- SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREの部分採用
- 1.8Lディーゼルエンジン
- 全車速追従機能付MRCCと電動パーキングブレーキ
- JC08モード燃費表示の廃止
- 2Lガソリンエンジンの改良
- 価格
1.サスペンション
このタイミングでSKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREの部分採用とは意外ですが、アクセラと異なりCX-3は既にリアサスペンションはトーションビームですのでタイヤとサスペンションには手を入れられたようです。SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREは試作車が絶賛されていたようですが、今回はボディーはそのままですので、どの程度効果が出るのか楽しみです。
2.1.8Lディーゼルエンジン
改良型2.2Lエンジンと同様に急速多段燃焼を可能にする改良型ピエゾインジェクターが採用されたのは事前に出ていたスペックの数字からは意外でした。2.2Lエンジンの場合、性能が1割ほど向上している一方で、1.8Lエンジンは排気量が2割拡大しているにも関わらず性能向上は1割です。日経xTECHの記事によると、従来の1.5Lエンジンではトルク220Nm以上でEGRが使えなくなることで急速にNOxが増大していたとのことです。これでもWLTCまでは対応できていましたが、RDE (real driving emmissions)には対応できないことが1.8Lエンジン開発の動機とのこと。1.8Lエンジンでは270NmまでEGRを使えることでRDEに対応した由。
重量は1.5Lエンジンよりも30kg増えています。うち、静粛性向上のための重量増が10kgですので、1.8Lエンジンでの重量増は正味20kgです。1.5Lエンジンと2.2Lエンジンの重量差は80kgですので、2.2Lエンジンよりも60kg軽いことになります。1.5Lエンジンの置き換え用として、軽量化と燃費には相当注力したようです。
この1.8Lエンジンはアクセラにも採用されて1.5Lエンジンを置き換えるでしょうが、2.2Lエンジンを置き換えるには至らないでしょう。もともとアクセラは2.2Lでは大きすぎて1.5Lでは小さすぎますので、従来の1.5Lエンジンと改良後の2.2Lエンジンの中間くらいのスペックで150psで出れば2.2Lエンジンが不要になりそうですが(日本国外仕様のアクセラ用2.2Lディーゼルエンジンは150ps)、今回の1.8Lエンジンの性能ではそれは難しそうです。かといって、CX-5やアテンザ用のディーゼルエンジンは将来はFR用の縦置きになりそうですので、そうなるとそのままではFFのアクセラに積むことができません。どうなるのでしょう。
デミオの1.5Lディーゼルエンジンを置き換えられるかというと、ただでさえフロントが重いのにさらに20kg重くなると操安設計が大変です。デミオでは過給圧がそこまで高くないので(AT車で250Nm、MT車で220Nm)、むしろAT車でもMT車同様に最大トルクを220Nmに抑制することで1.5Lのまま環境規制に適合することを考えた方が良さそうです。1.8Lエンジンと同様の改良を1.5Lエンジンにも施すことでエンジンの軽量化や性能向上が見込めるかもしれません。20kgくらい軽量化されるとその分ノーズが軽くなって曲がりやすくなります。トルクが不足する分は回転数で補うことにして、ATのセッティングを変更して最大トルク220Nmでも支障しないように低めのギアで引っ張ればCX-3とは異なる軽快な走りが実現できるかもしれません。デミオディーゼルはコンパクトカーらしからぬ重厚な乗り味が魅力ですが、CX-3がある以上、キャラクターを分けた方がよいのではないでしょうか。
3.全車速追従機能付MRCCと電動パーキングブレーキ
これがあると渋滞のときに楽ですし、電動パーキングブレーキの採用でスペースに余裕ができますので、デミオにも採用されればそれに越したことはありませんが、価格差およびかけられるコストの差を考慮すると難しいかもしれません。全車速追従機能有のCX-3と全車速追従機能無のデミオを比較すると、多少高くても全車速追従機能有のCX-3が魅力的に見えます。特にCX-3の2Lガソリンエンジン車はデミオの1.5Lディーゼルエンジン車と同じ予算で買えますので。
4.JC08モード燃費表示の廃止
JC08モード燃費は実燃費が2割引きくらいですので別段当てにしているわけではありませんが、モノサシが変わってしまうと同じ条件で比較できなくなりますので、1.8Lディーゼルエンジンの燃費性能が1.5Lエンジンに比べてどう変化したかがわかりにくいです。もしかしたら敢えてわかりにくくしているのかもしれませんが。WLTCモード燃費自体は実際に運転したときの実燃費の数字に近いので、本来ならばこちらを基準に比較した方がよいと思います。
5.2Lガソリンエンジンの改良
CX-5用と同様の改良が加えられています。その結果、出力とトルクが微増しています。それでいて燃費の数字が少し悪化していますが、遮音材を増やして重量が10kg増えた影響でしょうか。2LエンジンはCX-3には余裕がありますので、気筒休止が採用されれば燃費が良くなるかと期待しましたが、今回は気筒休止の採用はならず。
ガソリンエンジンの改良はEURO6に適合するためのもので、特にkm当たりのPM排出量を10分の1にすることが求められています。同様の規制は1.5Lガソリンエンジンにも適用されますので、1.5Lエンジンにも同様の改良が施されるのではないでしょうか。
6.価格
ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車ともに本体価格3万円ほどの上昇です。ディーゼルエンジンが1.8Lになったり、静粛性が向上したり全車速追従機能が付いたり、従来はメーカーセットオプションが標準装備されたりしていますので、価格差以上に改善しているように見えます。もっとも、CX-3はサイズを除けばCX-5と競合し、価格が近いにも関わらず車格相応の差がありますので、CX-3ならではの魅力をどこに持たせるかが鍵でしょう。
ガソリンエンジンの改良はEURO6に適合するためのもので、特にkm当たりのPM排出量を10分の1にすることが求められています。同様の規制は1.5Lガソリンエンジンにも適用されますので、1.5Lエンジンにも同様の改良が施されるのではないでしょうか。
6.価格
ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車ともに本体価格3万円ほどの上昇です。ディーゼルエンジンが1.8Lになったり、静粛性が向上したり全車速追従機能が付いたり、従来はメーカーセットオプションが標準装備されたりしていますので、価格差以上に改善しているように見えます。もっとも、CX-3はサイズを除けばCX-5と競合し、価格が近いにも関わらず車格相応の差がありますので、CX-3ならではの魅力をどこに持たせるかが鍵でしょう。