2020年1月19日日曜日

Mazda 3の2Lガソリンエンジンのパワー感

2Lガソリンエンジンと6速ATとの組み合わせは2011年の妖怪顔のBLアクセラから連綿と使われているもので、熱効率重視のため最大出力156psと排気量の割には控えめです。欧州車が8ATにシフトしている中で6ATのレシオカバレッジが低めであることも否めません。Mazda 3 はシャシーのできは良いのにパワートレインがしょぼいという評判で、たしかに走り屋にとっては物足りないでしょうが、公道で常識的な速度で走らせた限りでは過不足ないという印象で、ツアラーにとっては問題ありません。

流して走っているときのパワー感はMazda 2の1.5Lガソリンエンジンと同じくらいですが、
1.5Lエンジンが2000回転から3000回転にかけて急激にトルクが増えるために段付き感があるのに対し、2Lエンジンは1.5Lエンジンよりもトルクがフラットなため、常識的な速度域では全域でストレスなく回ります。

【街乗り】
速度域が低いためパワーの不足を感じることは全くなく、普通にアクセルを踏むだけで意図した通りに加速します。自然吸気エンジンのためターボラグなく自然に加速します。回転数が低いためエンジン音はとても静かです。アイドリングストップからの復帰のときもディーゼルエンジンよりも音と振動が少なめです。

【高速道路】
1.5Lエンジンと異なり踏めば踏んだ分だけ加速しますので日本の高速道路の速度域では問題なし(ただし新東名の120km/h区間は未走行)。ディーゼルエンジンよりも回転数は高めですが、代わりにエンジン自体が静かで振動が少ないため回転数が上がっても不快ではありません。ぶーんという音が微かに聞こえる程度だとそこそこスピード感がありかつさほど不快でありません。さらに、高速道路ではクルーズコントロールを使えますのでエンジン回転数が上がっても気になりませんし、アクセルを踏み込んで加速する機会もさほどありません。

高速道路で楽なのはディーゼルエンジンですが、2Lガソリンエンジンの方がパワーがありますので、エンジンを回してパワーを出せばガソリンエンジンの方が加速が良いです。

【田舎の国道】
都会よりも流れが早いため、青信号発進の際に回転数が上がりますが、どうせ巡航速度に乗るまですぐですので、気になるほどではありません。加速時は例によって2500回転くらいでシフトアップして1500回転くらいまで下がります。普通にアクセルを踏んでいるときで1500回転くらい、低負荷で惰行しているときには1000回転くらいまで下がります。1.5Lや1.8Lのシングルターボのディーゼルエンジンではターボの効く1500回転以上を維持しようとしますが、ターボラグの無い自然吸気ガソリンエンジンならターボを意識せずにエンジン回転数を下げることができます。

【山道】
さすがにディーゼルエンジンのように低回転でトルクが太いわけではありませんので、通常のDレンジだとパワーが足らず、アクセルを踏み込んでキックダウンさせると急に加速してi-DMが白点灯します。しかしそういうときにはSPORTモードにしてギア低めでエンジン回転数を上げれば問題なく登れます。下りでもエンジンブレーキの効きが良くなります。その代わりたちどころに燃費が悪くなりますが。

デミオディーゼルにはSPORTモードがなかったため、Dレンジで苦しいときにはマニュアルモードにして2速固定や3速固定にしていました。これだと勾配が変化した際に目まぐるしくシフトチェンジしなければならなくて面倒でした。SPORTモードだと全般的にギアが低めになるだけでそれ以外はAT任せにできますので楽です。もちろんマニュアルモードで山道を走ることも可能です。下り坂ではマニュアルモードにしてエンジンブレーキを効かせる方が走りやすいかもしれません。段を指定する分にはSPORTモードかどうかは関係ありません。

【ディーゼルエンジン車との比較】
ディーゼルエンジン車は高速道路では圧倒的に楽ですし、登り坂でも低い回転数でぐいぐい登れますので、そういう場面では有利なのですが、それ以外の場面はあまり得意ではありません。それに対して2Lガソリンエンジン車は突出したものはないものの、オールラウンドに走れます。

【1.5Lエンジンとの比較】
Mazda 3やアクセラの1.5Lエンジンだと「敢えて回す」というスタンスですが、2Lエンジンではエンジンを回すことをさほど意識せず、ゆるゆると走れます。楽しく乗るなら1.5L、楽に乗るなら2Lでしょうか。刺激はなくひたすら安楽です。レンタカー等でたまに乗るのでしたら1.5Lの方が楽しそうですが、普段使いにするなら2Lの方が疲れないような気がします。