CX-3は日本では1.5Lディーゼルエンジン車だけですが、日本以外の国では2Lガソリンエンジン車も販売されています。日本でディーゼルエンジン車しか販売しないのは営業上の判断でしょうが、都市部での需要を見込んだCX-3が長距離巡航に適したディーゼルエンジンしか搭載しないとなると、あまり台数を見込めないのでしょうか。それこそ純粋にエクステリアデザインだけで買うか、あるいは週末ごとに遠出するかでしょうが、いずれにせよあまり台数が出そうにありません。
コンパクトSUVの中でヴェゼルが最も売れているのは、街乗りに適したハイブリッド車と安価な自然吸気ガソリンエンジン車のラインナップだからで、マツダの場合はハイブリッド車は難しいかもしれませんが、安価な自然吸気ガソリンエンジン車があればもっと台数が出るのではないでしょうか。
素直に考えれば2Lガソリンエンジンということになるのでしょうが、日本の道路でしたら1.5Lでも十分に思えます。アクセラの1.5Lガソリンエンジン車でも高速道路以外では実用的ですし、CX-3はアクセラよりも100kg軽いので、もう少し余裕がありそうです。一方、デミオのガソリンエンジン車は実質的に1.3Lまでしかなく、装備重視で13S Touringを購入してもパワーに余裕があるわけではありません。そこでCX-3の1.5Lガソリンエンジン車を13S Touringよりもさらに上位に位置付ければ、ベリーサの再来としてそこそこニーズがありそうです。価格はデミオディーゼルやアクセラ1.5Lガソリンエンジン車と同じくらいでしたら同じ値段でも好みによって棲み分けできるかもしれませんし、「300万円の車にしては」といった割高感も払拭できそうです。
しかし話を最初に戻すと、果たして売る側にそうするメリットがあるかという問題になり、生産能力を使い切っているなら敢えて数を増やすまでもなく、限られた生産能力の中で利益の出る車を売りたいと考えることでしょう。また、買う側にとっても、せっかくエクステリアデザインを気に入って買っても、同じような車を頻繁に見かけることを良しとしない人もいるでしょう。