2021年2月11日木曜日

もしSkyactiv-Xに軽油を入れたら

Skyactiv-Xはガソリンエンジンながら圧縮比が15もありますが、圧縮比15といえば軽油を噴射しても圧縮着火できるくらいの圧縮比です。軽油を圧縮着火させるためにはコモンレールインジェクターで精緻に燃料噴射を制御する必要がありますが、Skyactiv-Xにもコモンレールインジェクターとよく似たインジェクターがついているようです。さらにディーゼルエンジンには過給器が必要ですが、Skyactiv-Xにはターボチャージャーがついていないものの、スーパーチャージャーならついています。直噴ディーゼルエンジンからは煤が出ますのでDPFが必要ですが、Skyactiv-Xも同様に煤が出ますのでGPFがついています。Skyactiv-Xは現在は空気過剰率(理想空燃比に対する空気の量の比率、λ)=2以上ですが、次世代ではλ=3〜4を目指しているようです。そうなるとますますディーゼルエンジンに近づいていきます。もしかして軽油向けの制御を導入したら軽油を燃焼させることができたりしないものでしょうか。

さすがにそれは絵空事としても、Skyavtiv-Xの開発で培った技術をSkyactiv-Dに応用したらもっと熱効率がよくなるかもしれません。例えばカプセル化して断熱する技術は、特に断熱で不利な小排気量エンジンに応用すれば改善が見込めます。実際、カプセル化はSkyactiv-X以外への応用の余地もあるようです。また、必要以上に過給すると窒素酸化物が発生しやすくなりますが、Skyactiv-Xの技術を応用して過給圧を精緻に制御すれば窒素酸化物の発生を減らせるかもしれません。さらに、Volvoのエンジンのようにガソリンエンジンとディーゼルエンジンとで可能な限り設計を共通化することもできるかもしれません。