2015年10月18日日曜日

デミオディーゼルで山道やワインディングを走るコツ

デミオディーゼルはフロントヘビーな上に俊敏さの乏しいディーゼルターボを搭載し、しかもFFですので、曲がるのはさほど得意ではありません。フロントヘビーなのはいかんともしがたく、コーナーでは曲がれる速度まで減速するより他にないのですが、せめて減速してからもう少し俊敏に速度を回復できないものかと思ってマニュアルモードを試してみました。

つづら折りの山道の上りで2速固定にしてみると、エンジン回転数が2500~3200回転くらいになり、トルクのピークは越えているものの、パワーのピークである4000回転までには余裕がありますので、踏んだらすぐに加速するようになりました。加速に効くのはトルクではなくパワーであることが実感できます。アクセルを離せば強いエンジンブレーキがかかりますので、コーナー手前での減速もやりやすくなりました。アクセルペダルだけで速度を調節しやすくなりましたし、キックダウンの際にi-DMで白点灯することもなくなりました。

同じくつづら折りの山道の下りでも2速固定にして、直線区間はアクセルで加速するようにすると、これもAT任せにするよりも楽に走れるようになりました。

運転はしやすくなったものの、上りでは平均燃費が13km/Lくらいまで落ち込みました。燃費重視で走るなら遅くなってもAT任せにした方がよさそうです。

国道の山越え区間のようにもっと緩やかな道では3速固定で楽に走れました。マニュアルモードであっても減速時のシフトダウンは自動ですので、速度が落ちると自動的に4速から3足、あるいは3速から2速に下がって走りやすくなります。その代わり一旦下がったギアはそのままですので、山を下って線形が緩やかになってきた場合にはシフトアップが必要です。下りで4速固定であればDレンジに戻しても問題ありません。

普段山道を得意とする人にとっては「何をいまさら」という程度のものでしかないでしょうが、ガソリンエンジン車ではパワーを引き出すために全般的にギアを落として回転数を上げるのが定石なのに対し、ディーゼルエンジン車の場合はパワーのピークとなる回転数が比較的低いのと、トルクが不足してキックダウンする機会が少ないため、ギアを固定してズボラに運転できます。これならMT車でも楽に運転できそうですが、MT車はAT車よりもハイギアードですのでその分低めのギアを選ぶ必要がありそうです。

本来ならば勾配やステアリング動作からATの制御ソフトウェアが山道を走っていると推測してギアを落とすような制御ができればよいのですが、現状ではまだそこまでできていないようです。「減速しながらステアリングを切ると曲線を通過していると認識してギアを上げない」とか「下り坂で定速走行しているときに自動的にシフトダウンしてエンジンブレーキがかかる」といった制御まではできているようですが。もしやるとしたらi-Activ AWDで培った技術を応用してドライバーの意図や路面状態を感知して、ATの制御に反映させるようなアプローチでしょうか。

ATの制御でさらに欲を言えば、日本の公道では前の車に追随して走ることが多いため、追従型クルーズコントロールの技術を応用して前車の挙動から最適なギアを選べればそれに越したことはありません(左車線で前車が減速しながら左ウインカーを出したら左折に備えてシフトダウンしてエンジンブレーキをかける、左側にも車線がある状況で前車が減速せずに左ウインカーを出したら進路変更と判断してシフトダウンしない等)。今後自動ブレーキが必須になる情勢において、道路前方や前車の状況に応じた制御が必要になってくることでしょう。