2025年1月12日日曜日

Mazda 3の1.5LのAWD車で雪道を走ってみました

今までマツダ車のAWDを雪道で試す機会がありませんでした。ディーラーでMazda 3の1.5LのAWD車を少しだけ試乗したことはありましたが、ドライ路面でしたので、単にパワーがなくて重くて遅いだけの車でしかありませんでした。このたびやっと積雪期にレンタカーでMazda 3の1.5LのAWD車に当たりましたので、雪道での走行を試すことができました。タイヤはダンロップのWinterMaxx02でした。レンタカーですので16インチです。

調べ物のために諸元表を見たら、2023年4月以降は1.5LのAWD車はなく、AWDを買いたかったら2Lエンジン車しかないようです。Mazdaとしてはなるべく2Lエンジン車を買ってほしいのでしょうが、だったら2Lエンジン車の燃費性能を1.5Lエンジン車並に引き上げてほしいものです。2Lエンジン車にマイルドハイブリッドがついてから、WLTC燃費はマイルドハイブリッド無しの1.5Lエンジン車に近い数字が出ていますが、まだ2Lのマイルドハイブリッド車に乗ったことがありませんので、実燃費がどの程度なのか知りません。個人は2Lエンジン車を買えばよいとして、これまで1.5LエンジンのAWD車を買っていた寒冷地のレンタカー屋さんは一体何を買えばよいのでしょう。さすがにこのクラスのために2Lエンジン車を買うことはないでしょうから、同じクラスでAWDの設定のある他の車に鞍替えでしょうか。

当初はドライ路面ばかりでこれでは雪道でのAWDの性能を評価できないのではないかと懸念しましたが、曲がる性能は申し分なかったです。FF車は弱アンダーステアですので高い速度でコーナーに突っ込むと外に膨らんで曲がりきれないものですが、曲がる際に何のストレスもなかったので、ドライ路面で意図的に高めの速度でコーナーに突っ込んでみたものの、難なく曲がれてしまいました。雪道でなくても気持ちよく曲がれるということにAWD車の価値を見出すのはありだと思います。たまに路地で踏み固められたアイスバーンを通りましたが、ごく当たり前に通過できました。

燃費はFF車なら20km/Lくらい、FFの2Lエンジン車なら18km/Lくらい出そうな条件だから18km/Lくらい出ればいいかなという程度に思っていたら、まさかの20km/L超え。WLTCモードではFF車との燃費の差が0.8km/Lくらいの差があるのですが、だとしたらFF車は同じ条件で走って21km/Lくらい出るのでしょうか。1400kgもある車を自然吸気ガソリンエンジンで走らせる燃費としては驚異的です。Bセグメント車並の燃費性能です。同じCセグメントのカローラハイブリッドのAWD車の実燃費が25km/Lくらいですので、自然吸気ガソリンエンジンでハイブリッド車の8割の燃費性能を出していることになります。ちなみにAWD車のWLTCモードは平均で15.8km/L、郊外モードでも15.7km/Lです。

運転していると市街地ではほぼ2000回転以内で収まっていました。さほど急でない上り坂でも2000回転強でした。エンジンの圧縮比は13のままですのでトルクが太くなったわけでもないはずなのですが、なぜかトルクにゆとりがあり、低い回転数でも難なく加速できました。滅多に高速道路を走らないなら1.5Lで十分ではないでしょうか。レンタカーでは下から2番目のクラスでヤリスハイブリッドやアクアと同じクラスですが、このクラスの中では内外装および走りの質感が群を抜いています。燃費さえ気にしなければ乗り得な車だと思います。これがマツダの顧客獲得につながればよいのですが。

8万km近く走った個体ですのでサスペンションの当たりが取れており、フロントサスペンションはたしかに硬くてやや突き上げを感じますが、ふわふわした動きはなく、16インチということもあり乗り心地は良好でした。レンタカーでFF車に乗った際には純正のヨコハマBluEarth-GTを履いており、ヨコハマは比較的サイドウォールが柔らかめですので高速道路で若干ふわふわしましたが、ダンロップはサイドウォールが硬めで16インチでもふわふわしません。

そうしているうちに雪が降って積もってきて雪道になりました。気温0℃くらいですのでベタ雪です。湿ったベタ雪が積もると積もった雪が動いて踏ん張りが効かなくなりますので、積雪路面では一番滑ります。積雪量が少ないうちは、路面の荒れた舗装道路を走るような感覚でした。積雪量が増えてくるとさすがにAWDでも轍に足を取られて滑りやすくなりますが、それでもFF車よりも高い速度が出ていました。同じ冬タイヤを履いていてもFF車だと後ろのふんばりが効かないためにどうしても滑るのですが(普通に走っているつもりでも燃費が下がったりi-DMのスコアが下がったりします)、AWDだとそういうことがなく安定して走ります。さらに驚いたのは、雪道を走っても全く平均燃費が下がらなかったことです。FF車は滑るということを前提にすれば、重いAWD車の方がむしろ雪道では燃費が良いですね。積雪地帯でAWD車ばかり売れるのがわかるような気がします。マツダのAWDでここまで走るのでしたらインプレッサのAWD車で同じ条件で走ったらどんな走りをするのか気になりますが、まだ乗ったことがありませんのでわかりません。

AWDとは全く関係ないのですが、降雪中に走るたびに前方のレーダーに着雪してクルーズコントロールその他安全装置が機能しなくなります。雪道を走ることは当然に想定すべきことですので、着雪しにくい形状にするとか、エアを吹き付けるとか、空気の整流で雪を飛ばすとかして、どうにかならないものでしょうか。AWD車は寒冷地仕様としてヘッドライトウォッシャーがついているのですから、同様にレーダーウォッシャーがあってもよいのではないでしょうか。

2025年1月1日水曜日

Mazda 3にダンロップの冬タイヤWinter Maxx WM03を装着

今までダンロップの冬タイヤWinter Maxx WM02を5シーズン履いてきましたが、さすがに5シーズン目は雪道で滑るようになりましたのでそろそろ新しい冬タイヤにしなければと思っていたところでした。諸般の事情によりダンロップですが、それ故に2024年に発売されたばかりのWinter Maxx WM03を履くことができました。 

ダンロップのホームページ上の情報によると、氷上性能は02よりも向上した一方で、02よりも摩耗しやすくなったとのこと。摩耗しても性能が落ちなければ問題ありませんし、今まで冬タイヤをスノープラットフォームが出るまで使ったことがありませんし、長持ちしても雪道で滑っては冬タイヤの意味がありませんので、バランスは良くなったのではないでしょうか。

冬タイヤを履いた直後にドライ路面を走った印象では、02同様に冬タイヤだからといって特に不安定な感じはせず夏タイヤと同じように走れますし、音も静かに感じました。冬タイヤ特有のパターンノイズがするかなと思いきや、わずかに聞こえる程度。むしろロードノイズの方が大きく感じられました。冬タイヤでこの感じでしたらあまり雪の降らない地域に済む人が保険として冬タイヤをつけるのに良いのではないでしょうか。

おろしたての冬タイヤですのでトレッド面が柔らかくかつ分厚く、Mazda 3の足との組み合わせでは乗り心地が良く感じられました。Mazda 3は冬タイヤだからといって操縦安定性能がさほど悪化する印象がありません。まだ試したことがありませんが、もしかしてMazda 3とオールシーズンタイヤとの相性が良かったりするのでしょうか。

雪が降った直後に雪が溶けずにアイスバーンが残った道を走りました。最初ですのでどの程度滑るかわからず、おっかなびっくり走りましたが、特に足を取られることなく普通に走れました。むしろおろしたての冬タイヤで普通に走れなかったら困りますが。

圧雪路を走ったところ、特に問題なく走れました。勾配の大きめのまっすぐの圧雪路を走っても問題なし。圧雪路は雪道の中で最も走りやすいので、さすがにこれで滑ったら他の雪道も走れないでしょう。

湿った雪の積雪路も走りましたが、これは意外と滑ります。踏み固められていればグリップするのですが、そうでないと足を取られやすいです。寒ければ乾いた雪になりますが、日本では気温0℃前後でも雪が降り、この気温での雪は滑りやすく感じます。しかしこれはタイヤの性能だけではどうにもならないでしょう。