2020年1月18日土曜日

クルージング&トラフィック・サポートとMRCC

高速道路と渋滞する道路でクルージング&トラフィック・サポートを試してみました。クルージング&トラフィック・サポートとMRCCとの主な違いは55km/h以下でステアリングアシストが効くかどうかです。最初に試したのはクルージング&トラフィック・サポートでした。高速道路でいつも渋滞する箇所がありますので、その手前から使いました。

追従走行をするのは全車速型MRCCと同様です。車間距離の設定を最小にしましたが、それでも混雑する高速道路では周囲に比べて車間距離が開きすぎですので、後続車にとっては走りにくいかもしれません。かといって車間距離を詰めすぎると追従走行しきれないでしょうから、現在の技術ではこれが限界ということなのでしょう。先行車が停止するとそれに合わせて停止します。停止位置は近すぎず遠すぎずちょうど良い位置で、これについてはよくできていると思います。発進時には軽くアクセルを踏むと発進し、しばらくするとクルージング&トラフィック・サポートが有効になります。たしかに面倒ですが、その代わり停車中にブレーキを踏み続ける必要がありませんので、慣れればこちらの方が便利なのかもしれません。

先行車に速度ムラがある場合には先行車の動きに合わせてブレーキをかけたり加速したりしますので、後続車から見るとさぞかし下手に見えるでしょう。人力で運転する場合には先行車の動きを予測して早めにアクセルを抜いたり車間距離を開けたりして調整することで極力速度ムラを吸収しようとするものですが、機械はまだそこまでできませんので、先行車の下手な運転がそのまま後続車に伝達されます。

減速して合流車のためのスペースを確保するというのは人力で運転する際にはごく当たり前のことですが、機械にはまだできないようで、ブレーキを踏む必要があります。キャンセルされてしまいますので、合流完了後にレジュームボタンを押す必要があります。

ステアリングアシストは55km/h以下で有効になりますが、介入してくるときにはいきなりぐりっとパワステに介入してきます。指導員に無理やりハンドルを切られているような感じです。それできちんと車線をキープしていればよいのですが、微妙にずれていてさらに気持ち悪いです。レンタカーでインプレッサを借りた際にアイサイトを試してみましたが、こちらはステアリングアシストでも特に違和感がありませんでした。先行している分、よく練れているのでしょう。自動運転と割り切れば多少変なトレースの仕方でも我慢できるのかもしれませんが、あくまでもヒューマンエラーに対するバックアップという位置づけですので、ステアリングから手を離してはいけないという縛りがあります。

そういえば、先代のアクセラのレーンキープアシストでは介入の度合いを設定できて、最も介入度合いの強い設定にするとステアリングアシストと同様の効果が得られましたが、これも介入されると気持ち悪いので、介入されないよう正確なハンドリングが求められました。これはこれで練習になりそうですが、機械がコーナーを完璧にトレースできるのでなければ意味がありません。コーナー手前で減速して早めにステアリングを切ったり、コーナー出口で加速したりといった協調制御までできるようになれば機械が人間を代替しやすくなりますが、今はまだ機械にはできませんので、コーナー緩い高速道路か渋滞する一般道以外ではなかなか機械に任せられません。まだ過渡期の技術だと思います。

そんなステアリングアシストではあまり役に立ちませんので、ステアリングアシスト抜きの普通のMRCCも渋滞する一般道で試してみました。クルージング&トラフィック・サポートと同様に先行車の停止位置に合わせて停止するかと思いきやなかなか停止しないで先行車に接近してしまい、挙げ句の果てにブレーキを踏めと言われました。MRCCでも通常ならきちんと停止して発進時にアクセルを軽く踏むだけのはずなのですが、ある種の条件のもとでは効かないのでしょうか。確実に停止できないとなったら人力で介入する前提で臨む必要があるのですが、機械が停止させるタイミングは人力でブレーキをかけるタイミングよりも遅いため、結局いつも人力でブレーキをかけることになってしまいます。

1.5Lガソリンエンジン車にはクルージング&トラフィックサポートをつけられませんが、MRCCならついていますので、中途半端なステアリングアシストなんて必要ないということでしたら1.5Lでも問題ないかもしれません。

ステアリングアシストが55km/h以下のみで有効になるのは、高速域では人力でステアリングを切る方が気持ち良いからだよいう説明がなされているようです。たしかにそれに同意する余地もありますが、それはユーザーの判断に委ねるべきだと思います。高速域でのステアリングアシストは既に先代のアクセラで実現できていますので、あとはステアリングアシストを「全車速で有効」「55km/h以下で有効」「無効」から選択できるよう設定するだけです。

レーンキープアシストとは別に車線逸脱警報もついています。従来は警告音が発せられる方式でしたが、Mazda 3ではステアリングホイールに振動が発生する方式になりました。しかし車線を区切る線以外で誤認識するのは相変わらずで、普通に走っているときにいきなりステアリングホイールがガリガリと振動するとびっくりします。これはマツダコネクト上の設定で振動による警告か従来からの音による警告かを選ぶことができます。現在の精度でしたら音の方がまだましかもしれません。