda 2のガソリンエンジン車は現状でもヤリス1.5L以外には負けておらず、国産Bセグメントのガソリンエンジン車としては平均的なレベルにあるようです。ヤリスの方が少し軽いですし、3気筒エンジンやCVTの方が燃費に有利とはいえ、ヤリス1.5Lの出来の良さが際立っています。できればヤリス1.5Lと同水準を目指したいものの、開発リソースと費用対効果の面で踏み切れないといったところでしょうか。

2021年6月24日木曜日

もしMazda 3に斜め渦燃焼を導入したら

Mazda 2のSkyactiv-Gに斜め渦燃焼を導入して燃費が6.8%向上していますので、もし同じだけ燃費が向上したらMazda 3の燃費がどれくらいになりそうなのか、ざっくりと数字を出してみました。

【現状】WLTC平均燃費、市街地モード、郊外モード、高速道路の順

1.5L 6AT 1340kg:16.6, 13.7, 16.5, 18.4

2L 6AT 1360kg:15.6, 12,1, 15.8, 17.7

1.8Lディーゼル 6AT 1410kg:19.8, 16.3, 19.8, 22.1

X 6AT 1440kg:17.3, 13.7, 17.8, 19.1

これに平均1.5km/Lほど、市街地モードは多めに、郊外モードと高速道路モードは少なめに乗せるとこんな感じになりそうです。

1.5L:18.1, 15.4, 18.0, 20.0

2L:17.0, 13.8, 17.3, 19.0 

燃費の悪い2Lエンジンの燃費が現在の1.5Lエンジン並に改善すれば、自然吸気2Lエンジンとしてはなかなかのものです。Xより少し見劣りする程度まで追いつきますが、Xはマイルドハイブリッド付ですので、重量差があるとはいえほぼ互角になります。ディーゼルエンジンの燃費との差は随分あります。他社との比較では、

カローラ 1.8L CVT 1300kg:14.6, 9.6, 15.9, 17.6

Mazda 3よりも軽くてかつCVTを積んでいるのに現状のMazda 3の2Lエンジンよりも燃費が劣りますので、比較の対象としてはあまり意味がないかもしれません。500台限定販売だったカローラツーリング2000Limitedは2LのダイナミックフォースエンジンとダイレクトシフトCVTを積んでいますので、その燃費を見てみましょう。ダイナミックフォースエンジンの方がパワー・トルクともにやや上です。

カローラ 2L CVT 1370kg:16.6, 12.2, 16.8, 19.4

市街地モードでは現状のMazda 3の2Lエンジンでも互角ですが、6ATのせいで高速燃費で負けています。Mazda 3の燃費が向上すると低速域の燃費が大幅に向上して、高速燃費の悪さを補えそうです。あまり参考にならないかもしれませんが、インプレッサの燃費は以下の通り。

1.5L AWD CVT 1330kg:14.1, 9.8, 14.9, 16.7

2L FF CVT 1320kg:14.0, 9.8, 14.6, 16.6

1.5Lエンジン車にはAWDしかなく、2LのAWDにはハイブリッド車しかありませんので、同じ条件での比較ではありませんが、重量がほぼ同じですので燃費もほぼ同じです。水平対向エンジンはスペースの都合でロングストロークにできませんのでやはり燃費では不利です。

新型シビックの燃費が気になるところですが、まだ諸元データが開示されておりません。販売終了した現行シビック Type Rの燃費は以下の通り

シビック Type R 2L 6MT 1390kg:13.0, 9.8, 13.3, 14.9

Mazda 3 2L 6MT 1340kg:16.7, 13.0, 16.9, 18.8

もともと320ps, 400Nmと性能が倍くらい違いますので同列に比較できる車ではありませんし、ターボ付きで圧縮比9.8ですので高負荷域での燃費では不利です。

Mazda 2の改良型エンジンの燃費比較

まずは同じ圧縮比14でハイオク指定の15MBとの比較から。

WLTCモードの全体、市街地、郊外、高速道路の順(以下同様)で

15S Proactive MT(レギュラーガソリン 1060kg):20.2, 16.7, 20.5, 22.0

15MB MT(ハイオク 1040kg):20.2, 16.3, 20.7, 22.1

平均燃費は同じですが、市街地モードではレギュラーガソリン仕様が有利、郊外と高速道路ではハイオク仕様が有利です。ちなみにパワーもトルクもハイオク指定の15MBの方が上です。15MBの方が若干ローギアードな割に、高速道路では15MBの方が燃費が良いです。高速道路ではパワーに余裕がある方が有利なのでしょうか。

次はトヨタヤリスとホンダフィットとの比較です。なるべく重量が近いものやホイールサイズが同じものと比較するようにしました。新型ノートはシリーズハイブリッド車しかないため、比較の対象に含めません。

Mazda 2 6AT 1090kg:20.3, 16.5, 20.4, 22.5

ヤリス 1.5L CVT 1020kg:21.6, 16.1, 22.9, 24.3

ヤリス 1L CVT 940kg:20.2, 15.3, 21.8, 22.4

フィット 1.3L CVT 1090kg:20.2, 15.5, 21.0, 22.6

Mazda 2 は今回の燃費向上でやっと旧来のエンジンを採用しているヤリス1Lやフィットに追いつきました。150kg軽いヤリス1Lと同等の燃費なのは大したものです。しかしダイナミックフォースエンジンを積んでいるヤリス1.5Lとの比較では、70kgほどの重量差を考慮してもまだ劣ります。Mazda 2は市街地モードの燃費では健闘しているのですが、比較的速度域の高い郊外モードや高速道路モードの燃費で負けているために平均値ではヤリス1.5Lに差をつけられています。ヤリス1.5LはエンジンだけでなくCVTも1Lモデルよりも新しい発進用ギア付のものを積んでいますので、そこでも差がついているのかもしれません。

Mazda 2はエンジン単体の熱効率では負けていないように見えますが、変速機のレシオカバレッジが劣るせいで高速燃費で負けているように見えます。高速域でエンジン回転数が上がる一方の6ATでは機械損失が増大して燃費が悪化します。実際、Mazda 2の6MTとダイナミックフォースエンジンを積んだヤリス1.5Lの6MTとの比較は以下の通りです。

Mazda 2 Proactive 6MT 1060kg:20.2, 16.7, 20.5, 22.0

ヤリス1.5L 6MT 990kg:19.6, 14.7, 20.3, 22.3

低速域での燃費はMazda 2の方が圧倒的に良いですし、高速域の燃費もほとんど見劣りしません。重量差を考慮すればむしろ健闘しているともいえます。エンジン単体でダイナミックフォースエンジンに負けていないとしたら、やはりCVTで差をつけられています。

高速域・高回転域の燃費を改善しようとしたら、低速域でのモーターアシストを前提に最終減速比を下げてハイギアードにするか、トルクバンドのピークが広くなるのに合わせてギアをワイドにするか、あるいは気筒休止で高回転域でのポンピングロスを低減するかが必要でしょう。もっとも、街乗り主体でたまにしか高速道路に乗らないBセグメント車でそこまでして高速燃費を改善する動機がないというのもあるかもしれません。市街地モードで燃費が良ければトータルの燃料コストでは有利なはずです。

Mazda 2のエンジン改良(答え合わせ2)

諸元データが更新されました。

ガソリンエンジン車のうち、下位グレードのみ圧縮比12の従来型で、Proactive以上が圧縮比14の改良型です。グレードによって圧縮比が異なるのは欧州仕様と同様です。

改良型の諸元は以下の通り。

出力:110ps/6000回転(圧縮比12のエンジンから据え置き)

トルク:142Nm/3500回転(Mazda 3の圧縮比13のエンジンと同等)

WLTCモード燃費:20.3km/L(←圧縮比12の場合19.0km/L)

市街地モード:16.5km/L(←15.2km/L)

郊外モード:20.4km/L(←19.4km/L)

高速道路モード:22.5km/L(←20.9km/L)

市街地モードだけでなく、低負荷で巡行する高速道路モードでも燃費が向上しています。郊外モードでの伸びが限られていますが、もともと低負荷で、圧縮比12でもそこそこ燃費が良いのでしょう。また、性能は従来の4-2-1排気管付の圧縮比13のエンジンと同等に据え置かれており、燃焼効率向上分が燃費に振り向けられているのが見て取れます。変速比や最終減速比には変化なし。低回転から中回転にかけてのトルクが太くなった分、早めにシフトアップしてエンジン回転数を落として燃費を稼いでいるのでしょう。アクセルを踏み込んだ際にキックダウンする頻度が下がるでしょうから、静かで楽に走れそうです。

ディーゼルエンジンとの比較では、それぞれのモードで1.5km/Lほど劣りますが、ガソリンエンジンなのにその程度の差で済んでいるのは大したものです。

仮にMazda 3にこの技術を応用するとしたら、パワーやトルクの向上はあまり期待できないものの、特に燃費の悪い2Lエンジンの燃費向上に期待できそうです。非力な1.5Lエンジンではむしろトルクやパワーの向上に期待したいところですが、燃費規制対応が喫緊の課題である以上、燃費よりもパワーを優先させるセッティングは難しいかもしれません。

2021年5月4日火曜日

Mazda 3の2Lガソリンエンジン車は低負荷+低回転で燃費が良い

信号の無い郊外路をある程度まとまった距離で走ると、なかなか良好な燃費が出ます。普通に走って17km/L台、条件が良ければ19km/L台と、WLTCの郊外モード15.8km/Lを上回ります。ではストップアンドゴーがなければ燃費が良いのかというとそうでもなくて、高速道路ではせいぜい16km/L台が精一杯です。WLTCの高速道路モード17.7km/Lというのはそれこそ対面通行の高速道路で70km/hや80km/hで走り続けるような最も有利なケースでしか発揮できません。100km/hで走ると、たとえクルーズコントロールで速度を一定に保っても17km/Lを超えることはありません。WLTCの高速道路モードというのは一体どのような条件で測定しているものなのでしょうか。

どうして低負荷で燃費が良いのだろうかと考えてみると、変速比の最終減速比がディーゼルエンジン車と同じで、ガソリンエンジン車にしては比較的ハイギアードであることが思い当たります。メーター読みで58km/hでエンジン回転数が1100回転程度です。ガソリンエンジンの燃料噴射量は燃焼室への空気投入量に制約され、それは過給なしの自然吸気エンジンならばほぼエンジン回転数に比例します。エンジン回転数を抑えれば必然的に燃料噴射量も抑えられます。パワーを出すために燃料噴射量を増やそうとしたらシフトダウンしてエンジン回転数を上げるしかありません。

80km/h以上で6速に入りますが、それより上の速度域では、たとえ低負荷であっても速度がエンジン回転数に比例します。100km/hで1800回転くらい回っています。低負荷域では機械損失の割合が比較的高い上、回転数が上がれば機械損失も増えますので、そのせいでしょうか。もしかして、6ATだから高速道路モードでの燃費が悪いのでしょうか。8ATだとどうなるのでしょう。

一方、どうしてほぼ同じ重量の車体に1.5Lエンジンを積むと2Lエンジンを積んだときよりも燃費が良いのかといえば、まずエンジンが小型であるゆえに機械損失やポンピングロスが小さいということが挙げられます。次に、エンジン出力の割に車体重量が大きいため、高負荷域での使用が多く、たとえ高回転であっても機械損失が小さいのではないでしょうか。もしそうだとしたら、ベースになるエンジンは1.5Lにして、パワーの足りない領域だけ電気モーターで補った方が燃費が良くなるのではないでしょうか。

2021年2月21日日曜日

Mazda 3の2Lガソリンエンジン車で平均燃費23.6km/Lを達成

エンジンを停止したときにエンジン始動から停止までの間の平均燃費が表示されますが、長い下り坂を走った後にエンジンを停止したら平均燃費が23.6km/Lと出ていてびっくりしました。もちろん特殊な条件下での参考記録に過ぎません。ディーゼルエンジン車でしたら普通の数字ですが、2Lガソリンエンジン車だと今までどう頑張っても18.4km/Lが精一杯でした。郊外路を走るときの平均燃費はだいたい15km/L〜18km/Lくらいです。同じ条件でディーゼルエンジン車で走ったら35km/Lくらい出るのでしょうか。

(追記)その後同様に長い下り坂を下ったら今度は25.0km/Lという記録が出ました。ディーゼルエンジン車はアクセルペダルを離しても燃料を噴射し続けますので下り坂でもさほど燃費が伸びませんが、ガソリンエンジン車はエンジンブレーキをかければ燃料噴射が止まりますので、下り坂では燃費が伸びるようです。

上りと下りを合わせて給油から給油までの平均燃費は17.2km/hでした。標高差を伴う移動の割にはなかなか良い燃費でした。今までの経験では上り坂で速度を出すとたちどころに燃費が悪化し、下り坂では速度を抑えてもさほど燃費が改善しません。下り坂は速ければよいかというとそうでもなく、山を降りるときのようにコーナー手前で減速する場合には速度を上げてもブレーキで熱エネルギーに変換されるばかりで燃料を無駄遣いします。高速道路のように曲線の緩やかな道路の連続下り勾配でしたら、エンジンブレーキをあまり効かせずにDレンジでアクセルを離して下りるのが最も燃費に良さそうです。速度制限がありますので、必ずしも最も燃費の良い走り方をできるとは限りませんが。

2020年12月21日月曜日

Mazda 3の年次改良車の燃費

2020年10月発表時にはSkyactiv-Xやディーゼルエンジンの車のエンジンや燃費のデータが開示されていませんでしたが、最近になって諸元データをダウンロードしたら開示されていました。

出力やトルクの数字は既報の通りですので割愛します。興味深いのは燃費で、出力が向上しているのに燃費は悪化していません。Xもディーゼルも共に、市街地モードの燃費が僅かに悪化した一方で、郊外モードや高速道路モードでの燃費が僅かに向上しており、平均値は維持されています。出力を向上することでどういう原理で郊外モードや高速道路モードの燃費が向上しているのか謎ですが、もしかしてパワーに余裕が出て負荷が低下したのが効いているのでしょうか。しかしだとしたらなぜ市街地モードの燃費は悪化したのでしょうか。

2020年10月8日木曜日

Mazda 3にマイルドハイブリッドをつけるとどれくらい燃費が向上しそうか

 2Lエンジン+マイルドハイブリッドのMX-30のWLTC燃費が公表されましたので、Mazda 3にマイルドハイブリッドをつけたらどれくらい燃費が改善しそうかざっくり予想してみました。

まずMX-30のWLTC燃費は以下の通り。

平均:15.6km/L

市街地:12.3km/L

郊外:16.1kmL

高速道路:17.2km/L

一方、Mazda 3のWLTC燃費は以下の通り。

平均:15.6km/L

市街地:12.1km/L

郊外:15.8km/L

高速道路:17.7km/L

高速道路での燃費の差は重量の差(MX-30の1460kgに対してMazda 3は1360kgで重量比は約93%)だとしてMX-30のWLTC燃費をMazda 3の重量で巻き直してみると、だいたいこんな感じでしょうか。

平均:15.8km/L

市街地:12.5km/L

郊外:16.3kmL

高速道路:17.7km/L

平均燃費の数字はMazda 3の欧州仕様車の燃費に準拠しました。Mazda 3の1.5Lエンジン車のWLTC燃費にはまだ及びませんが、街乗りでの燃費はいくぶん改善しそうです。あとは費用対効果の問題で、日本仕様ではマイルドハイブリッド不要と判断されたわけですが、2Lエンジン車に乗っていると燃費の悪さを実感しますし、企業平均燃費の足も引っ張っていそうですので、さほど値上がりしないならマイルドハイブリッドをつけてほしいものです。

欧州仕様には気筒休止がついていて、エンジン回転数の上がる高速走行時に燃料噴射量を減らすのに貢献していますが、日本の高速道路の速度域では導入するほどの費用対効果が見込めないのか、MX-30でも気筒休止は見送られているようです。

2020年5月27日水曜日

Mazda 2ガソリンエンジン車とヤリス1.5Lガソリンエンジン車の燃費の比較

ヤリス1.5Lは新型のダイナミックフォースエンジンと発進段付きのダイレクトシフトCVTを積んでいますので、WLTC燃費が優れているのではないかと思ってMazda 2のWLTC燃費と比較してみました。対象はFFのAT車です。

【Mazda 2 15S】
1060kg
平均:19.0km/L
市街地:15.2km/L
郊外:19.4km/L
高速道路:20.9km/L

【ヤリス 1.5L G】
1000kg
平均:21.4km/L
市街地:15.7km/L
郊外:22.6km/L
高速道路:24.1km/L

こうして数字を見比べてみるとヤリスの燃費の良さが際立ちます。Mazda 3とカローラツーリングとの燃費を比較したときと同様に、市街地モードではさほど差がありませんが、郊外や高速道路では差がついています。

車体の軽さもさることながらCVTの効率とエンジンの熱効率が効いているようです。CVTは高速域で動力伝達効率が悪いと言われていますが、実際にはCVTの方が6ATよりもレシオカバレッジが広い分だけ高速域でエンジン回転数を落とすことのできる効果の方がまさっているようです。コストや重量を考えるとこのクラスでは6ATで精いっぱいなのかもしれませんが、高速道路巡航中にエンジン回転数が高いのはどうにかならないものでしょうか。

エンジンについてはSkyactiv-Gの熱効率が38%に対してダイナミックフォースでは41%とのこと。特殊な仕掛けがあるわけではなく、普通の自然吸気エンジンなのにSkyactiv-Xに匹敵する熱効率なのは大したものです。ダイナミックフォースエンジンは熱効率重視の超ロングストロークエンジンですが、高回転まで回ることで出力を稼いでいるようです。3気筒で熱効率で有利ということもあってトルクもMazda 2のエンジンよりも少しまさります。また、Mazda 2のタイヤが185/65R15なのに対してヤリスのタイヤは175/70R14タイヤと細くてホイールが軽い、すなわちばね下重量が軽いというのも効いているのではないでしょうか。見た目のためにホイールをいたずらに大きくするのはいい加減やめにしてほしいものです。

Mazda 2の燃費を良くしようとしたら4-2-1排気管をつけて圧縮比を13に上げるくらいでしょうか。あとは燃費やパワー感以外の魅力を訴求できるかでしょうね。将来的にはSkyactiv-Xの性能とコストがこなれてきて、普通の値段で1.5LのSkyactiv-XをMazda 2に積めればよいのですが、その頃にはトヨタのパワートレーンももっと先へ行っているでしょう。

ちなみに旧来のCVTとエンジンを積んでいるヤリスの1Lエンジン車はというと、

【ヤリス 1L G】
970kg
平均:20.2km/L
市街地:15.3km/L
郊外:21.8km/L
高速道路:22.4km/L

市街地の燃費はMazda 2とほぼ同じですが、旧型のCVTを積んでいてローギアードで高速道路で不利な割には、郊外や高速道路でなかなか健闘しています。車体の軽さが効いているのでしょうか。ヤリスの1.5Lエンジン車よりも劣るのはパワートレーンが古かったり低速向けのセッティングだったりしますから仕方ありません。街乗り限定なら燃費の差はさほどありませんし、何よりも車両価格が安いので、近所の買い物用の車としてならこれでもよいのかもしれません。

もちろん実燃費はまた別の話ですが、それは乗ってみないとわかりません。機会があればレンタカーでヤリスに乗ってみたいものです。

2020年3月4日水曜日

排気量と燃費

内燃機関のことを何も知らないど素人の素朴な疑問ですが、同じ重量の車を同じように走らせる前提で、1.5Lエンジンよりも2Lエンジンの方がWLTC燃費(≒実燃費)が劣る理由がよくわかりません。人見理論では、機械損失は回転数の1.5乗に比例することから、ある程度排気量に余裕を持たせて低回転で回せば、大排気量のポンポングロスを補って余りあるとされていて(どこかのインタビュー記事で、税金を抜きにすればデミオには2.5Lエンジンが理想といったことが書いてありました)、日本向けのデミオのガソリンエンジンを1.3Lから標準の1.5Lに変更した際には、「この方がカタログ燃費はともかくとして実燃費は良い」と宣伝されていました。それをCセグメントのサイズに換算すれば、1.5Lエンジンよりも2Lエンジンの方が実燃費が良いとされなければ話の辻褄が合いません。

排気量に余裕を持たせた方が設計が楽なのでしたら、欧州向けにも北米向けの2.5Lエンジンを採用して税金と保険料を安くするために最大出力だけ120psくらいまで落とせば、製造コストはほとんど変わらず、ダウンサイジングターボのように低回転でのトルクが太くなるはずなのですが、欧州では排気量課税ではないにも関わらず、欧州向けには未だに2Lエンジンが採用されています。

環境対策でディーゼルエンジンの排気量を増やすのだって、ありものの2.2Lエンジンのトルクを中容量変速機のトルク容量に合わせて270Nmに抑制すれば(どうせCセグメントで460Nmもあってもホイールスピンしますし)、負荷にかなりの余裕が生じてそれが環境性能のマージンになるはずです(EGRを使えないくらいに負荷が増大するとNOx排出量が急激に増加します)。ほぼ全域で270Nm出て最大出力も2Lガソリンエンジンと同じく150psくらいは出るでしょうから、動力性能は申し分ありません。2.2Lエンジンはシーケンシャルターボを積んでいますのでコストは増えますが、その代わりターボラグは大幅に減少します。これなら開発費をかけずに1.8Lディーゼルエンジンの不満をほぼ解消できます。どうせSkyactiv-Xだって、高価な補機をいろいろ積んだ結果、1.8Lディーゼルエンジンよりも重くて高くなったのですから、2.2LディーゼルエンジンだからといってSkyacrtiv-Xよりも重くて高くなることはないでしょう。技術的には全く面白くありませんので、技術者は気乗りしないでしょうが、営業サイドからそういう要請はないのでしょうか。

(2022年8月7日追記:CX-60では3.3LディーゼルエンジンでCX-3と同等の燃費性能を達成したとされています。直6の3.3Lエンジンを積むことができたのはFRならではですが、FFのスモールプラットフォームでも2.2Lディーゼルエンジンを積めば燃費性能の向上の余地がありそうです。スモールプラットフォームの方が軽いのですからCX-60よりも燃費が良くなければおかしいです。ボンネットの低いMazda 3には2.2Lディーゼルエンジンを積むことができないかもしれませんが、ボンネットの高いCX-30ならどうでしょうか。)

もっとも、1.5Lエンジン車と2Lエンジン車とで同じように走らせるというのは意外と難しいのかもしれません。2Lエンジン車を運転していると、緩慢な動きをしているときには燃費が18km/Lくらいまで伸びますので、もしかしたら1.5Lエンジン車と同じくらい緩慢に走らせればもっと実燃費が伸びるのかもしれませんが、エンジン制御で燃料噴射量を抑制しない限り、つい排気量なりの走りをしてしまいそうです。

2020年2月19日水曜日

Mazda 3の燃費(その2)

しばらく乗り続けているうちに燃費の傾向が見えてきました。

平均:15km/L
市街地:10km/L
郊外:15-17km/L
高速道路(4車線以上):14-15km/L
高速道路(対面通行):16-18km/L

Mazda 3 20S 2LのWLTC燃費は以下の通りです。

平均:15.6km/L
市街地:12.1km/L
郊外:15.8 km/L
高速道路:17.7km/L

WLTC燃費は実燃費に近い数字が出ていて、デミオディーゼルの実燃費はMazda 2ディーゼルのWLTC燃費とほぼ一致します。こうして比較してみると、比較的流れがよく速度の低い郊外と対面通行の高速道路ではほぼカタログ燃費に近い数字が出ています。一方、市街地と4車線以上の高速道路ではWLTC燃費に未達で、そのせいで平均燃費も未達になっています。

対面通行区間での燃費が良いことから、4車線以上の高速道路でも対面通行区間と同じように前車追従でゆっくり走れば燃費がよくなるのかもしれません。あるいは、クルーズコントロールの加減速がもう少し穏やかになればクルーズコントロールを活用して燃費を改善する機会があるのかもしれません。

市街地についてはコールドスタートが原因かと思ったものの、WLTCでもコールドスタートで計測していますので、別の原因を考える必要があります。実際の市街地ではストップアンドゴーが多すぎる上、混雑がする道路で流れに乗って走ると加速も減速も緩慢ですので、エンジンの効率の良い領域を使えないのかもしれません。

ほぼ同じ重さの1.5L車だとカタログ燃費も実燃費も良くて、1.5L車のWLTC燃費は以下の通りです。

平均:16.6km/L
市街地:13.7km/L
郊外:16.5km/L
高速道路:18.4km/L

特に市街地では比較的大きな差がついています。車を動かすために必要な運動エネルギーの量はほぼ同じでWLTC燃費計測時の走行モードも同じなのに、エンジンの排気量が違うだけでどうしてこんなに燃費が違うのでしょう。なお、BMアクセラのときは1.5Lエンジンと2LエンジンとでJC08モードがほぼ同じでした。

考えられるのは、1.5Lエンジンの方が高回転域を多用することから、熱効率の良い領域を使っているということです。Skyactiv-Gは高負荷で燃費が悪くならない一方、低負荷での燃費はダウンサイジングターボに劣りますので、2Lエンジンを低負荷で使うよりも1.5Lエンジンを高負荷で使う方が燃費が良いのかもしれません。しかしデミオでは1.5Lエンジンでも実燃費では1.3Lとさほど遜色ないことから、そもそも1.5Lエンジンの出来が良いのかもしれません。実燃費についても、非力ゆえに大きな運動エネルギーを発生させる機会が乏しいのかもしれません。熱効率では1.5L有利、パワーの余裕と静粛性でしたら2L有利といったところでしょうか。

せっかくですので他車とも比較してみると、1.5L自然吸気エンジンとほぼ同じ性能を有するカローラスポーツの1.2Lターボ+CVTのWLTC燃費は以下の通りです。

平均:16.4km/L
市街地:12.9km/L
郊外:16.9km/L
高速道路:18.2km/L

カローラスポーツは1310kgとMazda 3の1.5L車の1340kgよりも軽く、しかも燃費に有利なCVTを搭載している割には1.5L自然吸気エンジンよりも燃費の数字が悪く、ダウンサイジングターボの熱効率の悪さが裏付けられます。

Mazda 3の2L車と比較対象となるのはカローラの1.8L自然吸気エンジン+CVTで、WLTC燃費は以下の通りです。

平均:14.6km/L
市街地:9.6km/L
郊外:15.9km/L
高速道路:17.6km/L

郊外でMazda 3の2Lよりも僅かに燃費が良いのを除けば、燃費の数字が劣ります。同じ自然吸気エンジンでの比較で、排気量が少し小さいとか重量が40kg軽いとか燃費に有利なCVTを使っているといった有利な要因が重なっている割には意外です。カローラのエンジンはまだ本命のダイナミックフォースエンジンではありませんので、カローラを買うならダイナミックフォースエンジンが載ってからにしたほうがよいのかもしれません。

(2020年5月14日追記:その後トヨタから2Lのダイナミックフォースエンジン搭載のカローラツーリングの特別仕様車が発表されました。CVTも発進段つきの新型です。WLTC燃費は以下の通りです。

平均:16.6km/L
市街地:12.2km/L
郊外:16.8km/L
高速道路:19.4km/L

ほぼ同じサイズ・同じ値段のMazda 3 20Sと比較して、郊外と高速道路での燃費は上回っています。最新のエンジンと10年落ちのエンジンとの比較では当然そうなりますが。特別仕様車なんて言わずにこれを標準にした方がよいのではないでしょうか。1.2Lターボもヤリス用の1.5Lダイナミックフォースエンジンに置き換えると実燃費が向上するかもしれません。)

しかしトヨタにはハイブリッドという驚異的に燃費のよい技術があり、むしろこちらの方が本命です。カローラスポーツのハイブリッド車(1370kg)のWLTC燃費は以下の通りです。

平均:30.0km/L
市街地:29.4km/L
郊外:32.9km/L
高速道路:28.8km/L

欧州車がどんなに頑張ってもこの燃費には遠く及びません。高速道路に強いMazda 3のディーゼル(1410kg)のWLTC燃費はというと、

平均:19.8km/L
市街地:16.4km/L
郊外:19.7km/L
高速道路:21.8km/L

と、エンジンだけで走る車としては健闘しているものの、得意なはずの高速道路ですらハイブリッド車に大きく差をつけられています。一定速度で巡航する高速道路ではハイブリッド車についているモーターとバッテリーが死重になりますので、エンジンの熱効率と車両重量が効いてくるはずなのですが、トヨタのハイブリッド用のエンジンも熱効率では負けておらず、さらに減速時の回生ブレーキが効いているようです。

同クラスの比較の対象としてはインプレッサの1.6L自然吸気エンジン(1330kg)と2L自然吸気エンジン(1350kg)(ともにFFの上位グレードでCVT搭載)がありますが、WLTC燃費はまだ開示されておらず、JC08燃費でそれぞれ16.4km/L、16.0km/Lと話にならず、比較するのが気の毒です。他社が水平対向エンジンを採用しない理由がよくわかります。燃費が悪い代わりに安いかといえばそうでもなくて、スバルはオプション無しの価格は安いですが常識的なオプションをつけるとカローラやMazda 3と同じくらいの値段になります。

走りが売りのシビックのハッチバック車(Type Rではない1.5Lターボ182ps+CVT、1350kg)のWLTC燃費は以下の通り。

平均:16.4km/L
市街地: 11.5km/L
郊外:17.3km/L
高速道路:19.3km/L

市街地以外ではMazda 3の2L車はおろかカローラの1.2Lターボよりも燃費が良いです。Mazda 3の1.5L車との比較でも、市街地の燃費では劣るものの負荷の低い郊外と高速道路ではまさっています。動力性能にすぐれているだけでなく燃費も良いなんて、さすがエンジンのホンダです。ただしシビックハッチバックのエンジンはハイオク仕様ですので燃料コストはその分高くなります。価格も他社の同クラスよりも50万円ほど高めです。ターボがついているとノッキング対策のため圧縮比を下げざるを得ませんが、ハイオク指定でしたらその分圧縮比を上げられます。マツダのSkyactiv-Gもハイオク仕様の圧縮比14で本来の性能を発揮できますので、同じ条件で比較すればそこそこ健闘しているのかもしれません。レギュラーガソリン仕様のシビックのセダンだとJC08燃費で19.4km/LとBMアクセラの2Lとほぼ同じです。敢えてシビックを買うのでしたらハッチバックでしょうね。

2020年1月24日金曜日

Mazda 3の燃費

Mazda 3の2Lガソリンエンジン車はWLTC燃費が15km/L強でしたので、15km/Lくらいは出てほしいと期待したのですが、最初に走ったときの燃費は14km/Lが精いっぱいでした。それでも大都市近郊の高速道路では17km/L出ましたので、WLTC燃費を僅かに下回る結果でした。WLTC燃費は実燃費に近い数字が出ます。新車時には機械部品の当たりが取れるまで燃費が良くないとか、冬タイヤを履いているといった要因がありますので、春先にはもう少し改善しないものかと期待しているところです。

燃料コストについては、14km/Lでレギュラーガソリン140円/Lだと10円/kmと想定通りです。デミオディーゼルの燃料コスト5円/kmの倍ですが、高速代に比べれば大した額ではありません。Mazda 3はディーゼルエンジン車であってもデミオディーゼルよりも重い分燃費で不利で(おそらく6.5円/kmくらい?)、長距離巡航でデミオディーゼルよりも燃料代の安い車なんてそうそうありません。

燃料コストよりもむしろ満タン充電での航続距離の方がネックです。今の燃費だと無給油で走れる距離は600km〜650kmですので、デミオディーゼルのように土日往復800km無給油というわけにはいきません。せっかく長距離走っても疲れない車なのに勿体ないです。一番簡単なのはあまり遠出せずに無給油で往復できるくらいの距離にとどめることです。時間に余裕が出ますのでなるべく下道を走るようにすれば高速代が安くなって燃料コストの増加分を吸収できます。高速道路でゆっくり走ることも考えましたが、燃料代よりも高速代の方が高いので、少し手前で高速を降りて下道を走る方がトータルコストが安くなりそうです。

乗用車で1日に600km以上走ることは滅多にありませんので、毎日給油すればどうにかなりますが、日中に無理なく走れる東京青森間700kmを無給油で走ることはできません。もっとも、日中に東京青森間を走るのでしたら仙台付近で昼食を取りますので、高速道路を降りて昼食のついでに給油することになりそうです。

燃料タンク容量は51Lですが、走行可能距離4kmの状態で満タン給油したときの給油量は45Lでした。タンク容量を目一杯使えれば80kmほど航続距離が伸びるのですが、残り6Lぶんは一体どこへ行ってしまったのでしょうか。ちなみにデミオディーゼルでは燃料タンク容量44Lのうち、運用可能容量が40Lほどでした。ディーゼルエンジンのインジェクターが空気を噛んでしまうとインジェクターが壊れますので余裕を持たせているのは理解できるのですが、直噴とはいえそこまで高圧のインジェクターを使用していない普通のガソリンエンジンにしては余裕を取っている印象を受けます。

今後試したいのは、どのあたりの速度域で燃費が良いかです。デミオディーゼルの場合には時速60kmで信号の無い幹線国道をだらだら走り続けるときに30km/Lくらい出ました。6速1500回転だと80km/hくらいですが、これだと28km/Lくらいでした。高速道路で100km/hで巡航するときで25km/Lです。Mazda 3のガソリンエンジン車はデミオディーゼルよりもギアが低めですので、燃費の良い速度域はもう少し低いのではないかと予想しています。

その後信号の少ない幹線国道を60km/Lで走り続けたところ、18km/Lくらいになりました。高速道路の対面通行区間でも同じくらいでした。高速道路で100km/hで巡航すると16km/Lくらい、一般国道を40km/hから50km/hくらいで走ると14km/Lから16km/Lくらい。ストップアンドゴーの多い市街地で10km/Lくらい。やはり60km/Lで巡航するのが最も燃費が良いようです。燃料1L当たりの走行距離はデミオディーゼルの3分の2くらいでしょうか。高速道路を走ると航続距離が足りなくなりますので、あまり遠くまで行かずに幹線国道を走る方が楽そうです。

それにしてもBMアクセラの1.5L車の実燃費が平均で17km/Lとガソリンエンジン車としてなら受け入れられる燃費である一方、どうしてMazda 3の2L車の燃費はこんなに悪いのでしょう。まず、Mazda 3の2Lは1360kg、BMアクセラ1.5Lは1260kgまたは1280kgと100kgくらい重いというのが一つ。BMアクセラ1.5Lのレンタカーは16インチののホイールを履いているのに対してMazda 3の2Lは18インチのホイールを履いている分、バネ下重量が大きいです。しかしリアサスペンションがトーションビームになってバネ下重量が小さくなった分もあります。Mazda 3のエンジンはヨーロッパの環境規制に対応するため燃焼効率が改善した改良版で、余計な煤が出にくいということはその分燃費が良くなっていなければおかしいです。

2018年5月15日火曜日

平成32年度燃費基準値とデミオガソリンエンジン車の燃費性能

エコカー減税の基準となる平成32年度燃費基準値の資料を参照しました。これによると、デミオのガソリンエンジン車は燃費基準値がJC08モード燃費で23.7km/L、燃費基準値+10%が25.8km/Lです。それに対してJC08モード燃費が24.8km/Lですので、+10%には達せず、最低限のエコカー減税になっています。

平成32年度燃費基準は余裕をもってクリアできていますので、もし23.7km/Lをクリアすることだけが目的なら、1.3Lエンジンでなく1.5Lエンジンでも燃費スペシャルなチューニングをすれば達成できなくもないのではないかと思えてきます。アクセラの1.5Lエンジン車のJC08燃費が20.4km/Lですので、アクセラより2割軽いデミオでしたら1.5Lエンジンでも24.9km/Lを狙えてもおかしくありません。あとは大排気量低負荷で使う場合の熱効率の悪さをどう補うかですが、気筒休止を1.5Lエンジンにも導入できれば低負荷時の排気量が0.75Lにまで減少しますので、燃料噴射を抑制しやすくなります。

CX-3の2Lガソリンエンジン車のJC08モード燃費は17.0km/Lですので、平成32年度燃費基準未達となり、エコカー減税の土俵に乗りません。だからこそWLTCモード燃費表示を全面に出さざるを得ないのでしょう。アクセラの1.5Lガソリンエンジン車は平成32年度燃費基準をギリギリでクリアしていますので、アクセラよりも50kg軽いCX-3に1.5Lガソリンエンジンを積めば平成32年度燃費基準をクリアできたことでしょう(+10%は微妙ですが)。おそらくエコカー減税の土俵から降りて走りやすさを重視したためかもしれません。そもそも排気量が2Lである時点で1.5Lエンジンよりもベースとなる自動車取得税が高いですし、エコカー減税を気にするくらいコストに厳しかったら高価なCX-3を購入することはないでしょう。もし2Lガソリンエンジンに気筒休止を導入できれば多少は燃費が良くなるでしょうが、17.0km/Lからの燃費向上だとエコカー減税は厳しそうです。

ハイブリッドでない自然吸気ガソリンエンジン車がエコカー減税適用ラインに乗るのはなかなか大変です。エコカー減税はトップランナー方式ですので年々ハードルが上がっていきますが、これ以上ハードルが上がったらもはや自然吸気ガソリンエンジンでは無理なのではないかと思えてきます。Skyactiv-Xならきちんと作り込めば燃費性能が向上しそうですが、Skyactiv-Gも併用されることになっており、Skyactiv-Gの改良が今後どうなるのか気になるところです。

2018年2月18日日曜日

走行可能距離表示

長距離を走ると燃料の残が気になります。走行可能距離が0になった時点で給油すると40L給油できますので4L分(60~100km)の余裕はあるものの、これも使い切ると燃料ポンプに空気が入り込んでエンジンが始動しなくなりますので、やはり走行可能距離の表示は気になります。

カーナビに表示される目的地までの距離と走行可能距離の表示とを見比べて十分に余裕があればよいのですが、ギリギリを狙うと途中でDPF再生が始まったときにみるみるうちに走行可能距離が減少していって、結局燃料が足りなくなります。途中で渋滞に巻き込まれる場合にも燃費が悪化して走行可能距離が減少します。また、カーナビ推奨ルートよりも走りやすいルートの方が距離が長い場合には、当初の推奨ルートから離脱した時点で目的地までの距離が増えます。DPF再生や不慮の燃料消費を考慮するといつも100kmくらい余裕を持たせることにしています。

燃料が微妙に足りない場合には途中で給油しますが、1000円分入れれば200km分くらいの余裕が出ます。8Lくらいですので、L単価が数円高くてもせいぜい数十円の差でしかありませんから、無理して安いスタンドを探す必要もありません。

2017年7月8日土曜日

アイドリングストップの無効化

アイドリングストップは積極的に活用したいと思っておりますが、夏の暑い時期にエアコンをつけていると、せっかくエンジンを止めたのに10秒くらいでエンジンが再始動してしまうことがあり、ほとんど燃費に貢献しないのにバッテリーへの負担だけがかかりますので、ステアリング右下のi-Stop offのボタンを押すようになりました。アイドリングストップを無効化するとi-Stopのライトが緑色からオレンジ色になります。

Dレンジのままブレーキを深く踏み込まなければアイドリングストップに入らずに済むのですが、ブレーキペダルの踏み加減を微妙にコントロールし続けると足が疲れますので、アイドリングストップを無効化する方が楽です。

2017年1月8日日曜日

デミオディーゼル(AT)で平均燃費33.8km/Lが出ました

信号の少ない幹線国道を長距離巡航する機会がありましたので、どれくらい燃費が伸びるか試してみたら最高で33.8km/Lに達しました。今までの最高記録28.9km/Lを大幅に上回りました。しかも燃費に不利な冬季での数字です。

走行条件は以下の通りです。

  • 冬タイヤ装着(ヨコハマiceGuard iG50plus)
  • 3号軽油を給油
  • 1人乗車+荷物多め
  • 時速60km前後で巡航
  • 前の車に追従
  • 後ろから速い車が追い付いてくることはなし(追いついてきたらたぶん道を譲ったと思います)
  • 路面はドライ
  • 勾配曲線ともに緩め
  • クルーズコントロール不使用(前車追従だったのと、下り坂や赤信号手前でエンジンブレーキを活用したかったため)
  • 信号待ちでアイドリングストップ使用
  • DPF再生無し

この条件ですと普通に走れば28km/Lくらいを達成できますので、まずは28km/Lを目指して走ったところあっさりクリアして、次は30km/Lを達成したいと思ったらそれも達成してしまい、33km/Lを越えた辺りから34km/Lを目指したものの、市街地に近づくにつれて信号が増えて33.8km/Lをピークに徐々に平均燃費が低下し、DPF再生が始まったら大幅に平均燃費が下がりました。その後は混雑する市街地を走ったり雨が降ってきたりと燃費に不利な状況が続きましたので、平均燃費が回復することはありませんでした。

感想は以下の通りです。

1)デミオディーゼルの燃料コストの安さ

33.8km/Lとなると、100km走行するのに必要な燃料は3L弱。軽油価格が100円/Lの場合の燃料コストは3円/km弱、100km走行で約300円、軽油価格が80円/Lの場合は2.4円/km弱、100km走行で約240円です。

2)ヨコハマiceGuard iG50plusの燃費性能

夏タイヤのトーヨーProxes R39から最初に履き替えたときに冬タイヤなのに燃費が良くなりました。ドライ路面での操縦安定性もなかなかのものですし、スタッドレスタイヤの割には減りにくいです。少々値段が張りますが、なかなか優秀です。

3)下り勾配のエンジンブレーキで平均燃費向上

燃料消費がほとんどなくて距離だけ伸びるのですから平均燃費が向上するのは当然なのですが、1回坂を下ってしばらくすると平均燃費が0.3km/Lくらい向上したのには驚きました。

4)コーナリング時の走行抵抗

一定速度で巡航していたらあとは差がつくのはコーナリング時くらいです。走行抵抗はステアリングの切り角に比例しますので、コーナーの手前で十分に減速し、早めにステアリングを切り始めることで最小限の切り角で曲がるようにすると、走行抵抗を減らすことができます。タイヤのグリップ力を効率よく使うと速く走れるだけでなく、公道でも最小限のグリップ力で曲がれるようになりますので燃費が良くなります。むろん安全上のマージンも大きくなります。