2016年5月17日火曜日

i-DM点数と道路の安全性

i-DMはドライバーの運転技量を評価し向上を促すためのものですが、同じドライバーでも高い点数を取れる道路と低い点数しか取れない道路とがあり、余裕のある運転をできる道路ほど高い点数を取れることから、i-DMの点数から道路の安全性に関する傾向を見て取ることができます。大雑把に言えば、i-DMで高い点数を取りやすい道路ほど安全で、i-DMの点数が下がる道路は危険ということになります。

i-DMで最も高い点数を取りやすいのは混雑していない高速道路です。さほど運転技量が無くても簡単に5.0点を取れます。本線への合流や追い越しでの加速時にある程度アクセルを踏み込むために青点灯しやすいのと、ブレーキを踏む機会が少ないですし、減速するとしても遠方から余裕を持って減速できるために減速度一定で青点灯しやすいのと、常識的な速度で運転する限り強い横Gがかかるようなコーナーが存在しないためです。

次に高い点数を取りやすいのは、整備済みの空いている田舎の国道です。道路構造令に準拠していて線形が良好で、曲線を予測しやすいですし、緩和曲線がついていますので等速でレーンに沿ってハンドルを切るだけでGを滑らかに移動できます。人家の無いエリアでは比較的信号が少ないですし、空いていますので加速減速をコントロールしやすいです。

意外と点数が下がらないのは酷道や林道です。線形は劣悪ですが、線形に応じた速度で走行するだけでなく、ブラインドコーナーから対向車が来ることを想定しながら運転するためさらにゆっくり走らざるを得ません。それでいて横Gは大きいのでコーナリングで青点灯させやすいです。運転操作には集中が求められる一方で、他の車がいませんので、自分のペースで走れますし、他の車による撹乱もありません。ある意味運転操作の練習にはうってつけの環境です。

反対に最も点数が下がるのは市街地です。あまり車間距離を取れませんので前方の見通しが悪く、前の車が変なタイミングでブレーキを踏むと釣られてブレーキを踏まざるを得ません。信号が多いですし、他の車も多いので、左折の合図を出す前にいきなりブレーキを踏んでくる車とか、急に割り込んでくる車とか、撹乱要因だらけです。

サンデードライバーの多い大都市近郊の高速道路も走りにくいです。前の車についていくだけと思いきや、車列の速度ムラが大きくて、しかも車間距離不足の車が頻繁にブレーキを踏んだりしますので、変な所でブレーキを踏まされます。

i-DMの点数から判断する限り、道路交通における最大のリスクは人なのではないかと思えてきます。i-DMの白点灯をGPSの座標とひも付けたデータを蓄積すれば、道路交通において危険な箇所を定量的に抽出できたりしないでしょうか。