2015年12月24日木曜日

デミオの年次改良

2015年12月24日にデミオの年次改良が発表されました。主要諸元も公表されています。これから発売される車の仕様変更であり、既存の車には全く関係ない話なのですが、せっかくですので年次改良前の車に1年乗った経験に基いてコメントしてみたいと思います。
  • ナチュラルサウンドスムーザー:とても興味のある機能なのですが、よく考えて見れば中速域以上ではカラカラ音が聞こえません。
  • 遮音ガラス:13S Touringは高速道路での使用を想定したグレードでしょうから、高速走行時の風切音を遮断するための装備は順当だと思います。
  • DE精密過給制御:現状の課題は出足が鈍すぎることと、速めに加速した際に時速30km辺りで一瞬「ぶおん」とターボが効き過ぎる速度域があることです。改善されるのはありがたいですし、できれば既存の車にもソフトウェアの書き換えを適用してほしいものです。
  • 電動パワーステアリング制御の改良:現状ではセンター付近がギチギチに固められていて、左右方向のグリップ力の立ち上がりを感じるためのステアリングの遊びがありませんので、直進する上で不便でした。これを改良するのは当然だと思います。既存の車にもソフトウェアの書き換えを適用してほしいものです。
  • シャークフィンアンテナ:アンテナがツノだろうとトサカだろうとどうでもよいのですが、タワー式立体駐車場に入る前にアンテナを畳む手間が省けるのは楽かもしれません。
  • シートヒーター:寒冷地で重宝する装備なのですが、同じく寒冷地で必要なヒーテッドドアミラーはついておらず、マツダの寒冷地仕様はどことなく中途半端な印象を受けます。革シートは冬には冷えるのですが、ファブリックのシートはさほど冷えませんので、革シートのLパッケージ以外では寒冷地向けオプションで十分なのではないかと感じます。
  • フラットワイパー:ワイパーに求めるのはきちんと窓ガラスを拭き取れることであり、形はどうでもよいのですが、高価なフラットワイパーを大量に調達することでコストダウンを狙っているのでしょうか。もしワイパー作動時の視界が改善するのであれば有用だと思います。
  • 13S Touringの追加:高速道路向けの本命はXD Touringなのですが、XD Touringが快適に走れる速度は日本の高速道路の速度域に比べて高めですので、高速道路の走行車線をのんびり走る分にはガソリンエンジン車の方が扱いやすく、かつ安価です。日本の道路事情に即したグレードだと思います。輸出仕様と同様に1.5Lエンジンだともっと余裕のある走りができそうですが、1.3Lであってもハイギアードなおかげで高速域でもよく走りますし、むしろ高速走行時の騒音低減の方が重要だと思います。ホイールサイズが気になりましたが、幸い15インチでした。15インチの方がタイヤサイズやホイールサイズが素直ですし、同じく15インチホイールを履くXDと異なり重量バランスも素直ですので、扱いやすそうです。唯一気がかりなのは高速走行時の安定性ですが、XD Touringならともかく、レンタカーで13Sに乗った限りでは、13S Touringの想定される速度域では問題ないと思います。
全般的な印象としては、
  • Touring以上のグレードと無印のグレードとの差の拡大
  • 人気のあるオプションを標準装備化することによるコストダウン
  • CX-3と共通部品を採用することによるコストダウン
  • 同じコストで装備が充実することによるお値打ち感
  • ソフトウェアの順当な改善
が挙げられます。

今回の改良には含まれていませんが、いずれ改善してほしいのは以下の項目です。
  • ダンパー:CX-3の年次改良ではダンパーの改良が含まれていますが、あいにくデミオのダンパーは今回の改良の対象外のようです。まだ量産品の品質が安定しなくて数が揃わないのでしょうか。
  • タイヤ:電動パワーステアリング制御の改良に伴い、新車装着タイヤの選定が見直されることを期待しています。16インチのトーヨーProxes R39は走りに関しては特に不満は無いものの、ロードノイズが大きいため、高速道路を走ると耳が疲れます。
  • 追従形クルーズコントロール:日本の高速道路は混雑するため、追従形でないと本来の意味でのクルーズコントロールとは言いがたいです。追従形クルーズコントロールは既にアクセラ以上には採用済ですが、コストの制約のため、まだデミオには採用されていません。「コスト」の指すものがハードウェアであれば上位車種と共通の部品を採用することでコストを抑制できそうですが、車種ごとのソフトウェアの作りこみであるならば、開発のために固定費がかかりますので、開発手法自体が効率化しない限りなかなかコストが下がりそうにありません。
  • 電動パーキングブレーキ:現状ではコストが高いためか高級車からの導入となっていますが、運転席と助手席との間のスペースに制約のあるコンパクトカーにこそ便利な装備だと思います。いずれコストがこなれてきてアクセラに採用されるくらいになれば、アクセラのお下がりが回ってくるかもしれません。
旧モデルの在庫は限られているでしょうが、在庫処分で安くなるでしょうから、新モデルのハードウェアに興味がなくてかつ安く入手したい人にはチャンスかもしれません。