2019年7月21日日曜日

Mazda 3はマニュアルエアコンでもそこそこ凝っている

自動車の内装設計においてはボタンやダイヤル等の人間が直接触れる箇所の操作性や感触が入念に検討されていて、エアコンのボタンやダイヤルも同様にきちんと設計されているものですが、マニュアルエアコンは安物ということで旧世代のものを使い回したいい加減なものがはびこっています。

マニュアルエアコンは、暑いと感じればダイヤルを左に回す寒いと感じればダイヤルを右に回す、風量が欲しければダイヤルを右に回すという極めて直感的なUIなのに、ダイヤルの質感の低さがすべてを台無しにしています。ドライバーが運転中に触れる可能性のあるものは極力手探りで操作できることが望ましく、目視に頼ってはいけません。そういう意味ではボタンよりもダイヤルの方が有利です。タッチパネルは論外です。内気循環と外気循環の切り替えにしても、ボタンを探して押すよりもレバーをガコっと動かす方が操作が容易です。

そういう意味ではマニュアルエアコンも決して捨てたものではないのですが、とかく安かろう悪かろうがはびこっていて、安いんだからこれで我慢しろと言わんばかりです。たしかにエアコンは車の安全性や走りに必須かといえばそうではありませんが、しかしドライバーが運転中に操作する可能性のある機器のUIは安全性に直結します。

そんな中、Mazda 3のマニュアルエアコンはフルオートエアコン同様にダイヤルやボタンの操作性が考慮されています。ボタンが多い印象を受けますが、それでも温度調整と風量調整はダイヤル式になっています。ある意味最強の組み合わせかもしれません。こういう所で手を抜かないところにMazda 3の本気を感じます。

Mazda 3のフルオートエアコンだと運転席側と助手席側とで別々に温度設定できますが、中のコンプレッサーは一緒ですので結局風量で調整しているに過ぎません。それなら各自でルーバーを操作しても一緒です。人間の体感に根差したものは人間が直接操作するのが確実です。しかも、前方注視義務のあるドライバーと異なり、助手席の人には多少余裕がありますので、暑さ寒さの調整くらい自分でやれば済むことです。