2017年12月19日火曜日

BMアクセラ1.5L前期型で高速道路を走ってみました

アクセラ1.5Lは一般道でゆっくり走る分には体感加速度が高くて(実際の加速度は全然高くありませんが)楽しくかつ免許に優しく走れるのですが、重い車体を非力なエンジンで加速させるためにローギアードになっていて、かつてレンタカーで借りたときに高速道路を走ってみたところエンジン音がうるさい割に追越加速の際に全然加速しなくて、これで長距離を走るにはつらそうに感じました。

今回高速道路で250kmほど通しで走ってみたところ、以前の印象とは異なり意外と楽に走れました。同じ車なのにどうしてこんなに印象が違うのだろうと推測するに、まず、ある程度走り込んでエンジンが滑らかに回るようになるとエンジン音がさほど気にならなくなります(ディーゼルエンジンでも同様です)。エンジンはある程度回さないと調子が出ないようです。

もう一つ思い当たるのは、2015年夏の商品改良でATの制御が変更になり、燃費を稼ぐために積極的にシフトアップするようになったことでしょうか。アクセルを踏み込むと一気に3000回転くらいまで上がってエンジン音が大きくなるのですが、巡行時には1500回転くらいまで落ちて静かになります。後期型ではさらに静かになっています。

次が季節によるもので、冬の空気は冷たくて乾燥しており夏の温かく湿った空気よりも空気の密度が高いため、その分多くの燃料を噴射することができます(ディーゼルエンジンでも同様)。ただしトルク増大や燃費向上には貢献するでしょうが、高速走行時にはエンジン回転数と速度とが比例しますので、せいぜい追越加速の際に効果が出るくらいでしょうか。

あとはあまり確証がないのですが、レギュラーガソリンのオクタン価のばらつきによるものでしょうか。Skyactiv-GはRON90のレギュラーガソリンで圧縮比13、RON95の欧州レギュラーガソリンで圧縮比14で、ノッキングセンサーで圧縮比を調整しているようですので、たまたまオクタン価の高いガソリンが入っていればその分走りが良くなります。しかし給油したガソリンのオクタン価を測定する手段がありませんので、検証のしようがありません。

時速100kmで走行車線を巡航する場合、デミオディーゼルだとバスのような乗り心地で退屈なのですが、アクセラ1.5Lで時速100km出すと速く走っている感じがして退屈しません。もちろん長距離での疲れ方は全然違っていて、デミオディーゼルだと1日で高速道路を700kmくらい走っても「もう着いたの?」というくらいにあっさり着いてしまい、東京から名古屋や仙台くらいなら新幹線よりも車の方が荷物を持って移動したり混雑する電車を乗り継いだりしなくてよい分だけ楽だと思うのですが、アクセラ1.5Lで700km走る気にはなれません。もっとも、東京から250km圏というと、浜松、松本、長野、長岡、郡山、いわきあたりで、行楽で出かけるなら概ねカバーできます。

高速道路での乗り心地についてはデミオよりもアクセラの方がすぐれています。ホイールベースもドレッドも大きいですし、シャーシ性能も上ですので車格相応の差があります。車体が重いのも高速安定性には有利です。パワーだけでいえばアクセラ1.5Lよりもデミオ1.3Lの方が余裕がありかつハイギアードなのですが、デミオで時速80kmを超えると急激にロードノイズや風切り音が大きくなりますので高速道路で長時間走行すると疲れます。ただし、乗り心地が良いといってもデミオよりはという程度で、高速道路であっても細かい凹凸を踏むと跳ねます。もっともこれは16インチホイールとエコタイヤとの組み合わせのためかもしれず、タイヤを変えれば印象が異なるでしょう。同じアクセラでも18インチホイールを履いた上位グレードだともっと乗り心地が良く感じます。

パワーに余裕が無いという1.5Lエンジンの弱点を補うためにはアダプティブクルーズコントロールの使用が効果的で、パワーが必要な加速の機会を減らせばその分快適に走れます。追越加速の際にはやはり厳しいのですが、余裕をもって追い越せるタイミングまで先行車に追従して待っていればよいので、そういう点でも速度を一定に保つだけのクルーズコントロールよりも先行車に追従できるタイプのクルーズコントロールの方が効果的です。

高速道路での長距離の移動を楽にこなせるよう対策を取れば非力な車であってもそこそこ使えてしまいますので、浮いた予算を安全装備や快適装備に振り向けることができます。安全装備てんこ盛りで新車の乗り出し価格(値引き無し)を計算してみると、アクセラ1.5LとCX-3の2LとデミオディーゼルのAWDがほぼ横並びで270万円くらいです(いまどきの車は高いですね)。実質2人乗りと割り切るならCX-3でもよくて、エンジンにお金をかけるかシャーシにお金をかけるかデザインにお金をかけるかは好み次第です。