2021年6月30日水曜日

斜め渦燃焼のエンジンは欧州レギュラーガソリン仕様で圧縮比をいくつにできるのか

タイトルだけで書きたいことを書いてしまったような気がしますが、日本のレギュラーガソリン仕様で圧縮比14を実現できるなら、オクタン価の高い欧州レギュラーガソリン仕様ならもっと圧縮比を高くできるのではないでしょうか。

もしかしてSkyactiv-X(日本仕様もハイオク指定)と同様に圧縮比15まで実現できるのでしょうか。Skyactiv-Xは高負荷域では通常の火花着火で、圧縮比15でもノッキングせずに火花着火していますし、改良前の欧州仕様のSkyactiv-Xは圧縮比16.8でしたから、燃焼制御を精緻化できればもしかしてそれくらいは可能なのでしょうか。Mazda 2が欧州でも商品改良されたら仕様が公表されるでしょうから、そのときになればわかるはずです。

そもそもSkyactiv-Xは日本のレギュラーガソリン仕様でも圧縮比15でしたから、コストをかけて筒内圧センサー等の補機をつけたり工作精度を高めたりすればSkyactiv-Gも日本のレギュラーガソリンで圧縮比15までは行けるのでしょうか。費用対効果を考えたらたぶんやらないでしょうけど。

欧州の方が燃費規制等の環境規制が厳しいので、燃費に有利なことは何でもやるはずですが、その一方、欧州ではSkyactiv-Xが売れ筋ですので、さほど数の出ないSkyactiv-Gでわざわざそこまでする動機がないという考え方もあります。1.5LエンジンのMazda 2は圧縮比12の廉価版も並行して販売していますので、Skyactiv-Xの1.5L版に移行した上で従来型のエンジンを廉価版のまま残すという可能性もあります。欧州仕様特有の事情としては、1.5Lで100ps、2Lで120psと出力を抑えて販売していますので、そもそも本来の最大出力で回す機会がなく、斜め渦燃焼にしてもさほど効果がないという可能性もあります。そのため、技術的に可能であるということと市販するということの間には差異があります。