2021年8月3日火曜日

UK版のMazda 2の諸元表を見てみました

UKでも改良版1.5Lエンジンを積んだMazda 2が発売されましたので、諸元表を見てみました。Mazda 2にはディーゼルエンジンもSkyactiv-Xもありませんので、もうしばらくSkyactiv-G 1.5で頑張らなければならないのでしょうが、この期に及んでSkyactiv-Gの改良をしているということは、Skyactiv-Xの1.5L版が出るまでもうしばらくかかるのでしょうか。

まず圧縮比は13から15に向上。15というのは改良版Skyactiv-Xの圧縮比と同じです。これに伴い低回転でのトルクが向上しています。トルクのピークも4000回転から3500回転に下がっています。0-62mphに要する時間はMT車では僅かに短縮されていますが、AT車では却って微増。低回転でのトルクが太くなった分、燃費のために早めにシフトアップしているのでしょうか。車両重量が10kg前後重くなっているのはなぜでしょう。今回の改良でマイルドハイブリッドをつけなくなった75psモデルですら重量が増えていますので、4-2-1排気管導入によるものでしょうか。

燃費はだいたい1割ほど向上しています。実燃費でこれだけ出れば大したものです。燃料タンクの大きさが同じで燃費が1割向上すれば、満タン給油での航続距離も1割伸びます。もともと欧州での燃費規制に対応するのが目的ですので、燃費重視であるのは順当です。しかしSkyactiv-Gでも燃費がここまで良くなってしまったら、果たしてSkyactiv-Xは必要なのでしょうか。それともXだとさらに燃費が良くなるのでしょうか。

燃費が最も良いのは売れ筋であろう90psMTモデル。次が今回の改良でマイルドハイブリッドが無くなった廉価版の75psMTモデル。追加された115psMTモデルはそれよりも劣り、90psATモデルはさらに劣ります。意外なのは75psモデルの方が燃費が劣ること。燃料噴射を絞っている分、加速に時間がかかるのでしょうか。低出力仕様は税金や保険料が安いために欧州で好まれていますが、燃費規制が厳しくなってくると税金や保険料よりも燃費を重視するようになるかもしれません。

ATモデルには改良前からもマイルドハイブリッドもついていませんが、どうせ売れないのだから企業平均燃費には影響しないと割り切っているのでしょうか。それともマイルドハイブリッドは燃費向上にはあまり効いていなくて、単にシフトショックが軽減されるくらいの効果しかないのでしょうか。ATモデルがいろいろな意味で重視されていないのが見て取れます。

しばらく廃盤になっていた115psモデルが復活したのはなぜでしょうか。たしかに90psモデルよりも速いですが、税金や保険料や燃費を犠牲にするほど魅力的なパワーなのか疑問です。そもそも贅沢品として買うのでしたらもっと上のクラスの車を買うのではないでしょうか。実際には売れることは全然期待していなくて、今回の燃費向上で企業平均燃費に少し余裕が出たのでカタログ映えするモデルを載せられるようになったということでしょうか。「本気を出せばくれくらい走れる」というのが無いと車本来の性能がわかりませんから。