2020年6月18日木曜日

アクセルペダルとブレーキペダルの位置

レンタカーでソリオを運転する機会があったのですが、これは典型的な日本の小型車でした。アクセルペダルが左に寄っていて、ブレーキペダルを踏んだ際にアクセルペダルに引っかかって、停止直前にブレーキを踏みながらアクセルも吹かすことになってしまい、制動距離が伸びてしまいました。一方、同じ吊り下げ式アクセルペダルであっても新型カローラのペダルは優秀で、アクセルペダルのコントロールがしやすいだけでなく、ブレーキペダルを踏んでいる際にアクセルペダルに引っかかることはありませんでした。操作感があまりに自然なので「今のカローラはオルガン式ペダルなのか」と思って信号待ちのときにアクセルペダルの様子を確かめてみたら従来通りの吊り下げ式でした。

その後オルガン式ペダルのマツダの車を運転すると、ブレーキペダルの位置がアクセルペダルの位置よりもだいぶ手前に出ていることから、ブレーキペダルを相当踏み込まない限りつま先がアクセルペダルに届くことはありませんでした。たしかに、車庫入れで停止直前にブレーキを深く踏み込んでいるときにアクセルペダルに引っかかることがたまにありますが、ブレーキペダルの踏力が大きい一方でアクセルペダルの踏み込み量が僅かであることから、大事には至っていません。アクセルペダルの少し左側にかかとを置いてアクセルペダルとブレーキペダルとを踏み替える限り、ブレーキペダルを踏むことを意図しているときには、たまたまアクセルペダルに触れてしまうことはあれ、ブレーキペダルを踏むのと同じような感じでブレーキを踏むときと同じような踏力でアクセルペダルだけを踏むことはありません。

一方、水野和敏氏へのインタビュー記事では以下のように記されています。
モノ凄い発進駆動力のあるR35GT-Rを開発した時に、ブレーキペダルの配置やストローク範囲と合わせてなぜオルガン式ペダルでなく、吊り下げ式ペダルにしたかの理由のひとつもこれ。
ブレーキペダル誤操作でアクセルも同時に共踏みした場合、吊り下げだと踏んでいくと、つま先が空振りしてくれる場合もあるのに対し、オルガン式はかかと部分が固定されているのでどこでも踏めてしまうから。
この記事だけ読むと吊り下げ式ペダルよりもオルガン式ペダルの方がアクセルペダルの誤操作が多いかのように見えますが、いみじくもその直後に
危ないか危なくないかはレイアウトとの関係やストローク量や操作力とのバランスなどで一概には言えないけど……。
とあるように、吊り下げ式だからとかオルガン式だからとかいった問題ではなく、レイアウトとの関係やストローク量や操作力とのバランス次第のように思えます。設計が良ければオルガン式ペダルであってもアクセルペダルを深く踏み込んでしまうことはありませんし、吊り下げ式ペダルであっても操作性が良好だったりします。反対に、オルガン式ペダルであっても設計が悪ければ水野氏が危惧するような事態が起きてもおかしくありません。特定の方式だけ取り上げて優劣を論じることに意味があるとは思えません。