アクセラ1.5Lはレンタカーで好んで乗るのですが、前回G-ベクタリングコントロール導入後の後期型に乗った際にはどっしりした乗り心地と改善したとおぼしき静粛性に対して非力なエンジンがマッチしておらず、非力さばかりが際立つ印象を受けました。街乗りでノロノロ走る分には静かで乗り心地が良いですし、パワーを要さない高速巡航時の乗り心地も改善したのですが、町中ではもう少しアクセルを踏み込まないとまともに走らず、結果的にエンジン音のうるささとパワーの不足が際立ちます。想定内の挙動はさほど気になりませんが想定外の挙動は気になりますので、体感で損をしています。
前期型でも非力であることに変わりなく、ギアが低めなのと直噴エンジンであることもあいまって、エンジンを始動した時点でガーガーとうるさいのですが(アイドリング時の回転数が高いため、デミオディーゼルのエンジン音よりもうるさく感じます)、その一方で街乗りでアクセルを踏み込んだ際にも急激にうるさくなるわけではありませんので、あまり非力さを感じません。むしろ、積極的にエンジンを回すことで非力なエンジンからパワーを絞り出す楽しみがあり、ワインディングでは速くはないものの楽しく走れますし、普通に町中を転がすだけでもぬるぬる動く足によるねっとりした乗り心地が気持ち良いです。この気持ちよさはデミオには無いものです。特にセダンは車体剛性が高いためか、足がよく動くように感じられます。アクセラの1.5Lエンジン車はこの軽快さこそが身上だと思います。後期型の新車よりも前期型の状態の良い中古を探した方が満足できるのではないでしょうか。それか、後期型の新車の中から選ぶのでしたら少し予算を増やして1.5Lディーゼルエンジン車にすれば低回転でのトルクが太い分ストレスなく走れるかもしれません。
一括企画のおかげで新しい技術がすべての車種に反映されるのはありがたいことですが、アクセラ1.5Lガソリンエンジン車をどういうキャラクターの車にしたいのかよく考えた上で味付けしないとせっかくの持ち味を発揮できなくてもったいないです。