2026年7月23日にMazda 3とCX-30の商品改良が発表されました(マツダニュースリリース)。
今回の目玉は1.8Lディーゼルエンジンの廃止と、代りに設定された2.5Lガソリンエンジンの設定です。尚、Mazda 3ファストバックでは2Lエンジンが廃止され、1.5Lエンジンと2.5Lエンジンだけです。Mazda 3セダンとCX-30は2Lエンジンと2.5Lエンジンのみです。ガソリンエンジンはすべてマイルドハイブリッドです。1.8Lディーゼルエンジンが廃止されるのはそのままでは次世代のディーゼルエンジンの環境規制に対応できないからですが、電動化の時代には電気モーターでトルクを補うことができますので、低回転高トルクのディーゼルエンジンで環境規制に適応するよりも電動化ガソリンエンジンの方がやりやすいからでしょう。
かねてからマツダは排気量を大きくする方が燃費に有利と主張していますので、燃費はどうだろうと思って見てみると、2.5L車は2L車よりもWLTC燃費が0.8km/Lほど劣ります。2.5L車は2L車よりも重量が40kg大きい分だけ燃費に不利ですし、排気量が大きくなった分をパワーとトルクに振っているようです。CX-60のディーゼルエンジンのように排気量を燃費性能に振れば燃費が良くなるはずですが、2.5Lガソリンエンジンで極端に燃費寄りにするとディーゼル車ユーザーの満足する動力性能を確保できないのかもしれません。欧州版も北米版と同様に2.5Lになりましたが、欧州では出力で税金や保険料が決まる仕組みですので、高回転域の燃料噴射を抑制して出力を抑制する仕様です。
2.5Lエンジンをパワーとトルク優先にするならディーゼルエンジン代替という狙いが明確ですが、だからといって北米向けのような2.5Lターボエンジンではありません。日本の道路では2.5Lターボエンジンなんて持て余しますし、しかも燃費も悪いです。
ディーゼルエンジンを好む人は低回転での太いトルクを好みますので、だったらかつての欧州車がこぞって採用したようなダウンサイジングターボ(今ではライトサイジングターボ)でもよいのではないかという気がします。1.5Lエンジンにターボをつければ日本の公道の実用的な速度域では十分ではないでしょうか。といっても今のマツダの体力でターボ付きエンジンを設計できるとは思えませんし、マツダはもともとダウンサイジングターボは効率が悪いと主張していますので、次善の策として高回転域で出力を抑えた欧州版2.5Lエンジンをそのまま日本向けに持ってきてもよかったのではないかと思いますが、燃費にはほとんど貢献しないのでしょうか。
おそらく2.5L自然吸気エンジンは過渡期の産物で、Skyactiv-Zが登場したら同じ排気量でSkyactiv-Zのストロングハイブリッドに移行するのではないでしょうか。売れ筋のCX-5と同じパワートレインを採用するなら開発コストを抑えられます。ストロングハイブリッドならガソリンエンジンは2Lもあれば十分ではないかという気がしますが、Skyactiv-Zは希薄燃焼を目指すようですので、そうなると必然的に排気量が大きくなります。2.5Lエンジンで1.5Lエンジン並のパワーで、それを電気モーターで補うことで2Lエンジン車くらいの動力性能を目指すのではないかと予想します。
既にストロングハイブリッドの技術を持っているトヨタは1.5L4気筒エンジンの開発を進めているようで、電動化を前提にエンジン排気量を縮小する方向のようです。そちらの方が素直な設計ではないかと思いますが、それができるのはハイブリッドの技術を持つトヨタだからであって、マツダがすぐに自前で実現できるものでもありません。
この時代ですので価格は少し上がっていますが、その代りCX-5と同様にトヨタ製のADASが採用されるようですので、それなら値段に見合った価値だと思います。
2.5Lエンジン車が日本でどの程度売れるかわかりません。価格が高く燃費も悪いですし、日本の公道で走るなら2Lエンジンでも間に合います。単に1.8Lディーゼルエンジンをやめるので、代りに何かださなければならないという程度の位置づけではないでしょうか。一部のもの好きしか買わないなら、たとえ燃費が悪くても企業平均燃費に影響しないでしょう。