2015年8月29日土曜日

デミオディーゼルの高速域でのエンジン回転数

デミオディーゼルは時速80kmで6速に切り替わり、そこから上の速度はすべて6速です。この速度域ではエンジン回転数が車速に比例します。エンジンのトルクが最大化される回転数は1500回転から2500回転であり、1500回転のときは約80km/h、2500回転のときは約135km/hです。高速道路で走る際にトルクの不足を感じることがありません。燃費重視で走るなら走行車線をのんびり走ればよく、100km/hで走ってもさほど燃費は落ちません。

アウトバーンでも推奨速度は130km/hであり、3車線の真ん中で流れに乗って走っているとこれくらいの速度です。道路規格の差を考慮すると結構のんびりしています。トラックの制限速度は日本と同じく80km/hですので、一番右の車線は80km/hレーンです。道路規格の割に制限速度が低く見えますが、アウトバーンを走る長距離トラックは40フィートコンテナを牽引するトレーラーや日本の10トントラックと同じかそれより大きいものが多いですので、その分制限速度も低めです。ところどころに100km/hや120km/hの速度制限がありますので、速度制限区間を通過するたびに頻繁に加減速します。80km/hと135km/hの間で最大トルクが出るとたしかに運転しやすいです。

デミオディーゼルの設計上の最高速度は180km/hであり、このときの回転数は3250回転ほどです。トルクは落ちるものの加速性能の指標であるパワーのピークには達していませんので、燃費や音はともかくとして、理論上出せない速度ではありません。180km/hでリミッターがかかるらしいですが、あいにくこの速度を出したことがありませんので、どんな感じなのかはわかりません。たとえ動力性能上可能であるとしても、高級車と比べて重量と空力性能とホイールベースの差はいかんともしがたく、そんな速度を出す気になれません。デミオディーゼルはフロントヘビーなため直進安定性は良好ですが、その分後輪の荷重が小さく、横風が吹くと後ろが流されやすいです。

日本車は超高張力鋼を多用して車重が軽いのが特徴なのに対し、ドイツ車は重い鋼板や高い速度域に耐えられる足回りを使っている分車重も大きめで、例えばBセグメントのミニとCセグメントのアクセラでほぼ同じ重量です。軽ければ小さいエンジンでよく走り燃費も良いですが、高い速度域では重量があった方が走りやすいです。しかしそれでも、アウトバーンですら車格相応の速度で流れに乗って走っていればデミオディーゼルでも問題ありませんし、他の道路ではもっと速度域が低いので、コンパクトカーにそれ以上の高速安定性を持たせるのは過剰性能かもしれません。