2023年1月22日日曜日

Skyactiv-Gはスモールプラットフォーム向けのシリーズハイブリット車のエンジンルームに入らない?

インタビュー記事で、MX-30 R-EVでロータリーエンジンが採用された理由に言及されていました。その中で、Skyactiv-Gの方がコストが安いが、エンジンルームに入らなかったとありました。そこだけ聞くとそういうものかという気になりますが、その一方で、ホンダと日産はレシプロエンジンでシリーズハイブリッド車を製造していますし、トヨタはレシプロエンジンでストロングハイブリッド車を製造しています。フィットもノートもヤリスもBセグメント車です。

強いて言えば、ノート用のエンジンは1.2L3気筒エンジンなのに対し、マツダが持っている中で最も小さいエンジンは1.3L4気筒エンジンです。しかし、ヤリスのエンジンは1.5L3気筒エンジンですし、フィットハイブリッドのエンジンは1.5L4気筒エンジンです。フィットハイブリッドはシリーズハイブリッドですが高速域ではエンジン直結ですので、普通のシリーズハイブリッドよりも仕組みが複雑で場所を取ります。それでも1.5L4気筒エンジンを積んでいます。

もっとも、フィットもノートもエンジンルームが厚ぼったくて、おそらくシリーズハイブリッドシステムを入れるためにそうせざるを得なかったのではないかと推測します。さらにホンダはセンタータンクレイアウトの特許を持っていますので、パッケージングでは有利です。マツダがそのような厚ぼったいパッケージングを良しとせず、マツダが納得するデザインではレシプロエンジンが入らないということでしょうか。しかしヤリスハイブリッドやアクアはそのような厚ぼったいエンジンルームではありません。

現行Mazda 2は魂動デザインでありながら補機類の多い1.5L4気筒ディーゼルエンジンを積めています。そのエンジンルームに1.3Lガソリンエンジンを積むとエンジンルームがスカスカです。本当にそこに発電機とモーターが入らないのでしょうか。そもそもシリーズハイブリッドにはATやCVTといった大きくて重い機器が不要ですし、モーターやインバータは年々小型化が進んでいます。単なるシリーズハイブリッドでしたら蓄電池搭載量は少なくて済み、後席下に収まることでしょう。その代わり燃料タンクをトランク下に設置する必要がありますが、燃費が良くなれば燃料タンク容量を小さくできます。

ロータリーエンジンは機器類の多いPHEV車に置いて省スペースのエンジンである利点がある反面、やはりエンジン単体の燃費はレシプロエンジンに及びません。Bセグメント向けに安価なシリーズハイブリッド車を作ろうとしたら、ロータリーエンジンはコストと燃費の両方で不利ですので、競争力のある製品にするのが難しいのではないでしょうか。