2020年4月25日土曜日

今更ながらCX-3に1.5Lガソリンエンジン車が登場しました

2020年4月23日にCX-3の1.5Lガソリンエンジン車が発売されました。

とりあえず諸元データを見てみると、エンジンの圧縮比は13ですので、Mazda 3と同様に4-2-1排気管付で、4-2-1排気管無で圧縮比12のMazda 2と差をつけています。CX-3のエンジンルームだと4-2-1排気管をつけるスペースがあるようです。

変速機については、2Lエンジン車がMazda 3よりも最終減速比高めなのに対し1.5Lエンジン車ではMazda 3と同じ最終減速比になっています。1.5Lも2Lも同じエンジンを積んだMazda 3よりも100kg以上軽いので、よく走りそうです。CX-30との比較では2Lエンジンでも150kg軽く、1.5Lエンジンでは200kg近く軽いです。一方、1.5Lエンジンを積んだMazda 2よりも150kgほど重いです。しかしMazda 2の1.5Lエンジン車が最終減速比低めで低い回転数でゆったり走らせるのに対して、CX-3ではMazda 3と同様にローギアードで積極的にエンジンを回しますので、1.5Lエンジンの長所を生かしやすそうです。先代アクセラの1.5Lよりも70kg軽いため、1.5Lでも軽快に走れそうです。

2Lガソリンエンジン車と燃費を比較してみるとやはり1.5Lの方が1km/Lほど燃費が良いです。高速道路では差が縮まりますが、街乗りで燃費が良いのは魅力です。一方、Mazda 2よりも2km/Lほど劣ります。

装備については、コストを下げ2Lエンジン車と差をつけるためにMRCC、TSR、ALH無しですが、街乗り主体でしたらおそらく問題ないでしょう。LEDヘッドライトはカバーと一体になったユニットで1基10万円以上と高価ですので、コストを下げようとすると真っ先にここに手をつけることになります。ホイールは16インチのみですが、Bセグメントのシャシーですので16インチの方が合いそうです。

価格については、装備を簡略化することで2Lエンジン車よりも60万円ほど安いです。従来2Lエンジン車はCX-30の2Lエンジン車とさほど変わらない値段で、同じ値段でCセグメントのCX-30を買えるのにわざわざBセグメントのCX-3を買う動機はありません。CX-30ですらあと15万円出せばCX-5に乗れます。かといって今更CX-3のディーゼルエンジン車や2Lエンジン車を値下げするわけにもいかず、装備を簡略化した1.5Lエンジン車を出してCX-30のガソリンエンジン車よりも50万円ほど安くしたようです。

一方、同じエンジンを積んだMazda 2よりも30万円ほど高いですが、エクステリア以外はMazda 2と同じですので、安さを求めるならMazda 2を選ぶでしょうし、長距離向けの装備をつけるならMazda 2の上位グレードを買った方が却って安かったりもします。それでもCX-3のエクステリアに魅力を感じる人にとってはかなり手が届きやすくなったのでないでしょうか。

このたびCX-30の1.5Lエンジン車が発売された背景を推測すると、高級路線、重厚路線をCX-30に譲って、CX-3は走りも内装も値段も軽快なパーソナルカーと位置付けようとしているのではないでしょうか。Bセグメント車とCセグメント車とを同じ土俵で比較したら内装も走りも車格相応の差が出てしまいますので、位置づけをずらそうとしているのでしょうか。従来ヴェゼルのような車を志向していたのが、ジュークのような車を志向するようになったかに見えます。また、Mazda 2も上品路線を志向するようになりましたので、もっと元気そうな車を求める人の受け皿となりそうです。CX-30同様にMazda 3も重くて高く、しかも走りはおとなしめですので、それでは物足りない人はCX-3を選ぶかもしれません。1.5Lエンジンの使い方としては一番バランスが取れていそうです。

ついでにCX-3の今後を予想してみると、日本では2LとディーゼルはCX-30と競合して売れなくなってフェードアウトし、1.5Lモデルのみがベリーサのように細々と売れ続けるのではないでしょうか。Mazda 2がフルモデルチェンジでどうなるかわかりませんが、Mazda 2に1.8Lディーゼルエンジンを積んだり電気自動車用の蓄電池を積んだりする場合には車高を上げた方が有利ですので、CX-3と統合された新しいSUVタイプの車になる可能性もあります。