2017年12月20日水曜日

アクセラ1.5Lの乗り方

人に運転の仕方を指南するほどの腕前ではないのですが、こういう乗り方なら非力な車であっても乗りこなせるのではないかというのを考えてみました。基本的には車にパワーが無かったら技術で対応するしかありません。

1.人や物を乗せすぎない

2人乗車くらいでしたらそこそこ走ります。3人+荷物多めですと街乗りで期待したほど加速せずアクセルを踏み込むことになります。2人乗車で150kgくらい、3人+荷物多めで250kgくらいですので、追加の100kgが重荷になるようです。

2.アクセルを躊躇なく踏む

1.5L自然吸気エンジンですのでいまどきはやりのダウンサイジングターボと違って低回転でのトルクは細いです。トルクを太くするためにも回転数でパワーを稼ぐためにも、意図した加速度に達するまでアクセルを踏み込む必要があります。しかも、マツダのエンジンは燃費性能重視で排気量当たりの出力が低めですのでなおさらです。幸いSkyactiv-Gは高負荷で燃費の良いエンジンですのでアクセルを踏んでも燃費が悪くなりません。また、アクセラ1.5Lはローギアードなためエンジン音が勇ましくて錯覚しがちですが、体感加速度は高くても実際の加速度は大したことありません。

アクセルペダルを踏む際には、ペダルを踏み込む速度が一定になるように踏み込んでいって、意図した加速度に到達したらアクセル固定、意図した速度に近づいたら徐々にアクセルを抜きます。さすが自然吸気ガソリンエンジンだけあってターボラグがなく、アクセルの踏み込み量と加速度がリニアですのでコントロールしやすいです。

幸い、アクセルをベタ踏みしなくても、ある程度アクセルを踏み込めば公道で必要な加速はできます。加速、減速、横Gともに、公道での乗り心地の指標である0.2G程度でしたら十分に対応できます。

3.一気に加速して早めに巡航速度に乗せる

加速中はエンジン回転数が高くなりますのでエンジン音がうるさいですが、巡航速度に達すれば小さいパワーで動かすことができるために高めのギアでエンジン回転数を落とすことができ、静かになります。一般道でしたら発進時からの加速に要する時間は5秒から10秒くらい、高速道路の本線料金所で時速20kmから時速100kmまで加速するとなると15秒くらいでしょうか。

加速時にはエンジンの効率の良い範囲を活用し、巡行時にはエンジン回転数を落とすのが最も燃費が良いです。ダラダラ加速すると加速時間が長くなりますので、意外とエコではありません。アクセルを踏み込んでしっかり加速するといっても0.2G程度でしたら燃費に悪影響はなく、同乗者にも負担がかかりません。

アクセラ1.5Lは体感加速度と実際の加速度との間にギャップがありますので、体感加速度に惑わされずに実際の加速度を知るためには加速度の測定が必要です。加速度を測定するためには、速度計の針を読むよりもGモニターを見る方が簡単かつ直感的です。それに、上位グレードだと速度計がデジタルですので速度の変化を読みにくいです。レーダー探知機はGPSを使えない場所で位置を特定するために加速度センサーを内蔵していますので、Gモニターを表示させることができます。できればマツダコネクトでもGモニター表示機能をつけてほしいところです。

4.曲がれるからといって乱暴に曲がらない

アクセラ1.5Lはノーズが軽いため、ハンドルを切ればそこそこ曲がれてしまいます。しかしだからといって急ハンドルを切れば同乗者に不快な横Gが発生しますし、車のシャーシ性能を引き出せません。通常通りに早めに減速して早めにステアリングを切り始めれば、驚くほど小さなステアリング切り角で曲がれて抵抗損失が小さくなりますし、同乗者にも快適ですし、結果的に速くなりますので良いことずくめです。

5.コーナー出口で加速する

Gを滑らかに変化させるためにも姿勢を安定させるためにも、コーナー中心を過ぎたら加速が必要で、当然のことながらコーナー出口で加速するためにはコーナー入口で減速する必要がありますし、コーナー出口で早めに加速するためにはコーナー入口で早めに減速する必要があります。

もともと非力で遅い車ですが、公道のコーナー出口で加速する程度ならどうということはありません。また、コーナリングはパワーに頼らず技術である程度対応できます。

6.ブレーキは深めに踏み込む

アクセラのブレーキは少し踏んでもほとんど効きません。ある程度踏み込んでいくと踏力の立ち上がるスポットがあります。そこで踏力を一定に保ちながら減速するとi-DMで青点灯させることができ、一段ブレーキで停止できます。ダラダラと減速すると時間を無駄にします。エンジンが非力であってもブレーキの性能は一緒ですので、それを活用して時間を無駄にしない運転をすれば、その分速くなります。

ブレーキ力の微小なコントロールが容易ですので停止時にブレーキを戻すのも楽です。デミオよりも良いブレーキパッドを使っているのでしょうね。

7.高速道路では極力速度を一定に保つ

パワーがありませんので追越加速は絶望的ですが、速度を一定に保っていればパワーは必要ありません。クルーズコントロールをつけていれば労せずに速度を一定に保つことができます。速度を一定に保つためには周囲の車の位置を把握しながら走りやすい位置取りをする必要がありますが、道路が混雑しているとこれがなかなか難しく、バスドライバー並の技術が求められます。

アダプティブクルーズコントロールを使うと速度を一定に保つということからは少々逸脱しますが、それでも加減速が緩やかになりますので、さほどパワーが必要ありません。追越加速に時間のかかる車ですので、前の車に追随しながら追い越し車線が空くまで待つ必要がありますが、そういうときにはアダプティブクルーズコントロールがあった方が便利です。幸い、アクセラ1.5Lは本体価格が安いので、メーカーオプションをいろいろつけても上位の車種よりは安いです。

アクセラ1.5Lが最も苦手としているのは高速道路ですので、高速道路での運転が快適になれば実用的になります。また、走る曲がる止まるの基本がしっかりしていて、意のままにコントロールできると感じられれば、ゆっくり走っても気持ちよいものです。