【1.3L】
- 日本:競合するヴィッツやフィットが1.3Lエンジン搭載。日本の公道では速度域も加速度も低め。ディーゼルエンジン車販売あり。
- タイ:タイのエコカー優遇税制は1.3L以下のガソリンエンジン車と1.5L以下のディーゼルエンジン車が対象。エンジン仕様は日本向けと同じ。ディーゼルエンジン車販売あり。
【1.5L】
- 欧州:RON95。欧州ではエンジン出力によって税金や保険料が決まるため、75ps(圧縮比12)、90ps(圧縮比14)、115ps(圧縮比14)と複数種類の出力で販売。1.5L自然吸気90psで1.2Lターボとほぼ同等。欧州の道路は速度域が高めなのと、競合メーカーが低回転でトルクの太いダウンサイジングターボを採用しているため、一回り排気量の大きい自然吸気エンジンで対応。ディーゼルエンジン車販売あり(のはずでしたが、よく見たらディーゼルエンジン車のラインナップが消えていました)。
- 米国:トヨタのヤリスセダンとして販売。RON91。106hp、14.2kgm(圧縮比12?)。ディーゼルエンジン車販売なし。ハッチバックのヤリスも1.5Lエンジンのみ。
- オーストラリア:RON91。廉価版は圧縮比12、上位グレードは圧縮比13。ディーゼルエンジン車販売なし。
- インドネシア:RON91。圧縮比13。ニッチな輸入車という位置づけのため廉価版なし。ディーゼルエンジン車販売なし。
【販売なし】
- 中国:小型車のニーズが乏しい
- インド:未進出
- ブラジル:メキシコ工場からの輸出が頓挫
網羅的に調べたわけではありませんが、大きな市場で見る限り、1.3Lエンジンは日本とタイのみで圧縮比12のRON91仕様が供給されているようです。1.5Lエンジンはデミオ用だけでもRON91仕様とRON95仕様、廉価版は圧縮比12、上位版は圧縮比13(RON91)または圧縮比14(RON95)とあります。さらにアクセラ用にも圧縮比13のRON91仕様と圧縮比14のRON95仕様がある他、欧州向けでは出力が抑制されていたりして、これも何種類かあります。
ソフトウェアでいかようにでも調整できるのでしたらいっそのこと1.5Lエンジンに統一してしまって日本向けに圧縮比12の90ps仕様を出せばよいのではという気もしてきます。現に欧州向けの圧縮比12の75ps仕様なら1.3Lエンジンでも実装できそうに見えますが、敢えて1.5Lエンジンになっています。タイ向けでは税制上の理由で1.3Lエンジンを残さざるを得ませんが、改良型の開発は1.5Lエンジンのみにして、タイ向けの1.3Lエンジンは現行仕様のものをそのまま使い続けるという選択肢もあります。例えばパワーに余裕のない1.3Lエンジン向けに気筒休止を実装しても、開発コストに見合ったメリットをあまり期待できません。
CX-3のガソリンエンジンは2Lに統一されていますが、これはアクセラ用と異なり低回転でのトルクを太くした仕様です。日本市場向けでも競合するヴェゼルやジュークの廉価版が1.5Lエンジンである一方で、CX-3は2Lエンジンですので、必ずしも競合車種に合わせなければならないという考え方ではないようですし、値付けについてもCX-3向けでは1.5Lディーゼルエンジン車よりも安くする等、柔軟に対処しているように見えます。