2017年6月5日月曜日

Skyactiv-G 120とSkyactiv-G 100の性能曲線

欧州ではSkyactiv-G 2.0は出力120PSに抑えられていてSkyactiv-G 120と呼ばれています。Skyactiv-G 2.0の性能曲線をもとに最高出力を120PSに抑えると、だいたい4000回転くらいで燃料噴射を絞ってトルクを落とします。しかしSkyactiv-G 2.0の最大トルクは4000回転未満で発生しますので、4000回転以上回さなければ実用上問題ないということになります。元祖ダウンサイジングターボのVWはシフトチェンジの速い多段変速機を採用して極力ギアを高くすることでエンジン回転数を抑えることで、ダウンサイジングターボが苦手とする高回転域を避けています。マツダもVWとは別のアプローチでシフトチェンジの速い多段ATを採用しています。

公道で普通に運転する上で重要なのは最高出力よりも低回転でのトルクですが、わざわざターボをつけなくても、排気量を大きくしてエンジン制御ソフトウェアをいじって出力を絞るだけでダウンサイジングターボに似たような出力特性を実現できます。エンジン排気量が一回り大きくなっても製造コストに大差なく、ターボが不要な分だけむしろコスト競争力があります。また、自然吸気エンジンの方が高負荷域での燃費が良いというのがマツダの主張です。

1.5LエンジンのSkyactiv-G 100も同様に5000回転以上で出力を絞っていますが、トルクのピークは3000回転くらいですので、これも実用上問題ありません。車体の重いアクセラに1.5Lエンジンを組み合わせると、低負荷時には2000回転くらい、発進時や上り坂の高負荷時には3000回転くらいになりますが、3000回転になる頻度は高いものの、公道を普通に運転している限り4000回転を越えることはありません。Skyactiv-G 100は出力の割に低回転域のトルクが太くなり、1.2Lターボエンジンと同じような出力特性になります。

CX-3ならアクセラよりも100kg軽いので、日本の公道の速度域なら1.5Lエンジンでも十分に見えますし、競合するホンダヴェゼルや日産ジュークも廉価版は1.5L自然吸気ガソリンエンジンを採用しています。表面的な数字を見る限りでは、CX-3にガソリンエンジンの廉価版を投入するとしたら競合と同じく1.5L自然吸気エンジンを採用するのが順当に思えます。

仮にCX-3に1.5Lガソリンエンジンを採用しないとしたら、そのエンジン特性によるものではないかと想像します。アクセラ場合、普通にアクセルを踏むだけだと非力な車でしかありませんが、マツダの1.5Lエンジンは1000回転から2000回転にかけてはトルクがフラットな一方で、2000回転から3000回転にかけて急激にトルクが太くなりますので、加速力が必要になったら積極的にアクセルを踏み込んで3000回転くらいでパワーを引き出して走ると楽しい車です(特に低いギアで引っ張れるMT車ならなおさら)。そういう走りが楽しいのはそれを支える足回りあってのものですが、ひるがえってCX-3を見てみると、町中をおとなしく走る分にはすこぶる快適である反面、無駄に太いタイヤのせいか足回りが犠牲になっていて、積極的にアクセルを踏み込んで走る気になれません。マツダの1.5Lエンジンだと2000回転くらいでパワーが足りないとすぐにキックダウンで3000回転に上がってしまいますので、せわしない印象があります。自らの意思でアクセルを踏み込んで回転数を上げるのでしたら苦になりませんが、普通に走りたいだけなのにむやみにエンジン回転数が上がると非力な印象ばかりが残ります(アクセラ1.5Lもワインディングでは楽しい車ですが、高速道路を走る頻度が高い場合には同様の理由によりおすすめできません)。むしろ低い回転数で余裕を持って走れるトルクの太いエンジンの方がCX-3という車のキャラクターに合っているのかもしれません。

かといって素の2Lエンジンのままでは価格競争力がありません。そこで欧州仕様と同様に120PSに出力を落とせば115PSの1.5Lエンジンと見かけ上の出力はほぼ同じになりますので値段を下げやすいですし、低回転域でのトルクの太いダウンサイジングターボエンジンのような出力特性になります。これなら低負荷時には1000回転くらい、少し負荷が上がっても2000回転くらいで走れますので、ゆったりとした走りが実現できます。2Lエンジン搭載でも200万円台前半くらいに値段を抑えられますので、ある程度は割高感を払拭できるでしょうし、エンジンルームが小さくて大きなエンジンを積めないデミオとの違いも明確に出せます。

2017年6月3日土曜日

CX-3の国外での販売価格

日本でCX-3の2Lガソリンエンジン車が販売されるとしたらどれくらいの値段になるだろうと思って、ドイツとイギリスでのCX-3の販売価格を見てみました。オーストラリアでの販売価格も見てみたかったのですが、郵便番号を入れないと価格が表示されません。米国ではディーゼルエンジン車の販売がありませんので、ガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車の価格差を見ることができません。

【ドイツ】
欧州では同じエンジンでも出力によって価格が異なります。安いPrime Lineは120PSの2LガソリンエンジンとMTと15インチホイールのみで、VAT抜きで16,490ユーロでした。下から2番目のCenter Lineでは1.5Lディーゼルエンジンも選択できて、Prime Lineと同じく120PS, MT, 15インチホールだと18,490ユーロ、ほぼ同じスペックでエンジンが1.5Lディーゼルエンジンだと20,490ユーロと2,000ユーロの価格差です。

上位モデルのExclusive Lineだと120PSガソリンエンジンで20,690ユーロ、1.5Lディーゼルエンジンで22,690ユーロとこれも2,000ユーロの差です。120PSのATだと23,490と今度はディーゼルエンジン車よりも800ユーロ高くなります。150PSエンジンはAWDのみの設定で23,490ユーロです。1ユーロ124円で円換算すると292万円です。CX-3はアクセラよりも100kg軽いので、FFでしたら120PSで十分ということなのかもしれません。

最上位のSports Lineだと、120PSガソリンエンジンで21,790ユーロ、1.5Lディーゼルエンジンで23,790ユーロ、円換算で296万円です。150PSエンジンのAWDは24,590ユーロ、円換算で306万円です。ディーゼルエンジンのAWDは25,590ユーロとこれが一番高いです。CX-3はドイツでも結構値が張ります。

単純に価格差だけを見れば2Lガソリンエンジンは1.5Lガソリンエンジンよりも25万円安いことになりますが、比較対象の2Lガソリンエンジンの出力が120PSにスペックダウンしていることに注意が必要です。日本で販売されている2Lガソリンエンジン車は本来の出力である154PSです。

【イギリス】
一番安い120PSガソリンエンジンとMTの組み合わせで17,895ポンド、同じスペックで1.5Lディーゼルエンジンだと19,395ポンドと、1,500ポンドの価格差、約20万円の差です。上位グレードで比較してみても1,500ポンドの価格差でした。

【日本での販売価格を推測すると】
欧州価格をベースにすると1.5Lディーゼルエンジンと2Lガソリンエンジンとの価格差は20万円から25万円くらいに見えますが、日本ではガソリンエンジンの出力を絞っていませんし、MTだからといってATよりも安いわけではありませんので、アクセラと同様にほぼ同じ価格になるのではないでしょうか。300万円の1.5Lディーゼルエンジン車は買いたくないけれども300万円の2Lガソリンエンジン車なら買ってもよいと考える潜在顧客がいれば、その分だけ売れるのかもしれません。

ディーゼルエンジンも最初に比べればだいぶ改良されていて、DE精密過給制御とナチュラル・サウンド・スムーザーがついていれば街乗りでもさほど不便に感じませんし、日本では青信号発進のときですら鋭い加速が求められることがありませんので、ディーゼルエンジンであっても低めのギアで引っ張れば十分に加速できるのですが、同じように加速するのでしたら2Lガソリンエンジンの方が静かに加速できるでしょうから、静粛性を求める層にはアピールしそうです。アクセラよりも車体が軽い分、余裕のある加速ができそうです。また、エンジンが軽くなりますので、重量バランスも改善することでしょう。街乗りでの乗り味は良くなるかもしれません。

1.5Lガソリンエンジン車でも115PSありますので、2Lガソリンエンジン車の120PSとほぼ同じ出力ですが、あくまでも最高出力の数字でしかなく、通常の回転域では排気量なりの差があります。1.5Lガソリンエンジン車の場合、上り坂や高速道路ではエンジン回転数が上がりますので、ディーゼルエンジン車よりもうるさくなり、たとえ安い値段で販売しても安かろう悪かろうになってしまいます。

【他車との比較】
ちなみにデミオの1.3Lガソリンエンジン車は100万円台後半、アクセラ1.5Lガソリンエンジン車は装備にもよりますが乗り出し200万円~250万円くらいです。インプレッサも同じくらいの価格帯です。300万円あったらCセグメントの輸入車の良い車が買えます。200万円台後半で小さくて取り回しの良い車が欲しいということでしたらポロが丁度それくらいです。値引きの状況次第ではもっと安くなります。

CX-3に比較的近いのがMini Crossoverで、現モデルでは安いガソリンエンジン車がありませんが、先代の一番安いモデルは1.6L自然吸気98PSで200万円台後半、マツダの2Lエンジンに近い性能の1.6L自然吸気122PSで300万円台前半でした(マツダのガソリンエンジンは燃費重視なので排気量当たりのパワーが他社よりも控えめ)。CX-3の2Lガソリンエンジンだと同クラスの他の車よりは割高感があるものの、Miniよりは一回り安いかなという程度です。重い車体に98PSのエンジンでまともに走るのかと思いきや、本来122PSのエンジンの最高出力を絞っているだけですので、ややエンジン音が大きいものの日本の公道では問題なく走りますし、さすがドイツ車だけあって時速90kmを越えた辺りから路面に吸い付くような乗り心地になります。高速域での乗り心地の良くないCX-3とは対照的です。

【ホンダヴェゼルの場合】
ヴェゼルはハイブリッド車と1.5Lガソリンエンジン車の2本立てで、前者は227万円~277万円、後者は192万円~239万円と35万円程度の価格差です。売り上げは月によって変動があるものの、だいたいハイブリッド車6~7割、ガソリンエンジン車3~4割で推移しています。たしかにヴェゼルはこのクラスでもっとも売れている車ですが、ガソリンエンジン車のラインナップが無くても今の3分の2くらいは売れていることになります。

CX-3のディーゼルエンジン車はヴェゼルのハイブリッド車の価格に合わせていますので、ガソリンエンジン車を出すとしたら同様に1.5Lガソリンエンジン車をヴェゼルと同じ値段で売るものかと思いきや、2Lエンジンで出すとなると、1.5Lエンジンでは十分でない理由が何かあるのかもしれません。どのみち2Lエンジンも1.5Lエンジンも製造コストはさほど違いませんので、ヴェゼルのガソリンエンジン車と同じ値段で2Lエンジンをぶつけてくれば勝算ありということなのでしょうか。その場合、国外での販売価格からすれば安すぎるということになるでしょうが、日本では競合車種に値段を合わせるケースが多いので、戦略的な値付けはあり得ます。欧州仕様と同様に120PSに絞ればマツダ内での整合性も取れそうです。

2017年4月30日日曜日

G-Bottleを使ってみました(第二印象)

水の動きが期待と異なるものだった点について、以下の変更を加えました。

  1. まず、ペットボトルの中の水が多すぎるのではないかと思って、水位を下げてテープを巻き直しました。 
  2. 次に、ペットボトルは寸胴なものが理想的なのですが、いまどきのペットボトルは凹凸を設けることで強度を確保していますので、内圧のかかる炭酸飲料向けにした方がよいだろうということで、炭酸飲料を飲んでペットボトルを確保し、水を入れ替えました。 
  3. 最後は、ドリンクホルダーに置くのではGの動きを正しく見ることができないので、助手席で手で持ってもらうようにしました。
この状態で使ってみたところ、公道では0.2G以内で収まる動きばかりですのでやはり振動にかき消されてしまいます。コーナーの連続する箇所を通ってやっときれいに0.4Gの水の傾きが出ました。

2017年4月29日土曜日

G-Bottleを使ってみました(第一印象)


「四輪の書」の帯にG-Bottle用のシートが付属していますので、本を購入後早速G-Bottleを作ってみました。作り方はシートを切り取って500mlのペットボトルの中央に巻いてテープで固定し、あとはペットボトルの中の水の高さを調整するだけです。また読んだことがありませんが、「頭文字D」という漫画ではコップの中の水をこぼさないよう運転する練習をする描写があるやに聞いており、それと同じようなものです。ペットボトルですのでキャップを閉めておけば水がこぼれることはありません。

まずはドリンクホルダーに置いてみたところ、通常の加減速やコーナリングでは0.2G未満に収まっていますので、ほとんど水の動きが見られませんでした。むしろ、路面からペットボトルに伝わる振動のために絶えず水が0.2G程度で揺れ動いており、当初意図していた運転操作に基づくGの変化を可視化するというよりもむしろ車内に伝わってくる振動を可視化することになってしまいました。

運転操作において意図しない振動が常に車内に入ってきてGの変化に影響しているとしたら、i-DMの点数にも影響しているかもしれません。また、振動に根差した微小なGの変化の連続に対しては人間による運転操作では打ち消せませんので、G-ベクタリングコントロールのような微小時間でGを変化させる技術が効いてくるのかもしれません。

2017年4月8日土曜日

クルーズコントロールの設定速度

DJ前期型デミオのクルーズコントロールは追従型ではありませんので、空いている道で一定速度を保って運転するときにはそれなりに機能する反面、対面通行区間で速度ムラのある車列に追従して走るのは難しいです。

フットブレーキやエンジンブレーキで減速して設定速度を下回るとクルーズコントロールがキャンセルされる仕様ですので、速度が回復したらresumeボタンを押す必要があります。これだと速度が一定範囲を行ったり来たりして効率が悪いですし、後続車にとっても運転しにくいです。一方、アクセルを踏み込んで設定速度を上回る速度で走る限りはクルーズコントロールが解除されず、アクセルを離すと徐々に設定速度に戻ります。これは追越加速による一時的な速度上昇を念頭に置いた仕様と推測されます。そこで、車列に速度ムラがある場合には下限速度で設定して、速度が不足する場合にはアクセルを踏んで調整するようにすると、クルーズコントロールが解除されず、アクセルペダルだけで速度をコントロールできるようになります。

どうせ速度を一定に保てないならクルーズコントロールは不要なのではないかと思えますが、クルーズコントロールをつけているとアクセルを離した際のエンジンブレーキの利きが緩やかになりますので速度を調整しやすいです。もちろん、速度を一定に保つことで燃費を確保するというクルーズコントロールの利点は損なわれますが、それは元の車列に速度ムラがある以上仕方なくて、せいぜい車間距離を大きく取って速度の変動を吸収するくらいしかやりようがありません。

2017年4月3日月曜日

アイドリングストップ

アイドリングストップの標準的な操作は停止時にブレーキを強く踏み込み発進時にブレーキを戻すことですが、説明書を見ると停止時にギアをNレンジに入れることでもアイドリングストップに入れるとあります。たしかにMT車なら停車中にギアをNレンジに入れますが、AT車であってもMT車的な運転操作を求めるのはいかにもマツダらしいです(ちなみにMT車では停止時にクラッチペダルを踏んだらアイドリングストップに入ります)。試しにやってみたところ、停車中にブレーキを強く踏み続ける必要がありませんし、ブレーキを強く踏み込んだり戻したりする際にi-DMで白点灯することもありません。信号待ちで長時間停車する場合にはギアをNレンジに入れる方が楽に感じます。DPF再生中でアイドリングストップに入らない場合であってもNレンジに入れると振動が低減されます。

気を付けなければならないことが2点あって、1つはギアをNに入れたことを忘れて発進しようとすると発進時にもたつくということ、もう一つは坂道で停車するときにはブレーキを強く踏み込んで停車する方が安全なことです。ギアがNレンジに入ったままうっかりブレーキを戻してしまうと大変なことになります。普段からMT車に乗っている人はそんなことはしないでしょうが、坂道発進で苦労しないAT車にばかり乗っていて中途半端にMT車的な操作をすると肝心なことを忘れます。中途半端なことをせずにやり方を統一した方がミスをしにくいのではないでしょうか。

2017年3月26日日曜日

夏タイヤに交換しました

もうじき4月ですので冬タイヤから夏タイヤに交換しました。手順はいつも通りですので特筆すべきことはありません。夏タイヤに戻した後で少し走りましたが、しっとりと落ち着いた感じになりました。冬タイヤで走っても特に冬タイヤであることを意識するわけではないのですが、いざ夏タイヤに戻してみると冬タイヤ特有のパターンノイズが無くなったことに気づきます。あとは、夏タイヤに戻した際に純正の重いホイールに戻りましたのでそれも効いているのかもしれません。