トヨタ86がマイナーチェンジで「Gモニター」を搭載するようになりました。Gモニターがどのようなものか、トヨタのプレスリリース(TOYOTA、86をマイナーチェンジ
-ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦などで得た知見をもとに、鍛え直した「走りの味」-)を見てみると、中央のタコメーターの右側にG-Bowlアプリのような画面が表示されています。同じ場所には「パワー・トルクカーブ」や「ストップウォッチ」等、走り屋にとって便利な情報が表示されるようで、スポーツカーらしい機能だと思います。
Gモニターの方がi-DMよりも情報量が多くて練習の足しになるのではないかと思います。i-DMが最初に搭載されたときには中央のスピードメーターの真ん中に大きな画面で表示されていましたが、それでは目障りだからということで、マツダコネクトが導入されたBMアクセラから、中央には小さいランプが点灯するだけでそれ以外の情報はマツダコネクトのディスプレイで表示させるようになりました。1st Stageから3rd Stageくらいでしたら色つきのランプが点灯するだけでも十分に情報価値がありますが、4thとか5thとかのエクストラステージになると判定の基準が厳しくなって、具体的にどこのどのような部分に課題があるのかわかりにくい感があります。単に「ヘタクソ」と言われるよりも何がどう下手なのかがGの移動によって可視化される方が改善の足しになります。それならばいっそのこと4thとか5thとかはやめてしまって、より上を目指す人向けにG-Bowlアプリと同様の情報を表示できるようにした方がよいのではないでしょうか。今でも運転技量の向上に真剣に取り組んでいる人はG-Bowlアプリをi-Phoneに入れてGの動きを可視化しているようですし。
もちろんマツダ車は広く一般に販売される市販車ですのであまり目立つ所に表示させると目障りかもしれませんが、マツダコネクトのディスプレイに表示するくらいはしてもよいのではないかと思います(今でもi-DMアプリを表示させながら走ることは可能です)。もともと加速度センサーによって加速度のデータは取得していますので、それを表示させるソフトウェアを作れば済むことですし、判定ロジックをかませて緑とか青とか白とかに変換するよりもGの生データをグラフに表示させる方がむしろ容易なはずです。
あと、これは既にいろいろな人が言っていることかもしれませんが、せっかく運転技量の改善を促すツールを搭載しているのですから、i-DMを活用した運転技術の参考書がマツダ監修で出版されればとてもありがたいのですが、そこまで手が回らないのか、あるいはテストドライバーにとってあまりに当たり前すぎるのか、未だに実現していません。例えば、車が曲がる原理なんて興味を持って調べるかあるいは人から教わったりしない限りなかなか直感的に理解できません。大抵は「ハンドルを切れば曲がる」くらいにしか考えていません。自分のようなド素人に噛んで含めるように説明するのは、わかっている人にとってはむしろ難しいかもしれませんが、そういうのが得意なテクニカルライターがいないものでしょうか。
それにしても今回の86の件で思ったのは、トヨタがマツダの持っている良いものを認めて本気を出したらマツダなんてひとたまりもないのではないかということです。