2015年8月28日金曜日

アクセラのマイナーチェンジ

2015年8月27日にアクセラの一部改良が発表されました。目玉は他車で導入された安全装備の導入と、売れ筋の15S Touringへの4WD車の導入ですが、1.5LのFFのAT車の燃費も向上しています。

JC08モード燃費がセダンで19.6km/Lから20.6km/Lに、ハッチバックで19.4km/Lから20.4km/Lへと向上しています。2L車のJC08モード燃費は19.0km/Lで、従来は排気量の違いにも関わらずカタログ燃費ではさほど違いがありませんでした。2L車の方が重量が50kg大きいのですが(エンジンが大きいだけでなく変速機のトルク容量も大きい)、1260kgと1310kgとの違いですので4%の差でしかありません。それに対して従来のカタログ燃費の差は2%でしたので、1.5L車の方が重量当たりの燃料消費が多かったことになります。おかげで低速域では排気量や重量の割によく走る車でした。改良後のカタログ燃費の差は7~8%であり、今度は1.5L車が燃費性能に振ったことが見て取れます。

1.5L車の燃費向上はATの制御の改良によるものとあり、変速比や最終減速比に変更がありませんし、2L車のカタログ燃費に変更が無いことから、エンジンやATの細かい制御を改善したというよりも、単にギアの進段のタイミングを早めてエンジン回転数を下げるようにしたのではないかと想像します。今まで1.5L車にしては低速域でも十分なトルク感が感じられる走りでしたが、低速域でのトルク感をデミオガソリンエンジン車並に落としたのでしょうか。一方、高速域では6速のままですので、高速域でのトルクの細さは変わりません。

1.5L車のカタログ燃費向上のきっかけになったのは、エコカー減税の燃費基準が平成27年度基準から平成32年度基準に変更になり、従来のカタログ燃費では減税率が小さくなったことでしょう。前述の通り、1.5L車と2L車の違いは主に価格と税額の違いです。製造コストはさほど違いませんし、装備の違いについても15S Touringでしたら2L車並です。アクセラの1.5L車は圧倒的なコストパフォーマンスの良さが売りですので、走りがおとなしくなっても税金対策が急務だったのでしょう。

カタログ燃費はともかくとして実燃費がどうなのかについては、実際に乗ってみないとわかりません。トルクが足りないと感じてキックダウンしまくるようになったら実燃費はむしろ悪化しますので、あまり変な制御にはしないのではないかという気もしますがどうなのでしょう。スイフトのCVT車みたいに燃費重視のセッティングで踏んでも加速しない車になってしまうと、たとえ安くても車としての魅力が損なわれてしまいます。