1.変速機が異音を発しない
FF車用の6速ATは2010年に登場したものですので技術的に枯れています。
横置きでは6速までが限度とされてきたため、最近はレシオカバレッジでCVTに負けており、高速域の燃費ですらCVTに負けるという情けないことになっていますが、欧州車で徐々に8速ATが出回っており、トヨタもFF車用の横置きの8速ATを開発しましたので、そろそろ8速ATになってもいい頃かなとは思うものの、マツダが開発するとFR車用の縦置き8速ATがベースになるでしょうから、ここは思い切ってトヨタから買ってほしいものです。
2.サスペンションの品質問題がない
フロントのストラットもリアのトーションビームも技術的に枯れていますので、品質問題がありません。
第7世代になってスモールプラットフォームのリアサスペンションがトーションビームになりましたが、曲がる性能は良好です。リアサスペンションに不自然なトーインがありませんので素直に曲がることができ、FF車なのに気持ちよく曲がれます。ガソリンエンジン車ならノーズが軽いのでなおさらです。駆動と操舵を担うフロントサスペンションは硬めですが、リアサスペンションはそこまで硬くありません。
3.走行距離が増えると乗り心地が落ち着いてくる
Mazda 3は新車時にはあまりにガタガタして「こんな車で長距離走れるか」と思いましたが、その後走行距離が伸びるにつれて乗り心地が落ち着いてきました。10000kmを超えればだいぶましになります。低速域のゴツゴツや高速域のコツコツくらいなら許容範囲内です。第7世代車はハーシュネスを若干犠牲にして人間工学的に疲れにくい車として設計されており、運転していても車体がフワフワしないことは実感できます。
4.FF車ならではの伸びやかなエクステリアデザイン
CX-8とCX-60とを見比べてみればわかりますが、直列6気筒縦置きエンジンを積むラージプラットフォームはボンネットが角ばっているのに対し、直列4気筒横置きエンジンを積むFF車のボンネットは伸びやかです。
5.広くはないが長距離でなければ大人4人乗れないこともない
さすがにBセグメント車の後席は補助席としてしか機能しませんが、Cセグメント車の後席なら短距離ではさほど苦になりません。たしかに大人4人で長距離を移動するとなるとDセグメント車以上の車格が求められるでしょうが、そもそも日本で大人4人で長距離を移動する機会などほとんどありません。ろくに使いもしない後席のために高価で大きい車を購入する動機がよくわかりません。
Cセグメントで後席の広い車がほしければインプレッサがあります。北米向きということもあり車内が広々としています。インプレッサも燃費を除けば良い車です。
6.ラージプラットフォームの車よりも安い
300万円の車で許容される乗り心地でも500万円600万円の車で同じ乗り心地なら許容されないでしょう。乗り心地が同じなら安い車の方が気楽に過ごせます。浮いたお金でおいしいものを食べたり旅に出たりできますし。マツダはラグジュアリーカーには興味がないようですので、予算に余裕があってラグジュアリーカーに乗りたければレクサスなりアルファードなりを選ぶ方が満足できるのではないでしょうか。
7.USBデバイスを挿しても車が壊れない
Mazda 3はラージプラットフォームほど新しくありませんので、マツダコネクトがそこまでデリケートでなく、音楽再生用にUSBメモリを挿しても特にトラブルがありません。
8.最大幅1800mm未満で取り回しが良い
北米では道路も駐車場も広いので大きくてパワーのある車が好まれますが、日本の劣悪な道路事情および駐車場事情では小さい車の方が取り回しが良いです。クラウンもFFになる前の先代までは横幅1800mmでした。さすがにMazda 3のファストバックは乗る人を選ぶでしょうが、CX-30なら比較的とっつきやすいのではないでしょうか。CX-30では小さすぎるというのでしたら最大幅1845mmではありますがCX-5がありますし、CX-5なら大人4人で乗るにも十分な広さです。1850mmクラスの横幅といえば、現行型クラウンやハリアーやアルファードもこの幅で、日本の公道では概ねこのサイズが限度です。
9.重心が低い
市販車がSUVやミニバンばかりになってしまいましたので、市販車の中ではかなり低い方です。現行型プリウスも同じくらいの全高です。運転するなら重心が低い方が気持ちよく運転できます。小さい車は前後左右が狭い代わりに高さ方向で室内のスペースを確保しようとしますので、あまり小さくない車の方が車高が低いです。
Mazda 3では市販車には珍しくセダンを選ぶこともできます。ラージセダンなら市販されていますが、Cセグメントでセダンを選べるのはMazda 3とカローラだけです。シビックもインプレッセもセダンをやめてしまいました。