2024年6月19日水曜日

欧州向けMazda 3のガソリンエンジンが2.5Lに

2024年に発表された欧州向けMazda 3の2025年モデルでは、ガソリンエンジンが北米向きと同様に2.5Lになりました。もともとマツダは排気量が大きい方が低回転でエンジンを回すことができ実燃費が良いと主張していましたので、だったらどうして欧州向けのMazda 3のエンジンを2.5Lにしないのだろうと思っていました。欧州の税制は排気量ベースではなく出力ベースですので排気量を大きくしても出力を絞れば税負担は増えません。また、出力を絞ることで実燃費を向上させることもできます。

そういうわけで欧州向けのMazda 3の2.5Lエンジンは140psとのこと。日本仕様の2Lエンジンの出力が156psですのでそれよりも低いですが、高回転域での燃料噴射を抑制した結果ですので低回転での太いトルクは2.5Lエンジンのままです。1.5Lディーゼルエンジン並のトルクですので、高速道路での巡航では走りやすくなるのではないでしょうか。しかしそうなるとSkyactiv-Xはどうなるのだろうかと気になります。製造コストについては、補機類の少ないSkyactiv-2.5Gの方が有利です。

日本向けのMazda 3も一部グレードで受注を停止しており、商品改良の発表が間近と思われますが、日本向けではどうなるのでしょう。日本は排気量課税の国ですが、円が安くなった結果、すっかりガソリン代が高くなってしまいましたので、もし税制上の不利を補えるくらい実燃費が改善するなら2.5Lエンジンでもよいのではないでしょうか。燃費対策は欧州向けと同様に出力を絞ればよいわけですし。どのみち公道ではそこまで大きな出力が必要ありませんので、一部スポーツグレードだけ出力を絞らないことにして、廉価版では低出力版を売れば、企業平均燃費の数字が良くなります。ディーゼルエンジン車の販売を継続するかどうか知りませんが、もしディーゼルエンジン車の販売をやめるのでしたら、それを補うべく低回転でトルクの太いパワートレインが求められることでしょう。

逆にエンジンをしっかり回すのでしたら1.5Lエンジンの方が日本の道路では楽しく走れます。商品改良を機にMazda 2と同様に圧縮比を14にすれば燃費を改善できそうですし、Mazda 2のエンジンと共通化できます。Mazda 3の1.5Lエンジンはしっかり回す前提ですのでマイルドハイブリッドのモーターアシストによる燃費改善効果はさほどないかもしれませんが、それでも最近の車は電装品の消費電力が大きいので、オルタネーターの容量を増やすことによる電力回生の効果は期待できそうです。