RON95でのSkyactiv-G 2.0の性能を調べてみたくなってUK版のMazda 3の諸元表を見てみました。
まず驚いたのは、欧州では既にSkyactiv-Xが主流になっており、Skyactiv-Gは廉価版しか残っていないことです。ROM95なら圧縮比14が可能なはずですが、Skyactiv-Gは圧縮比13しかありません。マイルドハイブリッド付で出力122psというのは従来のままです。出力を絞っていない上位グレードはSkyactiv-Xに移行してしまったのでしょう。斜め渦燃焼で圧縮比を14に引き上げたら多少燃費が良くなるかもしれません。
次に驚いたのは、欧州では既にSkyactiv-G 2.0にも気筒休止が導入されている一方で、Skyactiv-Xには気筒休止が導入されていないことです。Xは制御が複雑で、まだ気筒休止を導入できていないのかもしれません。しかし、Skyactiv-G 2.0で気筒休止を可能にする制御ソフトウェアが既にあるなら日本版にも導入すれば他社同クラスよりも劣る高速燃費が改善しそうですが、どうして日本版ではまだ導入されていないのでしょう。日本の公道の速度域ではあまり効果がないのでしょうか。
燃費の数字はさすがに日本版よりも良いです。気筒休止付Skyactiv-G 2.0のマイルドハイブリッドのAT車の燃費のmiles per gallonをkm/Lに変換すると以下の通りです。
Combined:19.7-20
Low:14.5-14.6
Medium:20.4-20.7
High:22.7-23.1
Extra High:19.4-19.7
この計測方式がどこまで実燃費に近いのか知りませんが、日本だとBセグメント車並の燃費です。日本版のMazda 3のSkyactiv-G 2.0でもこんな燃費で走れれば申し分ないのですが。気筒休止がついていてもExtra Highだと燃費が落ち込むものですね。空気抵抗が増える分はエンジンではどうにもなりません。
せっかくですのでMazda 2の諸元表も見てみました。1.5LのSkyactiv-Xがまだありませんので75psの廉価版と90psの上位版との2種類があり、90ps版にはMTだけでなくATもありますが、AT車にはマイルドハイブリッドがついていません。欧州の燃費規制への対応の足しになるのならマイルドハイブリッドをつけても良さそうに思えますが、UKではこのクラスでAT車を買う人があまりいなくて、コストをかけてまでマイルドハイブリッドをつけるまでもないという判断が働いたのでしょうか。さすがに1.5Lエンジンには気筒休止がありません。高回転で負荷に余裕がなければ導入する意味がありません。
圧縮比はどれも13です。ROM95なのにどうして圧縮比を13に抑えているのでしょうか。かつては4-1排気管の廉価版が圧縮比12で、4-2-1排気管の上位版が圧縮比14だったのですが、どのような考え方の変化によるものなのでしょう。
90psのAT車の燃費は以下の通りです。単位はすべてkm/Lに換算されたものです。
Combined:20.4
Low:16.0
Medium:21.9
High:23.6
Extra High:19
車体が一回り小さいだけあって主に低速域の燃費はMazda 3よりも少し良いですが、重量の差に比べると燃費の差はさほど大きくありません。しかも、Eatra HighではMazda 3よりも燃費が悪いです。気筒休止がついていないというよりもむしろ、小さい車ほど天地寸法が大きいので、空気抵抗が効いてくる領域では空力性能の悪さが影響するのかもしれません。