2022年1月17日月曜日

Skyactiv-Gによるシリーズハイブリッドは可能か

ロータリーエンジンと蓄電池によるマルチ電動化技術が2018年に公表されています。これは同じ技術を用いて蓄電池容量に応じてレンジエクステンダーEV、PHEV、シリーズハイブリッド車を作り分けるというものです。このうちレンジエクステンダーEVの開発が中止されたことが2021年6月に判明しました。

レンジエクスデンターEVはEVに関する規制の産物で、発電用エンジンによる走行距離が蓄電池による走行距離を超えてはならないとか、蓄電池を使い切ってからでないと発電用エンジンを使ってはならないといったルールがあり、蓄電池走行時には発電用エンジンが死重になることから、小型軽量のロータリーエンジンに白羽の矢が立ちましたが、なにぶん規制は人為的なものですので、そこに開発リソースを振っても空振りに終わるリスクがあります。それならロータリーエンジンと燃料の代わりに蓄電池を余計に積んだ方がリスクが低いでしょう。

残るはPHEVとシリーズハイブリッドですが、果たしてこれらにロータリーエンジンは必要なのでしょうか。たしかにロータリーエンジンは小型軽量ですし、原理的に燃費が悪いといっても、発電専用エンジンとして熱効率の良い領域だけで使うならレシプロエンジンの燃費に比べてさほど劣らないとされています。

しかしシリーズハイブリッドは高速域での燃費が悪く、そのためにホンダは75km/h以上ではエンジン直結で駆動しています。欧州の燃費規制が厳しくなると高速域の燃費改善のためにエンジンによる直接駆動が必要になり、そうなると、変速機がよほど高性能でない限り、ロータリーエンジンが苦手とする領域で使わざるを得なくなり、燃費が頭打ちになってしまうのではないでしょうか。75km/h~180km/hの領域でエンジンで直接駆動しようとすると、エンジン回転数に2倍以上の差がついてしまいますが、何段かに変速しようとすると結局ATまたはCVTを積むことになり、高価で重量のある変速機が不要というシリーズハイブリッドの利点が損なわれます。

ではロータリーエンジンよりも熱効率にすぐれたSkyactiv-Gを使えばよいかというと、その場合、そもそもシリーズハイブリッドにする意味があるのかを考える必要があります。ハイブリッド車の利点は電力回生とそれによるモーターアシストと、そこから派生してエンジンにとって効率の良い領域に特化できることです。エンジン駆動をメインにすればマイルドハイブリッド、モーターを主たる動力源にするのがシリーズハイブリッド、エンジン駆動とモーター駆動の比率を自在に操作できるのがトヨタのTHSⅡです。エンジン駆動車の燃費においてTHSⅡに匹敵するものは存在しません。さらにいえば、エンジン駆動車で最も燃費が良いのがヤリスハイブリッドですので、単純に燃費だけを追求するならヤリスハイブリッドをOEM販売するのが最も効率的です(トヨタディーラーで買えるヤリスハイブリッドをわざわざマツダディーラーから買う物好きが一体どれだけいるのかはともかくとして)。

エンジンの熱効率の良い領域が広ければ、その分エンジンで直接駆動した方が熱効率が良いです。シリーズハイブリッドは電力回生できる一方で、エンジン直接駆動に比べて発電機とモーターによる熱損失が発生しますし、蓄電池製造時に温室効果ガスを排出しますし、そもそも蓄電池は高価です。

しかしそれでも定量的にはノートのWLTC燃費が28.4km/L、フィットハイブリッドのWLTC燃費が29.4km/Lなのに対し、Mazda 2の欧州向けマイルドハイブリッド車のWLTC燃費がMT車で21.3km/L、AT車で19km/L程度ですので、少なくとも燃費だけを比較する場合にはマイルドハイブリッドでは全然足りません。シリーズハイブリッドは高速域での燃費に不利とされていますが、ノートの高速道路モードのWLTC燃費は27.2km/Lであり、これはガソリンエンジン単体では達成できない水準です。75km/h以上でエンジン直接駆動に切り替えるフィットの高速道路モードのWLTC燃費は27.4km/Lですので、たしかにエンジン直接駆動の方が燃費が良いものの、コストを考慮すればノートの燃費もなかなかのものです。

ということを考えると、Skyactiv-Gによるシリーズハイブリッド車があってもよいのではないかと思えてきます。折しも1.5Lエンジンには燃費改善のための改良が施されたばかりですし、ラージプラットフォーム向けのPHEV車はロータリーエンジンではなく直列4気筒エンジンが採用されることが公表済です。

2022年1月11日火曜日

国産Cセグメント車乗り比べ

普段乗っているMazda 3に加え、レンタカーでインプレッサをカローラにも乗ることができましたので、ざっくりと比べてみました。あいにくシビックには乗ったことがありませんのでわかりません。

【乗り味】

主観的な言い方になってしまいますが、Mazda 3はねっとり、インプレッサはかっちり、カローラ(セダン)はさっぱり、カローラスポーツはカローラ(セダン)とMazda 3の中間で、一見こってりしているようでいて、実はさっぱり。どれも狙い通りの場所にハンドルを切ることができて、最近の国産Cセグメント車はレベルが高いですね。

【ブレーキフィール】

どれも良好ですが、特にMazda 3のブレーキは踏力の微妙な加減に反応するように感じます。

【室内の広さ】

アメリカ人向けに作られているインプレッサが一番広く、次はバランスの取れた日本向けカローラ、欧州向けに作られているカローラスポーツはやや狭く、Mazda 3はエクステリアデザイン重視かつ囲まれ感重視でさらに狭いです。トランクルームは全長の短いカローラスポーツが一番狭いです。運転する分には狭くても平気ですが、同乗者にはインプレッサのような広い車が好まれるでしょうね。

【着座位置】

高い順にインプレッサ>日本向けカローラ>カローラスポーツ>Mazda 3。着座位置の低い車は前面窓の天地寸法も小さめですので、その分ドライビングポジションを合わせるのが難しいです。また、SUVは着座位置はやや高くなるものの、ボンネットが分厚いので窓の天地寸法は大したことありません。

【視界】

これもインプレッサ>カローラ>カローラスポーツ>Mazda 3の順です。

【静粛性】

これは意外と甲乙つけ難いですが、強いて言えばMazda 3がやや静粛性が高く感じます。

【燃費】

燃費についてはトヨタのハイブリッドが圧勝ですし、高速道路ではディーゼルエンジンが有利であることは明白ですので、ガソリンエンジンで比較するなら、Mazda 3>インプレッサ>カローラ1.8Lエンジン>カローラスポーツ1.2Lターボでしょうか。Skyactiv-Gは熱効率重視の設計ながら、6ATのレシオカバレッジが最近のCVTよりも狭くて損をしているように思えます。インプレッサは燃費に不利な水平対向エンジンの割にはがんばっているように思えます。トヨタの1.8Lエンジンは設計が古いですし、ダウンサイジングターボは低負荷以外では実燃費が良くありません。

2021年12月5日日曜日

久しぶりにレンタカーでデミオ1.3Lに乗りました

タイムズカーレンタルのデミオは1.5Lが主流になって、最近はMazda 2もぼちぼち入っているところですが、久しぶりにデミオ1.3Lに当たりました。

パワーが乏しいのはわかっていますので、発進時に積極的に回すようにしましたが、もともとアクセラやMazda 3の1.5Lエンジン車よりもパワーに余裕がありますので、一般道では十分に走ります。上品路線に転換する前のデミオですので軽快に走ります。デミオ1.5Lと違ってATの制御に不自然な挙動がありませんので、運転しやすいです。街乗り用のBセグメント車としてはやはりこれくらいでちょうど良いかなと感じました。

1.5LエンジンのMazda 2は長距離巡航が楽で、これならディーゼルでなくてもよいのではないかと感じますが、それこそMazda 3の1.5Lと2Lのように明確にキャラクターが違います。

2021年11月7日日曜日

次期Bセグメント車を妄想する

マツダのプレスリリースでは 「2022年前半よりロータリーエンジンを発電機として活用するマルチ電動化技術を搭載したモデルの導入を進める」とあり、あと数ヶ月すれば2022年前半ですので、いずれ何か発表されるのではないかと推測しますが、「こんなのが出たらいいな」という願望混じりに次期Bセグメント車のあり方を予想してみます。

1. シリーズハイブリッド車とプラグインハイブリッド車

Bセグメント車の本命はこれでしょう。床下に蓄電池を搭載することから、MX-30をスケールダウンして軽量化したSUVタイプではないでしょうか。名前は順当に行けばCX-20でしょうが、新機軸をアピールするためにMX-20を名乗る可能性もあります。Bセグメント車の価格帯に合わせるため、蓄電池搭載量を減らしてロータリーエンジンと発電機で代替して、Bセグメントの高級タイプとしそうです。ホイールベースを短くすると床下の蓄電池搭載量が減りますが、プラグインハイブリッド車に必要な蓄電池くらいは積むことができそうです。

エクステリアがMX-30風になるのかCX-30風になるのかわかりませんが、タウンユースの車でしたらMX-30風もありだと思います。その際、ホイールベースが短いと観音開き扉を設置するまでもなくなりますので、3ドアハッチバックになるのではないでしょうか。3ドアにすることで車体を軽量化できます。ただ、欧州向けなら3ドアでよいとしても日本のように3ドア車が嫌われる国もありますので、広く売るならCX-30風の5ドアハッチバックでしょうか。

蓄電池搭載量が多くて高価なプラグインハイブリッド車が上級グレード、蓄電池搭載量の少ないシリーズハイブリッド車がエントリーグレードでしょうか。どちらも電気モーターならではの低回転での太いトルクと精緻な姿勢制御によってMX-30EVと同じような上質な乗り味を期待できそうです。

シリーズハイブリッドには、単純にモーターを発電機として使用する日産方式と、高速域でエンジンをクラッチで車軸につないで直接駆動するホンダ方式とがあり、ロータリーエンジンを発電専用に用いるのでしたら日産方式の方が有利なのですが、それだと欧州の燃費規制に適合できずエンジンによる直接駆動も必要になったとのことですので、だとすればホンダ方式でしょうか。

シリーズハイブリッドといえども、日産ノートのWLTC燃費は28.4km/L、ホンダフィットのWLTC燃費は27.4km/L前後ですので、これくらいは出せないと商品力が劣りますが、果たして燃費に不利なロータリーエンジンでどこまでの燃費を達成できるか見ものです。最も効率的な領域ではレシプロエンジンに劣らないとは言われていますが、高速域でエンジン直結になれば最も効率的な領域から外れる可能性もあります。デミオEVのレンジエクステンダーは20km/Lくらいでしたが、Bセグメントでこの程度の燃費なら普通のガソリンエンジンでも達成できます。燃費で劣る分をロータリーエンジンの振動の少なさや軽さで補うこともできるかもしれませんが、それでも25km/Lを超えないとハイブリッド車としての魅力がありません。充放電制御を向上して電力回生率を高めれば燃費改善の余地がありそうです。また、デミオEVの頃よりもモーターが小型高出力化していますし、インバータも小型化されていますし、バッテリーの性能も良くなっていますので、これらの積み重ねでどこまで燃費を改善できるものでしょうか。

価格はノートやフィットハイブリッドのエントリーグレードの本体価格が200万円台前半ですが、マツダ車が標準装備が充実していることから、シリーズハイブリッド車はCX-3のディーゼルエンジン車と同じくらいの本体価格250万円くらい、蓄電池搭載量の多いプラグインハイブリッド車はCX-30のディーゼルエンジン車と同水準の本体価格300万円くらいでしょうか。

2. 当面はMazda 2ガソリンエンジン車を併売

1.5Lガソリンエンジンは2021年に改良型を投入したばかりですし、このクラスには安価な車両のニーズもあることから、ガソリンエンジンだけで走る車としてMazda 2のガソリンエンジン車をもうしばらく販売するのではないかと予想します。

たしかに、電動化を前提としたプラットフォームにガソリンエンジンだけを載せることは可能で、現にMX-30にもガソリンエンジン車はありますが、電動化を前提としたプラットフォームは床下に蓄電池を搭載することを前提としており、床が高くなっていますし、蓄電池を搭載すべき場所に蓄電池を搭載しないと車体の剛性が劣ります。車体が大きくなればその分重くなります。エンジンしか積まない車両にとっては設計上の無駄が多いように思われます。

もうしばらく販売するならマツダコネクトを第2世代にしてほしいですし、アダプティブクルーズコントロールを全車速対応にするためにも電動パーキングブレーキを導入してほしいところですが、安さを優先させるなら敢えて現状のままという選択肢もありえます。どのみち2025年までにはフェードアウトしますし。

ディーゼルエンジンがどうなるか気になるところです。本来ならば燃費が良くてCO2排出量が少ないことから、企業平均燃費の足しになるはずなのですが、ディーゼルエンジンには窒素酸化物等の排出量規制もあり、規制の厳しい欧州では販売されていないことから、企業平均燃費規制のために1.5Lディーゼルエンジン車の販売を継続する動機を見出しにくいです。ディーゼルエンジン車が販売されているのは日本くらいで、しかも直近の販売比率は30%程度です。しかもMazda 3やCX-30では1.8Lエンジンに移行している中で、Mazda 2だけは1.5Lのままです。たしかに既にあるものをそのまま積むことはできますが、そもそも安価なラインナップを残すことが目的でしたら高価なディーゼルエンジン車を残す意味がありません。低回転でトルクが太いのは電気モーターでも同様ですので、シリーズハイブリッド車で代替できます。

3. 一部地域ではCX-3のガソリンエンジン車も併売?

欧州ではCX-3の販売が終了したようですが、日本では1.5Lガソリンエンジン車のみ残っています。これも、ガソリンエンジン車としてなら床下に蓄電池を搭載することを前提としたプラットフォームは不要ですので、ガソリンエンジン車のみ安価なCX-3をMazda 2のSUV版として残すことはあり得ます。

4. まさかのAセグメント車は?

マツダは軽自動車から撤退して久しいですが、蓄電池を搭載する自動車は軽ければ軽いほど蓄電池搭載量が少なくて済みますのでコスト面で有利ですし、もちろん環境にも良いです。Aセグメント車向けのエンジンを新規に開発するのは現実的ではありませんが、電気モーターのサイズをひと回り小さくするのはさほど難しくありません。しかも小型軽量のロータリーエンジンならAセグメント車のエンジンルームにも収まるかもしれません。これは他社にない差別化要因です。シリーズハイブリッド車で本体価格を200万円未満に収めれば、日本の軽自動車の市場を取りに行ける可能性があります。軽自動車の売れ筋はN-BOXに代表されるトールハイトワゴンで、車両価格は200万円くらいしますので決して安くはありません。また、田舎ではガソリンスタンドが急速に減少しており給油が不便ですので、夜間に自宅で充電できる電気自動車は魅力的です。

とはいえ、プラグインハイブリッドにすると蓄電池搭載量が増えて割高になりますので、現在の蓄電池のコストのもとでは電気自動車として販売するのは難しそうです。それでも2025年にエンジンだけで走る自動車がフェードアウトする頃までには蓄電池のコストが下がってきて、価格面でMazda 2を代替する車に育つ可能性があります。

すでにダイハツロッキー/トヨタライズではシリーズハイブリッド車が出ていて、WLTC燃費は28.0km/L、本体価格は2,116,000円〜です。ガソリンエンジン車よりも30万円高い程度です。たしかにAセグメント車としては結構な値段ですが、ロッキー/ライズがもともと高く売れる車だからこそできたことでしょう。

2021年11月3日水曜日

ゆるツアラーとしてのMazda 3 20S

1年半以上Mazda 3 20Sに乗り続けてみて、だんだんこの車に合った乗り方がわかってきました。基本的にこの車は、少なくとも日本の公道の速度域では、飛ばすよりも低回転でゆっくり走った方が気持ち良いです。マツダの「カーラインナップ」ではMazda 3ファストバックは「5ドアスポーツ」と標榜していますが、全然スポーツ走行できていませんので、もしかしてマツダの想定する顧客ではないのではないかと思ってしまいます。

自然吸気ガソリンエンジン車かつ6ATですので高速道路では回転数が上がりがちで、あまり落ち着きません。クルーズコントロールをつけていれば車が巡航速度に応じてエンジンを回してくれますのでエンジン回転数はあまり気になりませんし、必要に応じて追い越し加速するときには、踏めばそれなりに加速してくれますが、やはり高速道路では低回転でトルクの太いディーゼルエンジン車が一番楽だと思います。

一方、信号のない一般国道を巡航する際にはエンジン回転数が1300回転くらいまで下がりますのでとても静かです。車内で音楽を聴くにはうってつけの環境です。路面に追随する固めの足も、この速度域でしたら道路を走っている実感があって楽しめます。ディーゼルエンジン車がこの速度域で巡航すると、エンジンへの負荷が低すぎてアイドリング時のようにカラカラとしてあまり気持ちよくありません。

ノーズが軽いので曲がるのは比較的得意な方だと思いますが、ワインディングでもガツガツ走る気にはならず、コーナー手前でエンジンブレーキで減速すれば曲がれる程度の速度で走りたくなります。ワインディングでメリハリをつけて走りたかったら1.5Lの方が楽しいと思います。

エンジンを回してゆっくり走りたかったら1.5L、一般道でエンジンを回さずにゆっくり走りたかったら2L、高速道路でエンジンを回さずに快適に走りたかったらディーゼルというところまではわかりますが、速く走りたかったら何に乗ればよいのでしょうね。Xは乗ったことがありませんのでわかりません。Xといえどもそんなにパワーがあるわけではありませんので、わかりやすいハイパフォーマンスカーに乗りたかったらシビックの方が向いているのでしょうか。

しかし、「一般道でゆっくり走りたかったらマツダがいいですよ」なんて広告を打ってもあまり人の心には訴えかけそうな気がしません。普通の人なら「ゆっくり走るだけなら軽で十分では」と思うことでしょうから、新規の顧客を獲得できそうな気がしません。広告を打って伝わりそうなのはエクステリアやインテリアといったデザインくらいで、そういう意味ではたとえ見掛け倒しと言われようともデザインに力を入れるのはありかもしれません。

2021年10月29日金曜日

Mazda 3とCX-30の商品改良

2021年10月28日にMazda 3とCX-30の商品改良が発表されました(プレスリリース)。

【パワートレイン】

残念ながら、予想通りに改良型ガソリンエンジンの搭載はありませんでした。むしろSkyactiv-Xの燃費が向上していました。エンジンの燃費向上は燃費規制の厳しい欧州向けですので、欧州で売れ筋のSkyactiv-Xで燃費を向上する方が効果が高いことは理解できますが、プレスリリースを読んでも一体どうやって燃費を向上させたのかが記載されておりません。日本でXを買うような人は燃費で選んでいるわけではないでしょうから、運転の気持ちよさのアピールしかしていません。

さらにわからないのは、全般的にWLTC燃費が向上している一方で、AT車の高速道路モードの数字だけが悪化していることです。MT車の高速道路モードの燃費は向上しています。ギアが変わったのかと思って諸元表を見ても変速比と最終減速比に違いはありません。もしかしてAT車だけアクセルペダルの反力を少し強くしたのと関係あるのでしょうか。Xは制御が複雑すぎてまだ気筒休止を導入できていませんが、ソフトウェア開発が追い付いて気筒休止を導入できたら高速道路モードの燃費が少し向上するかもしれません。

【価格】

日本でも積極的にXを売りたくなったのか、1.5Lエンジン車並みの装備でXのエンジンを積んだSmart Editionというのが出ました。本体価格はXD Proactiveと同じく2,790,741円(税込)です。乗り出し330万円くらいでしょうか。装備はともかくいまどきの国産Cセグメント車として手の届かない値段ではありません。

装備は15Sと15S Touringの間で、15Sとの価格差は約60万円、15S Touringとの価格差は約50万円です。エンジンの価格差は間を取って55万円くらいでしょうか。同じ装備の2Lエンジン車とXとの価格差は約70万円ですので、Xの価格を下げるために相当がんばっています。逆に、1.5Lエンジンが改良型になってしまうと少なくとも燃費については差がなくなってしまいますので、このタイミングで改良型エンジンを載せるのは難しそうです。

長距離向け装備の無いX Smart Editionは長距離向け装備満載の20S Proactive Touring Selectionより少し高い程度ですので、逆にいえば、いまどきの電子装備というのはかなりコストがかかっています。都会に住んでいて高速で出かけるとなると長距離向けの装備が欲しくなるところですが、田舎に住んでいて高速道路をあまり使わないのであればエンジンだけにお金をかけるという考え方はありえます。

もう少し現実的なのはProactive Touring Selectionからパワーシートを削ってProactive Touring Selectionよりも安くしたBlack Tone Editionです。こちらは売れ筋の20S Proactive Touring Selectionよりも60万円高く、X L Packageよりも15万円近く安いです。

【塗色】

プラチナクオーツメタリックはセダンとハッチバックの両方に導入され、従来ハッチバック専用色だったポリメタルグレーがセダンにも導入されました。最近のマツダは推し塗色を全車種に展開する傾向がありますので、その一環でしょう。ポリメタルグレーのセダンが似合うかどうかは実車を見てみないとわかりませんが、プラチナクオーツメタリックのハッチバックはこれはこれで意外と似合うかもしれません。ポルシェでもこの手のベージュ系の塗色があります。白に近い色でありながら光沢感があり他の塗色と同様に車体への映り込みが見えます。少なくとも今回廃盤になったチタニウムフラッシュマイカよりはとっつきやすそうな塗色です。

車の形に応じて似合う色と似合わない色とがあるはずですが、塗色のバリエーションを増やすだけなら型式証明の取得が必要なわけではありませんし、少ない種類の塗色にまとめることができれば塗装ラインの生産効率が上がりますので、生産側の都合としては理解できますが、マツダではデザイン部門よりも生産部門の方が力が強いのでしょうか。

2021年10月26日火曜日

Mazda 3の乗り心地がだいぶ良くなってきました

新車時にはガタガタした乗り心地で、こんな車で高速で長距離走れないと思いましたが、走行距離が増すにつれて足回りの当たりが取れてきて、次第に乗り心地がよくなってきています。もともと平滑な路面では乗り心地が良かったですが、最近になってやっと小さな凹凸くらいはサスペンションで吸収できるようになって、ぬるーんとした乗り心地になってきました。

何がどうぬるーんなのかというと、もともとふわふわしない車なのですが、かつては路面の凹凸に追従して車体が揺さぶられていました。しかし徐々にフラット感が増してきて、ときおり橋の継ぎ目のような大きな段差でガツンと来る程度になりました。もしかしてこれが開発者が本来意図した乗り心地なのでしょうか。ただ、ドイツ車のような高速域で氷の上を滑るような乗り心地とは違うように感じます。低速域では相変わらずガタガタしますし。足の動きだけで凹凸を吸収するというよりもむしろ、GVCか何かで車体の姿勢を制御しているような感じで、それがぬるーんとした感じを引き起こしているのではないでしょうか。車体制御の可能性を疑うのは、路面から入ってくる情報から当然に期待されるFF車の挙動と、実際の車体の動きとが一致しないような気がするからです。