2024年11月4日月曜日

Mazda 3の良いところ

Mazda 3に乗り続けているとラージプラットフォームの混乱とは無縁でいられます。とかく癖のある車ではありますが、良い面もありますので、これを機に見直されてほしいものです。

1.変速機が異音を発しない

FF車用の6速ATは2010年に登場したものですので技術的に枯れています。

横置きでは6速までが限度とされてきたため、最近はレシオカバレッジでCVTに負けており、高速域の燃費ですらCVTに負けるという情けないことになっていますが、欧州車で徐々に8速ATが出回っており、トヨタもFF車用の横置きの8速ATを開発しましたので、そろそろ8速ATになってもいい頃かなとは思うものの、マツダが開発するとFR車用の縦置き8速ATがベースになるでしょうから、ここは思い切ってトヨタから買ってほしいものです。

2.サスペンションの品質問題がない

フロントのストラットもリアのトーションビームも技術的に枯れていますので、品質問題がありません。

第7世代になってスモールプラットフォームのリアサスペンションがトーションビームになりましたが、曲がる性能は良好です。リアサスペンションに不自然なトーインがありませんので素直に曲がることができ、FF車なのに気持ちよく曲がれます。ガソリンエンジン車ならノーズが軽いのでなおさらです。駆動と操舵を担うフロントサスペンションは硬めですが、リアサスペンションはそこまで硬くありません。

3.走行距離が増えると乗り心地が落ち着いてくる

Mazda 3は新車時にはあまりにガタガタして「こんな車で長距離走れるか」と思いましたが、その後走行距離が伸びるにつれて乗り心地が落ち着いてきました。10000kmを超えればだいぶましになります。低速域のゴツゴツや高速域のコツコツくらいなら許容範囲内です。第7世代車はハーシュネスを若干犠牲にして人間工学的に疲れにくい車として設計されており、運転していても車体がフワフワしないことは実感できます。

4.FF車ならではの伸びやかなエクステリアデザイン

CX-8とCX-60とを見比べてみればわかりますが、直列6気筒縦置きエンジンを積むラージプラットフォームはボンネットが角ばっているのに対し、直列4気筒横置きエンジンを積むFF車のボンネットは伸びやかです。

5.広くはないが長距離でなければ大人4人乗れないこともない

さすがにBセグメント車の後席は補助席としてしか機能しませんが、Cセグメント車の後席なら短距離ではさほど苦になりません。たしかに大人4人で長距離を移動するとなるとDセグメント車以上の車格が求められるでしょうが、そもそも日本で大人4人で長距離を移動する機会などほとんどありません。ろくに使いもしない後席のために高価で大きい車を購入する動機がよくわかりません。

Cセグメントで後席の広い車がほしければインプレッサがあります。北米向きということもあり車内が広々としています。インプレッサも燃費を除けば良い車です。

6.ラージプラットフォームの車よりも安い

300万円の車で許容される乗り心地でも500万円600万円の車で同じ乗り心地なら許容されないでしょう。乗り心地が同じなら安い車の方が気楽に過ごせます。浮いたお金でおいしいものを食べたり旅に出たりできますし。マツダはラグジュアリーカーには興味がないようですので、予算に余裕があってラグジュアリーカーに乗りたければレクサスなりアルファードなりを選ぶ方が満足できるのではないでしょうか。

7.USBデバイスを挿しても車が壊れない

Mazda 3はラージプラットフォームほど新しくありませんので、マツダコネクトがそこまでデリケートでなく、音楽再生用にUSBメモリを挿しても特にトラブルがありません。

8.最大幅1800mm未満で取り回しが良い

北米では道路も駐車場も広いので大きくてパワーのある車が好まれますが、日本の劣悪な道路事情および駐車場事情では小さい車の方が取り回しが良いです。クラウンもFFになる前の先代までは横幅1800mmでした。さすがにMazda 3のファストバックは乗る人を選ぶでしょうが、CX-30なら比較的とっつきやすいのではないでしょうか。CX-30では小さすぎるというのでしたら最大幅1845mmではありますがCX-5がありますし、CX-5なら大人4人で乗るにも十分な広さです。1850mmクラスの横幅といえば、現行型クラウンやハリアーやアルファードもこの幅で、日本の公道では概ねこのサイズが限度です。

9.重心が低い

市販車がSUVやミニバンばかりになってしまいましたので、市販車の中ではかなり低い方です。現行型プリウスも同じくらいの全高です。運転するなら重心が低い方が気持ちよく運転できます。小さい車は前後左右が狭い代わりに高さ方向で室内のスペースを確保しようとしますので、あまり小さくない車の方が車高が低いです。

Mazda 3では市販車には珍しくセダンを選ぶこともできます。ラージセダンなら市販されていますが、Cセグメントでセダンを選べるのはMazda 3とカローラだけです。シビックもインプレッセもセダンをやめてしまいました。

2024年8月18日日曜日

Apple CarPlayでmoviLinkを使ってみました

トヨタがmoviLinkというカーナビアプリを提供しており、トヨタ車のナビと同じ機能を使えるとのことですので試しにアプリを入れてMazda 3で使ってみました。Apple CarPlayに対応しているのはありがたいのですが、マツダコネクトの画面上では他のカーナビアプリと同様に画面が白飛びします。音声案内はマツダ車のナビと同じくらいです。交差点付近で拡大されるのも同様です。

moviLinkに限らず、通常のカーナビアプリはタッチパネルを前提に作られており、コマンダーノブで操作する前提で作られていませんので、タッチパネル非対応でコマンダーノブでしか操作できないマツダ車では操作性が良くないです。

もしマツダコネクト上で操作しやすいカーナビアプリを作るとしたらマツダが自ら作るしかなさそうですが、それが最新のマツダ車で提供されるオンラインナビということなのでしょう。しかしあいにくオンラインナビでないマツダ車に後付でオンラインナビをつけることはできません。

2024年8月1日木曜日

2024年Mazda 3商品改良

2024年8月1日にMazda 3の商品改良が発表されました。変更内容は先に発表されたCX-30の商品改良と同様で、Amazon Alexaやオンラインナビが実装されています。

むしろ気になるのはグレード構成です、近年の傾向に沿って車種やグレードが整理されており、売れ筋から外れたグレードが徐々に消えています。意外にもSkyactiv-Xはかろうじてファストバックの上級グレードで残っており、MTとATの両方がありますが、AWDのみです。MTはファストバックのXと2Lのみです。1.5LはATのFFのみです。セダンは2LとディーゼルのATのFFのみです。

欧州では北米と同様に2.5Lエンジンになりましたが、日本仕様は2Lエンジンのままです。

Black Tone Editionは予想通りになくなりましたが、Retro Sports Editionは残っており、1.5Lでも2Lと同様の長距離用装備をつけられます。1.5Lと2Lの価格差は20万円です。一方、1.5LのS Packageもメーカーセットオプションの360°セーフティー&コンフォートパッケージをつけるとRetro Sports Editionとの装備差が縮まります。価格差は221,500円です。装備の差は以下の通りです。

  • クルージング&トラフィックサポート(CTS):ステアリングアシスト
  • アダプティブLEDヘッドライト:対向車にハイビームが当たらないようにしたり、低速域では歩行者にライトが当たりやすくなったり、高速道路では遠くまでライトが当たりやすくなる
  • LEDヘッドライト
  • リバース連動ドアミラー
  • ステアリングヒーター
  • ステアリングシフトスイッチ
  • パワーシート
  • シートヒーター
いずれも街乗り中心であれば必要ない装備です。一方、15S S Packageに360°セーフティー&コンフォートパッケージをつけると以下がつきます。
  • 360°ビューモニター(車の周辺の死角が見える)
  • ワイヤレス充電(Qi)
  • ワイヤレスApple CarPlay
  • フルセグTVチューナー
さらに以下は15S S Packageで標準装備です。
  • 交通標識認識システム(TSR)
  • Amazon Alexa
  • 車載通信機
  • 前側方接近車両検知
  • スーパーUVカットガラス(フロントドア)+IRカットガラス(フロントガラス/フロントドア)
  • 自動防眩ルームミラー
以下は、事実上のレンタカーグレードである15Cも含めた全車標準装備です。
  • 全車速対応追従型クルーズコントロール(MRCC)
  • 後側方接近車両検知
  • レーンキープアシスト
  • ブラインドスポットモニタリング
  • 純正オーディオ(音が良い)
  • フロントガラス照射式ヘッドアップディスプレイ
いまどきの車は標準装備でもなかなかのものです。15S S Packageなら街乗りで必要な装備はほぼ網羅されています。そこから17万円弱追加して360°セーフティー&コンフォートパッケージべきかどうか迷うところですが、今までの経験上、360°ビューモニターはつけた方がよいと思います。車庫入れで便利なだけでなく、狭い道を通過するときや狭い駐車場を走行するときや、さらにコンビニで前進駐車するときに楽です。後方はバックモニターがありますのでギリギリまで寄せられますが、前方は360°ビューモニターがないとボンネットの向こう側が見えません。車幅感覚があれば解決する話ではありますが、車には死角が多いので、見えているつもりは危険です。知らないうちに子供や動物が死角に入り込んでいるかもしれません。ワイヤレス充電やワイヤレスApple CarPlayはなくても困りませんがあってもよいかなとは思います。

残念ながらフルセグTVチューナーまで抱き合わせでついてきます。運転中には映らないのにTVチューナーをつける意味が理解できません。いまどきの車はTVキャンセラーをつけると壊れますので、暗黙のうちにTVキャンセラーをつけることが想定されているようにも見えません。昔はFMチューナーで地上波テレビの1〜3chの音声も受信できたのですが、地デジの時代になってFMチューナーで受信できなくなりましたので、ラジオの代わりでしょうか。それでも、一昔前までは少しでも安全装備をつけるとTVチューナーが抱き合わせだったのに対し、今では標準装備でもそれなりの安全装備がついていますので、安全装備のためにTVチューナーを抱き合わせで買わされるということはありません。

1.5Lエンジンは未だに圧縮比13のままで、Mazda 2で採用された圧縮比14のエンジンではありません。しかし、つい最近レンタカーで新しいMazda 3の1.5L車に乗ったところ、低回転のトルクが向上して、低負荷では低回転で走ることができました。1.5Lエンジンというとアクセルを踏んでしっかり回して走らせるものとばかり思っていましたが、今の1.5Lエンジンは公道の速度域なら意外と低回転で走れてしまいます。ロードスター用の燃調マップの改良が反映されているのでしょうか。

また、1.5Lエンジンには未だにマイルドハイブリッドがついていません。たしかにMazda 3の1.5Lなんて日本専用ですのでそのために型式証明を取るのは手間ですし、1.5Lは安く売りたいのかもしれません。最近の車は電装品の消費電力が大きいので、オルタネーターとバッテリーの容量を大きくするだけでも燃費が改善しそうですが、Xよりも燃費が良くなってしまうと困るのでしょうか。将来Xが廃盤になったあかつきにはテコ入れしても良さそうですが。

1.5Lエンジンにこだわらなければ2LのTouringには一通り長距離向けの装備がついています。1.5L S Packageに360°セーフティー&コンフォートパッケージをつけた価格よりも約25万円高いです。長距離向け装備全部盛りの15S Retro Sports Editionは20S Touringよりも少し安い程度です。高速道路で余裕を持って走るなら2Lの方がよいのですが、2Lエンジンは燃費が悪く、燃費のために我慢しながら走るとつまらないです。どのみち公道の制限速度が制約になりますので、2Lエンジンで我慢しながら走るよりも1.5Lエンジンをしっかり回して走る方が気分が良いです。いっそのこと1.5Lエンジンにターボをつけた方が2Lエンジンよりもよく走ってかつ低負荷域で燃費が良かったりしないでしょうか。Mazda 2の1.5Lディーゼルエンジンの代わりにもなりそうですし。

Xはもともと全部盛りかつAWDですので高いですが、2Lエンジンの全部盛りのAWDと比べても100万円近く高いです。250万円の1.5Lエンジン車に対してXは400万円です。重量は1.5Lエンジン車よりも200kg近く重いです。Xはエンジン単体の熱効率は良いのかもしれませんが、補機が多くなって重くなりましたので、車としての燃費は1.5Lエンジン車とほぼ同じです。それでいてハイオク推奨ですので燃料代はむしろ高いです。車種が整理されている中でよく残ったものだと思います。

2024年7月21日日曜日

右側ドアミラーの開閉異常

いつも通りに運転していたら右側のドアミラーから後ろが見えないことに気が付きました。よく見ると完全に開ききっていません。何度か開閉操作したり、窓を開けて手で押したりしてやっと正しい向きになりました。

前に乗っていたデミオディーゼルを含めて今までドアミラー開閉に関するトラブルは皆無でしたので意外でしたが、別に猛暑による熱膨張のせいで歪みが生じたとかではないようで、ネットで調べてみるとMazdaの他車種を含め似たような不具合事例がいくつもヒットします。 日本車の中ではマツダが突出してこの不具合を発生させているようです。

2024年7月15日月曜日

Mazda 3 15S Retro Sports Edition

現在のMazda 3 20S Proactive Touring Selectionを購入した際、当初は1.5Lを念頭に置いていたものの、Mazda 3になってからは1.5Lエンジン車で各種長距離向けの装備をつけられなくなったため、価格差もさほどないということもあり、2Lエンジン車を購入しました。2Lエンジンの方がバランスが良さそうでしたので第7世代車の素の姿を知るのに良いかなと思いましたが、それは後付の理屈です。

今でも15S Touringでは長距離向けの装備をつけられないのですが、カタログの隅の方をよく見ると、特別仕様車のRetro Sport Editionには1.5Lエンジンもあり、これだと2Lエンジン車同様の長距離向け装備をつけられることに今更ながら気が付きました。特別仕様車の立派な内外装までは必要ないのですが、装備にお金をかけるという選択肢があるのはありがたいです。

もっとも、Mazda 3は商品改良を間近に控えていて、商品改良後に1.5Lエンジンの特別仕様車があるかどうかわかりませんが。

なぜ2Lではなく1.5Lを求めるかというと、1.5Lの方が燃費が良いですし、アクセルを踏んでエンジンをしっかり回しても燃費がさほど悪くありませんし、日本の公道の速度域ならほぼ1.5Lエンジン車でも間に合いますし、1.5Lエンジン車は近所に買物に行くだけでも運転していて楽しいからです。

2024年7月14日日曜日

久しぶりにレンタカーでMazda 3に乗りました

タイムズカーレンタルのC2クラスを予約すると最近はヤリスハイブリッドやアクアに当たることが多いのですが、たまにMazda 3に当たることもあります。今回はMazda 3に当たったのですが、2024年5月登録の新しい車でしたので、最近のマイナーチェンジ版がどうなっているかを知ることができました。

レンタカーグレードといってもレンタカーらしいのはエアコンがマニュアルエアコンであるのと、ドアノブのタッチセンサーで鍵の開け閉めができないこと、360°ビューモニターがついていないこと、ホイールが16インチであることくらいで、それ以外は立派です。1.5Lエンジン車はレンタカーでなくても制限速度が表示されなかったりCTSによる高速域でのステアリングアシストがありません。あと、ヘッドライトがLEDでなくHIDですのでアダプティブLEDヘッドライトも無く、ハイビームコントロールだけです。

まずマニュアルエアコンについてですが、たしかに見た目は素朴ですが、実際に使ってみると別にこれでもよいかなと思えてきます。他のマニュアルエアコンと同様に暑さ寒さは直感的にダイヤルで調整できますし、風量もダイヤルで調整できます。マニュアルエアコンというといかにも安っぽいものばかりですが、Mazda 3のマニュアルエアコンの操作パネルはマニュアルエアコンにしては質感が高いですし、ノブやボタンの使い勝手も上々です。

16インチホイールですので乗り心地がよいかなと期待しましたが、まだ走行距離が短く、新車特有の当たりが取れていませんでした。また、18インチホイールほどゴツゴツしない反面、エアボリュームが大きいせいか、ややふわふわする印象を受けました。タイヤがヨコハマのBluEarth-GTだからでしょうか。BluEarthシリーズはサイドウォールが柔らかめなのか、初めて乗るとふわふわした印象を受けます。Mazda 3のホイールは18インチが標準で16インチホイールだと操縦安定性能が若干低下するようですし、高速道路での安定性も18インチよりも劣ると感じましたが、どのみち1.5Lエンジン車は足が遅いので、18インチホイールでなければ不利になるほど早く走れるわけではありません。それなら安くて乗り心地がよくバネ下重量の小さい16インチでもよいということになります。ワインディングを走りましたが、公道で曲がる性能は申し分なし。ノートよりも曲がる性能はすぐれていると感じました。Mazda 3は重心が低いですし。

高速道路を走りましたので、CTSのステアリングアシストが使えないのは少々不便かなと思ったものの、高速道路で長距離を走る頻度が高くなければ通常のアダプティブクルコンでも間に合います。パワーが乏しいので高速道路で追い越す際には注意を要しますが、それでもアクセルを踏めば普通の小型車並には加速しますので、速い車が後ろから追いついてくるタイミングを避ければどうにかなりそうです。TSRがついていませんので制限速度が表示されませんが、必ずしも正しい制限速度を表示するとは限りませんので、これは無くても大丈夫そうです。

意外だったのは一般道でのエンジン回転数です。巡航時には1300回転くらいまで下がりますが、発進時でも意外と2000回転くらいで粘ります。たまに3000回転行くか行かないか。さすがに登り坂で加速すると4000回転くらいまで行きますが、せいぜいその程度。高負荷域では排気量なりです。BMアクセラの頃から同じエンジンのはずなのに、最近のMazda 3の1.5Lエンジンは2Lエンジンと見紛うくらいエンジン回転数を低く押さえています。たった1.5Lのエンジンのどこに排気量の余裕があるのでしょうか。念の為車検証を見返したらやはり1.5Lでした。マイルドハイブリッドでモーターアシストがあるわけではありませんし、圧縮比は13のままですし、一体どこでどうやったら低回転でもトルクが太くなるのか謎です。もしかして、ロードスター向けの1.5Lエンジンの燃調マップの改良の成果がMazda 3の1.5Lエンジンにも反映されているのでしょうか。仮にそうだとしたらMazda 2の1.5Lエンジンも低回転のトルクが太くなってさらに走りやすくなっているのでしょうか。低負荷での回転数がここまで下がるなら日本の公道は1.5Lで十分ではないかと思いました。

まだ新車時の当たりが取れていないのか、燃費はいまいち。20km/Lくらい行くはずの車なのですが、巡航時にエンジン回転数を落とすよう努めたものの満タン給油時の平均燃費は19km/Lに届かず。しかし、車内の燃費モニターを見ると、条件の良い区間では平均燃費23km/Lくらい出ていました。2Lエンジン車で同じ条件で走ればおそらく18km/Lくらいですので、一般道を走るなら1.5Lの方が燃費が良さそうです。

1.5Lエンジン車が比較的街乗りが多いので電力回生できればもっと燃費を改善できそうです。最近の車は電力消費が多いですし、特に街乗り主体の車では走行距離が延びずバッテリーへの充電がなかなか進みませんので、オルタネーターと鉛バッテリーの容量を増やすだけでも効果がありそうです。しかしそこまでするならマイルドハイブリッドとほぼ同じシステムになりますので、モーターアシストのためでなく電装品向けの電力回生としてマイルドハイブリッドを入れてほしいものです。

360°ビューモニターがついていませんので、久しぶりの普通のバックモニターを使いましたが、現在の車の位置とその延長線を示しているだけで、ステアリングの切角に応じた延長線が表示されませんので少々不便に感じました。せめてステアリングの切角に応じた延長線で表示されればよいのですが。360°ビューモニターは狭い道場所で障害物との接近状況を把握するのに便利なのですが、ついていないと車幅感覚だけが頼りですので、少々不安です。Bセグメント車と比較される車であれば、一回り大きいことによるハンディキャップをカバーすべきでしょう。もっともこれはレンタカー仕様だからであって、個人で購入するときにはメーカーオプションで360°ビューモニターをつければ済むことです。

ドアの鍵はドアノブのタッチセンサーで操作できる方が便利です。ポケットに鍵を入れていて鍵開閉ボタンを押そうとすると、どちらが施錠のボタンでどちらが解錠のボタンか手で触った限りではわかりません。ボタンの上に何かわかりやすい突起をつけてほしいものです。

内外装の質感および走りの質感については、このクラスこの価格の車とは信じられないくらい良いです。ノートe-Powerやオーラも良い線行っていますが、ノートはどちらかというとハイテクを強調した内装です。Mazda 3は日本車には珍しいほどかっちりかつしっとりとしていて、圧倒的なコストパフォーマンスです。Mazda 3の1.5Lエンジン車の価格はBセグメントのハイブリッド車、例えばヤリスハイブリッドやノートe-Powerと同じくらいです。燃費性能と動力性能は全然違いますが、操縦安定性能は劣りませんし、様々な質感はすぐれていて、それこそCセグメントのカローラやインプレッサよりも上です。どのみち年間走行距離が短ければ燃料代の差もさほど大きくありませんので、年間走行距離がさほど長くなく、運転する楽しみを追求したいなら、Mazda 3の1.5Lエンジン車は良い選択肢だと思います。


2024年6月19日水曜日

欧州向けMazda 3のガソリンエンジンが2.5Lに

2024年に発表された欧州向けMazda 3の2025年モデルでは、ガソリンエンジンが北米向きと同様に2.5Lになりました。もともとマツダは排気量が大きい方が低回転でエンジンを回すことができ実燃費が良いと主張していましたので、だったらどうして欧州向けのMazda 3のエンジンを2.5Lにしないのだろうと思っていました。欧州の税制は排気量ベースではなく出力ベースですので排気量を大きくしても出力を絞れば税負担は増えません。また、出力を絞ることで実燃費を向上させることもできます。

そういうわけで欧州向けのMazda 3の2.5Lエンジンは140psとのこと。日本仕様の2Lエンジンの出力が156psですのでそれよりも低いですが、高回転域での燃料噴射を抑制した結果ですので低回転での太いトルクは2.5Lエンジンのままです。1.5Lディーゼルエンジン並のトルクですので、高速道路での巡航では走りやすくなるのではないでしょうか。しかしそうなるとSkyactiv-Xはどうなるのだろうかと気になります。製造コストについては、補機類の少ないSkyactiv-2.5Gの方が有利です。

日本向けのMazda 3も一部グレードで受注を停止しており、商品改良の発表が間近と思われますが、日本向けではどうなるのでしょう。日本は排気量課税の国ですが、円が安くなった結果、すっかりガソリン代が高くなってしまいましたので、もし税制上の不利を補えるくらい実燃費が改善するなら2.5Lエンジンでもよいのではないでしょうか。燃費対策は欧州向けと同様に出力を絞ればよいわけですし。どのみち公道ではそこまで大きな出力が必要ありませんので、一部スポーツグレードだけ出力を絞らないことにして、廉価版では低出力版を売れば、企業平均燃費の数字が良くなります。ディーゼルエンジン車の販売を継続するかどうか知りませんが、もしディーゼルエンジン車の販売をやめるのでしたら、それを補うべく低回転でトルクの太いパワートレインが求められることでしょう。

逆にエンジンをしっかり回すのでしたら1.5Lエンジンの方が日本の道路では楽しく走れます。商品改良を機にMazda 2と同様に圧縮比を14にすれば燃費を改善できそうですし、Mazda 2のエンジンと共通化できます。Mazda 3の1.5Lエンジンはしっかり回す前提ですのでマイルドハイブリッドのモーターアシストによる燃費改善効果はさほどないかもしれませんが、それでも最近の車は電装品の消費電力が大きいので、オルタネーターの容量を増やすことによる電力回生の効果は期待できそうです。