2023年10月7日土曜日

もしかしてロータリーエンジンによるシリーズハイブリッドは電動化スポーツカーには使えるのだろうか

ロータリーエンジンはシリーズハイブリッドで使う分には燃費性能が不足しているように見えますが、燃費に敏感なBセグメントやCセグメントの量産車ユーザーならともかく、ロードスターに乗るような人はさほど燃費を気にせずに、むしろロータリーエンジンの回転音や電気モーターの太いトルクによる加速を楽しめるかもしれません。それにスポーツカーはあまり数が出ませんので、多少燃費が悪くても企業平均燃費規制への影響は僅少でしょう。

テスラならともかく、スポーツカーが蓄電池で重くなってしまってはライトウェイトスポーツカーのような機敏な走りができませんので、ロードスター後継の電動化スポーツカーをもし出すとしたら、おそらく蓄電池自動車ではないのではないかと予想しています。蓄電池よりも軽くてエネルギー密度が高いのはロータリーエンジン+ガソリンです。MX-30 R-EVのパワートレインはMX-30のエンジンルームに積む分にはまだスペースに余裕がありますので、だったらレシプロエンジンでもよいのではないか、日産やホンダはできているのにと思いましたが、ロードスタークラスのライトウェイトスポーツカーのエンジンルームに収めようとしたら小型軽量化が必要でしょう。

ロードスターはFRですので車体中央にドライブシャフトが通っていますが、後輪車軸付近にモーターを配置するならドライブシャフトが不要になり、設計の自由度が増します。前輪側のモーターも残せば4WDになります。できれば4輪にインホイールモーターがつけば面白そうですが、数の出ないスポーツカーでは開発費の回収が厳しそうです。

ロードスターはもともとMazda 2用の1.5Lエンジンをベースにしていたり、内装部品もMazda 2と共通だったりして、量産部品を活用することでコストを圧縮しています。ロータリーエンジンによるシリーズハイブリッドも量産車と共通化することでコストを圧縮できるかもしれません。MX-30 R-EVで採用されている技術は、MX-30単体で見る限りではあまり合理性を見いだせませんが、もしロードスター後継者まで念頭に入れているのであれば、もしかしたらありかもしれません。MX-30 R-EVのハイブリッドモードの燃費が悪いのは、もしかしたらエンジン回転数を変化させているためかもしれず、それはMX-30ではさほど意味があるように思えませんが、ロータリーエンジンを積んだスポーツカーには必要なことかもしれません。

ロードスター後継の電動スポーツカーのためにそこまでするかという気もしないでもありませんが、先日のロードスターのマイナーチェンジのために注いだ開発陣の熱量ならありえなくもありません。